回転機技術委員会の最近の活動 Recent Activities of

平 成 2 7 年 3 月 1 日 発 行
電気学会産業応用部門(D部門)ニュースレター 2015 年 3 月号 (http://www2.iee.or.jp/ver2/ias/nl/)
回転機技術委員会の最近の活動
Recent Activities of Rotating Machinery Technical Committee
電気学会 産業応用部門 回転機技術委員会委員長
深見
正(金沢工業大学)
Tadashi Fukami (Kanazawa Institute of Technology)
Chair, Rotating Machinery Technical Committee, Industry Applications Society, IEEJ
1. まえがき
回転機技術委員会は,部門発足前の 1979
「再生エネルギーシステムにおける発電機技術の現状と動
年 10 月に設置され,36 年の歴史と伝統のある技術委員会と
向」,「サービスロボット用小形モータ技術」である。
して歩み続けている。回転機は,電気・機械エネルギー変
専門委員会(調査専門委員会)は,同期機,誘導機,直
換を,高密度,高効率で実現でき,社会基盤を支えるキー
流機の基本技術に加えて,電磁界解析などの周辺技術,一
デバイスとして,電力,産業,交通,家電などの幅広い分
般産業のほか,自動車,家電,民生,再生可能エネルギー
野で利用されている。このため産業応用部門(D 部門)で
などの各分野における回転機技術について調査活動を進め
は,回転機が重要な技術分野の 1 つとなっている。
ている。現在,活動中の専門委員会は 5 つある(詳細は末
尾の HP 参照)。今月(2015 年 3 月)末をもって 2 つの委員
当技術委員会では,この回転機に関する研究会や見学会,
技術会合(シンポジウム,産業応用フォーラム)などの企
会が解散するが,2015 年度内に小形モータに関する後続の
画・運営に加えて,専門委員会(調査専門委員会,協同研
委員会に加え,新たに同期機,誘導機に関する 2 つの委員
究委員会)設置による調査活動と技術報告の取りまとめ,
会を順次設置し,調査活動をより充実させていく予定であ
さらには論文委員会との連携による特集論文の企画などを
る。従来から専門委員会は,シンポジウムだけでなく,調
行っている。以下に,最近の活動について紹介する。
査終了後に技術報告を発行し,産業応用フォーラムを開催
2. 技術委員会の構成
現在の構成は,委員長,副委員
している。これにより,会員に対する調査結果の啓蒙だけ
長各 1 名に加え,1 号委員 14 名,2 号委員 5 名,幹事 2 名,
でなく,相互の交流と技術活動の活発化に貢献している。
幹事補佐 2 名の計 25 名からなっている。1 号委員は,伝統
また,当技術委員会では,研究会や部門大会などで発表
的に,大学,電力会社,電力中央研究所,鉄道総合技術研
した論文を対象に,定期的に和文および英文論文誌 D に「回
究所,電機メーカ,自動車メーカから選任し,2 号委員は専
転機技術」特集号を企画し,最新かつ実用性の高い論文を
門委員会委員長としている。いずれの委員も,回転機に関
多数掲載している。直近では,2013 年 11 月と 2014 年 11 月
して深い学識経験を持つ第一級の研究者・技術者である。
に英文論文誌 D に,また,2015 年 11 月に和文論文誌 D に,
3. 最近の活動状況
研究会は,基本的に年 6 回開催し
それぞれ特集号を組んでおり,回転機分野における研究
ている。直近 3 年間の年平均発表論文数は 124 件である。
者・技術者のインセンティブを高めている。
中でも 10 月開催の研究会(テーマ:「回転機一般」)では,
さらに,当技術委員会の国際活動として,ICEMS(電気
例年 200 名規模の参加者があり,論文発表,議論が活発に
機器とシステムに関する国際会議)の支援がある。D 部門
行われている。回転機は前述のように多くの分野と深い関
主催により,日本における最初の会議が 2006 年に長崎で開
わりを持っており,年間 6 回の研究会のうち 4 回が他の技
催された。その後,2009 年に東京,2012 年に札幌で開催さ
術委員会との合同研究会となっている。D 部門内では,モ
れている。2016 年には 4 年ぶりに日本で開催される。
ータドライブ(MD),リニアドライブ(LD),家電・民生
4. むすび
(HCA),自動車(VT)の各技術委員会と,また他部門では,
回転機技術委員会は,以上述べた諸活動を
通して世界の最先端を行く日本の回転機技術発展の活力源
となるように努めていきたいと考えている。
電力・エネルギー部門(B 部門)の静止器(SA)技術委員会
関係の皆様には,当技術委員会の活動に,より一層のご
と,それぞれ研究会を共催している。
支援とご協力をお願いすると同時に,多くの皆様に研究会
シンポジウムは,毎年,D 部門大会や全国大会で企画し
ている。直近では,今月(2015 年 3 月)東京都市大学で開
やシンポジウムなどへの積極的な参加をお願いしたい。
催される全国大会において 2 件予定している。テーマは,
(参考)当技術委員会の HP → http://www2.iee.or.jp/~drm/
© 2015 The Institute of Electrical Engineers of Japan.
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