Ⅰ マイナンバーの導入目的と利用範囲

Q63
平成 27 年 10 月より各人へマイナンバーが通知され、平成 28 年 1 月よりマイ
ナンバーの利用が開始されると聞きました。企業や個人事業主として、準備すべきこと
を教えて下さい。
A: マイナンバー制度は現在も整備中の部分もあるので、まずは基本的な部分をお知
らせします。今回は、マイナンバー制度について、その導入目的と利用範囲について解
説します。各会社において、「番号法」(*)に基づき、マイナンバーの取り扱いの制限に
ついて理解して、取引先や従業員へ不信感を与えないように、セキュリティーの強化に
取り組む必要があります。
*「番号法」…行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
Ⅰ
マイナンバーの導入目的と利用範囲
1.導入目的
①公平・公正な社会の実現
②国民の利便性の向上
③行政の効率化
2.利用範囲
マイナンバーの利用は、現在のところ、下記の 3 つの分野に限定されています。通常、
一般の民間企業等で関係するのは、社会保障分野と税分野ということになります。
Ⅰ 社会保障分野
Ⅱ 税分野
・年金分野
国民が税務当局に提出する確
年金の資格取得・確認、給付を受
定申告書、届出書、調書等に記
ける際に利用
載。当局の内部事務等に利用。
・労働分野
雇用保険等の資格取得・確認、給
付を受ける際に利用。ハローワー
マイナンバー
ク等の事務等に利用
・福祉・医療・その他分野
Ⅲ 災害対策分野
医療保険等の保険料徴収等の医
ファイアーウォー
療保険者における手続、福祉分野
ルで守られてます
の給付、生活保護の実施等低所
(災害発生時に、行政機関や金
融機関が、被災者支援に利用す
ることを想定している)
得者対策の事務等に利用
個人情報を一元的に管理することができる機関または主体は存在せず、分散管理され
ています。
1
Copyright 2015 MinatoTax&Consulting Firm
Ⅱ
マイナンバーの取り扱いの制限
マイナンバーは、番号法に定められた場合以外の目的で、取得・収集・提供・利用・
保管をすることは禁止されています。
1.マイナンバーの取得・収集の制限(番号法 19)
従業員や報酬等の支払先に対し、マイナンバーの提供を求めることができます。マイ
ナンバーを取得・収集する際には、番号確認と身元確認が必要となります。この取得・
収集については、利用目的を通知・公表しなければならず、その利用は目的に関連した
ものに限られます。よって例えば、雇用契約に基づき提供されたマイナンバーは、その
従業員へ支払う配当の支払調書への記載は目的外となるため、新たに利用目的を通知・
公表する必要があります。
なお、このマイナンバーの取得・収集は、平成 28 年 1 月以降に行政機関等に書類を
提出する時までに行う必要があります。
2.マイナンバーの提供の制限(番号法 19)
社内の部署間でのやりとりは提供には該当しませんが、親子会社間や出向元・出向先
間において、従業員のマイナンバーを提供することはできません。ただし、マイナンバ
ーの収集や保管に関する業務について、業務委託契約を締結している場合は提供が可能
となります。
3.マイナンバーの利用の制限(番号法 9)
マイナンバーの利用は主に行政機関等で行われるため、企業等としてはマイナンバー
を記載した書面を行政機関等に対して提出するという側になります。
具体的には、社会保障分野においては健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保険
の手続きや、税分野においては源泉徴収票や支払調書(個人外注や報酬、不動産使用料
など)など法定調書等の税務署への提出があります。
4.マイナンバーの保管・廃棄
マイナンバーを廃棄すべき時期とは、法令で定める保存期間や税務上の時効を過ぎた
場合など、利用目的がなくなった時点で廃棄をする必要があります。退職者のマイナン
バーについては、利用目的がなくなったため直ちに廃棄する必要があるのではなく、法
令で定める保存期間により判断します。
2
Copyright 2015 MinatoTax&Consulting Firm
Ⅲ
セキュリティーの強化
マイナンバー制度導入にあたって、事業者は、以下の 6 つの「安全管理措置」を講じ
なければなりません。この詳細は「特定個人情報保護委員会」より事業者編ガイドライ
ンとして公表されています。(別添 PDF をご覧ください。
)
なお、従業員数が 100 人以下の「中小規模事業者」については、若干簡便な方法が
認められています。
①基本方針の策定
②取扱規定等の策定
③組織的安全管理措置
④人的安全管理措置
⑤物理的安全管理措置
⑥技術的安全管理措置
Ⅳ
罰則
従来の個人情報保護法に比較して罰則は格段に重くなっています。主な罰則は以下の
通りです。
行為
法定刑
個人番号利用事務等に従事する者が、
4 年以下の懲役 or200 万円以下の
正当な理由なく、特定個人情報ファイ
罰金 or 併科
ルを提供
上記の者が、不正な利益を図る目的で、 3 年以下の懲役 or150 万円以下の
罰金 or 併科
個人番号を提供又は盗用
3
Copyright 2015 MinatoTax&Consulting Firm