ベルト伝動技術懇話会 企画委員会主催 第 18 回講演会について ベルト伝動技術懇話会における、第 18 回目となる企画委員会主催の講演会を去る 9 月 7 日(金) 、同志社大学今出川校地 室町キャンパス寒梅館にて開催いたしました。 今回は「ベルト技術の明日を学ぶ ~新素材と新規評価方法~」と銘打ち、多様な分野 の講師の方々をお招きしご講演頂きました。 参加者は、当会会員のベルト関連企業及び大学関 係者に加え、非会員の方々も含め、総勢 48 名と大 変多くの方々にご参加頂き、それぞれの講演におい て活発な質疑応答も行われました。 ~当日の講演内容~ 山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻の井上隆氏による、「非粘弾性ナイロ ン系アロイ」のテーマでは、一般的な高分子素材 は粘弾性体であるため、衝撃荷重等の高速で変形 させる荷重が加わると、より固い材質として振る 舞う性質があるが、今回ご講演頂いた「NOVA」 という新しい素材は、通常状態では一般的なプラ スチック素材の様に、ある程度の剛性を持った性 質だが、ひとたび衝撃荷重が加わると、ゴムのよ うな弾性体の性質に変化し、素材自体が変形し衝 撃を吸収するといった特性を持つ、これまでにな い画期的な素材の物性と特徴を解説頂きました。 帝人株式会社新事業開発推進グループ融合技術研究所の小林伸弥氏による、「新規素材 (カーボンナノファイバー:CNF)について」のテーマでは、化学繊維の一般的な製造方 法である溶融紡糸法を応用して、低コストに製造可能であり、繊維直径が 300nm、繊維長 は 20μm以上と従来の CNF の 10 倍以上にも及び、電気抵抗が従来より 30~40%低いと いう特徴を持った CNF を開 発したということで、その開 発工程や特徴を解説頂きまし た。 アクト電子株式会社代表取締役の田中克典氏による、「レーザドップラ速度計の原理と応用方 法」のテーマでは、レーザドップラ速度計の測定原理と 使用方法、2チャンネル速度・速度ムラ測定器への応 用と実際にベルトを使用した事例を紹介頂きました。ま た、2チャンネル速度計を用いた非接触による伝達誤 差測定、スリップ率測定への応用方法についても解説 頂きました。 バンドー化学株式会社伝動事業部伝動技術研究所の坂中宏行氏による、「二輪車用変速Vベ ルトにおける動力損失要因の分離手法」のテーマでは、ベルト効率を向上する各要因を分離する 手法を確立する事で、ベルトにおける各動力損失因子 の内訳を求め、影響の大きい要因を明らかにして、効率 向上に役立てる事を目的とし、ベルト効率に影響する各 動力損失要因を分離する方法について解説頂きまし た。
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