vol.229 2015年度の買取価格、太陽光は10kW未満で33円

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2015 年 2 月27 日号
229
ハウジング・トリビューン【ウィークリー】
http://www.sohjusha.co.jp
今週のトピック解説
2015年度の買取価格、太陽光は10kW未満で33円
太陽光発電の買取価格
経済産業省は、2015年度の再生可能エネルギーの買取
価格を決定した。太陽光発電の10kWh未満の買取価格は、
1kWh当たり33円(2014年度は1kWh当たり37円)となる。
また、10kWh以上の区分での買取価格については、段階
2014年度
10kW 未満
的に引き下げる。まず4月に1kWh当たり29円(前年比3円減)
に下げ、さらに7月から2円引き下げ27円とする。
10kWh未満、10kWh以上ともに、固定価格買取制度が開
37円 /kWh
2014年度
10kW 以上
32円 /kWh
2015年度
出力抑制装置なし 出力抑制装置あり
33円 /kWh
35円 /kWh
2015年度
4月1日〜6月30日
7月1日〜
29円 /kWh
27円 /kWh
始された2012年度以降、3年連続の引き下げとなった。
太陽光への偏重を是正
光発電が増えすぎた結果、太陽光の発電量が需要を上回る懸
念が出てきたことなどに対応するための措置。
固定価格買取制度では、再生可能エネルギー導入の供給状
現行制度では、500kW以上の太陽光発電については、電
況や適正な利潤、建設コストを踏まえ、毎年度、買取価格を
力会社が出力抑制の申請を行えるルールがあったが、この出
見直すことになっている。
力抑制の対象を500kW未満の太陽光発電にまで拡大した。
再生可能エネルギー発電設備の中で突出して増加している
これにより、戸建住宅に設置する10kW未満の太陽光発電
のが太陽光発電である。家庭用に加え、1000kW以上のメ
も出力抑制の対象となり、電力会社が遠隔で出力抑制を制御
ガソーラーも全国各地で計画・建設が進んでいる。
できる装置の設置が義務づけられる。2015年4月以降、接続
固定買取制度の開始後、2014年度9月末時点で、新たに
申し込みを行う10kW未満の太陽光発電に適用される。
運転を開始した再生可能エネルギーの発電設備の容量は約
ただし、現時点では出力抑制装置は実用化されていないた
1321万kW(制度開始前と比較して6割増)にのぼり、この
め、将来的に出力抑制装置を導入することが求められる。なお、
うち太陽光発電が9割以上を占めている。
太陽光発電協会は、出力抑制装置の設置により、1kW当た
太陽光発電の普及拡大が進む中で、太陽光発電システムの
り1.88万円の追加費用が発生すると試算している。
調達価格も下がってきている。2014年度の買取価格を設定
出力抑制装置の設置が義務づけられるのは、九州電力や、
する際に算定した調達価格は、2013年10月〜12月の平均で
東北電力、北海道電力、四国電力、沖縄電力、北陸電力、中
ある38.5万円/kWを採用していた。それが直近の2014年10
国電力の管内。現状では、東京電力、中部電力、関西電力に
月〜12月では、同36.4万円/kWまで値下がりしている。
は接続量に余裕があり、出力抑制装置の設置が義務付けられ
今回の買取価格の見直しでは、再生可能エネルギーが太陽
光発電に偏っている現状を踏まえて、太陽光発電の買取価格
ていない。
そこで、出力抑制装置の設置が義務付けられる管内では、
を重点的に引き下げる方針を示した。
設置コストを考慮して買取価格を高めに設定。出力抑制装置
出力抑制装置の設置による不公平感を解消
を設置する場合の買取価格は、1kWh当たり35円、出力抑
今回の太陽光発電の買取価格の見直しには、出力抑制のル
した。これにより、出力装置の設置の有無で、不公平感が生
ールが新設されたことが大きく影響している。これは、太陽
制装置を設置しない場合の買取価格は1kWh当たり33円と
じることを抑制する。
今週の主なニュース
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・住友不動産 部分断熱リフォームを開始 低コスト、 ・文化シヤッター 業界初、HEMS に対応した電動窓
短期施工を実現
シャッターを開発 モニターやスマホで制御可能
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導入 日立と連携し横浜で供給
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