(平成25年度)[PDF:376 KB]

JAバンク熊本における
地域密着型金融の取組状況
(平成25年度)
平成26年9月
農林中央金庫熊本支店
1
JAバンク熊本(JA・農林中央金庫熊本支店)では、
農業と地域社会に貢献するため、地域密着型金融
の推進に取り組んでおります。
今般、平成25年度の地域密着型金融の取組状況
について取りまとめましたので、ご報告いたします。
2
目次
Ⅰ 農山漁村等地域の活性化のための融資をはじめとする支援
(農業メインバンク機能強化への取組み)
…P 4
Ⅱ 農業担い手の経営のライフサイクルに応じた支援
…P 11
Ⅲ 経営の将来性を見極める融資手法など、農業担い手に適した資金供給手法の
提供
…P 14
Ⅳ 農山漁村等地域の情報集積を活用した持続可能な農山漁村等地域育成への
貢献
…P 19
3
Ⅰ 農山漁村等地域の活性化のための
融資をはじめとする支援
(農業メインバンク機能強化への取組み)
4
農業融資の円滑な取組み

JAバンク熊本は、農業近代化資金や日本政策金融公庫資
金の取扱いや、各種プロパー農業資金の提供を通じ、農業
者の農業経営と生活をサポートしています。

平成26年3月末時点のJAバンク熊本における農業関係資
金残高(注1)は499億円、日本政策金融公庫の受託貸付金(注2)
残高は57億円となっています。
(注)
1. 農業関係資金残高には、農業者・農業法人および農業関連団体に対する農業生産・農業経営に必要な資金や、農産物の生産・加工・流通
に関係する事業に必要な資金が含まれます。
2. JAバンクが農業者の窓口となり、日本政策金融公庫などの受託取扱を行っています。
5
農業資金残高(営農類型別)
【営農類型別農業資金残高(注1)】
営農類型
穀作
平成24年3月末
平成25年3月末
平成26年3月末
3,198
2,842
2,508
11,551
10,323
9,663
果樹・樹園野菜
4,169
3,808
3,509
工芸作物
1,598
1,450
1,300
13,389
12,708
11,653
129
102
83
27
22
19
22,273
20,249
17,959
2,645
4,208
3,245
58,983
55,716
49,940
野菜・園芸
養豚・肉牛・酪農
養鶏・鶏卵
養蚕
その他農業(注2)
農業関連団体等(注3)
合 計
6
単位 百万円
(注)
1. 農業資金とは、農業者、
農業法人および農業関連
団体等に対する農業生産・
農業経営に必要な資金や、
農産物の生産・加工・流通
に関係する事業に必要な
資金等が該当します。
2. 「その他農業」には、複
合経営で主たる業種が明
確に位置づけられない者、
農業サービス業、農業所
得が従となる農業者等が
含まれています。
3. 「農業関連団体等」には、
JAや経済連、その子会社
等が含まれています。
農業融資残高(資金種類別)
【資金種類別農業資金残高】
種 類
単位 百万円
平成24年3月末
平成25年3月末
平成26年3月末
プロパー農業資金(注1)
39,913
37,038
33,114
農業制度資金(注2)
19,070
18,678
16,826
5,736
5,807
5,241
その他制度資金(注3)
13,333
12,871
11,585
合 計
58,983
55,716
49,940
農業近代化資金
【農業資金の受託貸付金残高】
種 類
日本政策金融公庫資金(注4)
その他
7
合 計
単位 百万円
平成24年3月末
平成25年3月末
平成26年3月末
7,932
6,812
5,687
0
0
0
7,932
6,812
5,687
(注)
1. プロパー農業資金とは、JA
および農林中金熊本支店原資
の資金を融資しているもののう
ち、制度資金以外のものをい
います。
2. 農業制度資金には、①地方
公共団体が直接的または間接
的に融資するもの、②地方公
共団体が利子補給等を行うこ
とでJAおよび農林中金熊本支
店が低利で融資するもの、③
日本政策金融公庫が直接融資
するものがあり、ここでは①の
転貸資金と②を対象としていま
す。
3. その他制度資金には、農業
経営改善促進資金(スーパーS
資金)や農業経営負担軽減支
援資金などが該当します。
4.JAバンク熊本では、主にJA
を窓口として、日本政策金融公
庫資金の受託貸付金を取り
扱っています。
農業担い手のニーズに応えるための体制整備
8

JAバンク熊本では、地域の農業者との関係を強化・振興す
るための体制整備に取り組んでいます。

JAでは、本支店の農業融資担当者が、営農・経済担当者
がお聞きした情報も含めて把握して、農業融資に関する訪
問・資金提案活動を実施しています。また県内全JAに「担
い手金融リーダー」を設置し、訪問・資金提案活動の取組
みをサポートしています。

農林中金熊本支店では、「県域農業金融センター機能」を
構築し、農業法人等への融資相談や、JAの農業融資機能
強化に向けた取組みに、様々なかたちで取り組んでいます。
農業法人とのコミュニケーション強化の取組み
9

農林中金熊本支店は、熊本県農業法人協会の賛助会員と
して、地域農業の有力な担い手である農業法人経営者の
皆様と活発に交流を深めています。

農業法人への訪問活動を通じた交流のほか、JAグループ
のネットワークを活用し、㈱農林中金アカデミー(旧:協同セ
ミナー)・㈱農林中金総合研究所と協力してセミナーを開催
するなど、経営者の皆様への情報提供にも取組んでいます。

これらの活動を通じ、経営者の皆様より、資金のご相談に
限らず、JAグループが今後果たしていくべき役割等につい
ても貴重なご意見をいただいており、今後のJAの業務運営
に活かしてまいります。
事業間連携強化・農商工連携の取組み
10

農業者の多様なニーズに対し、JAグループを挙げて応えて
いくため、営農・経済事業等と合同での会議・研修の開催
や農業法人等への同行訪問などにより、これまで以上に事
業の垣根を越えた連携強化に取り組んでいます。

また、熊本県中央会・熊本県経済連・熊本県共済連と連携
し、6次産業化の促進にかかる取組みとして6次産業化促
進対策連絡会・協議会を設置しています。
Ⅱ 農業担い手の経営のライフサイクルに応じた
支援
11
新規就農者の支援

JAバンク熊本では、新規就農者の経営と生活をサポート
するための就農支援資金などを取り扱っています。
【平成25年度 新規就農者をサポートする資金の実績】
平成25年3月末
就農支援資金

12
978
単位 件・百万円
平成25年度実行
件数
金額
36
229
平成26年3月末
1,054
平成22年度より、JAバンクアグリサポート事業として、「JA
バンク新規就農応援事業」を創設し、新規就農希望者(研
修生)の育成を行う農家等に費用助成を行っています。
経営不振農業者の経営改善支援

13
JAバンク熊本では、経営改善が必要な農業者に対し、農業
経営負担軽減支援資金をはじめとする負債整理資金の対
応や、関係機関と連携した経営再建にかかる会議等の開
催を通じ、経営改善・再生にかかる支援を行っています。
経営改善支援
取組先
A
Aのうち再生計画を
策定した先
α
Aのうち債務者区分
がランクアップした先
β
事業計画策定率
α/A
ランクアップ率
β/A
正常先
263
246
-
93.5%
-
要注意先
205
176
61
85.9%
29.8%
破綻懸念先
92
70
16
76.1%
17.4%
実質破綻先
42
35
7
83.3%
16.7%
破綻先
2
2
0
-
-
604
529
84
87.6%
13.9%
合計
Ⅲ 経営の将来性を見極める融資手法など、農業
担い手に適した資金供給手法の提供
14
負債整理資金による経営支援

JAバンク熊本では、農業者の債務償還負担を軽減し経営
再建を支援するため、負債整理資金を取り扱っています。
【平成25年度 負債整理資金の貸出実績】
平成25年3月末
単位 件・百万円
平成25年度実行
件数
金額
平成26年3月末
農業経営負担軽減支援資金
1,998
5
101
1,907
畜産特別資金
1,341
3
203
1,241
その他
13,848
128
798
12,239
合計
17,187
136
1,102
15,387
・農業経営負担軽減支援資金は、営農に必要な資金を借り受けたために生じた負債の借換えのための制度資金で、JAなどの融資機関におい
て取り扱っています。
15
・畜産特別資金は、過去の負債の償還が困難な畜産経営者に対する長期・低利の借換資金で、JAなどの融資機関において取り扱っています。
・その他には、制度資金以外のプロパー資金(借換え資金など)が含まれます。
農業融資への利子助成の実施

JAバンク熊本では、農業者に対するJA農機ハウスローン、
21世紀農業フォローアップ資金、スーパーS資金、農業近
代化資金などの融資について、JAバンクアグリ・エコサ
ポート基金から最大1%の利子助成を行いました。
【JAバンクアグリ・エコサポート基金からの利子助成実績】
対象資金
21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 5ヵ年累計
JA農機ハウスローン
8,413
11,674
12,397
12,762
12,854
58,100
21世紀農業フォローアップ資金
7,648
12,629
14,462
15,826
16,064
66,629
スーパーS・農業近代化資金
377
218
120
454
2,398
3,567
助成額
16,438
24,522
26,981
29,042
31,315
128,298
1,723
2,298
2,607
2,842
3,002
12,472
合計
16
単位 千円・件
件数
動産担保融資の活用

JAバンク熊本では、農畜産物などの動産を担保とした融
資を行い、不動産担保や個人保証に過度に依存しない融
資に取り組んでいます。
【平成25年度 動産担保融資の活用実績】
単位 件・百万円
平成26年3月末
件数
農畜産物担保融資
17
金額
27
2,237
農業法人向け資本提供の枠組み

JAバンク熊本では、農業法人に対する融資のみならず、
「アグリシードファンド」、「担い手経営体応援ファンド」を
通じた出資による資金提供に取り組んでいます。

本ファンドは、JAグループの一員であるアグリビジネス投
資育成株式会社 が運営する出資による資金提供の枠
組みです。
※

18
JAバンク熊本では、平成22年の取扱開始よりJAと県域
農業金融センターが連携のうえ、県内の農業法人に資本
政策のご提案を行い、本ファンドをご活用いただいていま
す。平成26年8月末現在の実績は、20法人180百万円で
す。
※ アグリビジネス投資育成㈱についてはこちらをご参照ください http://www.agri-invest.co.jp/
Ⅳ 農山漁村等地域の情報集積を活用した持続
可能な農山漁村等地域育成への貢献
19
災害等に対する緊急支援
20

JAバンク熊本では、災害や生産資材高騰に対応す
るため、融資の相談窓口を設置し、個別融資先の
経営状況に応じて、制度資金の実行や償還条件の
緩和等に取り組みました。

平成25年度は、天候不順で農畜産物の被害を受け
た組合員に対し、JAのプロパー資金などを活用し、
運転資金対応に取り組みました。
災害等に対する緊急支援

JAバンク熊本における災害・生産資材高騰に伴う緊急支援
資金の取組み実績は下表のとおりです。
【平成25年度 災害等に対する緊急支援資金の貸出実績】
平成25年3月末
単位 件・百万円
平成25年度実行
件数
JA災害資金
2
2
2
その他
3,720
7
81
2,426
合計
3,720
9
83
2,428
・JA災害資金は、平成25年度において農畜産物の被害を受けた農家に対し,低利のJA独自資金です。
21
平成26年3月末
金額
・その他資金の主なものは、県下JAが独自に行う販売価格低迷対策資金などが含まれます。
JAバンク食農教育応援事業の展開
22

JAバンク熊本では、地域の小学生の農業に対する理解
を促進するため農業に関する教材の配布や農業体験学
習の受入れなどに取り組んでいます。

教材「農業とわたしたちのくらし」は、JAを通じて県下の小
学5年生に配布され、授業等で活用されています。
JAバンク食農教育応援事業の展開

JAでは、「あぐりキッズスクール」などの活動を通じ、食農
教育の実践活動に積極的に取り組んでいます。
【平成25年度 県内JA食農教育活動の例】
JAたまな
「親子わくわく体験農園」
JA菊池
「まんまキッズスクール」
JA阿蘇
「まるごとあそっ子スクール」
JA熊本うき
「あぐりキッズスクール」
※ 詳しくはJAのホームページをご覧ください。
23
JAたまな
http://www.jatamana.or.jp/
JA菊池
http://jakikuchi.jp/
JA阿蘇
http://www.jaaso.or.jp/
JA熊本うき
http://www.jauki.or.jp/index.php