萬葉百首絵歌留多 「万葉百首絵歌留多」(以降、絵歌留多)は関東大震災

万葉図書・情報室だより
号
いくた ちようすけ
優雅さ であろ う」と称 賛してい ます。
ほ り 、 一 枚 一 枚 手 刷 さ れ て い ま す。
仮名書きしています。これを木版に
まこと にふさ わしい仕 事であっ た 。そ
と思う 。『主婦の友』 の仕事 として、
にかかってくだすったことは流石だ
歌 人 の 生 田 蝶 介 は「 石
*川 武美氏
がこの ことを 発案し 、この 立派な 仕事
ちな みに 、尾上 柴舟は 、国文 学者に
して名筆の名を恣にする尾上柴舟氏
まんようひやくしゆ え か る た
して歌 人 。当館 の万葉庭 園にある 歌碑
によっ て美し く書かれ 、靫彦 ・古径 ・
萬 葉 百 首 絵 歌留 多
「万 葉百首 絵歌留多 」(以降、絵 歌
の揮毫 者のひと り 杉 岡 華 邨 氏の師匠
『主婦 の友 』昭和三 年四月 号に 、絵
れた 、純日 本の味 である 」と絶 賛して
い絵が精巧なる木版によって添えら
すぎおか か そん
留多 )は関 東大震 災復興記念 として 主
でもあ ります 。
歌留多について諸家の批評が掲載さ
います 。
現在 、当館 ではこの『萬葉 百首絵 歌
れてい ますの でご紹介 します。
百穂・ 青邨・ 九浦の五 氏によっ て趣深
婦の友 社が企 画 、昭和二 年に刊 行され
ました 。
絵歌 留多に された百首 は、婦 人向
けの雑 誌『主婦 の友 』に投 票用紙 が刷
斉藤 茂吉は「今度主 婦の友 社から出
た「萬 葉百首 絵かるた 」という ものは、 留多 』を画 家ごと に五回にわ たり 、一
り込ま れ 、読者 投票によ って選ば れま
した 。あら かじめ 候補の歌二 百首が 当
く じようたけ こ
わか やま ぼく すい
まえ だ ゆうぐれ
さい
国民 新聞社長の 徳 富 蘇 峰 は「今そ
の研究上、貴重な資料を所蔵しています。
(徳富蘇峰のコレクション)など 国文学
の万葉集関係の貴重書)や成 簣 堂文庫
せ いきどう
を設立。竹 柏 園本(佐佐木信綱氏所蔵
ちくはくえん
館」
(現「
(一財)石川武美記念図書館」
)
の幸福を願う理念から、
「お茶の水図書
主婦の友社の創業者。女性の向上と家庭
是非、
般展示 室で展 示してい ます。
ぜんま ろ
おお
社でも 非常な 骨折りで 、
満一 ヶ年の 歳
き
さ さ き のぶつな
時の歌 壇の十大 家(佐佐木 信 綱 ・ 太
この機 会にご 覧くださ い。
と
お のえさいしゆう
月 を 費 や し て 完 成 し た も の で あ る。
とう も きち
た みず ほ
田 水 穂・ 尾 上 柴 舟・ 九 條 武 子 ・ 斎
〈中略 〉特色 は 、現代の 五大画 伯の絵
ち の まさ こ
三度の 投票に より 、
高点 順に入 選歌百
の実物 を見る に 、あまり にも立 派に出
石*川武美(いしかわたけよし)
藤 茂 吉 ・土 岐 善 麿・ 若 山 牧 水 ・
ようこ
こしら
を木版刷りにして 堅 牢 な紙で 拵 え
やなぎはら
けん ろう
柳 原 燁 子 ・ 茅野 雅 子 ・ 前 田 夕 暮 )
により 、しぼ りこまれ ました。 そして、 た点に ある」 と記載し ています 。
首が決 定・発 表されま した 。入選 歌一
来上が りて 、とて もこのま ま使用す る
とくとみ そ ほう
首につ き五名 ずつ 、
計五 百名に 完成し
茅野 雅子は「優雅な 美術品 。美術 品
ます。
にはい と惜し き心地す る 」と評 してい
まえ だ せいそん
○ 新 着図 書 案内 ○
☆万葉こゝろ旅4
( 中西 進 / 奈 良テ レ ビ 放送 )
☆青木周平著作集 上
( 青木 周 平/ おう ふう )
☆よみたい万葉集
(村田右富実/西日本出版社)
☆和書のさまざま
(国文学研究資料館/和泉書院)
☆古代の女性官僚
( 伊集 院葉 子 /吉 川弘 文館 )
☆平城京の住宅事情
(近江俊秀/吉川弘文館)
(高槻市教育委員会/吉川弘文館)
☆藤原鎌足と阿武山古墳
円
円
(里中満智子/講談社)
(天理大学附属天理図書館/八木書店)
☆日本書紀 乾元本
☆天上の虹
開館時間― 午前十 時~午後 五時半
休 館 日― 月曜日(祝日の場 合は翌
日 )・年末年 始・展示 替日
図書 室の ご 利用 は無 料で す
黒一枚
閲覧での ご利用に なりま す。
コピーサ ービス 白
カラー一 枚
奈良 県 立 万葉 文 化 館 万 葉図 書 ・ 情 報 室
奈良県高市郡明 日香村飛鳥 一〇
0 744― 54―1 850(代 )
V O L. 4 2
H2 7 . 7 . 2 5
た絵歌 留多が 贈呈され ました。
こ ばやし こ けい
萬葉絵歌留多(取札)
(絵)小林古径
絵歌 留多の 絵は 、
日本 画壇を 代表す
やすだ ゆきひこ
る安 田 靫 彦、 小 林 古 径 、 前 田 青 邨 、
の だ きゆう ほ
として 充分に 鑑賞に値 する 。出来 るこ
ひやくすい
平 福 百 穗 、 野 田 九 浦 が描 き、 歌
となら 金の小 屏風にで も張りま ぜて、
ひらふく
は、
戦前 戦後に 偉大な指導 力を発 揮し
朝夕見 て楽し みたい。 何という 上品さ、
お のえ さい しゆう
た書家の尾 上 柴 舟 が 優美な書体で
50 10
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