第22号 Vol.22 2012年8月発行 株式会社 コムフレンド 以下、論文名「重症心身障害児はリラックス空間を認識しているのか?―能動的表出行動を促進する支援技 術利用に関する基礎的研究―」 日本教育情報学会誌「教育情報研究」第 27 巻 第 4 号 2011 より抜粋。 〒601-8141 京都市南区上鳥羽卯ノ花 69 番 2 TEL 075-672-8400 FAX 075-672-8401 E-mail [email protected] URL http://www.com-friend.co.jp/ 当社ホームページからもご覧いただけます。 ~2008 年 4 月「五大エンボディ㈱」から分社化して創業した「株式会社コムフレンド」がお届けするニュースレターです。~ なぜ 「Cozy Room」 が必要か?~「S/N 比」の概念による説明~ 観察された重障児の能動的表出行動、及び生理反応の測定を通して、 ストレス低減が示唆された環境(リラックス空間)は、①集団から隔離され、 ②照度や騒音が低く、 ③快感情を誘発する玩具(快ストレス)のある空間 であった。 この特徴を鑑みるに、リラックス空間を特徴付ける中心概念は、情報工学の概念である「S/N 比」によって 説明可能ではないだろうか。 ・「S/N 比」 信号量(Signal)と雑音量(Noise)の比によって表わされる。 S/N 比=信号量(Signal) 雑音量(Noise) ・「周波数」(frequency) 特定の現象が単位時間あたりに繰り返される回数の事を指す。 一人でリラックス 「Cozy Room Mini」 主に自閉症児が利用 2,3 人で遊び「Cozy Room Standard」 主に知的障害児が利用 (本図は、苅田知則先生からご提供いただきました。) 「Cozy Room Log」(旧称 Economy) Log 内 活用例 「Cozy Room」は、2009 年に愛媛大学教育学部 苅田知則准教授が発表された論文により、 ストレスを軽減するカームダウン効果を有することが実証されています。 論文名:「障がい児のためのカームダウン環境(COZY Room)の開発・評価」 ヒューマンインターフェース学会論文誌 Vol.11, No4, 2009 さらに、2011 年に日本教育情報学会誌に発表された、苅田先生の論文「重症心身障害児はリラックス空間を 認識しているのか?―能動的表出行動を促進する支援技術利用に関する基礎的研究―」では、 「Cozy Room」の利用を通して、右図のような効果モデルを提示され、考察されています。 *MID=Motor and Intellectual Disabilities:心身障害 *sAMY=唾液中のアミラーゼ活性量 S/N 比の高い環境はカームダウン環境になりうるが、信号量(Signal)の提示頻度が高くなる(周波数が高くなる)と 活性度が高まり、提示頻度が低くなる(周波数が低くなる)と活性度は低くなると考えることができる。 つまり重障児がリラックスできるリラックス空間とは、S/N 比が高く周波数が低い(雑音が少なく信号は散発)環境 といえる。また、遊びを誘発する環境は、S/N 比が高く周波数が高い(雑音が少なく、信号は頻発)環境となる。 以上の論文内容より、「Cozy Room」は、S/N 比が高いため、カームダウン環境を創出することができるといえ、 「Cozy Room」内で活用する Cozy 製品によって活性と沈静をうまく調整することができます。
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