職場、地域社会、行政組織などさまざまな分野での地位、役割

職場、地域社会、行政組織などさまざまな分野での地位、役割及び公職について、平成25年度調
査から行政で組織する審議会や委員会の委員への女性の就任割合が約2割と低い状況です。また、平
成24年に美郷フェスタ来場者を対象に実施したアンケート調査(以下「町実施アンケート調査」と
いう)では、女性への「将来、役職につきたいと思いますか」との質問に対し「思う」が6.8%
「思わない」が55.1 %という結果でした。
これは、女性の職場、地域社会、行政組織において、参画する機会の有無も女性の職位就任に与え
る影響が大きいといえますが、女性自身が家庭生活における固定的な役割分担意識によって消極的で
あることも無視できない要因といえます。
本町の審議会や各種委員会の委員の登用にあたっても、引き続き性別の均衡等を意識することが必
要です。そして、地域社会や職場でも職位の就任や重要な意思決定の場への女性の参画などを促すこ
とが大切です。また、女性自身が積極的に参画していく姿勢を促すことも求められます。
1.政策等への女性の意見反映の機会の拡大
(1) 各種審議会等への女
女性の意見を各種政策に反映させるため、審
性の積極的登用の促進
議会・委員会の委員への女性を登用するための
全課局共通
促進をはかるとともに意識改革に努めます。
(2) 審議会等への女性の
登用状況の公表
(3) 行政機関における女
性職員の登用拡大
審議会等への女性の登用状況を調査し公表
企画財政課
します。
能力、人材評価によって管理職を登用する
にあたり、男女とも公平に研修を行い、性別
にとらわれない職場環境を整備します。
総 務 課
2.職場や地域団体活動における女性参画の促進
(1) 男女雇用機会均等法
についての啓発
働く女性の地位向上や職場における男女の
商工観光交流課
雇用機会均等を実現するために、国や県と連
携し、法の周知及び広報による啓発活動に努
めます。
(2) 地域団体への参画の
促進
地域における女性の活動を積極的に推進す
企画財政課
るため、男女共同参画社会に関する意識啓発
活動に努めます。
(3) ボランティア活動の
推進
ボランティア活動への積極的な参画につい
企画財政課
て、住民活動センターの事業等を通じて意識
啓発の活動に努めます。
3.人材の育成と情報提供
(1) 女性起業者への支援
起業や事業経営に必要な知識や情報を習得
商工観光交流課
する起業支援等を行います。
(2) エンパワーメント※4
のための教育及び学習
活動の場の提供
※4 エンパワーメント
性別にとらわれない視点で社会状況に応じ
たエンパワーメント支援講座を実施します。
企画財政課
*女性も政策方針決定の場に参画しましょう。
*地域活動やPTAなどの役職へ女性も積極的に参画しましょう。
*地域活動やボランティア活動に参画しましょう。
就業は生活の経済基盤であり、働くことによって自己実現につながります。性別に関係なくその能
力を十分に発揮することができる社会づくりは極めて重要な意義を持ちます。
パート・アルバイト労働などの非正規雇用は、多様な就業のニーズにこたえることで、女性の能力
を発揮する場を促進する積極的な点もありますが、一方で、男性に比べて女性は非正規労働雇用率が
高く、正規労働者と非正規労働者の賃金格差があるといわれています。このことから、経済基盤を維
持していく点では弱い面があるといえます。
また、労働力調査によると女性の年代別の労働力率は結婚、出産、子育て期に当たる20代後半か
ら30代にかけて退職により労働力が一旦低下し育児が落ち着いた時期に再び上昇する傾向があり、
グラフで表すとM字カーブ※5を描いています。男女共同参画社会の実現を推進する上で、女性が職
業に就くための障壁となっている主因は、結婚や出産による家庭内の仕事(家事・子育てなど)が女性
の担当するものであるという固定的な考え方が男女ともに根強くあることであり、この状況を緩和す
るためには就労継続を希望する女性が働き続けるための仕事と生活の調和に向けた支援や再就職を希
望する女性の支援に引き続き取り組む必要があります。
1.事業所における男女共同参画に関する理解の促進
(1)事業所に対する啓発
働く女性の地位向上や職場における男女平
商工観光交流課
等を実現するために、事業所に対し啓発活動
を行います。
(2) 労働に関する法制度
の周知と連携
男女雇用機会均等法やパートタイム労働法
商工観光交流課
等の雇用における労働関係法の内容を周知す
るため、国や県と連携し広報活動を行います。
(3) 事業所の取り組みの
公表
県で認定している男女共同参画イキイキ職
場宣言を行った事業所について、町広報やホ
ームページ等で公表します。
企画財政課
2.女性の就業能力開発の支援
(1) 資格・技能・技術を
得るための情報提供
(2) 女性農業者グループ
への活動支援
資格・技能・技術を得るための情報を国や
商工観光交流課
県と連携して提供していきます。
農業の振興、後継者の育成、女性の地位向
農 政 課
上、ネットワーク形成など、女性農業者の取
り組みに対する活動を支援します。
また、農業経営の女性参画促進のため家族
経営協定※6の締結と活用の促進を図ります。
(3) 各種団体への啓発
働く女性の地位向上を図るための啓発を行
企画財政課
います。
3.再就職のための支援
(1) 就業支援の情報提供
出産、育児のため仕事を辞めた女性など再
就職を考えている人への情報を提供します。
*能力向上などのさまざまな支援策を積極的に活用しましょう。
*雇用の場での男女平等を考え、意見を出し合い実践していきましょう。
*女性の能力や適性を評価し、それらを活用しましょう。
商工観光交流課
※5 M字カーブ「労働力調査より」
女性の年齢階級別労働力の推移
(%)
90
77.6
80
70
75.7
71.3
68.6 67.7
68.7
67.9
60
61.5
53.7
50
50.6
40
42.6
43.9
30
20
14.6
10
0
昭和50年
昭和60年
平成 7年
平成24年
15∼19 20∼24 25∼29 30∼34
35∼39 40∼44 45∼49 50∼54
55∼59 60∼64 65∼69
70∼(歳)
資料出所:男女共同参画白書 平成25年度版
※6家族経営協定
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)は、誰もが仕事や家庭、地域生活、自己啓発など
様々な活動を人生の段階に応じて自らの希望するバランスで行うことのできる状態のことであり、
人々の健康を維持し、趣味や学習、ボランティア活動や地域社会への参画を通して自己実現を可能に
し、子育てや介護も含め家族が安心して暮らし責任を果たしていくことは重要なことです。
町実施アンケート調査では、ワーク・ライフ・バランスの認知度は男女ともに5割でした。家事・
育児・介護は、女性の役割とされる固定的な役割分担から仕事との両立を中断し、その能力を仕事に
活かす機会を得られない場合が多くあります。
一方で男性には、仕事中心の生活が求められ家庭や地域の活動に参加する機会も阻まれてきました。
このような背景から長時間労働等の雇用環境の見直し、保育サービスなどの子育て支援策、少子高
齢化社会に対応した政策等の法整備が行なわれ、多様化する社会に対応し、個人の生活を充実したも
のにするためにワーク・ライフ・バランスを図ることが重要となります。
家族、地域全体で育児や介護に参画することや利用できる支援制度の周知と利用を促し、変化する
地域社会への積極的な参画も求められています。
1.職場環境整備への啓発
(1)両立のための職場の
男女が家庭の責任を担い、仕事と両立する
理解と制度の普及促進
ことへの職場の理解を広め、育児や介護のた
めの制度の周知を図ります。
企画財政課
商工観光交流課
2.ワーク・ライフ・バランスの推進
(1) 事業所に対する啓発
事業所を通して、働きやすい職場環境への
啓発を行います。
(2) ワーク・ライフ・バ
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バラン
ランスについての啓発
ス)の重要性について講座を開催し啓発を行い
企画財政課
商工観光交流課
企画財政課
ます。
3.両立のための諸制度の定着促進
(1)育児・介護休業制度
の普及促進
仕事と育児や介護を両立させながら、働き
続けることができるよう育児休業・介護休業
総 務 課
商工観光交流課
制度の普及促進に努めます。
(2) 仕事と生活の両立支
援の普及促進
仕事と生活の両立を可能にするため利用で
企画財政課
きる制度を活用している人を紹介し、制度を
身近に感じることのできるよう情報提供し、
普及促進に努めます。
*妊娠・出産・育児は女性だけのものではありません。男性の役割で母子を支えていきま
しょう。
*男性も育児休業制度・介護休業制度を利用しましょう。
*家庭を支え働くことの意味を理解し家事労働を担って
いる人を思いやり、分担できることは実践しましょう。
少子高齢化による家族形態や就労形態が変化するなかで、子育てや介護に対する支援が求められて
います。
核家族、高齢夫婦、ひとり暮らしの高齢者と変化する暮らしの形態により子育て、介護による家庭
問題も多様化しています。
平成25年度労働条件等実態調査(秋田県)より県内の事業所において育児休業制度の規定がある
と回答した事業所の従業員のうち、育児休業取得率は女性が94.0%、男性が3.1%でした。依然と
して、男性は育児休業制度を利用する状況にないことがわかります。
また、先の調査で介護休業制度の規定があると回答のあった事業所は、74%でした。高齢化社会
において介護を必要とする人が年々増加する中で職場環境の整備の必要性が高まっています。
男女の別や就労の有無にかかわらず、安心して子育てや介護ができる環境づくりを行うためには、
支援策の充実と多様な家族の在り方を理解し認め合う意識の啓発やネットワークづくりが必要です。
1.子育て支援策の充実
(1) 子どもの医療費の助
成
(2) 乳児家庭全戸訪問
の実施
(3) 保育サービスの充実
子どもの医療費を助成し健やかなる成長と
福祉保健課
保護者の医療費負担の軽減を図ります。
子どもが生まれた家庭に保健師が訪問し、母
福祉保健課
子の体調の把握と育児相談や指導を行います。
子育て講座や親子が交流しながら過ごせる
教育総務課
場を提供します。また、子育てに関する情報
提供を行い悩みや相談に応じ、多様化する子
育て環境をサポートします。
(4) 放課後児童健全育成
事業の実施
仕事などの都合により、放課後、家庭に保
護者がいない児童に対し放課後児童クラブを
開設し支援を行います。
教育総務課
(5) 未就園児の子育て支
援拠点の開設
保育園に入園していない子どもに対して、
教育総務課
子ども同士の遊び方、親子等のふれあいの場
を提供します。
(6) 公的事業及び学習機
公的事業及び研修を行う際に未就学児を連
会における託児の充実
れた人も安心して参加できるよう、託児の実
企画財政課
施を働きかけます。
2.介護環境の充実
(1)介護サービスの充実
介護を要する状態になっても、人としての
福祉保健課
尊厳を保ち生活できるよう介護保険制度の周
知を行い、利用しやすい介護保険サービスの
充実に努めます。
(2) 介護予防・生活支援
施策の充実
高齢者が生きがいをもって、自立した生活
福祉保健課
が送れるよう、介護予防及び生活自立につな
がる福祉施策の充実を図り、地域包括ケアに
向けた取り組みを進めます。
(3) 介護講座の開催
男女ともに介護を担うことへの理解を広め、
福祉保健課
地域全体で支える介護に関する講座を行います。
3.ひとり親家庭等への支援
(1)ひとり親家庭等の相
談体制の充実
(2) ひとり親家庭等への
支援
就業、家事、育児等への相談体制の充実と
福祉保健課
情報提供を行います。
児童扶養手当、医療費の助成を行い、負担
軽減を図ります。
福祉保健課
*子育てや介護等に関する各種支援制度について関心を持ちましょう。
*安心して育児や介護などに取り組めるように職場での各種制度について確認し、仕事と
家庭が両立できるよう職場の環境づくりに努めましょう。
育児休業取得率(%)
100
84.6
88.3
85.1
91.7
94.0
50
女性
男性
0
1.6
1.4
1.5
1.7
3.1
H21
H22
H23
H24
H25
資料出所:労働条件等実態調査(秋田県)
家族形態の変化にともない、一人暮らしの高齢者や単身世帯が増加し地域の役割も変わってきてい
ます。家庭での見守りがないことは健康状態の変化や緊急時の助け合う機会を逃しやすい状況をつく
り、地域活動の停滞を招きます。このことを防ぐためにも、男女が協力し地域交流に参加していくこ
とは、地域における安心を得るための重要な役割となります。
また、東日本大震災以後、地域防災計画や組織形態に男女共同参画の視点を組み入れることの必要
性がいわれています。災害発生時には地域の実情に応じた臨機応変な対応が必要となることから、男
女共同参画の基本理念に基づいた地域防災計画や自主防災組織などの防災への取り組みに女性の参画
が重要です。
1.地域活動における男女共同参画の推進
(1)地域活動への積極的
参加の推進
男女ともに、環境美化活動をはじめとする
住民生活課
地域行事に積極的に参加し、地域交流の推進
企画財政課
を図ります。
(2) ボランティア活動の
推進
住民活動センターを通じ、町内のボランテ
企画財政課
ィア活動を行う人及び団体育成を支援します。
福祉保健課
また、行政とボランティアが連携し、地域福
祉の向上を進めます。
2.防災等における男女共同参画の推進
(1) 町防災計画における
女性参画の推進
町防災計画において、必要な対応や対策に
ついて女性の参画を求め、災害時の迅速な対
応に結びつけます。
住民生活課
(2)自主防災組織等への
女性参画の推進
自主防災組織等における防災活動や災害復
住民生活課
旧体制などにおいて男女の役割について反映
させるため、女性の参画を推進します。
(3) 防災に関する講座の
積極的参加の推進
災害時の行動を迅速に行い、男女における
避難場所での配慮等について学ぶため講座へ
の積極的参加を呼び掛けます。
*地域行事に参加して、地域に関心を持ちましょう。
*災害時に備えて日頃から家族と話をしましょう。
*災害時の避難場所や対応について、確認しておきましょう。
住民生活課