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平成 26 年度個別指導における指摘事項について
多田内科 多田正己
特に医学管理料と在宅医療に注意してください。
Ⅰ 診療に係る事項
1 初・再診料
□
再診料は、在宅で診療した患者等に対し後日処方箋のみを交付した場合など附
随する一連の行為とみなされる診療行為であった場合には、算定できないこと
に留意すること。
□
外来管理加算について、やむを得ない事情で看護に当たっているものから症状
を聞いて薬剤投与した場合には再診料は算定できるが、外来管理加算は算定で
きないものであることに留意すること。
□
外来管理加算について、診療録に患者からの聴取事項や診療所見の要点記載の
乏しい例が見受けられたので記載内容等の充実を図ること。
□外来管理加算について、厚生労働大臣が定める検査を実施した日に算定している
例が見受けられたので改めること。
2
医学管理料
□ 特定疾患療養管理料
□ 難病外来指導管理料
□ てんかん指導料
□ 慢性維持透析患者外来医学管理料
□ 特定薬剤治療管理料
□ 退院時リハビリテーション指導料
診療計画及び診療内容の要点記載の乏しい例が見受けられたので記載内容の充
実を図ること。
□ 悪性腫瘍特異物質治療管理料
悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者について、腫瘍マーカー検査を行い、
当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に限り算定できる。
診療録に腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点記載の乏しい例が見受け
られたので記載内容の充実を図ること。
□ 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料
耳鼻咽喉科と他の診療科を併せて標榜する保険医療機関にあっては、同一の医師
が当該保険医療機関の標榜する他の診療科を併せて担当している場合にあっては
算定できない。
□ 診療情報提供料(Ⅰ)
診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要性を認めこれに対し患者の同意
を得て、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に算定できる。
交付した文書の写しを診療録に添付すること。
□ 在宅療養指導料
診療録に保健師又は看護師への指示事項の記載のない例及び療養指導記録に指導
の要点、指導実施時間の記載のない例が見受けられたので適切に記載すること。
在宅指導料は保健師又は看護師が個別に 30 分以上療養上の指導を行った場合に
算定できる。
3 在宅医療
□ 往診料は、患家の求めに応じて患家の赴く診療を行った場合に算定できることに
留意すること。
□ 在宅患者訪問診療料
在宅での療養を行っている患者であって、疾病、傷病のために通院による療養が
困難な者に対して定期的に訪問して診療を行った場合の評価であることから、継
続的な診療の必要のない者や通院が容易な者に対して安易に算定できないもので
あることに留意すること。
診療録に訪問診療の計画の記載の乏しい例が見受けられたので記載内容等の充実
を図ること。
□ 在宅寝たきり患者処置指導管理料について、処置にかかる指導内容の要点記載の
乏しい例が見受けられたので記載内容の充実を図ること。
□ 在宅人工呼吸指導管理料は、特別養護老人ホームの入所者について配置医師が行
った場合は算定できないことに留意すること。
□ 血糖自己測定器加算は、当該患者に在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基
づき指導を行った場合に加算するものである。
4 検査・画像診断
□ 検査は患者個々の症状・所見に応じて検査の項目を適切に選択し、段階を踏み、
セット検査を漫然と反復することなく、適切に行うよう注意すること。また、検
査結果を適宜評価し診療録にその要点を記載して治療に反映すること。
□ 経皮的動脈血酸素飽和度検査について、呼吸不全若しくは循環不全又は術後の患
者であって、酸素吸入若しくは突発性難聴に対する酸素療法を現に行っているも
の又は酸素吸入若しくは突発性難聴に対する酸素療法を行う必要があるものに行
った場合及び静脈麻酔、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を実施中の患者に行った場合に
算定できるものであることに留意すること。
5 投薬・注射
□ ビタミン剤の投与について、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣
旨を具体的に診療録及び診療報酬明細書に記載しなければならないことに留意す
ること。
Ⅱ 請求事務に係る事項
1 自己診療について
□ 自己診療については、健康保険等に基づく現行の医療保険制度は被保険者等(他
人)に対して診療を行う場合の規定であることから、自己診療を保険診療として
行うことは認められない。
2 実費徴収等について
□ 衛生材料について、注射、処置等の手技料に含まれている者については、患者に
対し実費を求めることはできないことに留意すること。
3 一部負担金
□ 徴収すべき者から徴収していないので、適切に徴収すること。
4 審査支払機関からの返戻、増減点通知書等
□ 審査支払機関からの返戻、増減点通知書は、内容を十分に検討し、以後の治療や
保険請求に反映させること。
5 届出事項等
□ 保険医療機関の届出事項に変更があったにもかかわらず、届出が行われていない
例が認められたので、届出事項に変更があった場合はその都度速やかに届出を行
うこと。
Ⅲ返還金
□ 算定要件を満たしていない外来管理加算(7)
耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料
難病外来指導管理料
経皮的動脈血酸素飽和度検査
在宅人工呼吸指導管理料
再診料(2)
在宅療養指導料
血糖自己測定器加算
退院時リハビリテーション指導料
特定疾患療養管理料
□ 不適切に請求されたノイロトロピン注射液 3.6 単位 3mL 及びブドウ糖注射液
20%20mL については、実際に使用した薬剤料との差額。
□ 自己診療の保険請求分