経営 - 静岡商工会議所

有期労働契約通算5年超への対応
無 期 転 換 後の 労 働 条 件 を 規 定 化 す る
無効
無 期 転 換 を 事 前 に 放 棄 さ せ る よ う な 労 使の合 意 は 無無
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無期転換を事前に放棄させる
ような労使の合意は無効
無期転換申込権が生ずる前に﹁無期
転換申込権を取得しても権利行使しな
いこと﹂を 有 期 労 働 契 約 更 新の条 件 と
するような契 約は、公 序 良 俗︵民 法
条︶に反 して無 効 となり ま すのでご注
意下さい。
前澤労務管理事務所
特定社会保険労務士
静岡商工会議所・労務専門相談員
前澤光則 さん
静岡商工会議所では、
社会保険労務士
による労務相談︵無料︶
に応じています。
ご希望の方は、
中小企業相談所
静岡支所 電話054 253 5113
‐
‐
清水支所 電話054 3
53 3
401
‐
‐
へ、
ご連絡ください。
回 答
POINT
OINT
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経営
〝別段の定めが無ければ、
転換前と同一と
弊 社 では、有 期 労 働 契 約 で 多 くのパート タ イム従 業 員 を 雇 用
する〟
としています。
しています。
﹁法律で、有期労働契約の従業員も通算して5年
たとえば、
職種や勤務地を限定した労
以上雇用したら、すべて正社員にしなければならなくなった﹂
働条件の有期労働契約者から、
企業とし
て何のルールも定めない状態で無期転換の
と 聞 き ま し た が 、会 社 と し て ど の よ う に 対 処 し た ら 良 い で
申込みが為されれば、
そのまま職種や勤
しょうか?
務地を限定した労働条件で無期転換と
いうことになります。
のでご注意下さい。
有期労働契約から
ところが無期転換後、何らかの事情に
無期転換ルールは、今や日常的な雇用
無期契約への転換ルール
より 職 種や 勤 務 地 を変 更したいとなる
契約形態となっている
〝有期労働契約〟
が、
と、〝労働条件の不利益変更〟
の問題が生
ご質問の根拠は、
同 一使 用 者 との間で
企業にとって
〝雇用調整が容易〟
である 一
じかねず、
結果として効果的な要員配置
有 期 労 働 契 約が通 算で5年を超 えて反
方で、
労働者にとっては
〝雇用が不安定〟
で
が出来なくなる可能性があります。
復更新された場合に、
従業員から申込み
あるという 問 題が生 ずることを 踏 ま え
そもそも、
経営環境が不透明な中、
無
があれば無期契約に転換しなければなら
て、
労働者保護の観点から設けられたも
期雇用者を職種や勤務地を限定して雇
ない
︵以下、
無期転換ルール︶
との主旨を定
のですが、有期労働者を多く雇用してい
用 するという 労 働 契 約 そのものに無 理
めた、
改正労働契約法 条︵平成 年4
る企業から見れば、
将来的に自社の人事
があり、労使双方にとって効果的な弾力
月1日施行︶
に拠るものと思われます。
政策に大きな影響を及ぼしかねない内容
性のある人 事 政 策 を可 能 とするために
ただ、
ご質問にある﹁通算して5年以上
であり、
今のうちから対策を検討するこ
も〝 別 段の定め〟を規 定 として設 けるこ
雇用したら、
すべて正社員﹂は誤りで、
正
とをお薦めします。
とをお薦め致します。
しくは﹁通算して5年を超え、
かつ本人か
なお、その際のポイントと注 意 点を以
あわせて、
今後、
日常的に処遇の異なる
ら申込みがあった場合は無期契約﹂に転
下に整理してみました。
正規・非正規の無期雇用者が社内に混在
換しなければならないということであり、
無期転換後の労働条件を
する状態が予想されることから、
公平性
さらにその際、期間通算の対象となる有
規定化する
の
観点からも両者の職務上の相違点等を
期労働契約は、
平成 年4月1日以後に
明確にしておくことが必要です。
開始した契約であること等、
間違いやすい
同法は、
無期転換後の労働条件について、
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相 談
25
上
誌