当社はいわゆる中小企業であり、社内に特許専門の

藤本昇特許事務所 井澤 眞樹子◇弁理士
当社はいわゆる中小企業であり、社内に特許専門の部署はなく、担当者もいません。そのた
め、自社技術を守る必要性は感じているものの、何をしたらいいのか全く分かりません。知
的財産の保護について、何でも相談できるところはないのでしょうか?
1.特許庁の支援事業
(東京都 Y.I)
具体的にどの専門家に相談すればい
2.日本弁理士会の無料相談
特許庁では、中小企業等が企
いか分からない場合、窓口に常駐して
業経営の中で抱えるさまざまな知的財
いる知財支援アドバイザーに相談する
として、日本弁理士会でも各支部の担
産に関する相談を一元的に受け付け、
ことにより、適切な助言を受けること
当弁理士が、特許・実用新案・意匠・
知的財産に携わる専門家や支援機関と
ができるでしょう。
商標の出願手続き、調査、鑑定、異議
協働し、その場で解決を図る「知財総
(3)訪問相談
申立て、諸外国の制度や知的財産権等
合支援窓口」
(特許等取得活用支援事
所定の条件を満たせば、知財支援ア
業)を平成23年4月から都道府県ご
ドバイザー等に会社訪問してもらうこ
とに設置しています。
とも可能です。
ここで受けられるサービスには、以
例えば、設備等を実際に見せながら
「特許・意匠・商標なんでも110番」
について無料で相談に応じています。
具体的な案件の相談も可能であり、
相談担当弁理士に相談案件の手続きを
依頼することもできます(個別依頼と
下のような特徴があります。
相談したい、会社の所在地が遠隔地で
して、有料になる場合があります)
。
(1)無料相談
窓口まで行くのが困難である、社員が
相談はすべて予約制です。相談日時
知財総合支援窓口での相談は、すべ
少なく、担当者が外出する日程の調整
や担当弁理士の専門分野などをHPで
て無料です。電子出願の方法等の具体
ができないといった場合でも、気軽に
確認したうえで予約してください。
的な出願に関する相談の他、自社技術
相談を要請することができます。
を経営に活かす方法、共同開発にあ
(4)助成金についての相談
日本弁理士会の無料相談に関する詳
細は、以下のHPを参照してください。
たって自社技術をいかに守るか、海外
近年、知財に関する助成金制度が多
企業との取引における注意点等々、知
様化していることから、どのような制
的財産に関する悩みについて幅広く相
度があるのか、各制度の違い、申請方
談することができます。
法など、逆に分かりにくくなっている
弁理士等の専門家に直接相談するこ
ただし、1案件における相談回数や
面がありますが、相談者の条件に合っ
ともできます。貴社の技術の保護に関
時間には制限が設けられているので、
た助成金のアドバイスを受けられます。
して、将来的なことも含めて具体的な
最初に確認するようにしてください。
各都道府県に設置されている窓口の
方法を検討できる観点から、特に中小
所在地・連絡先をはじめ、以下のウェ
企業案件を得意とする弁理士に相談す
マッチングシステムによって、相談
ブサイト「知財ポータル」では「窓口
るのが望ましいでしょう。
者の希望に沿った弁護士や弁理士をは
支援事例」等も詳しく紹介されている
じめとする専門家を紹介してもらうこ
ので参考にしてください。
(2)専門家との連携
ともできます。
http://chizai-portal.jp
http://www.jpaa.or.jp/?p=440
3.弁理士等へ直接相談
ただし、
有料であることが多いため、
見積もりをとるなど、事前に費用を確
認されることをお勧めします。
2015 No.2 The lnvention 65