レジュメ

関係者各位
平成27年4月11日
勝田 悠暉(文2)
死刑存廃問題
~殺人犯の命は地球より重いか~
ここでは、死刑制度を支持する側を存置派、反対
開しているかを吟味し、議論に役立てて頂きたい
3-1.死刑と世論の関係
○存置派
戦後から現在に至るまでの総理府・報道機関
支持している。「死刑の是非は国民に委ねる」とし
を最大限尊重した民主主義国家に然るべき刑罰で
~目次~
1.本SPDの意義
〇廃止派
世論調査の実態は、凶悪事件が多発した時期
2.国際社会と日本の現状
る。これは公的機関による恣意的な印象操作であ
3.論点の紹介
務官ら約3000人に行ったアンケートでは、反
4.論議の焦点
を尊重すべきである。
5.参考文献
3-2.死刑と抑止力の関係
1.本SPDの意義
第一に、“我々が死刑制度の是非を問い、議論することに何の意味があるのか”―その答えは、昭和23年、既
に日本の最高裁が答えを示している。それは、次の言述の通りである。
〇存置派
抑止力は科学的立証ではなく、犯人の心理的
して、未解決の凶悪犯罪が解決された事例も有る
「現行の死刑が残虐か否かの判断は“国民感情”によって定まる」
話ではない。寧ろ死刑を廃止した社会に於いては
民主主義国家の日本に於いては、国民世論の存在が、国の政策や法整備等に何らかの形で影響を与える事
ースも容易に考えられる。
ができる仕組みが構築されている。しかしながら、国民世論の主張を只鵜呑みにし、絶対視すればいいとい
うものでもない。故に本SPDの意義は、世論を形成する一国民としての批判的思考能力を養い、そしてこ
れから先に死刑存廃問題に対して向き合う切欠となれば幸いである。
〇廃止派
死刑に抑止力が無い事は、既に多くの学者(フ
が為されている。寧ろ問題は深刻で、自殺志願者
2.国際社会と日本の現状
2013年の時点で、死刑廃止国は世界の3分の2以上で140カ国である。EU(ヨーロッパ連合)は、
重さを示す為に複数の人を殺害するケース等は近
を助長する一因に成りつつある。
死刑制度が存在する以上、無実の人を処刑するという可能性は拭えない。既に死刑が執行された
事件の死刑囚が、実は無罪であるという可能性が浮上しているものもある。また、戦後の再審制度に
4.論議の焦点
これから皆に議論をして頂く訳だが、その中で
よって4人の死刑囚の無罪が発覚した。それ以前の時期にも、死刑判決から無罪となった事件が6件
ある。これらの悲惨な結末を迎え無い為にも、死刑制度は廃止すべきである。
●.日本は、現行の死刑制度を存置するべきか、それ
又その理由は何か。
3-4.被害者遺族の報復感情
〇存置派
死刑には、国が被害者遺族に代わって加害者に報復するという性質がある。或る日唐突に、理不尽な犯
罪で殺された被害者の無念さを悔み、被害者の代わりにその遺族が加害者の死刑を望むのは当然の感情であ
る。
〇廃止派
被害者遺族の感情というものは、感情であるから論理で対抗できるものではない。しかしここで明白な
ことは、殺した者を殺すことでは、何の解決にもならないどころか、その社会・国家は一つの殺人から不要
なもう一つの殺人を犯していることに気付くべきである。
3-5.代替刑の可能性
〇存置派
刑罰としての終身刑の有効性には疑問が残る。永久に社会復帰の希望がないまま生き続けるというもの
は、受刑者が反省・謝罪・更生等の面から精力的に生きることを妨げる。また刑罰としての均衡と報復感情
を考慮すれば、現行の死刑制度はこのまま継続するのが妥当である。
〇廃止派
死刑の是非に関しては、NHKのアンケート「終身刑を創設して死刑を廃止することに賛成か否か」と
いう問いに対し、
「廃止に賛成」したのは、47%であった。この事から、大多数の人間が必ず死刑を望む
5.参考文献