(仮称)茨城風力発電事業 計画段階環境配慮書 〔要 約 書〕

(仮称)茨城風力発電事業
計画段階環境配慮書
〔要 約 書〕
平成27年9月
インベナジー・ジャパン合同会社
本書に掲載した地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の 20 万分 1 地勢図及び 5 万分 1
地形図を複製したものである。
(承認番号
平 27 情複、第 382 号)
本書に掲載した地図を第三者が複製する場合には、国土地理院の長の承認を得ること。
目
次
第 1 章 第一種事業を実施しようとする者の名称、
代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 ............................... 1
第 2 章 第一種事業の目的及び内容 ................................................... 2
2.1 第一種事業の目的 .............................................................. 2
2.2 第一種事業の内容 .............................................................. 3
2.2.1 第一種事業の名称 .......................................................... 3
2.2.2 第一種事業により設置される発電所の原動力の種類 ............................ 3
2.2.3 第一種事業により設置される発電所の出力 .................................... 3
2.2.4 第一種事業の実施が想定される区域及びその面積 .............................. 3
2.2.5 第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要 .................... 6
2.2.6 第一種事業に係る工事の実施に係る期間及び工程計画の概要 .................... 8
2.2.7 その他第一種事業に関する事項 .............................................. 9
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況 ........................................ 20
第 4 章 第一種事業に係る計画段階配慮事項に関する調査、予測及び評価の結果 .......... 22
4.1 計画段階配慮事項の選定の結果 ................................................. 22
4.1.1 計画段階配慮事項の選定 ................................................... 22
4.1.2 計画段階配慮事項の選定理由 ............................................... 24
4.2 調査、予測及び評価の手法 ..................................................... 25
4.2.1 調査、予測及び評価の手法の選定 ........................................... 25
4.2.2 調査、予測及び評価の手法の選定理由 ....................................... 25
4.3 調査、予測及び評価の結果 ..................................................... 27
4.4 総合評価 ..................................................................... 47
第 5 章 計画段階環境配慮書を委託した事業者の名称、
代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 .................. 49
第1章 第一種事業を実施しようとする者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の
所在地
事業者の名称
: インベナジー・ジャパン合同会社
代表者の氏名
: 職務執行者 天野 明
主たる事務所の所在地 : 東京都千代田区二番町 5 番地 5
1
第2章 第一種事業の目的及び内容
2.1 第一種事業の目的
風力発電等の再生可能エネルギーは、化石燃料を使用する火力発電とは異なり、発電時
の二酸化炭素の排出量が少なく、地球温暖化防止に貢献する発電技術として期待されてお
り、国のエネルギー基本計画においても導入拡大が位置付けられている。また、石油代替
エネルギーとしてエネルギー安定供給の確保、クリーンなエネルギー、新産業や雇用創出
への寄与など、様々な意義があるとされている。
本事業を計画している福島県、東白川郡塙町および茨城県、北茨城市、高萩市、常陸太
田市においては、それぞれ次のとおり計画を制定し、風力発電等の再生可能エネルギーの
促進に取り組んでいる。
福島県においては、平成 23 年の東日本大震災により再生可能エネルギーを取り巻く情勢
は大きく変化した。震災復興に向けた主要施策のひとつとして「再生可能エネルギーの飛
躍的な推進による新たな社会づくり」を位置づけ、その中でも「再生可能エネルギーの導
入推進のための基盤づくり」と「再生可能エネルギー関連産業集積のための基盤づくり」
をこの導入推進施策の柱とした。この施策の中で再生可能エネルギーの風力発電の導入目
標を平成 32 年度までに 200 万 kW(うち洋上風力 100 万 kW)と設定している。
塙町では、
「塙町第五次長期総合計画」
(平成 23 年度~平成 32 年度)を進めるにあたり、
「がんばろう
“はなわ”ビジョン」を策定した。このビジョンの 4 つの柱の一つとして「新
エネルギーの推進」を掲げている。
茨城県においては、平成 26 年 5 月に「いばらきエネルギー戦略」を策定し、再生可能エ
ネルギーの導入拡大を基本方針とした。この戦略の中で「県北山間部地域においては風力
発電に適した年平均 6m/s 以上の風況が確認されている。」と言及している。
北茨城市では、平成 27 年 3 月に「北茨城市環境基本計画」を策定し、「再生可能エネル
ギー利用拡大」プロジェクトを掲げている。
高萩市では、平成 22 年に「高萩市環境基本条例」を制定し、地球環境への負荷の少ない
持続的発展が可能な社会を構築し、将来の世代に対して誇ることのできる環境を創り上げ
て行くことを決意している。
常陸太田市では、平成 20 年に「常陸太田市環境基本条例」を制定し、資源の循環的利用
の促進を規定している。なお、常陸太田市里川町の里美牧場内に風車 7 基が稼働しており、
再生可能エネルギーの取り組みに積極的である。
このように本事業は、国の政策及び事業実施想定区域とした福島県及び茨城県の取り組
みに即したものと考えており、両自治体にまたがる区域において再生可能エネルギーであ
る風力資源を利用した風力発電所を建設し、地元経済の活性化を図るとともに、地球温暖
化対策、さらにはわが国のエネルギー自給率の向上に寄与することを目的とした事業であ
る。
2
2.2 第一種事業の内容
2.2.1 第一種事業の名称
(仮称)茨城風力発電事業
2.2.2 第一種事業により設置される発電所の原動力の種類
風力(陸上)
2.2.3 第一種事業により設置される発電所の出力
風力発電所出力
:60,000kW 程度
風力発電機の台数:定格出力 2,000kW 級風力発電機を 30 基程度設置
2.2.4 第一種事業の実施が想定される区域及びその面積
1. 事業の実施が想定される区域
茨城県北茨城市、高萩市、常陸太田市及び福島県東白川郡塙町の行政界付近
※事業実施想定区域の位置及びその周囲の状況は第 2.2-1 図、衛星写真は第 2.2-2 図の
とおりである。
2. 事業の実施が想定される面積
約 1,200ha
3
第 2.2-1 図
事業実施想定区域の位置及びその周囲の状況
4
第 2.2-2 図
事業実施想定区域の位置及びその周囲の状況(衛星写真)
5
2.2.5 第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要
1. 発電機の配置計画
発電所の設備の配置計画は、今後の現地調査の結果を踏まえ、地権者等との協議等を
踏まえた概略設計及び詳細設計において検討する計画であり、現時点では未定である。
配置計画については、以下の基本方針に基づき検討を行う。
・隣接する風力発電機より、一定の離隔を取るように配置する。
・住宅から 500m 以上の離隔をとるように配置する。
また、風力発電機基数については連系線の容量により決定されることとなるが、本計
画段階では最大 60,000kW を想定しており、この場合の基数は第 2.2-1 表のとおりである。
第 2.2-1 表
項
発電機の出力及び基数
目
諸
単機出力
基
元
2,000kW 級
数
30 基程度
総発電出力
60,000kW 程度
2. 発電機の主要設備の概要
主要設備の概要は第 2.2-2 表のとおりである。
また、標準的な風力発電機本体の外形は第 2.2-3 図のとおりである。
第 2.2-2 表
項
主要設備の概要(予定)
目
諸
元
定格出力
(定格運転時の出力)
2,000kW 級
ブレード枚数
3枚
ローター直径
(ブレードの回転直径)
ハブ高さ
(ブレードの中心の高さ)
6
80~100m
70~80m
110~130m*
70~80m
注:「*」はブレード先端までの高さを示す。
第 2.2-3 図
風力発電機の外形(予定)
7
2.2.6 第一種事業に係る工事の実施に係る期間及び工程計画の概要
1. 工事計画の概要
(1)工事内容
風力発電事業における主な工事内容は、以下のとおりである。
・土木工事:アクセス道路、造成工事及び基礎工事
・電気工事:連系変電設備、送電線工事等、試験調整
・風車建設:風車組立工事(風車輸送含む)
(2)風力発電所建設の施工手順
土木工事
電気工事
風車建設
(3)工事期間及び工事工程
工事期間および工事工程については第 2.2-4 図のとおりであり、今後詳細検討を行い決
定する。
年
月
1 年目
1
2
3
4
5
6
7
2 年目
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
土木工事
電気工事
風車建設
第 2.2-4 図
工事工程及び工事期間
(4)輸送計画
風力発電機器は小名浜港にて水切りし、一般国道 6 号、一般国道 289 号、一般国道 349
号、市道及び町道等を経由して大型トレーラーで輸送する予定である。
なお、上記の輸送経路は現時点における想定であり、今後工事計画を検討しながら関
係機関等との協議等も踏まえた上で確定させる。
8
2.2.7 その他第一種事業に関する事項
1. 事業実施想定区域の検討手法
(1)基本的な考え方
事業実施想定区域の検討フローは第 2.2-5 図のとおりである。
事業実施想定区域の設定にあたっては、本計画段階における検討対象エリアを設定し、
同エリア内において、各種条件により想定区域の検討を行った。
(1)検討対象エリアの設定
本計画段階において対象となる検討範囲を設定
(2)風況条件による抽出(第 2.2-6 図参照)
局所風況マップ等から、風況条件が良いと思われる場所を抽
事業性配慮
出
(3)環境保全上留意が必要な施設等への配慮(第 2.2-7 図参照)
生活環境及び自然環境に配慮するため、学校、病院・診療所・
住宅等の施設、県立自然公園特別区域、鳥獣保護区、特定植物
群落等の場所を確認し、事業実施想定区域を抽出
環境性配慮
(4)社会インフラ設備状況等の確認(第 2.2-8 図参照)
現地調査、ヒアリング等により、既存道路及び系統連系電力
網等を確認
事業性配慮
(5)その他法令等の制約を受ける場所の確認(第 2.2-9 図参照)
法令等の制約(自然公園地域(国立、国定、県立自然公園) / 農
業地域 / 保安林等)状況を確認
第 2.2-5 図
事業実施想定区域の検討フロー
9
規制配慮
2. 事業実施想定区域の設定根拠
(1)検討対象エリアの設定
検討対象エリアは、以下の条件・背景を踏まえて茨城県北茨城市、高萩市、常陸太田
市及び福島県東白川郡塙町とする。
・局所風況マップ(NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
から好風況が見込まれる地点が存在する。
・平成 23 年 2 月に茨城県が作成した「「緑の分権改革」推進事業
茨城県風力発電活
用実証調査報告書概要版」に、風況もよく風力発電の適地であると記載されている。
・平成 26 年 5 月に茨城県が策定した「いばらきエネルギー戦略」に、県北山間地域に
おいては風力発電に適した年平均 6m/s 以上の風況が確認されていると記述されて
いる。
・福島県の平成 32 年度までの風力発電の導入目標は、200 万 kW(うち洋上風力発電
100 万 kW)となっている。
・北茨城市、高萩市、常陸太田市及び塙町はそれぞれ再生可能エネルギーの導入促進
に積極的に取り組んでおり、また、風力発電の導入に協力的であり、地元とのコミ
ュニケーションが図られている。
(2)風況条件による抽出
風況条件から抽出した区域は第 2.2-6 図のとおりである。
検討対象エリア内において、局所風況マップから好風況地点の絞り込みを行い、次の
区域を抽出した。
・茨城県北茨城市、高萩市、常陸太田市及び福島県東白川郡塙町の行政界付近
なお、常陸太田市里川町の里美牧場では、7 基の風力発電機が設置されて順調に稼働し
ている。
(3)環境保全上留意が必要な施設等への配慮
「(2)風況条件による抽出」において好風況地点の絞り込みにより抽出した区域につ
いて、環境性配慮の観点から、環境保全上留意が必要な施設や場所を配慮し、第 2.2-7 図
のとおり、事業実施想定区域を抽出した。
なお、環境保全上留意が必要な施設や場所として配慮した項目は、以下のとおりであ
る。
・学校、病院・診療所・住宅等の生活環境の配慮が必要な施設
・県立自然公園特別地域、鳥獣保護区、特定植物群落等の自然環境保全上の配慮が必
要な場所
10
1:75,000
風況条件から抽出した区域
「局所風況マップ(18 年度改訂版)」
(国立研究
開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機
構、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 2.2-6 図
風況条件から抽出した区域
11
「ゼンリン住宅地図 201406 茨城県北茨城市、201405
茨城県高萩市、201404 茨城県常陸太田市、201204
福島県矢祭町塙町」(株式会社ゼンリン)
「茨城県自然公園等配置図」(茨城県、平成 24 年)
「福島県の自然公園及びビジターセンター」(福島
県 HP、閲覧:平成 27 年 7 月)
より作成
第 2.2-7 図(1)
環境保全上留意が必要な施設等位置図
12
「国土数値情報ダウンロードサービス」
(国土交通省 HP)
「平成 26 年度鳥獣保護区位置図(北部版)」
(茨城県 HP)
「平成 26 年度鳥獣保護区等位置図」(福島県 HP)
(各 HP、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 2.2-7 図(2)
環境保全上留意が必要な施設等位置図
13
(4)社会インフラ設備状況等の確認
以上みてきたように、好風況地点であり且つ環境への配慮がなされている福島県東白
川郡塙町と茨城県北茨城市、高萩市、常陸太田市の市町境の稜線に風車を配置することが
適当である。
また、開発地点の選定においては、社会インフラ(道路、連系電力網)が整備されて
いることが事業性配慮の観点からも望ましい。
事業実施想定区域の周囲における主要交通網の状況は第 2.2-8 図のとおりであり、事業
実施想定区域へのアクセス道路として、一般国道 289 号、一般国道 349 号、市道及び町道
等が利用可能である。
できるかぎり、上記の既存道路を利用することにより、道路の新設や拡幅面積等を低
減することで、資材等の搬入路として適した環境であると考えられる。なお、現時点にお
ける想定であり、今後工事計画を検討しながら関係機関等との協議等も踏まえた上で確定
させる。
(5)その他法令等の制約を受ける場所の確認
事業実施想定区域の周囲における法令等の制約を受ける場所の状況は、第 2.2-9 図のと
おりである。
なお、法令等の制約を受ける場所として確認した項目は、以下のとおりである。
・自然公園法(国立・国定・県立自然公園)
・農業振興地域の整備に関する法律(農業地域)
・森林法(保安林)など
事業実施想定区域の設定エリアの一部には自然公園(普通地域)や保安林が分布して
いるが、やむを得ずそのエリア内で事業を実施する場合においては実施可能な範囲で改
変面積を小さくすることを計画する。
14
「ゼンリン住宅地図 201406 茨城県北茨城市、201405
茨城県高萩市、201404 茨城県常陸太田市、201204
福島県矢祭町塙町」(株式会社ゼンリン)
「塙町役場及び常陸太田市役所ヒアリング」
(実施:平成 27 年 7 月)
より作成
第 2.2-8 図
事業実施想定区域の周囲の主要交通網
15
「茨城県自然公園等配置図」(茨城県、平成 24 年)
「福島県の自然公園及びビジターセンター」
(福島県 HP、
閲覧:平成 27 年 7 月)
より作成
第 2.2-9 図(1)
法令等の制約を受ける場所
16
「国土数値情報ダウンロードサービス」
(国土交通省 HP、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 2.2-9 図(2)
法令等の制約を受ける場所
17
「国有林野施行実施計画図」
(茨城森林管理署、平成
26 年)
「国有林野施行実施計画図」
(福島森林管理署、平成
27 年)
「茨城県農林水産部林業課ヒアリング」
(実施:平成
27 年 7 月)
「森林情報システム(ふくしま森まっぷ)」(福島県
HP、閲覧:平成 27 年 7 月)
より作成
第 2.2-9 図(3)
法令等の制約を受ける場所
18
3. 複数案を設定しない理由
本配慮書では、事業実施想定区域の設定にあたって、風況調査結果、社会インフラ設
備の状況、地元とのコミュニケーション及び環境配慮の検討に基づき、茨城県北茨城市、
高萩市、常陸太田市及び福島県東白川郡塙町の行政界付近の比較的広域な範囲から事業実
施想定区域を絞り込むプロセスを経ている。また、事業実施想定区域に保安林等が分布し
ているが、可能な限り保全地域内の改変を最小限にとどめることにより、重大な環境影響
の回避・低減を行うことが可能である。以上のような検討方法は、「計画段階配慮手続に
係る技術ガイド」(環境省計画段階技術手法に関する検討会、平成 25 年)において、「位
置・規模の複数案の一種とみなすことができる」とされている。
一方、発電所の原動力の出力を 60,000kW(2,000kW 級、30 基程度 )程度とし、構造
に関しては普及率が高く発電効率が最も良いとされる 3 枚翼のプロペラ型風車を想定し
ている。しかしながら、本計画段階においては詳細な風況や工事・輸送計画等について検
討中であり、具体的な風力発電機の構造や配置については、現地調査等も踏まえつつ絞り
込んでいく予定であるため、「構造・配置に関する複数案」の設定は現実的でないと考え
られる。
なお、事業主体が民間事業者であること、風力発電事業の実施を前提としていること
から、ゼロオプションに関する検討は現実的でないと考えられるため、本配慮書ではゼロ
オプションを設定しない。
19
第3章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
事業実施想定区域及びその周囲における自然的状況及び社会的状況(以下「地域特性」とい
う。)について、環境要素の区分ごとに事業特性を踏まえ、計画段階配慮事項を検討するに当た
り必要と考えられる範囲を対象に入手可能な最新の文献その他の資料(以下「既存資料」とい
う。)により把握した。
事業実施想定区域及びその周囲における主な地域特性は第 3-1 表、関係法令等による地域指
定状況は第 3-2 表のとおりである。
第 3-1 表
項 目
主な地域特性
主な地域特性
・事業実施想定区域の最寄りの地域気象観測所である「山田地域気象観測所」における平成
26 年の年平均気温は 13.2℃、年間降水量は 2,025.0mm、年平均風速は 2.2m/s である。
・事業実施想定区域の最寄りの大気測定局である「北茨城中郷局」における平成 25 年度の二
大気環境
酸化窒素及び浮遊粒子状物質の測定結果は、両項目とも環境基準を達成している。
・環境騒音の状況について、事業実施想定区域及びその周囲における測定結果はない。道路
交通騒音の状況は、北茨城市で測定が行われており、昼夜とも環境基準値以下である。
・環境振動及び道路交通振動は、事業実施想定区域及びその周囲において測定されていない。
・主な河川として、事業実施想定区域の北側に四時川が、南側に大北川が存在している。ま
た、河川の水質の状況として、平成 25 年度は大北川の「栄橋」及び花園川の「倉部石」の
水環境
2 地点において、大腸菌群数について環境基準を達成していない。
・事業実施想定区域及びその周囲に海域は存在しない。
・土壌の状況として、事業実施想定区域は主に黒ボク土壌、乾性褐色森林土壌、褐色森林土
壌等からなっており、周囲には細粒グライ土壌、粗粒灰色低地土壌が分布している。
・地形の状況として、事業実施想定区域の大部分は山地、山頂緩斜面及び一般斜面からなっ
その他
ており、周囲には山麓緩斜面及び上位砂礫段丘等が分布している。また、重要な地形とし
の環境
て隆起準平原の「多賀山地」等、7 地点が典型地形に選定されている。
・地質の状況として、事業実施想定区域は主に片状黒雲母トーナル岩、片状トーナル岩及び
竹貫変成岩類・ミグマタイト類等からなっており、周囲には弱片状中粒花崗閃緑岩・アダ
メロ岩、鳥曽根花崗閃緑岩、細粒石英閃緑岩等が分布している。
・事業実施想定区域及びその周囲において、動物の重要な種として哺乳類 8 種、鳥類 61 種、
爬虫類 2 種、両生類 10 種、昆虫類 106、魚類 19 種及び底生動物 6 種の合計 212 種類が、植
物の重要な種として 106 科 445 種が確認されている。
・事業実施想定区域における植生の状況として、スギ・ヒノキ・サワラ植林や常緑針葉樹植
動 物
林、ブナ-ミズナラ群落、カスミザクラ-コナラ群落、アカマツ群落、モミ-シキミ群集、
植 物
ブナ-スズタケ群集等の木本群落、伐跡群落等の草地、その他わずかに造成地等が分布し
生態系
ている。
・事業実施想定区域の環境類型は広葉樹林、針葉樹林及び乾性草地により構成されている。
・事業実施想定区域及びその周囲における重要な自然のまとまりの場として、自然植生、県
立自然公園、保安林、鳥獣保護区、特定植物群落及び緑地環境保全地域が存在している。
・事業実施想定区域及びその周囲における主要な眺望点として、「栄蔵室」、「童謡の森ふ
れあいパーク」等の 12 地点があげられる。
景 観
・自然景観資源として峡谷・渓谷の「花園渓谷」、湿原の「岡見湿原」及び「亀谷地湿原」
人と自然と
等がある。
の触れ合い
・事業実施想定区域及びその周囲における人と自然との触れ合いの活動の場として、「栄蔵
の活動の場
室」、「花園オートキャンプ場」、「亀谷地湿原」及び「河童のすり鉢遊歩道」の 4 地点
があげられる。
・一般環境中の放射性物質の状況として、事業実施想定区域の周囲において放射線モニタリ
放射線の量
ングが実施されており、平成 26 年度の空間線量率の最小値は「常陸太田市 里美支所」に
おける 0.041μSv/h であり、最大値は「北茨城市関本町小川」における 0.147μSv/h である。
20
第 3-2 表
関係法令等による地域指定状況
指定等の有無
区
分
法令等
土 国土利用計画法
地
都市計画法
環境基本法
騒音規制法
公
害 振動規制法
防 水質汚濁防止法
止
湖沼水質特別措置法
悪臭防止法
土壌汚染対策法
自然公園法
自然環境保全条例
自
然
保
護
文
化
財
地域地区等の名称
都市地域
農業地域
森林地域
都市計画用途地域
騒音類型指定
公害防止計画
規制地域
規制地域
類型指定水域
指定湖沼
規制地域
指定区域
国立公園
国定公園
県立自然公園
自然環境保全地域
緑地環境保全地域
世界の文化遺産及び自然遺
自然遺産
産の保護に関する条約
緑地保全地域
都市緑地法
特別緑地保全地区
鳥獣の保護及び管理並びに
鳥獣保護区
狩猟の適正化に関する法律
絶滅のおそれのある野生動
植物の種の保存に関する法 生息地等保護区
律
特に水鳥の生息地として国 特に水鳥の生息地と
際的に重要な湿地に関する して国際的に重要な
条約
湿地
国指定史跡・名勝・
天然記念物
県指定史跡・名勝・
天然記念物
文化財保護法
市指定史跡・名勝・
天然記念物
周知の埋蔵文化財包
蔵地
景観法
景観計画区域
北茨城市
高萩市
常陸太田市
塙 町
事業実施
想定区域
及びその
周囲
○
○
○
○
○
×
×
×
○
×
○
○
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×
○
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×
○
○
○
事業実施
想定区域
景
観 都市計画法
風致地区
○
×
×
×
×
×
森林法
国 砂防法
土
防 急傾斜地の崩壊による災害
災 の防止に関する法律
地すべり等防止法
保安林
砂防指定地
急傾斜地崩壊危険区
域
地すべり防止区域
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
○
×
×
×
○
○
○
×
×
×
○
○
×
×
○:指定等あり、×:指定等なし
21
第4章 第一種事業に係る計画段階配慮事項に関する調査、予測及び評価の結果
4.1 計画段階配慮事項
4.1.1 計画段階配慮事項の選定
本事業に係る環境の保全のために配慮すべき事項(計画段階配慮事項)については、
「発
電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並びに当該計画段階配
慮事項に係る調査、予測及び評価の手法に関する指針、環境影響評価の項目並びに当該項
目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境
の保全のための措置に関する指針等を定める省令」(平成 10 年通商産業省令第 54 号、最
終改正:平成 27 年 6 月 1 日経済産業省令第 8 号)」(以下「発電所アセス省令」という。)
の別表第 5 に掲げられている影響要因の区分について、本事業の事業特性及び地域特性を
勘案して、重大な影響を受けるおそれのある環境要素に関し、本事業が及ぼす重大性につ
いて検討し、第 4.1-1 表のとおり選定した。
また、平成 27 年 6 月 1 日付けで「発電所アセス省令」に放射性物質に係る規定が追加
されたことを踏まえ、放射性物質についても検討した。
なお、本配慮書においては、工事中の影響を検討するための工事計画等まで決まるよ
うな熟度にないことから、工事の実施による影響は対象としないこととした。しかしなが
ら、事業計画の熟度が高まる方法書以降の手続きにおいて、適切に調査、予測及び評価を
実施する。
22
第 4.1-1 表
影
環
境
要
素
の
環境の自然的
構成要素の良
好な状態の保
大気環境
持を旨として
調査、予測及
び評価される
べき環境要素
水環境
その他の
環境
動物
因
の
区
分
工
事
用
資
材
等
の
搬
出
入
分
大気質
騒音及び
超低周波音
地
形
改
変
及
び
施
設
の
存
在
施
設
の
稼
働
粉じん等
○
騒音及び超低周波音
振動
水質
水の濁り
底質
有害物質
その他
な造
影成
響等
の
施
工
に
よ
る
一
時
的
窒素酸化物
振動
地形及び地質
建
設
機
械
の
稼
働
土地又は工
作物の存在
及び供用
重要な地形及び地質
○
○
風車の影
重要な種及び注目すべき生息地
(海域に生息するものを除く。)
○
海域に生息する動物
重要な種及び重要な群落
(海域に生育するものを除く。)
○
海域に生育する植物
×
植物
要
工事の実施
×
生物の多様性
の確保及び自
然環境の体系
的保全を旨と
して調査、予
測及び評価さ
れるべき環境
要素
人と自然との
豊かな触れ合
いの確保を旨
として調査、
予測及び評価
されるべき環
境要素
環境への負荷
の量の程度に
より予測及び
評価されるべ
き環境要素
区
響
計画段階配慮事項の項目の選定
○
生態系
地域を特徴づける生態系
景観
主要な眺望点及び景観資源並び
に主要な眺望景観
○
人と自然との触れ合いの活動 主 要 な 人 と 自 然 と の 触 れ 合 い の
活動の場
の場
○
産業廃棄物
廃棄物等
残土
一般環境中の
放射性物質に
ついて調査、
放射線の量
放射線の量
予測及び評価
されるべき環
境要素
注:1.
は、「発電所アセス省令」第 21 条第 1 項第 5 号に定める「風力発電所 別表第 5」に示す参考
項目であり、
は、同省令第 26 条の 2 第 1 項に定める「別表第 11」に示す放射性物質に係る参
考項目である。
2.「○」は、重大な影響のおそれがある環境要素として選定した項目を示す。
3.「×」は、重大な影響のおそれがある環境要素として選定しなかった項目を示す。
23
4.1.2 計画段階配慮事項の選定理由
計画段階配慮事項は、事業特性及び地域特性を踏まえ、土地又は工作物の存在及び供
用を対象とし、風力発電所に関係すると考えられる項目に対して選定した。
選定及び非選定の理由は第 4.1-2 表のとおりである。
第 4.1-2 表
計画段階配慮事項の項目の選定及び非選定理由
環境要素
大気
環境
影響要因
選 定
選定及び非選定理由
事業実施想定区域及びその周囲において、学
校、病院、その他の環境の保全について配慮
が特に必要な施設(以下「配慮が特に必要な
施設」という。)及び住宅に対して、施設の
稼働に伴う騒音及び超低周波音が影響を及
ぼす可能性があることから、重大な影響のお
それのある環境要素として選定する。
事業実施想定区域及びその周囲において、典型
地形(
「日本の典型地形」((財)日本地図センタ
ー、平成 11 年))として選定されている重要な
地形が存在していることから、重大な影響のお
それのある環境要素として選定する。
事業実施想定区域及びその周囲において、配
慮が特に必要な施設及び住宅に対して、施設
の稼働に伴う風車の影が影響を及ぼす可能
性があることから、重大な影響のおそれのあ
る環境要素として選定する。
事業実施想定区域及びその周囲において、環
境省レッドリスト掲載種等が確認されてい
ることから、重大な影響のおそれのある環境
要素として選定する。
海域における浚渫工事を行わないことから、
影響がないことが明らかであるため、重大な
影響のおそれのある環境要素として選定し
ない。
事業実施想定区域及びその周囲において、環
境省レッドリスト掲載種等が確認されてい
ることから、重大な影響のおそれのある環境
要素として選定する。
海域における浚渫工事を行わないことから、
影響がないことが明らかであるため、重大な
影響のおそれのある環境要素として選定し
ない。
事業実施想定区域及びその周囲において、環
境省レッドリスト掲載種等が確認されてい
ることから、重大な影響のおそれのある環境
要素として選定する。
事業実施想定区域及びその周囲において、主
要な眺望点に対して、新たな施設の存在に伴
う眺望景観の変化が想定されることから、重
大な影響のおそれのある環境要素として選
定する。
事業実施想定区域及びその周囲において、地
域の主要な人と自然との触れ合いの活動の
場等に対して、地形改変及び施設の存在によ
り、影響を及ぼす可能性があることから、重
大な影響のおそれのある環境要素として選
定する。
騒音及び
超低周波音
騒音及び
超低周波音
施設の稼働
○
地形及び
地質
重要な地形
及質
地形改変及び
施設の存在
○
その他
風車の影
施設の稼働
○
重要な種及び注目すべき
生息地
(海域に生息するものを
除く。)
海域に生息する動物
地形改変及び
施設の存在、
施設の稼働
○
地形改変及び
施設の存在
×
重要な種及び重要な群落
(海域に生育するものを
除く。)
地形改変及び
施設の存在
○
海域に生育する植物
地形改変及び
施設の存在
×
生態系
地域を特徴づける生態系
地形改変及び
施設の存在、
施設の稼働
○
景 観
主要な眺望点及び景観資
源並びに主要な眺望景観
地形改変及び
施設の存在
○
人と自
然との
触れ合
いの活
動の場
主要な人と自然との触れ
合いの活動の場
地形改変及び
施設の存在
○
その他
の環境
動 物
植 物
注:1.「○」は選定した項目を示す。
2.「×」は選定しなかった項目を示す。
24
4.2 調査、予測及び評価の手法
4.2.1 調査、予測及び評価の手法の選定
調査、予測及び評価の手法は第 4.2-1 表のとおりである。
なお、動物及び植物については、特に環境影響が大きい可能性があるため、専門家等
へのヒアリングも実施することとした。
4.2.2 調査、予測及び評価の手法の選定理由
調査、予測及び評価の手法は、「発電所アセス省令」第 7 条~第 10 条の留意事項、「発
電所アセス省令」第 23 条第 1 項第 5 号「風力発電所 別表第 10」の参考手法、
「計画段階
配慮手続きに係る技術ガイド」(環境省計画段階配慮技術手法に関する検討会、平成 25
年)を勘案し、計画の熟度、事業特性及び地域特性を踏まえて、適切な手法を環境要素毎
に選定した。
25
第 4.2-1 表
環境要素
調査、予測及び評価の手法
調査手法
予測手法
評価手法
事業実施想定区域及びその周囲
に位置する配慮が特に必要な施
設及び住宅を抽出し、分布状況を
整理する。
予測結果をもとに、事
業実施想定区域と配慮
が特に必要な施設及び
住宅との位置関係から
評価する。
事業実施想定区域と重要な地形
及び地質の分布との位置関係の
重ね合わせにより、直接的な改変
の有無及び想定される改変面積
の程度を整理する。
配慮が特に必要な施設 事業実施想定区域及びその周囲
及び住宅の分布状況に に位置する配慮が特に必要な施
ついて、既存資料によ 設及び住宅を抽出し、分布状況を
り調査する。
整理する。
予測結果をもとに、事
業実施想定区域内の重
要な地形及び地質に係
る改変面積の程度から
評価する。
予測結果をもとに、事
業実施想定区域と配慮
が特に必要な施設及び
住宅との位置関係から
評価する。
予測結果を基に、地形
改変及び施設の存在及
び施設の稼働が動物の
重要な種及び重要な生
息地に与える影響を評
価する。
予測結果を基に、施設
の存在が植物の重要な
種及び重要な群落に与
える影響を評価する。
大 騒 音 及 騒音及び
気 び 超 低 超低周波音
環 周波音
境
配慮が特に必要な施設
及び住宅の分布状況に
ついて、既存資料によ
り調査する。また、騒
音に係る環境基準の類
型指定の状況について
も調査する。
地 形 及 重 要 な 地 形 重要な地形及び地質の
び地質 及び地質
分布状況及び特性につ
いて、既存資料により
調査する。
そ
の
他
の
環
境 その他
風車の影
動
物
重 要 な 種 及 動物の生息状況及び重 事業実施想定区域及びその周囲
び 注 目 す べ 要な生息地の分布状況 における重要な動物の生息環境
き生息地
について、既存資料及 及び重要な生息地を抽出し、分布
び専門家等へのヒアリ 状況及び位置関係を整理する。
ングにより調査する。
植
物
重 要 な 種 及 植物の生育状況、植物 事業実施想定区域及びその周囲
び 重 要 な 群 群落及び巨樹・巨木の における重要な植物の生育環境
落
分布状況について、既 及び重要な群落等を抽出し、分布
存資料及び専門家等へ 状況及び位置関係を整理する。
のヒアリングにより調
査する。
地 域 を 特 徴 重要な自然環境のまと 事業実施想定区域及びその周囲
づ け る 生 態 まりの場の分布状況に における重要な自然環境のまと
系
ついて、既存資料によ まりの場を抽出し、分布状況及び
り 分 布 状 況 を 調 査 す 位置関係を整理する。
る。
生態系
景
観
主要な眺望
点及び景観
資源並びに
主要な眺望
景観
主要な眺望点及び景観
資源の分布状況につい
て、既存資料により調
査する。
事業実施想定区域及びその周囲
に位置する主要な眺望点及び景
観資源を抽出し、分布状況及び位
置関係を整理する。また、主要な
眺望点からの可視の状況をもと
に、景観の変化の程度を整理す
る。
人と自然と 主要な人と
の触 れ 合 い 自 然 と の 触
の活動の場 れ 合 い の 活
動の場
主要な人と自然との触
れ合いの活動の場の分
布状況について、既存
資料により調査する。
事業実施想定区域及びその周囲
に位置する主要な人と自然との
触れ合いの活動の場を抽出し、分
布状況及び位置関係から、直接改
変の有無を整理する。
26
予測結果を基に、地形
改変及び施設の存在並
びに施設の稼働が重要
な自然環境のまとまり
の場に与える影響を評
価する。
予測結果をもとに、主
要な眺望点からの風力
発電機の視認可能性、
風力発電機の見えの大
きさ(最大垂直視角)、
風力発電機と景観資源
の重なりを対象に、位
置関係等から評価す
る。
予測結果をもとに、主
要な人と自然との触れ
合いの活動の場に係る
直接改変の有無の観点
から評価する。
4.3 調査、予測及び評価の結果
選定した計画段階配慮事項に係る調査及び予測の結 果は、第 4.3-1 表のとおりであ
る。
第 4.3-1 表(1)
環境要素
騒音及
び超低
周波音
地形及
び地質
調査及び予測の結果
調査結果
予測結果
既 存 資 料 調 査 に 基 づ く 、配 慮 が 特 に 必 要
な 施 設 及 び 住 宅 の 分 布 状 況 は 第 4.3-1 図 及
び 第 4.3-2 図 の と お り で あ る 。
事業実施想定区域及びその周囲におい
て、配慮が特に必要な施設は存在しない。
な お 、最 寄 り の 施 設 と し て「 高 萩 市 立 君 田
小 学 校 」及 び「 高 萩 市 立 君 田 中 学 校 」が 事
業 実 施 想 定 区 域 か ら 南 に 約 4km 離 れ た 場
所に存在している。
ま た 、住 宅 に つ い て は 事 業 実 施 想 定 区 域
の 周 囲 に 分 布 し て い る も の の 、事 業 実 施 想
定区域内には存在しない。
な お 、北 茨 城 市 、高 萩 市 及 び 常 陸 太 田 市
では騒音に係る環境基準の地域の類型指
定 が 行 わ れ て い る が 、塙 町 で は 行 わ れ て お
ら ず 、事 業 実 施 想 定 区 域 及 び そ の 周 囲 に お
いては環境基準の類型指定を当てはめる
地域や規制地域はない。
既 存 資 料 調 査 に 基 づ く 、重 要 な 地 形 の 分
布 状 況 及 び 特 性 は 第 4.3-4 図 の と お り で あ
る。
事業実施想定区域及びその周囲におけ
る 重 要 な 地 形( 典 型 地 形 )と し て 、隆 起 準
平 原 の 「 多 賀 山 地 」、 残 丘 の 「 和 尚 山 」 等
が 分 布 し て い る 。こ の う ち 、事 業 実 施 想 定
区 域 内 に は 中 間 湿 原 の「 亀 谷 地 湿 原 」が 存
在 し て い る ほ か 、隆 起 準 平 原 の「 多 賀 山 地 」
が事業実施想定区域に該当している。
な お 、事 業 実 施 想 定 区 域 及 び そ の 周 囲 に
お い て 、「 日 本 の 地 形 レ ッ ド デ ー タ ブ ッ ク
第 1 集 」( 日 本 の 地 形 レ ッ ド デ ー タ ブ ッ ク
作 成 委 員 会 、 平 成 12 年 ) に よ り 選 定 さ れ
た保存すべき地形及び重要な地質は存在
しない。
事 業 実 施 想 定 区 域 か ら 2.0km の 範 囲 に お
け る 住 宅 の 分 布 状 況 は 第 4.3-3 図 の と お り
である。
事業実施想定区域内に住宅は存在しない
も の の 、0~ 0.5km の 範 囲 に 5 戸 、0.5~ 1.0km
の 範 囲 に 22 戸 、1.0~ 1.5km の 範 囲 に 30 戸 、
1.5~ 2.0km の 範 囲 に 23 戸 あ り 、2.0km の 範
囲 内 に 計 80 戸 の 住 宅 が 存 在 し て い る 。
なお、事業実施想定区域及びその周囲に
おいて配慮が特に必要な施設は存在しな
い。
27
事業実施想定区域と重要な地形の分布の
位 置 関 係 は 第 4.3-4 図 の と お り で あ る 。
事業実施想定区域に該当している隆起準
平原の「多賀山地」については、事業の実
施により直接的な改変を行う可能性があ
る。本事業による「多賀山地」の改変面積
は 最 大 約 1,200ha で あ り 、「 多 賀 山 地 」( 約
52,500ha)に 占 め る 割 合 は 最 大 約 2.3%で あ
る。
また、事業実施想定区域内に分布する中
間湿原の「亀谷地湿原」についても、同様
に事業の実施により直接的な改変を行う可
能性がある。本事業による「亀谷地湿原」
の 改 変 面 積 は 最 大 約 43.5ha で あ り 、事 業 実
施 想 定 区 域( 約 1,200ha)に 占 め る 割 合 は 最
大 約 3.6%で あ る 。
な お 、残 丘 の「 和 尚 山 」、中 間 湿 原 の「 岡
見 湿 原 」、 峡 谷 の 「 花 園 渓 谷 」、 滝 及 び 滝 壺
の「 七 ッ 滝 」及 び 鍾 乳 洞 の「 花 園 の 鍾 乳 洞 」
は事業実施想定区域の周囲に位置してお
り、事業の実施による直接改変は行われな
いことから、本事業による影響はないと予
測する。
第 4.3-1 表(2)
環境要素
風車の影
動
物
調査及び予測の結果
調査結果
予測結果
既存資料調査に基づく、配慮が特に必要な施設
及び住宅の分布状況は第 4.3-1 図及び第 4.3-2 図
である。
事業実施想定区域及びその周囲において、配慮
が特に必要な施設は存在しない。なお、最寄りの
施設として「高萩市立君田小学校」及び「高萩市
立君田中学校」が事業実施想定区域から南に約
4km 離れた場所に存在している。
また、住宅については事業実施想定区域の周囲
に分布しているものの、事業実施想定区域内には
存在しない。
本事業で計画している風力発電機のローター
直径(80~100m)の 10 倍の風車の影の影響範囲
(1.0km)及び配慮が特に必要な施設等との位置
関係は第 4.3-5 図のとおりである。
事業実施想定区域内に住宅は存在しないもの
の、1.0km の範囲内に計 27 戸の住宅が存在して
いる。
①重要な種の分布状況
既存資料から、事業実施想定区域及びその周囲
における動物の重要な種として、哺乳類 8 種、鳥
類 61 種、爬虫類 2 種、両生類 10 種、昆虫類 106
種、魚類 19 種及び底生動物 6 種の合計 212 種が
確認された。
現存植生図と事業実施想定区域との重ね合わ
せ結果は第 4.3-6 図のとおりである。事業実施想
定区域内には、スギ・ヒノキ・サワラ植林や常緑
針葉樹植林、ブナ-ミズナラ群落、カスミザクラ
-コナラ群落、アカマツ群落、モミ-シキミ群集、
ブナ-スズタケ群集等の木本群落、伐跡群落等の
草地、その他わずかに造成地等が分布している。
事業実施想定区域内における、このような環境
で生息する重要な種について、直接改変による生
息環境の変化に伴う影響を予測した。その予測結
果は第 4.3-3 表のとおりである。なお、事業実施
想定区域内は主に樹林環境及び草地環境であり、
河川、水田等の水辺環境の直接改変は行わない計
画である。
②注目すべき生息地
既存資料から、事業実施想定区域及びその周囲
における注目すべき生息地の情報は得られなか
った。
③専門家等へのヒアリング
ヒアリングの結果、事業実施想定区域及びその
周囲に生息する種及び重要な生息地について第
4.3-2 表に示す情報が得られた。
①重要な種の分布状況
既存資料から、事業実施想定区域及びその周囲
における植物の重要な種として、106 科 445 種が
確認された。
植
物
※ 風 車 の 影 に つ い て は 、 ”Update of UK Shadow
Flicker Evidence Base”(Department of Energy and
Climate Change, 2011)において、「風力発電機の
ローター直径の 10 倍の範囲内」は適切なアセス
メントの領域であるとされている。
現存植生図と事業実施想定区域との重ね合わ
せ結果は第 4.3-6 図のとおりである。事業実施想
定区域内には、スギ・ヒノキ・サワラ植林や常緑
針葉樹植林、ブナ-ミズナラ群落、カスミザクラ
-コナラ群落、アカマツ群落、モミ-シキミ群集、
②重要な群落
ブナ-スズタケ群集等の木本群落、伐跡群落等の
既存資料から、事業実施想定区域周囲において 草地、その他わずかに造成地等が分布している。
「第 5 回自然環境保全基礎調査-特定植物群落
事業実施想定区域内における、このような環境
調査-」
(環境庁、平成 12 年)による特定植物群 で生育する重要な種について、直接改変による生
落である「花園山のスギ林」、
「花園山の自然林」、 育環境の変化に伴う影響を予測した。予測結果は
「花園山のブナ、イヌブナ林」、「三鈷室山の植 第 4.3-3 表のとおりである。なお、事業実施想定
生」、
「四時川渓谷のイヌシデ林」及び「四時川渓 区域内は主に樹林環境及び草地環境であり、河
谷のイヌブナ林」が存在するが、事業実施想定区 川、水田等の水辺環境の直接改変は行わない計画
域内には存在しない。
である。
③注目すべき生育地
既存資料から、事業実施想定区域及びその周囲
における注目すべき生息地の情報は得られなか
った。
④専門家等へのヒアリング
ヒアリングの結果、事業実施想定区域及びその
周囲に生育する重要な植物及び重要な群落につ
いて第 4.3-4 表に示す情報が得られた。
28
第 4.3-1 表(3)
環境要素
調査及び予測の結果
調査結果
予測結果
既存資料から、重要な自然環境のまとまりの場
の状況を下記のとおり抽出した。
重要な自然環境のまとまりの場と事業実施想
定区域の位置関係は第 4.3-7 図のとおりである。
緑地環境保全地域や鳥獣保護区及び特定植物群
落は事業実施想定区域外であるが、自然植生や県
立自然公園及び保安林については、一部が事業実
施想定区域に該当すると予測する。
①環境影響を受けやすい種・場等
・事業実施想定区域及びその周囲に分布する
自然植生
生態系
②保全の観点から法令等により指定された種・場
等
・花園・花貫県立自然公園
・保安林
・緑地環境保全地域
・鳥獣保護区
③法令等により指定されていないが地域により
注目されている種・場等
・特定植物群落
既存資料調査に基づく、事業実施想定区域及び
その周囲における主要な眺望点は第 4.3-8 図のと
おりであり、自然景観資源は第 4.3-9 図のとおり
である。
景
②主要な眺望景観への影響
a.主要な眺望点からの風力発電機の視認可能性
事業実施想定区域及びその周囲の可視領域は
第 4.3-10 図のとおりであり、影響の程度(垂直
見込角)や可視の可能性、眺望方向や眺望対象等
を勘案し、主要な眺望点として 5 地点を選定し
た。
主要な眺望点のうち、「栄蔵室」、「和尚山」及
び「里美牧場」から、風力発電機が視認される可
能性があると予測する。一方、「水沼ダム」及び
「童謡の森ふれあいパーク」からは風力発電機が
視認される可能性は小さいと予測する。
観
人と自然
との触れ
合いの活
動の場
①主要な眺望点及び景観資源への直接的な影響
主要な眺望点については、いずれも事業実施想
定区域に含まれないため、直接的な改変はないと
予測する。
景観資源については、「亀谷地湿原」及び「岡
見湿原」の一部が事業実施想定区域内に含まれる
ため、部分的に直接的な改変の可能性がある。
「亀
谷地湿原」及び「岡見湿原」以外はいずれも事業
実施想定区域に含まれないため、直接的な改変は
ないと予測する。
既存資料調査に基づく、事業実施想定区域及び
その周囲における人と自然との触れ合いの活動
の場は第 4.3-11 図のとおりである。
29
b.主要な眺望点からの風力発電機の見えの大き
さ
主要な眺望点から事業実施想定区域の最寄り
の 地 点 ま で の 距離 は 、「 栄 蔵 室 」 が 最 も 近く 約
0.4km で、風力発電機の見えの大きさは約 18.0
度と予測する。最も遠距離に位置する「童謡の森
ふれあいパーク」は、風力発電機の見えの大きさ
は約 1.0 度と予測する。
事業想定実施区域内に主要な人と自然との触
れ合いの活動の場が含まれず、直接的な改変は生
じないと予測する。
「i タウンページ」(閲覧:平成 27 年 6 月)より作成
第 4.3-1 図
配慮が特に必要な施設の位置図
30
「ゼンリン住宅地図 201406 茨城県北茨城市、
201405 茨城県高萩市、201404 茨城県常陸太
田市、201204 福島県矢祭町塙町」(株式会社
ゼンリン)
より作成
第 4.3-2 図
住宅の分布状況
31
「ゼンリン住宅地図 201406 茨城県北茨城市、
201405 茨城県高萩市、201404 茨城県常陸
太田市、201204 福島県矢祭町塙町」(株式
会社ゼンリン)
より作成
第 4.3-3 図
事業実施想定区域と住宅との位置関係
32
「日本の典型地形」((財)日本地図センター、
平成 11 年)
より作成
第 4.3-4 図
重要な地形(典型地形)の分布状況
33
「ゼンリン住宅地図 201406 茨城県北茨城市、
201405 茨城県高萩市、201404 茨城県常陸太
田市、201204 福島県矢祭町塙町」(株式会社
ゼンリン)
より作成
第 4.3-5 図
事業実施想定区域と住宅との位置関係
34
第 4.3-2 表
専門家等へのヒアリング結果概要
概
専門分野
要
(猛禽類について)
・
過去に日本野鳥保護連盟によって行われた、イヌワシ・クマタカの生息状況の
調査によると、イヌワシの生息はない。
・
前出の調査により、クマタカについては茨城県側の周辺で 1 ペアが確認されて
いる。その後の継続調査により、3 年ほど前にもう 1 ペアが確認されており、
周辺では 2 つのペアが生息している。クマタカの行動は、地形的に調査範囲内
には含まれないと思われる。
動 物
(鳥類)
・
前出の調査により、福島県側においてはクマタカは確認されていない。地形的
に視野がとれず、非常に調査しにくい地域である。
(渡り鳥について)
・
福島県から茨城県の県北が渡り鳥のルートとなっている。そのルートを把握す
ることが大切である。この地域の特徴として、小鳥類の渡りが多く見ら れる。
・
里美牧場における過去の調査では、ハクチョウ(オオハクチョウ)類の渡りが
確認されている。
・
小鳥類は夏鳥の移動が 8 月下旬から始まり、10 月には冬鳥が渡ってくる。猛禽
類は 8 月下旬に夏鳥のハチクマの渡りが始まり、冬鳥が飛来する 10 月頃まで続
く、長い期間となる。
35
「環境省自然環境局生物多様性センター
生物多様性情報システム
自然環境保全基礎情報データベース
第 2-5 回植生調査重ね合わせ植生」(環境省自然環境局
生物多様性センターHP、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 4.3-6 図
現存植生図
36
第 4.3-3 表(1)動物の重要な種への影響の予測結果
分類群
哺乳類
主な生息環境
水辺
種
名
影響の予測結果
カワネズミ
(1 種)
(河川)
事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
るものの、事業の実施による直接的な改変は及
ばないことから、影響はないと予測する。
樹林、林縁、草地
ヤマコウモリ、コテングコウモリ、ニホンリス、モモンガ、ムサ 事業実施想定区域内に主な生息環境が存在し、
サビ、ヤマネ、カヤネズミ
(7 種)
その一部が改変されることから、生息環境の変
化 に 伴 う影 響 が 生 じ る 可 能 性が あ る と 予 測 す
る。
鳥
類
水辺
マガン、オシドリ、シノリガモ、カイツブリ、ヨシゴイ、ササゴ 事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
(湿地、河川、池沼)イ、アマサギ、チュウサギ、クイナ、ヒクイナ、バン、タゲリ、 るものの、事業の実施による直接的な改変は及
イカルチドリ、ヤマシギ、オオジシギ、タカブシギ、タマシギ、 ばないことから、影響はないと予測する。
ヤマセミ、オオヨシキリ、セッカ
水辺
(20 種)
コアホウドリ、ヒメウ、シロチドリ、キョウジョシギ、コアジサ 事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 せ
(河川、沿岸、海域)シ、ウミスズメ、カンムリウミスズメ
(7 種)
ず、事業の実施による直接改変は行われないこ
とから、影響はないと予測する。
樹林、林縁、草地
ジュウイチ、カッコウ、ヨタカ、ヒメアマツバメ、ハチクマ、チ 事業実施想定区域内に主な生息環境が存在し、
ュウヒ、ツミ、ハイタカ、オオタカ、サシバ、ノスリ、ケアシノ その一部が改変されることから、生息環境の変
スリ、イヌワシ、クマタカ、オオコノハズク、コノハズク、アオ 化 に 伴 う影 響 が 生 じ る 可 能 性が あ る と 予 測 す
バズク、アカショウビン、チョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、 る。
ハヤブサ、サンショウクイ、サンコウチョウ、チゴモズ、アカモ
ズ、ヒバリ、コシアカツバメ、ゴジュウカラ、マミジロ、クロツ
グミ、コマドリ、コサメビタキ、ホオアカ、コジュリン
(34 種)
爬虫類
水辺
クサガメ
(1 種)
(河川、池沼)
事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
るものの、事業の実施による直接的な改変は及
ばないことから、影響はないと予測する。
樹林、林縁、草地
ヒバカリ
(1 種)
事業実施想定区域内に主な生息環境が存在し、
その一部が改変されることから、生息環境の変
化 に 伴 う影 響 が 生 じ る 可 能 性が あ る と 予 測 す
る。
両生類
樹林、草地、水辺
トウキョウサンショウウオ、トウホクサンショウウオ、クロサン 事業実施想定区域内に主な生息環境が存在し、
ショウウオ、ハコネサンショウウオ属、アズマヒキガエル、タゴ その一部が改変されることから、生息環境の変
ガエル
(6 種)
化 に 伴 う影 響 が 生 じ る 可 能 性が あ る と 予 測 す
る。
水辺
アカハライモリ、トウキョウダルマガエル、ツチガエル、カジカ 事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
ガエル
(4 種)
るものの、事業の実施による直接的な改変は及
ばないことから、影響はないと予測する。
昆虫類
水辺
セスジイトトンボ、キイトトンボ、オゼイトトンボ、 モートンイ 事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
(湿地、河川、池沼)トトンボ、コバネアオイトトンボ、オツネントンボ、アオハダト るものの、事業の実施による直接的な改変は及
ンボ、ムカシトンボ、モイワサナエ、ルリボシヤンマ、カトリヤ ばないことから、影響はないと予測する。
ンマ、サラサヤンマ、タカネトンボ、ヨツボシトンボ、ハラビロ
トンボ、ハッチョウトンボ、チョウトンボ、キトンボ、ヒメアカ
ネ、ミヤマアカネ、リスアカネ、イトアメンボ、ハネナシアメン
ボ、コオイムシ、タガメ、マダラコガシラミズムシ、ゲンゴロウ、
オオミズスマシ、ミズスマシ、ガムシ、ゲンジボタル、クロガネ
ネクイハムシ、キンイロネクイハムシ、オオネクイハムシ、オオ
ルリハムシ
(35 種)
37
第 4.3-3 表(2)動物の重要な種への影響の予測結果
分類群
昆虫類
主な生息環境
樹林、林縁、草地
種
名
影響の予測結果
ウスバカマキリ、オオクサキリ、クロツヤコオロギ、マツムシ、 事業実施想定区域内に主な生息環境が存在し、
ヤマトマダラバッタ、ハルゼミ、アカエゾゼミ、アズキヘリカメ その一部が改変されることから、生息環境の変
ムシ、ヨツボシカメムジ、セアカオサムシ、ツクバホソナガゴミ 化 に 伴 う影 響 が 生 じ る 可 能 性が あ る と 予 測 す
ムシ、ヒトツメアオゴミムシ、ミヤマダイコクコガネ、ニセマグ る。
ソコガネ、オオチャイロハナムグリ、シラホシダエンマルトゲム
シ、ヤマトタマムシ、アオマダラタマムシ、ムネアカチビナカボ
ソタマムシ、ウスモンホソオオキノコ、ムナグロチャイロテント
ウ、ネアカツツナガクチキ、ルリナガクチキ、クロサワヒメコバ
ネカミキリ、ヤマトシロオビトラカミキリ、カスガキ モンカミキ
リ、テラニシケアリ、トゲアリ、オオマルハナバチ、フタテンツ
ヅリガ、ホシチャバネセセリ、キバネセセリ、ギンイチモンジセ
セリ、コキマダラセセリ、チャマダラセセリ、スジグロチャバネ
セセリ、ツマグロキチョウ、スジボソヤマキチョウ、ヒメシロチ
ョウ、ウスイロオナガシジミ、オナガシジミ、ウラゴマダラシジ
ミ、アイノミドリシジミ、ジョウザンミドリシジミ、エゾミドリ
シジミ、ウラジロミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、クロミド
リシジミ、ウラクロシジミ、ミヤマシジミ、クロシジミ、ヒメシ
ジミ本州・九州亜種、ムモンアカシジミ、フジミドリシジミ、ミ
ヤマカラスシジミ、ウラキンシジミ、ウラギンスジヒョウモン、
ヒョウモンチョウ本州中部亜種、オオウラギンヒョウモン、オオ
ムラサキ、オオヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲ、ノコバアオシャク、
ウスズミカレハ、オナガミズアオ、ヤママユ、マエジロシャチホ
コ、シロホソバ、ヤネホソバ、キスジウスキヨトウ、ユミモンク
チバ
魚
類
(71 種)
水辺
スナヤツメ類、ニホンウナギ、キンブナ、タナゴ、エゾウグイ、 事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
(河川、池沼)
シナイモツゴ、ドジョウ、ホトケドジョウ、ギバチ、ニッコウイ るものの、事業の実施による直接的な改変は及
ワナ、サクラマス(ヤマメ)、ミナミメダカ、カジカ、ウツセミ ばないことから、影響はないと予測する。
カジカ(回遊型)、ジュズカケハゼ、オオヨシノボリ (16 種)
水辺
シラウオ、クルメサヨリ
(2 種)
(汽水域)
事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 せ
ず、事業の実施による直接改変は行われないこ
とから、影響はないと予測する。
水辺
シロウオ
(1 種)
(沿岸)
事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 せ
ず、事業の実施による直接改変は行われないこ
とから、影響はないと予測する。
底生動物 水辺(河川、池沼) ミヤマウズムシ、カワシンジュガイ、マシジミ、ヤマトシジミ、 事 業 実 施想 定 区 域 内 に 主 な 生息 環 境 が 存 在 す
ムカシトンボ、トワダカワゲラ
(6 種)
るものの、事業の実施による直接的な改変は及
ばないことから、影響はないと予測する。
注:生息環境は以下の文献を参考にした。
哺乳類:「コウモリ識別ハンドブック改訂版」(文一総合出版、平成 23 年)、「日本の哺乳類改訂 2 版」(東海大学出版会、平成 20 年)
鳥類:「原色日本野鳥生態図鑑-陸鳥編」(保育社、平成 7 年)、「原色日本野鳥生態図鑑-水鳥編」(保育社、平成 7 年)
爬虫類・両生類:「日本動物大百科第 5 巻両生類・爬虫類・軟骨魚類」(平凡社、平成 8 年)
昆虫類:(トンボ目)「日本産トンボ幼虫・成虫検索図説」(東海大学出版会、昭和 63 年)、「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」(北海道
大学図書刊行会、平成 11 年)
(バッタ目)「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」(北海道大学出版会、平成 18 年)
(コウチュウ目)「原色日本甲虫図鑑(II)」(保育社、昭和 60 年)、「原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)」(保育社、昭和 60 年)、「原色
日本甲虫図鑑(Ⅳ)」(保育社、昭和 59 年)、「世界のオサムシ図鑑」(むし社、平成 8 年)
(チョウ目)「日本産蛾類大図鑑」(講談社、昭和 57 年)、「原色蝶類検索図鑑」(北隆館、平成 2 年)、「原色日本蝶類図鑑」
(保育社、昭和 51 年)
魚類:「日本の淡水魚改訂版」(山と渓谷社、平成 13 年)
底生動物:「レッドデータブック 2014-日本の絶滅のおそれのある野生生物-5 昆虫類」(環境省、平成 27 年)、
「レッドデータブック 2014-日本の絶滅のおそれのある野生生物-6 貝類」(環境省、平成 26 年)、
「茨城における絶滅のおそれのある野生生物(動物編)-茨城県版レッドデータブック-」(茨城県、平成 14 年)
38
第 4.3-4 表
専門家等へのヒアリング結果概要
専門分野
概
要
・
岡見湿原や亀谷地湿原など、山間部の谷というより沢部に湿原が存在する。
・
茨城県と福島県の県境について、茨城県側はスギ・ヒノキ植林が多く、福島県
側は落葉樹林が残る地域である。
植 物
・
事業実施想定区域及びその周囲の一部にブナの自然植生が残っている。
・
常陸太田市の旧里美村里川付近は、丘陵地が多く里美牧場などの開けた環境が
ある。
・
高萩市は林業が盛んで、自然度の高い所が多い。
・
事業実施想定区域の東側の南北に連なる尾根部は自然度が高い。また、西側の
尾根は比較的人の手が入っている。
39
第 4.3-5 表(1) 植物の重要な種への影響の予測結果
主な生育環境
樹林、林縁、草地
種
名
影響の予測結果
アスヒカズラ、マンネンスギ、コヒロハハナヤスリ、コハナヤスリ、オオキジノオ、 事 業 実 施 想 定 区 域 に 主 な 生
キジノオシダ、コシダ、カニクサ、フモトシダ、ホラシノブ、タチシノブ、オオバ 育環境が存在し、その一部が
ノハチジョウシダ、マツザカシダ、コタニワタリ、オオカナワラビ、ホソバカナワ 改変されることから、生育環
境の変化に伴う影響が生じ
ラビ、ハカタシダ、オニカナワラビ、キヨスミヒメワラビ、ミヤコヤブソテツ、 イ
る可能性があると予測する。
ワヘゴ、シラネワラビ、マルバベニシダ、オオベニシダ、ヒメイタチシダ、オニイ
ノデ、イノデモドキ、ヒメカナワラビ、オオキヨスミシダ、ホシダ、ミヤマワラビ、
タチヒメワラビ、ハシゴシダ、 ニッコウシダ、カラクサイヌワラビ、ホソバイヌワ
ラビ、ヒロハイヌワラビ、セイタカシケシダ、オニヒカゲワラビ、ミヤマシダ、 ヘ
ラシダ、ノコギリシダ、コガネシダ、クリハラン、ウラジロモミ、 ハリモミ、ヒメ
コマツ、ツガ、コウヤマキ、ヒノキ、ネズ、イチイ、キャラボク、ダケカンバ、ウ
ダイカンバ、シラカンバ、オノオレカンバ、アラカシ、ツクバネガシ、アベマキ、 ハ
ルニレ、ナガバヤブマオ、ホザキヤドリギ、ミヤマツチトリモチ、カワラナデシコ、
フシグロセンノウ、オオヤマフスマ、ワチガイソウ、ナンブワチガイソウ、サネカ
ズラ、カゴノキ、クスノキ、ヤマコウバシ、ダンコウバイ、レイジンソウ、フクジ
ュソウ、ヒメイチゲ、スハマソウ、イチリンソウ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、
レンゲショウマ、コセリバオウレン、オキナグサ、シキンカラマツ、ムベ、ツヅラ
フジ、ハスノハカズラ、オオバウマノスズクサ、ヤマシャクヤク、ケヤマシャクヤ
ク、ケナシヤマシャクヤク、サカキ、トモエソウ、ミチノクエンゴサク、ジロボウ
エンゴサク、ツルキケマン、ナガミノツルキケマン、ヤマブキソウ、ハクサンハタ
ザオ、ハマハタザオ、ムカゴネコノメ、ギンバイソウ、ヤシャビシャク、ヤグルマ
ソウ、オオダイコンソウ、カワラサイコ、チョウジザクラ、エドヒガン、リンボク、
ミヤマフユイチゴ、ナンキンナナカマド、アイヅシモツケ、コキンバイ、ジャケツ
イバラ、フジキ、ケヤブハギ、ノアズキ、ミヤマトベラ、レンリソウ、イヌハギ、
マキエハギ、オオバタンキリマメ、オオバクサフジ、コミヤマカタバミ、タチフウ
ロ、コフウロ、トウダイグサ、フユザンショウ、カラコギカエデ、 オオイタヤメイ
ゲツ、ヒナウチワカエデ、クロカンバ、シナノキ、 コガンピ、ツクバグミ、サクラ
スミレ、ミヤマニガウリ、ハナビゼリ、ミシマサイコ、ツボクサ、オオバチドメ、
イワセントウソウ、 イワウチワ、シャクジョウソウ、アズマシャクナゲ、レンゲツ
ツジ、シロヤシオ、ホツツジ、マンリョウ、カラタチバナ、サクラソウ、ヒイラギ、
コケリンドウ、フナバラソウ、イヨカズラ、スズサイコ、コイケマ、キジョラン、
コカモメヅル、アリドオシ、クルマムグラ、オニルリソウ、カリガネソウ、ムシャ
リンドウ、キセワタ、ヤマジソ、ヒキオコシ、アキチョウジ、ケナツノタムラソウ、
オカタツナミソウ、エゾタツナミソウ、ミヤマナミキ、ハシリドコロ、ヤマホロシ、
タチコゴメグサ、エゾコゴメグサ、ミヤマママコナ、シオガマギク、ヒナノウスツ
ボ、イヌノフグリ、ハグロソウ、 ナンバンギセル、オオナンバンギセル、ヤマウツ
ボ、ケヤマウツボ、キヨスミウツボ、コバノガマズミ、キバナウツギ、イワツクバ
ネウツギ、オミナエシ、ナベナ、マツムシソウ、フクシマシャジン、ツルギキョウ、
バアソブ、シデシャジン、キキョウ、ノコギリソウ、ヤハズハハコ、オオカニコウ
モリ、ヤマタイミンガサ、オオガンクビソウ、アワコガネギク、アズマギク、アキ
ノハハコグサ、 タカサゴソウ、マルバダケブキ、オオモミジガサ、クルマバハグマ、
イワキハグマ、オヤリハグマ、シュウブンソウ、ミヤコアザミ、アサマヒゴタイ、
キクアザミ、ハンゴンソウ、コウリンカ、キオン、タムラソウ、ハバヤマボクチ、
オナモミ、ノギラン、ヤマラッキョウ、キジカクシ、ヒメアマナ、キバナノアマナ、
ゼンテイカ、コオニユリ、ホソバノアマナ、ヒメマイヅルソウ、マイヅルソウ、シ
ロバナエンレイソウ、アマナ、ヒロハアマナ、ウチワドコロ、ヒメドコロ、ヒオウ
ギ、アヤメ、ヒメアブラススキ、ササクサ、カリヤスモドキ、スズメノカタビラ、
ヒトツバテンナンショウ、ミミガタテンナンショウ、ホスゲ、ノゲヌカスゲ、キシ
ュウナキリスゲ、ヒメスゲ、ミヤケスゲ、ヒナラン、シラン、エビネ、キンセイラ
ン、ギンラン、キンラン、クゲヌマラン、コアツモリソウ、クマガイソウ、アツモ
リソウ、イチヨウラン、オニノヤガラ、 クロヤツシロラン、アキザキヤツシロラン、
ベニシュスラン、ムヨウラン、ギボウシラン、セイタカスズムシソウ、ジガバチソ
ウ、スズムシソウ、コクラン、フタバラン、アオフタバラン、コケイラン、ジンバ
イソウ、ツレサギソウ、オオヤマサギソウ、コバノトンボソウ、ヤマトキソウ、マ
ツラン、モミラン、カヤラン、クモラン、ヒトツボクロ、ハクウンラン
(285 種)
40
第 4.3-5 表(2)
植物の重要な種への影響の予測結果
主な生育環境
種
名
影響の予測結果
水辺(水田、湿地、 ミズニラ、ミズニラモドキ、ハマハナヤスリ、ヤシャゼンマイ、デンジソウ、サン 事 業 実 施 想 定 区 域 内 に 主 な
池沼、河川等)
ショウモ、オオアカウキクサ、サクラバハンノキ、 トキホコリ、ウナギツカミ、ヤ 生育環境が存在するものの、
ナギヌカボ、ヌカボタデ、リュウキンカ、ツルキツネノボタン、ヒメバイカモ、バ 水田、河川、池沼などは直接
改変を行わないことから、影
イカモ、ジュンサイ、ヒツジグサ、ハンゲショウ、ミズオトギリ、モウセンゴケ、
響はないと予測する。
コモウセンゴケ、イワネコノメソウ、ウメバチソウ、ミゾハコベ、イワアカバナ、
ホソバアカバナ、ミズユキノシタ、ホザキノフサモ、 フサモ、シャク、サワゼリ、
クリンソウ、アイナエ、イヌセンブリ、ミツガシワ、ミズネコノオ、ヒメハッカ、
タカクマヒキオコシ、ヒメナミキ、ゴマクサ、マルバサワトウガラシ、オオアブノ
メ、スズメノトウガラシ、タヌキモ、コタヌキモ、ヒメシオン、サワシロギク、ヨ
ツバヒヨドリ、オオニガナ、サワオグルマ、ウリカワ、スブタ、ヤナギスブタ、ミ
ズオオバコ、セキショウモ、コバノヒルムシロ、フトヒルムシロ、ヤナギモ、トリ
ゲモ、タマガワホトトギス、ノハナショウブ、カキツバタ、クロイヌノヒゲ、ホシ
クサ、イトイヌノヒゲ、ニッポンイヌノヒゲ、ヤマトホシクサ、イヌノヒゲ、クロ
ホシクサ、ヒロハイヌノヒゲ、イヌノヒゲモドキ、シロイヌノヒゲ、ヒナザサ、ム
ツオレグサ、ウキガヤ、カモノハシ、 メダケ、ヒゲシバ、ザゼンソウ、ヒメザゼン
ソウ、ミクリ、ヤマトミクリ、ナガエミクリ、ヒメミクリ、アワボスゲ、ヤマクボ
スゲ、 タチスゲ、エゾサワスゲ、エゾツリスゲ、サギスゲ、ノグサ、ヒメマツカサ
ススキ、シズイ、タイワンヤマイ、カキラン、サワトンボ、サギソウ、ミズトンボ、
ミズチドリ
岩壁、岩場等
(100 種)
マツバラン、スギラン、カタヒバ、イワヒバ、ヒメハナワラビ、アオホラゴケ、ハ 事 業 実 施 想 定 区 域 内 に 主 な
イホラゴケ、キヨスミコケシノブ、シノブ、カラクサシダ、イノモトソウ、オクタ 生育環境が存在するものの、
マシダ、コバノヒノキシダ、メヤブソテツ、ホテイシダ、サジラン ヒメサジラン、 直 接 改 変 は 行 わ れ な い こ と
から、影響はないと予測す
オシャグジデンダ、 ビロウドシダ、オオクボシダ、コケミズ、アオノイワレンゲ、
る。
ハナネコノメ、トウキ、サツキ、ヒカゲツツジ、アカヤシオ、コメツツジ、イブキ
ジャコウソウ、キンレイカ、イワギボウシ、フクロダガヤ、マメヅタラン、ムギラ
ン、セッコク、ヨウラクラン、ウチョウラン
(37 種)
その他(湿原、海岸 ヤチスギラン、イブキ、ミヤマビャクシン、フジナデシコ、マルバノシャリンバイ、 事 業 実 施 想 定 区 域 内 に 主 な
等)
ハマナス、センダイハギ、マルバグミ、ハマボウフウ、マルバトウキ、ハマゴウ、 生育環境が存在するものの、
ナミキソウ、ハマウツボ、ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、ムラサキミミカ 直 接 改 変 は 行 わ れ な い こ と
から、影響はないと予測す
キグサ、シロヨモギ、コハマギク、ツワブキ、ハマギク、イガガヤツリ、ハマカキ
る。
ラン、トキソウ
(23 種)
注:生息環境は以下の文献を参考にした。
「レッドデータブックふくしま I
-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-
「茨城における絶滅のおそれのある野生生物
植物編
(植物・昆虫類・鳥類)」(福島県、平成 14 年)
2012 年改訂版(茨城県版レッドデータブック)」(茨城県、平成 25 年)
「日本の野生植物
シダ」(平凡社、平成 4 年)
「日本の野生植物
草本Ⅰ
単子葉類」(平凡社、昭和 57 年)
「日本の野生植物
草本Ⅱ
離弁花類」(平凡社、昭和 57 年)
「日本の野生植物
草本Ⅲ
合弁花類」(平凡社、昭和 56 年)
「日本の野生植物
木本Ⅰ」(平凡社、昭和 56 年)
「日本の野生植物
木本Ⅱ」(平凡社、平成元年)
「木に咲く花
離弁花 1」(山と渓谷社、平成 12 年)
「木に咲く花
離弁花 2」(山と渓谷社、平成 12 年)
「木に咲く花
合弁花・単子葉・裸子植物」(山と渓谷社、平成 13 年)
「日本カヤツリグサ科植物図譜」(平凡社、平成 23 年)
41
「環境省自然環境局生物多様性センター 生物多様性情報システム
自然環境保全基礎情報データベース 第 2-5 回植生調査重ね合わせ植生」
(環境省自然環境局 生物多様性センターHP)
「茨城県自然公園等配置図」(茨城県、平成 24 年)
「国有林野施行実施計画図」(茨城森林管理署、平成 26 年)
「国有林野施行実施計画図」(福島森林管理署、平成 27 年)
「茨城県農林水産部林業課ヒアリング」(実施:平成 27 年 7 月)
「森林情報システム(ふくしま森まっぷ)」(福島県 HP)
「平成 26 年度鳥獣保護区位置図(北部版)」(茨城県 HP)
「平成 26 年度鳥獣保護区等位置図」(福島県 HP)
「福島県の自然環境保全地域・緑地環境保全地域」(福島県 HP)
(各 HP、閲覧:平成 27 年 7 月)
より作成
第 4.3-7 図
重要な自然環境のまとまりの場の状況
42
「観光いばらき」(茨城県観光物産協会 HP)
「北茨城市観光マップ」(北茨城市 HP)
「高萩市観光協会」(高萩市観光協会 HP)
「ひたちおおた観光・物産ガイド」
(常陸太田市観光案内センター
HP)
「福島県塙町観光協会 Web サイトはなわ」(福島県塙町観光協会
HP)
「いわき市観光情報サイト」(いわき市総合観光案内所 HP)
(各 HP、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 4.3-8 図
主要な眺望点の位置
43
「第 3 回自然環境保全基礎調査
(環境庁、平成元年)
第 4.3-9 図
自然景観資源の位置
44
自然環境情報図」
より作成
「観光いばらき」(茨城県観光物産協会 HP)
「北茨城市観光マップ」(北茨城市 HP)
「高萩市観光協会」(高萩市観光協会 HP)
「ひたちおおた観光・物産ガイド」(常陸太田市観光案内センタ
ーHP)
「福島県塙町観光協会 Web サイトはなわ」
(福島県塙町観光協会
HP)
「いわき市観光情報サイト」(いわき市総合観光案内所 HP)
(各 HP、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 4.3-10 図
主要な眺望点の周囲の可視領域
45
「北茨城市 観光マップ」(北茨城市 HP)
「高萩市観光協会」(高萩市観光協会 HP)
「ひたちおおた観光・物産ガイド」(常陸太田市観
光案内センターHP)
「福島県塙町観光協会 Web サイトはなわ」(福島県
塙町観光協会 HP)
(各 HP、閲覧:平成 27 年 6 月)
より作成
第 4.3-11 図
主要な人と自然との触れ合いの活動の場の位置
46
4.4 総合評価
重大な環境影響が考えられる項目についての評価の結果は、第 4.4-1 表のとおりである。
今後、方法書以降の手続き等において、より詳細な調査を実施し、風力発電機の配置等
及び環境保全措置を検討することにより、環境への影響を回避又は低減できるよう留意す
るものとする。
第 4.4-1 表(1)
環境
要素
騒音及
び超低
周波音
地形
及び
地質
風車
の影
動
植
物
物
重大な環境影響が考えられる項目についての評価の結果
評価結果
方法書以降の手続き等において留意する事項
配慮が特に必要な施設については事業実施
想定区域及びその周囲に存在しないものの、
住宅については、事業実施想定区域の周囲の
2.0km の範囲内に 80 戸存在している。これら
の住宅については騒音及び超低周波音の影響
を受ける可能性があるが、右に示す事項に留
意することにより、重大な影響を回避又は低
減できる可能性が高いと評価する。
事業実施想定区域内には重要な地形(典型
地形)である隆起準平原の「多賀山地」及び
中間湿原の「亀谷地湿原」が存在しており、
その一部について直接的な改変を行う可能性
があるが、これらの重要な地形(典型地形)
上には道路等が存在しており、右に示す事項
に留意することにより、重大な影響を回避又
は低減できる可能性が高いと評価する。
配慮が特に必要な施設については事業実施
想定区域及びその周囲に存在しないものの、
住宅については、ローター直径の 10 倍である
1.0km の範囲内に 27 戸存在している。これら
の住宅については風車の影の影響を受ける可
能性があるが、右に示す事項に留意すること
により、重大な影響を回避又は低減できる可
能性が高いと評価する。
水辺(河川、池沼、水田、湿地等)を主な
生息環境とする重要な種については、事業実
施想定区域内であっても直接改変しないこと
から、重大な影響はないと評価する。
樹林及び林縁、草地を主な生息環境とする
重要な種については、直接改変による生息環
境の変化に伴う影響が生じる可能性がある
が、右に示す事項に留意することにより、重
大な影響を回避又は低減できる可能性が高い
と評価する。
水辺(河川、水田、池沼等)やその他(湿
原、特殊岩石地等)を主な生育環境とする重
要な種については、直接改変しないことから、
重大な影響はないと評価する。
樹林及び林縁、草地を主な生育環境とする
重要な種については、直接改変による生育環
境の変化に伴う影響が生じる可能性がある
が、右に示す事項に留意することにより、重
大な影響を回避又は低減できる可能性が高い
と評価する。
・配慮が特に必要な施設及び住宅からの距離
に留意して風力発電機の配置及び機種等を
検討する。
・超低周波音を含めた音環境を把握し、風力
発電機の選定状況に応じたパワーレベルを
設定した上で、予測を行うとともに、騒音
及び超低周波音の影響の程度を把握し、必
要に応じて環境保全措置を検討する。
・重要な地形の分布状況及び特性に留意して
風力発電機の配置や工事計画を検討する。
・現地調査等により重要な地形の分布状態及
び特性を把握し、必要に応じて改変面積を
最小化する等の環境保全措置を検討する。
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・配慮が特に必要な施設及び住宅からの距離
に留意して風力発電機の配置及び機種等を
検討する。
・風車の影の影響範囲及び時間を数値シミュ
レーションにより定量的に把握し、必要に
応じて環境保全措置を検討する。
・今後の環境影響評価の現地調査において重
要な種の生息状況を把握し、風力発電機の
配置計画、土地改変及び樹木伐採の最小限
化等の環境保全措置を検討する。
・今後の環境影響評価の現地調査において重
要な種の生育状況を把握し、風力発電機の
配置計画、土地改変及び樹木伐採の最小限
化等の環境保全措置を検討する。
第 4.4-1 表(2)
環境
要素
生態系
景
観
重大な環境影響が考えられる項目についての評価の結果
評価結果
方法書以降の手続き等において留意する事項
緑地環境保全地域、鳥獣保護区及び特定植物群
落については、いずれも事業実施想定区域から離
れて存在していることから、影響はないものと評
価する。
一部の自然植生や保安林については、事業実施
想定区域に含まれているが、右に示す事項に留意
することにより、重大な影響を回避又は低減でき
る可能性が高いと評価する。
自然公園については、普通地域が事業実施想定
区域内に含まれているものの、特別地域は含まれ
ていないため、右に示す事項に留意することによ
り、重大な影響を回避又は低減できる可能性が高
いと評価する。
事業実施想定区域内に主要な眺望点は存在せ
ず、直接的な改変が生じないことから、重大な影
響はないと評価する。
景観資源である「亀谷地湿原」及び「岡見湿原」
は事業実施想定区域に含まれるため部分的に改変
の可能性があるが、右に示す事項に留意すること
により、重大な影響を回避又は低減できる可能性
が高いと評価する。
風力発電機の視認可能性及び風力発電機の見え
の大きさについては、
「栄蔵室」からの風力発電機
の見えの大きさは、配置によっては「見上げるよ
うな仰角にあり、圧迫感も強くなる」程度となる
可能性がある。しかしながら、右に示す事項に留
意することにより、重大な影響を回避又は低減で
きる可能性が高いと評価する。
事業実施想定区域内に主要な人と自然との触れ
合いの活動の場は含まれず、直接的な改変は生じ
ないことから、重大な影響はないと評価する。
・樹林及び草地に風力発電機を配置する計画であ
ることから、自然植生や保安林などの重要な自
然環境のまとまりの場を多く残存させるよう検
討する。
・生態系の現況を現地調査等により把握し、また
適切に重要な種及び注目すべき生息・生育の場
への影響の程度を予測し、必要に応じて環境保
全措置を検討する。
人と自
然との
触れ合
いの活
動の場
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・樹木の伐採を限定し、改変面積を最小化するこ
とを検討する。
・主要な眺望点の主眺望方向や主眺望対象、眺望
点の利用状況を踏まえて、風力発電機の配置位
置を検討する。
・主要な眺望点から撮影した写真に発電所完成予
想図を合成する方法(フォトモンタージュ法)
によって、主要な眺望景観への影響について予
測し、必要に応じて風力発電機の設置位置の再
検討等(尾根部を避ける等)の環境保全措置を
検討する。
・風力発電機の塗装色は環境融和塗色で検討する。
・風力発電機の配置及び機種等を検討する際には、
主要な人と自然との触れ合いの活動の場からの
距離に留意する。
・直接的な改変は生じず、重大な影響はないと評
価されるものの、「栄蔵室」及び「亀谷地湿原」
については事業実施想定区域に近接することか
ら、利用環境及び利用状況について詳細な調査
を実施し、今後の事業計画を検討する際はその
結果を踏まえる。また、地域住民の日常的な自
然との触れ合いの活動の場を含めた現況につい
ても調査し、把握するものとする。
第5章
計画段階環境配慮書を委託した事業者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の
所在地
委託事業者の名称
: 一般財団法人日本気象協会
代表者の氏名
: 代表理事会長 繩野克彦
主たる事務所の所在地 : 東京都豊島区東池袋三丁目 1 番 1 号
サンシャイン 60 55 階
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