EFC 第 72 回例会 スピーカー 平成 27 年 11 月 4 日(水)4 時半、会館 14 階「梧桐」 安田 悠(P) 「英訳《雪国》の独立性」 出席者:安藤(L)、鶴田(M), 安田(P), 藤田(Q)、橋迫(S). 細野(T)、河辺(U) 昨年 4 月に取り上げたテーマを再度取り上げることになったのは Asenlund 氏の記 事が英字紙に”In Kawabata’s footsteps to Snow Country”と大きく出たからである。 Asenlund 氏が書いたのは紀行文だが「雪国」の冒頭の一節が掲げてあるから看過で きず、”In Asenlund’s footsteps”で、実地踏査してみた。川端康成が執筆を始めたのは 1934 年であり、それからもう「雪国」の社会も風習も、土地も大きく変わってしま った。鉄筋に改築された高半旅館から見る山の雪景色、幸いこれだけは恐らく昔と同 様に美しく静寂で十分に目を楽しませてくれた。温泉、食事も良かったが国鉄の開発 商法で割を食って温泉宿の衰退は明らかで今回訪ねておいて良かったと思った。文 献に挙げられていないような資料を入手できたし、興味ある収蔵品の写真をとるこ ともできた。 若い Asenlund 氏が、ましてや英訳本を基にしてはとても「雪国」の世界に浸るこ とはできない。然しそういう私も本来は新幹線でなく開通時の単線の蒸気機関車で 清水トンネルを抜けないと「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」は実感で きないのだ。 我々が生まれた頃への感傷、英訳文への疑問、国鉄商法への批判など所詮年寄りの 繰言かも知れないが参加者はスピーカーの話によく耳を傾けてくれた。一時間半後 ビールと和食弁当、 それから 5 名でラウンジに移って恒例の赤ワインデカンタ空け。 次回第 73 回 平成 28 年 1 月 13 日(水)16;30 「梧桐」 英訳「雪国」の独立性とノーベル賞 スピーカー:安田 悠(P)
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