第2回富士市立中央病院あり方懇話会 議事録 [意見交換会] (委員A)収入増加・確保対策(5 ページ)の具体的な取り組みと成果についてお聞きし たいです。また、紹介率の増加などがどのように利益に繋がるのでしょうか。 (事務局)紹介率の数値については 6 ページに載っていますが、平成 22 年度は 21 年度と 比べ低下しています。この紹介率や逆紹介率の数値を上げ地域医療支援病院となることで、 診療報酬の加算額が上がり収入増加に繋がります。また、7:1看護配置基準を取得した ことで収益が増加しています。詳しい数値については後日皆さんに資料をお渡しいたしま す。 (委員A)現在の取り組みの中で最も改善に繋がるのはどの取り組みになるのでしょうか。 (事務局)紹介率の増加が重要です。これには、中央病院だけでなく地域の医療機関と協 力していく必要があります。 (委員B)病院の診療単価の増加とは患者の負担増加になるという事でしょうか。 (事務局)診療費の 7 割は保険請求で残りの 3 割は本人負担ですので、患者さまの負担額 も上がることになります。 (委員B)病院の黒字化とはどのように捉えればいいのでしょうか。診療単価を上げる事 は患者にとっては負担が増えることになります。また、公立の病院は自治体からの補てん がある中で効率化に真剣に取り組むべきではないでしょうか。そして、現実的に病診連携 を進めていくことは可能なのでしょうか。 (事務局)追加資料の病院事業会計の収支をご覧ください。市からの繰入金には負担金と 補助金があります。負担金とは病院が抱える不採算部門に対する補てんであり、補助金と は負担金を受け取ってもなお赤字であった時の補てんを意味します。当院が目指す黒字と は、負担金は含めるが補助金は除いた状態での黒字になります。直近では平成 13 年度が黒 字でしたが、それ以降は赤字が続いている状況です。 (委員B)平成 13 年度に比べ収益は伸びているにも関わらず赤字が続いてしまっているよ うですが、原因は把握できているのでしょうか。 (事務局)収益面では平成 15 年度に消化器内科の医師が退職し休診となったことで、約 6 億円のマイナスとなっています。また、薬価差益も年々減少しており、平成 13 年度と比べ ると約1億 7000 万円の減益になっています。しかし近年では、7:1看護配置基準の取 得やDPC制度の導入により収益面は改善に向かっております。 問題があるのは費用面で、まず医師不足による非常勤医師の賃金増加が挙げられますが、 約 2 億 5000 万円の支出増加となっています。もう 1 点は職員の社会保険料の増加であり、 約 2 億円増加しています。 このような状況の中で7:1看護配置基準などの手を打ってきましたが、これから行う 1 べきは病診連携を進め、入院患者数を増やすことであると考えています。 (委員A)病診連携について具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか。 (委員〔院長〕)これまで、病診連携について医師会との会議を年1回行ってきました。今 年度からこの回数を増やしていく事で、顔の見える関係作りに取組んでいます。また、当 院の医師の顔写真や専門領域などまで載せた詳細なプロフィールを、医師会の皆さんに配 布する事がその会議の中で決定し、既に製作を始めているところです。 (会 長)中央病院は変わってきており、医師会や市民との信頼関係が深くなってきてい ると思います。 (委員B)市民としてお願いしたいのは、黒字赤字を論ずることよりも一人でも多くの患 者さまを診たい、というようなモラル面での教育です。 (委員〔院長〕)中央病院では患者サービスの向上についても改善してきています。 (委員C)病診連携は患者にメリットがあるのでしょうか。 (委員〔院長〕)事前にカルテを作成できたり、重複した検査を避ける事にも役立ちます。 (委員C)そのようなメリットをもっとアピールしていくべきです。 (委員B)病診連携には医師同士の信頼関係が必要になるのではないでしょうか。 (会 長)昔に比べるとそういった点もかなり改善されてきています。 (委員A)今日の説明では数字の話が多く、それぞれの項目が患者にとってどのような影 響があるのかがわかりにくいです。 (委員C)患者サービスの向上の一環としてアンケートを行っているとありますが、例え ば7:1看護配置基準の取得の前後で何か違いが見えるのでしょうか。7:1看護配置に よって収益が上がったとしても、それによって増えた患者の負担と比較して、患者が納得 できるだけのメリットがあるのでしょうか。 (事務局)アンケートではないが、お礼状の数は増えています。また、7:1看護配置は 看護の充実に繋がるものと考えています。 (委員C)収入増加・確保対策(5 ページ)にある、請求漏れと未収金の違いは何でしょ うか。 (事務局)請求漏れとは社会保険事務所へのレセプト請求の漏れの事で、未収金とは患者 さまからお支払いいただく診療費のうち、回収できていない分の事です。 (委員B)臨戸徴収とありますが患者の支払い能力を考慮して行っているのでしょうか。 (事務局)そういった事を事前に考慮しながら督促していきます。 (会 長)救急医療センターと同様、中央病院は救急車で搬送されてくる患者さまが多い ので、未収金も多くなってしまっているのだと思います。 (委員B)私立病院の中で経営が成り立たなくなっている病院はあるのでしょうか。 (会 長)そのようなことはほとんどないと思います。 2 (委員B)中央病院は診療科ごとに収支状況を把握して、対策を練っているのですか。 (委員〔院長〕)毎週経営会議を設けるなどして、診療科ごとの状況は把握したうえで話し 合っています。 (委員B)効率化などを行うのは苦しいと思いますが進めていただきたいです。 (事務局)沼津市などと違って富士市には基幹病院が当院しかありませんので、救急対応 に追われてしまっているという事情があります。 (委員B)黒字赤字という話ではなく、削れるところ削れないところをはっきりとして、 無駄をなくしていただきたいです。 (事務局)公立病院として維持しなくてはならない機能があります。例えば、医師不足に 対応するためには、経費がかかっても非常勤医師を呼んで診療を続ける必要があります。 (委員B)民間的な経営手法とあるが具体的にはどういったことでしょうか。 (委員〔院長〕)私は昨年まで私立の大学病院におりましたが、私立の大学病院は当然赤字 ではやっていけません。経営手法を変えて余裕がある運営ができれば医療の質も上がり、 医師も集めることができます。また、経営を良くするためには、必然的にサービスの向上 も図っていく事になります。公立病院だから誰かが何とかしてくれるという意識では、職 員がサービスを良くしようという考えにもなりにくいでのではないでしょうか。 そういった意味で民間的な手法という言い方をしています。 (委員B)民間的な経営手法は必要だと思いますが、それをどう教育していくのかを考え ていく必要があると思います。 (会 長)他に何かありますでしょうか。 (事務局)数値目標の変更を行いたいと思いますので、参考になるような数字を提示させ ていただきます。 資料6ページをご覧ください。見ていただくとわかりますように、現在の改革プランの 設定数値では目標が高すぎてほとんど達成できておりません。 「改革プラン・中期経営改善計画 収益的収支の設定数値比較表」をご覧ください。中 期経営改善計画の数値は改革プランに比べて当院の実情に近いことがお分かりになると思 います。また、病診連携を推進し入院患者を増やすことで、医療の質を維持しながらも達 成できる数値となっています。 (会 長)今後は改革プランの数値をより現実的な中期経営改善計画の数値に置き換えて いく事といたします。また、今後の経営状況に応じて、改革プランの数値以外の施策につ いても委員の皆さまのご意見を十分に検討し、何らかの形で反映していくようお願いいた します。 (会 長)他にご意見ご質問がありましたらお願いします。 (委員B)改革プランの数字に 24 年度以降の数字も盛り込んでいくのでしょうか。 (事務局)はい。総務省からの指示にも、23 年度までに目標が達成できない場合には、改 3 めて数値を設定して報告するようにとあります。 (委員B)入院患者数の増加を目指すにあたって、外来患者数も増えるのでしょうか。 (事務局)病診連携を進めていけば、かかりつけ医に診てもらった上で必要に応じて中央 病院へ紹介されるという流れが基本になるので、外来患者数は減ることになります。 (委員B)材料費とはなんでしょうか。 (事務局)薬品や診療に使う材料費を指します。 (委員B)材料は外部の業者に委託しているという話があったと思いますが、どのような 形でしょうか。 (事務局)これまでは全て当院の倉庫に仕入れておりましたが、効率化をするために供給 業者と契約いたしました。 (委員B)在庫管理の委託ということでしょうか。 (事務局)はい。 (委員)薬品についてはジェネリックもあると思いますが、やはり難しいのでしょうか。 (委員〔院長〕)ジェネリック薬品は必ずしも全く同じ効用ではないので、単純な話ではあ りません。なお当院は慈恵大学の判断を参考にしております。 (委員B)薬価差益についての話がありましたが、薬価に変化があったのでしょうか。 (事務局)薬価は政府が決めていますが、年々下がってきているため薬価差益も減少して おります。 (会 長)以上で終わりたいと思いますが、最後に感想などがあればお願いします。 (委員D)利益を上げるために診療単価を上げる事は、市民にとってはサービス向上とい う恩恵もあるのでしょうが、診療費が高くなるので負担も大きくなってしまいます。可能 であれば、サービスの質を維持しながら経費削減を進めていく方向でお願いしたいです。 (委員A)医療の機能が市内で完結するようになってくるといいと思います。 (委員C)医師会で病院のマップを作っていると聞きましたが、そういった情報がなかな か市民に伝わって来ません。病診連携の情報なども併せて各戸に配布してみてはいかがで しょうか。 (会 長)以上で本日のあり方懇話会を閉会といたします。 4
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