答申書(PDF:297.9KB)

二宮町町民活動推進委員会
答
申
書
平成28年2月
二宮町町民活動推進委員会
答
申 書
目 次
1
はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2
諮問内容について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3
答申に向けた論議の内容
4
協働まちづくりに向けた発展的な考察
5
論議の経過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
6
資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
7
おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
・・・・・・・・・・・・6
1
はじめに
平成27年6月22日付ニ第972号により、二宮町町民活動推進委員会(以下「委
員会」という。
)は、二宮町町民参加活動推進条例第14条の規定に基づき、町長から
下記の諮問事項について諮問を受けました。
委員会は、この諮問事項についての意見をまとめるにあたり、二宮町における町民
参加の現状の調査をし、今後の二宮町における町民活動の推進施策のあり方及び進め
方について検討してきました。検討論議した二宮町町民活動推進委員は、委員の選出
区分である公募、学識経験者、団体等それぞれの立場からの意見に加え、一人の町民
として町政への町民参加がどうあるべきかについて意見を出しあい、様々な視点から
専門性を持ちつつ町民感覚を大切にした答申づくりに努めました。
このたび、7ヶ月にわたる検討を終了し、次のとおり意見を取りまとめることがで
きましたので、ここに答申として提出いたします。
二宮町町民活動推進委員会
委員長 手塚 明美
2
諮問内容について
1.現在の社会状況における町民活動の推進方法について
2.町民活動推進補助金の補助のあり方について
3.町民活動サポートセンターの運営及び支援のあり方について
1
3
答申に向けた論議の内容
諮問1「現在の社会状況における町民活動の推進方法について」
(1)基本的な考え方について
内閣府が1968年より毎年実施している「社会意識に関する世論調査」
によれば、
「社会貢献活動への関心」は、1990年まで50%程度で推移
していたが、阪神淡路大震災後の調査時に60%を超え、以後現在まで市
民の関心の高さは安定しています。また、2014年度に内閣府で実施し
た「特定非営利活動法人及び市民の社会貢献に関する実態調査」によれば
「ボランティア活動に対する関心の有無」で「関心がある」との回答が6
2.3%あります。一方で、「過去3年間のボランティア活動経験の有無」
についての設問には、
「したことがある」との回答は26.8%で、「関心
がある」方々の約半数に留まっています。また、
「したことがない」73.
2%の方々の「参加の妨げとなる要因」には、
「情報の不足」
(25.8%)
や「参加の手続きの不明瞭さ」
(24.1%)などを挙げています。さらに、
「国・地方自治体等への要望」では、
「ボランティアを受け入れる団体・NPO
等に関する情報提供や情報発信を充実すべき」
(47.6%)
、
「ボランティ
ア活動を行いたい人と、受け入れる人を結びつける人(団体等)を養成・
支援すべき」
(35.4%)の回答が一位、二位を占め、今後のボランティ
ア活動や社会貢献活動における支援策の方向性を見て取ることができます。
第5次二宮町総合計画中期基本計画(素案)には、第 7 項「自治」の中
で「7-1-2 官民協働によるまちづくり活動の推進」の施策概要として、
「二
宮町町民参加活動推進条例に基づき、町民、ボランティアグループや NPO、
事業者等と町が協働でまちづくりを進めていくため、適切に町政への参加
の機会を設けるとともに、活動を推進するための既存施設や空家等を活用
した活動の場や情報等の提供に努めます。」と記載されており、引き続き
町民活動を推進しながらまちづくりを進めていくことが謳われております。
本委員会では、諮問を受けるにあたり町民活動の実態を把握すべく、二
宮町町民活動サポートセンターに登録されている町民活動団体を中心に、
平成27年6月に「町民活動団体実態調査」を実施いたしました。調査結
果から数多くの団体が活動していることを確認するとともに、様々なご意
見をいただくことができました。すでに活動している団体は継続発展に向
けたサポートを必要としていることや、交流の機会や相談機能などを求め
ていること等がわかりました。(詳細は別添資料)
このように、町民活動への意識はより高まっており、一方、行政におい
ても町民活動を推進したいとの意向があり、その重要性は、これまで以上
2
に高まっていることがうかがえます。
以上より、今後の推進方法につきましては、町民に対する情報提供や情
報発信のさらなる充実をはかるとともに、二宮町町民参加活動推進条例を
活用し、単に活動や施策を知ってもらうことにとどまらず、町民の積極的
な参加を促すために、活動環境の整備をすすめていくことが必要であり、
実施の方法も変化しなければならないと考えます。
(2)推進方法について
活動している町民活動団体には、これまで事業の推進を促すべくサポー
トをおこなってきましたが、今後は長期的・継続的な活動を進めるために、
活動団体の組織基盤整備への支援をおこなっていくことが必要です。また、
これまで町民活動に参加したことのない町民に対しては、情報発信を充実
させ、町民活動の必要性や意義等を十分に認識してもらえるよう働きかけ
ていくことが必要です。
①町民の参加意欲向上
これまで町民活動に関心のなかった町民に対して、協働によるまちづ
くりに多くの町民が参加することにより、自分たちの暮らしが豊かにな
るという理解を促し、積極的に町民活動に参加できる機会の提供をはか
っていく必要があります。また、すでに活動している団体は、さらに継
続発展できるよう、支援体制の整備も必要です。
②職員の認識向上
二宮のまちづくりをすすめるうえで町民の参加は不可欠であり、多様
で活発な町民活動はその核となります。職員は町民活動への認識を高め、
各部署が連携し、活動団体と良好な関係を築き協働によるまちづくりの
推進が必要です。
③町民活動等に関する推進計画
現在、町民活動等の推進状況を管理する計画がなく、進捗状況を確認
することができない状態です。今後、町民活動の活性化と計画的な推進
を図るためには、町民活動等に関する推進計画が必要であることから、
町民活動推進計画の策定を提案します。
諮問2「町民活動推進補助金の補助のあり方について」
(1)基本的な考え方について
町民活動をおこなう団体は、二宮町に住んでいる町民にとって、地域を
支える様々な場面で必要不可欠な存在です。団体数の増加や、より活発な
活動を進めるためには、団体への財政的な支援が有効です。より多くの団
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体が活用できるよう、補助金の手続等の見直しは必要と考えます。
(2)見直し内容について
今後の補助金の考え方として、より効果的に活動を推進していくために、
多角的な観点からその重要性を判断し、選択と集中を図っていくことも検
討課題と考えます。また、補助終了後の活動団体の活動支援の必要性、サ
ポートセンターとの関係性についても論議を深めました。
①補助金の仕組みについて
現在の町民活動推進補助金は、町民活動スタート支援と町民活動ステ
ップアップ支援の2種類に分けられているものの、いずれの補助金も町
民活動団体の実施する「活動や事業」に対する補助でした。特に、長期
的・継続的な活動に向けては、活動団体の組織基盤の強化のための支援
をおこなう必要があることがわかりました。
また、申請時のプレゼンテーションや報告会の発表を実施してきた中
で、初動期の団体と、継続的な活動団体では、必要とする補助金や実務
負担を感じるレベルが異なっていることもわかりました。
上記を踏まえ、活動期間と補助金額の違いに基づき種類を分けるだけ
ではなく、補助の目的や補助内容、申請方法にも違いを持たせる方向で
改善に向けた論議を進めました。
また、補助終了後の団体活動について、フォローが必要な場合は、サ
ポートセンターとの連携や、条例第13条登録を活用した公共事業への
参入といったことも含めて適切なアドバイスが受けられることが望まし
いと考えます。
②補助の目的と内容
○町民活動スタート支援
目的:町民の町民活動への新規参入を促すことを目的とする。
内容:活動団体の実施する活動に活用する補助金とする。
申請は通年行い、申請者の事務負担を軽減する。
○町民活動ステップアップ支援
目的:団体活動が継続的に発展することを目的とする。
内容:活動団体の組織基盤の強化に活用する補助金とする。
③補助対象団体:町民が中心となり、自主的に活動を実施する、公益性、
社会性を持つ町民活動団体を補助対象とする。
④予算:総額 100 万円(可能であれば増額が望ましい)
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諮問3「町民活動サポートセンターの運営及び支援のあり方について」
(1)基本的な考え方について
町民活動サポートセンターについては、町民活動団体実態調査の結果か
ら、現在も多くの団体が使用していることが確認できました。また、諮問
2の(1)に記述したように、二宮町において、町民活動の推進は不可欠
であり、補助金と同様に活動をサポートするための機関は必要です。また、
多くの町民が町民活動に主体的に関わるためにはプラットホーム(拠点)
があることが望ましく、施設の場所については、現状使用している団体か
らの要望や町民の利便性等も踏まえ、見直しが必要と考えます。
(2)見直し内容について
①運営について
・当面は従来と同様に町役場の直営とし、町民の参加意識の醸成を図り
つつ、町民運営へ移行することが望ましいと考えます。
・スタッフは、町民参加活動推進条例の目的を理解し、地域の実情や特
性、町民活動の実態を把握し、全国的な視点やグローバルな考え方を
受け入れるなど柔軟な発想、実行力、公平性及び自主性を持ち、責任
をもって町民活動の活性化と推進を図ることができる能力がある人材
が望ましいと考えます。
・町民活動や他地域の活動状況のわかる広報資料や報告書などを掲示・
配架し、情報提供を図ります。また、二宮町の施策や動向のわかる資
料を常設した、町の情報コーナーを設ける等、多くの町民が来場し、
関心を持ってもらうよう工夫をすることが必要と考えます。
②施設の場所
全ての町民が気軽に利用できるよう、施設の場所は大変重要です。利
用促進のため、次の各条件に合致する場所に移設することが望ましいと
考えます。
・複数台の車が置ける駐車場を保有(障がい者専用駐車場があると尚良
い)
・会議室(20~30名程度)を保有、又は使用する権利を保有
・駅から徒歩、又は公共交通機関で行くことができる
・町民活動は、町役場との関係も重要であることから、役場からの距離
は至近が望ましい(例:町民センター、ラディアンなど)
③施設や機材等の提供機能(ハード面)
現在の利用状況を踏まえるとともに今後の利用促進、団体内部及び団
体間の情報共有を進めるため、以下の設備を整える必要があると考えま
す。
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・コピー機(1 台)
、印刷機(1~2 台)
、裁断機、帳合機
・団体専用有料ロッカー(24 個)
・団体専用無料レターケース(50 台程度)
④相談や交流・研修、関連情報等の提供機能(ソフト面)
町民活動団体実態調査の結果を見ると、交流の機会や相談機能などの
ソフト機能が求められていることがわかります。今後、町民活動を更に
促進するためには、ソフト機能の充実が必須であり、次の機能を有する
ことが望ましいと考えます。
・団体運営の相談、支援
町民活動に関する町担当課への取次
専門的な機関の連絡先等の紹介
補助金や助成金等の情報の提供及び支援等
・他団体の情報、活動状況の把握、情報提供
活動内容や目的ごとの団体間の交流促進、ネットワーク構築のサポ
ート
・活動に必要な知識の提供
研修会・勉強会の実施、紹介
⑤利用料等
コピー・印刷機等の消耗品や、団体が占有して利用するロッカー、会
議室に関しては有料とします。ただし、占有利用ではありますが、交流
の機会や団体育成に効果の高いと思われるレターケースに限っては無料
での貸出を希望します。
利用料等については、次のとおり提案します。
・コピー機、印刷機等:実費負担
・会議室:現行のような機密性の低いものは無料
ただし、他の公共施設の会議室と同程度の機密性を持つ場合
は、他の公共施設の利用料と同程度の費用負担を求めます。
・ロッカー:大きさにもよるが、1か年 2,000 円程度
・レターケース:無料
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協働のまちづくりに向けた発展的な考察
町民活動を推進するためには、従前の支援策に留まらない新しい方策も考える
必要があるとの論議がありました。特に活動資金に関しては、町民や企業など民
間から資金を集める、
「資金バンク」等の設立やボランティアポイント等なども有
効であり、行政の資金に頼らない自立的な活動を目指すためには、こうした仕組
みづくりも必要と考えます。
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5
論議の経過
①平成27年 6月22日 第2回二宮町町民活動推進委員会開催
②平成27年 7月28日 第3回二宮町町民活動推進委員会開催
③平成27年 9月
7日 第4回二宮町町民活動推進委員会開催
④平成27年10月
9日 第5回二宮町町民活動推進委員会開催
⑤平成27年11月20日 第6回二宮町町民活動推進委員会開催
⑥平成27年12月22日 第7回二宮町町民活動推進委員会開催
⑦平成28年 1月21日
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第8回二宮町町民活動推進委員会開催
資料
・二宮町町民活動推進委員会名簿
・二宮町町民参加活動推進条例、二宮町町民参加活動推進条例施行規則
・町民活動団体実態調査結果報告
・にのみやまち町民活動サポートセンター利用実績(平成26年度)
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おわりに
この度の諮問に関して論議した際に、本文に記載した内容だけではなく、今
後必要になる点につきまして、数多くの意見が出ました。本欄ではその一部を
紹介いたします。
一つ目は、町民活動を推進していく際に、方針や実施方法、評価の基準や方
法、見直す際の目安などを盛り込んだ推進計画が必要ではないかということで
す。現在、二宮町では、町民活動推進に向けた計画を策定していないため、支
援策の連携がとりにくく、相乗効果が見込みにくい状況にあります。また、達
成目標も事業ごとに設定され、効果が測りにくいと思われます。
(仮称)二宮町
町民活動推進計画を策定し、委員会にて進捗状況などの確認などをおこない、
二宮町と二宮町民にとって、活動しやすい環境を整え、活発な町民活動が展開
できるようにしていただきたいと思います。
二つ目に、二宮町町民参加活動推進条例に関しまして、多くの意見交換があ
り、改正も視野に入れて行政側からの情報もいただいたところではありますが、
「二宮町にあっている条例なのではないか」という意見でまとまりました。た
だし、第13条(行政サービスへの参入機会の提供)が活用されていないなど、
機能していない部分も見受けられますので、今後は条例を活用して、町民活動
団体を活性できるような実施計画の検討を望みます。
三つ目は、補助金のあり方を検討している過程で出てきた意見です。二宮町
全ての補助金の交付状況をつぶさに調査し、一覧化した上で、目的別、団体別
に整理し、より効率的な補助金の交付を全庁的に計画する時期なのではないか、
7
窓口を一元化することも有効ではないかとの意見です。交付団体の重複等をし
ないように管理するだけでも支出の削減に繋がり、二宮町の可能性が広がると
考えました。
以上、三点の意見を列記いたしましたが、どの点も、委員間で共有できたも
のですので、今後の方針を策定の際の参考となればと思います。
今回の委員会のスケジュールは大変過密ではありましたが、充実した意見交
換が行われました。この度の諮問に際し、まず委員会から出た意見は、
「実態を
調査したい」でした。委員の80%以上が町民活動の経験者であり、町民で構成
されている委員会でも町民活動の実態は解りにくいものだったのです。平成2
7年6月から1月までの間、毎月1回のペースで合計7回の会議を開催してま
いりましたが、その期間の中で、
「町民活動実態調査」が行われたことは、それ
だけでも大きな成果だったと考えております。
最後になりますが、本答申をまとめるにあたり「町民活動実態調査」にご協
力をいただいた町民の皆さまと、委員会での意見記録の他に、委員が要望した
膨大な資料を簡潔に期間内におまとめいただきました事務局の皆さま他、関係
者の皆さまに深く御礼申し上げます。ご協力誠にありがとうございました。
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