シンポジウムでは, 「子ども主体の教育~再考」として,佐賀県立唐津特別支援学校の脇 山先生,片渕先生,植草学園大学教授の尾崎先生,岩手大学教授の名古屋先生から,実践 や今後の知的障害教育,特別支援教育について貴重なお話をいただきました。 脇山先生,片渕先生からは,高等部の「交流」をテーマにした実践の発表でした。他学 部の児童生徒や老人介護施設利用者との交流,地域資源の活用として地元ケーブルテレビ と協力した学校特集ビデオの作成など,生徒のやる気や,生き生きとした表情や姿が先生 方のお話とともに伝わってきました。 「唐津特別支援学校で働いてみたい!」と,私だけで なく,多くの参会者が思った実践でした。 尾崎先生からは, 「教育課程企画部会論点整理からみた生活単元学習と今後の特別支援教 育」として,新学習指導要領,アクティブラーニング,今後の教育課程といった最新の教 育動向と生活単元学習との関係についてお話しをいただきました。これからはさらに「自 分から」 「自分で」学ぶ,考える,続けることが求められ,そのために教師や学校はどのよ うにしていくべきかを考えました。学びを支える子ども一人一人へのできる状況づくりの 重要さを改めて感じました。 名古屋先生からは, 「今後の知的障害教育がめざすもの~目標としての自立・子ども主体, 方法としての『できる状況づくり』 ,内容としての『生きた力』~」について,時間が経つ のを忘れてしまうほどの熱いお話しをいただきました。特に「 『生きる力』は子どもの生活 の中で,生きて発揮される力,いわば『生きた力』として理解していくことが重要」とい う言葉が,心に深く残りました。子どもたちがいきがいややりがいを感じ,本気で取り組 める授業づくりに努めたいと感じました。 本会に参加して,子ども主体の教育は木に例えるならば,太くたくましい幹の部分であ り,改めてその意義を考え,子どものために良い授業,良い学校生活づくりに取り組んで いきたいと感じました。今後の自分の実践への大きな節目となった第18回の研究会でし た。ありがとうございました。 千葉県立印旛特別支援学校 赤間 樹
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