さかなが食卓にならぶまで~水産流通を学ぼう~ りょうしさんがとってきたおさかなは、どのようにみなさんの家庭の食卓までとどくのかな? おさかなが食卓に運ばれるまでをべんきょうしましょう。 流通とは? さかなや野菜がしょうひ者にとどくまでに市場やお店などをめぐって運ばれることを「流通」といいます。さかなは、私たちの食生活に欠 かせないものですが、天気がわるかったり、その日の漁もようによってなかなかとれないことがあります。しかし、日本は南北に広く、ま わりを海に囲まれているので、日本全国でさかながまったくとれないという日はほとんどありません。このため、さかながほしくてもそろ わない地域には、他のさかなのある地域から流通してきます。また、ある市場より別の市場の方がさかなの値段が高い場合には、漁師さん や流通業者の人は値段の高い市場の方でさかなを売りたいと考えます。このように、さまざまな事情によりさかなは全国的に流通していま す。 さかなの流通はちょっとふくざつなので、ここではさかなの流通を「漁業の現場」「産地での流通」「消費地での流通」と3つのステージ に分け、ステージごとにかいせつします。 ステージ1 漁業の現場 さかなをとって収入をえることを「漁業」といいます。 漁業は、場所や季節によって、いろいろな方法があり、さまざまな種類のさかながとられています。 高知県では、カツオの一本釣り漁が代表的ですが、下図のようにいろいろな漁業が営まれています。 高知県には東の東洋町から西の宿毛市までに大小88の漁港があり、その多くで産地市場(さんちしじょう)が開設されています。県内各地 にある産地市場には、さかなをとってきた漁師さんが水あげします。 (高知県の漁業の代表例) 一本釣り(カツオ) ひき縄釣り(カツオ・マグロ類、その他) 機船船びき網(イワシ類) 中型まき網(アジ・サバ・イワシ) 定置網(アジ・サバ・イワシ・ブリ ステージ2 産地での流通 さかなが多くとれ、さかなの流通がスタートする地域のことを「産地」といいます。 また、多くの漁港では漁業協同組合(漁協=ぎょきょう)が市場を開設しており、産地にあるこれらの市場のことを「産地市場」といいま す。 さかなをとってきた漁師さんは地元の産地市場にさかなを水揚げし、漁協にさかなをあずけます。さかなをあずかった漁協は、さかなの種 類ごとにせんべつしたり、重さをはかってから、セリ売りや入札でさかなを買いつけにきた業者にはんばいします。せりや入札は、一番た かい値をつけた人がさかなを買うことができる仕組みとなっています(せりなどで買う人がきまることを落札(らくさつ)といいます)。 漁協のしょくいんが漁師さんからさかな を預かります。 魚の種類ごとにせん別、計量してセリ や入札をおこないます。 落札した業者が県外の市場や県内の鮮魚店、いんしょ く店などにさかなを販売します。 ステージ3 消費地での流通 都市部のように人口が多くしょうひ量の多い地域のことを「しょうひ地」といいます。また、しょうひ地にある市場のことを「しょうひ地 市場」といいます。産地ではさかなは多くとれますが、そのすべてをしょうひすることはできませんので、しょうひの多いしょうひ地に 送っています。このため、しょうひ地市場には全国各地から多くのさかなが集まってきます。 しょうひ地市場には全国の漁港からさかなをあつめて販売する「卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)」と、卸売業者から商品をかって小売 店(こうりてん)などに販売する「仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)」、自社で必要なさかなの買いつけをおこなう「売買参加者(ばい ばいさんかしゃ)」がいます。卸売業者はセリ売りや入札により、仲卸業者や売買参加者に商品を販売します。ここでも一番たかい値をつ けた人がさかなを買うことができる仕組みです。 しょうひ地市場でさかなを買いつけした仲卸業者や売買参加者は、スーパーや鮮魚店などの小売店(こうりてん)、居酒屋などの飲食店に 魚を卸します。スーパーや鮮魚店などの小売店は、買いつけしたさかなを店頭ではんばいし、飲食店は料理をしておきゃくさんに提供しま す。 しょうひ者は、スーパーなどの小売店でさかなを買ったり、レストランなどの飲食店へ行くことでさかなを食べることができます。 しょうひ地市場には、産地市場 などから多くの魚が集まります。 卸売業者は、セリや入札で魚を 販売します。 落札した業者が鮮魚店やいんしょく店 などにさかなを卸します。 店で販売されたり、飲食店で料 理として提供されます。 いろいろな人の手をけいゆして、 しょうひ者のもとに届きます。
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