経営体制 - 東京海上ホールディングス

経営体制
取締役・監査役
68
社外監査役インタビュー
70
コーポレートガバナンス
72
内部統制・コンプライアンス
76
リスク管理
77
⑭
⑪
⑧
⑩
⑥
④
①
取締役
66
① 取締役会長(代表取締役)
隅 修三
③ 取締役副社長(代表取締役)
大庭 雅志
⑤ 常務取締役
藤田 裕一
⑦ 取締役
広瀬 伸一
② 取締役社長(代表取締役)
永野 毅
④ 専務取締役(代表取締役)
石井 一郎
⑥ 常務取締役
湯浅 隆行
⑧ 取締役(社外取締役)
三村 明夫
統合レポート 2015
②
③
⑤
⑦
⑬
⑨
⑫
⑮
監査役
⑨ 取締役(社外取締役)
佐々木 幹夫
⑪ 常勤監査役
玉井 孝明
⑬ 監査役(社外監査役)
川本 裕子
⑩ 取締役(社外取締役)
江川 雅子
⑫ 常勤監査役
伊藤 卓
⑭ 監査役(社外監査役)
堀井 昭成
⑮ 監査役(社外監査役)
和仁 亮裕
東京海上ホールディングス
67
取締役・監査役
石井 一郎
取締役
専務取締役
(代表取締役)
隅 修三
取締役会長
(代表取締役)
1970年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2000年 6月 同社取締役海外本部
ロンドン首席駐在員
2002年 6月 同社常務取締役
2004年10月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役
2005年 6月 同社専務取締役
2007年 6月 同社取締役社長
2007年 6月 当社取締役社長
2013年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
取締役会長
(現職)
2013年 6月 当社取締役会長
(現職)
1978年
2010年
2011年
2012年
2013年
4月
6月
6月
2月
6月
2013年 6月
2013年12月
2015年 4月
2015年 6月
2015年 6月
東京海上火災保険株式会社入社
当社執行役員海外事業企画部部長
当社執行役員海外事業企画部長
当社執行役員海外事業企画部部長
東京海上日動火災保険株式会社
常務執行役員
当社常務執行役員
東京海上日動火災保険株式会社
常務執行役員退任
当社専務執行役員
東京海上日動火災保険株式会社
専務取締役
(現職)
当社専務取締役
(現職)
藤田 裕一
常務取締役
永野 毅
取締役社長
(代表取締役)
1975年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2003年 6月 同社執行役員東海本部名古屋営業
第三部長
2004年10月 東京海上日動火災保険株式会社
執行役員名古屋営業第三部長
2006年 6月 同社常務執行役員
2008年 6月 同社常務取締役経営企画部長
2008年 6月 当社取締役
2009年 6月 当社取締役退任
2010年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
専務取締役
2011年 6月 当社専務取締役
2012年 2月 当社専務取締役海外事業企画部長
2012年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
取締役副社長
2012年 6月 当社取締役副社長海外事業企画部長
2013年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
取締役社長
(現職)
2013年 6月 当社取締役社長
(現職)
1980年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2011年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
執行役員経理部長
2011年 6月 当社執行役員経理部長
2012年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役経理部長
2012年 6月 当社常務取締役経理部長
2013年 7月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役
(現職)
2013年 7月 当社常務取締役
(現職)
湯浅 隆行
常務取締役
1981年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2012年 6月 東京海上日動フィナンシャル生命保険
株式会社取締役社長
2014年 9月 同社取締役社長退任
2014年10月 当社常務執行役員
2015年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役
(現職)
2015年 6月 当社常務取締役
(現職)
大庭 雅志
取締役副社長
(代表取締役)
1978年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2007年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
執行役員経理部長
2009年 6月 当社執行役員経理部長
2010年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役
2010年 6月 当社常務取締役
2013年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役退任
2014年 4月 当社専務取締役
2015年 4月 当社取締役副社長
(現職)
68
統合レポート 2015
広瀬 伸一
取締役
1982年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2013年 6月 東京海上日動あんしん生命保険株式会社
常務取締役
2014年 4月 同社取締役社長
(現職)
2014年 6月 当社取締役
(現職)
三村 明夫
取締役
(社外取締役)
1963年 4月
1993年 6月
1997年 4月
2000年 4月
2003年 4月
2008年 4月
2010年 6月
2012年10月
2013年 6月
2013年11月
富士製鐵株式会社入社
新日本製鐵株式会社取締役
同社常務取締役
同社代表取締役副社長
同社代表取締役社長
同社代表取締役会長
当社取締役
(現職)
新日鐵住金株式会社取締役相談役
同社相談役
同社相談役名誉会長
(現職)
伊藤 卓
常勤監査役
1980年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2011年 6月 当社執行役員経営企画部長
2013年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役
2013年 6月 当社常務取締役
2015年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役退任
2015年 6月 当社常務取締役退任
2015年 6月 当社常勤監査役
(現職)
佐々木 幹夫
川本 裕子
1960年
1992年
1994年
1998年
2004年
2010年
2011年
2011年
1982年 4月 株式会社東京銀行入行
1988年 9月 マッキンゼー・アンド・カンパニー
東京支社入社
2004年 4月 早稲田大学大学院ファイナンス研究科
教授
(現職)
2006年 6月 当社監査役
(現職)
取締役
(社外取締役)
4月
6月
6月
4月
4月
6月
6月
6月
三菱商事株式会社入社
同社取締役
同社常務取締役
同社取締役社長
同社取締役会長
同社取締役相談役
同社相談役
(現職)
当社取締役
(現職)
江川 雅子
取締役
(社外取締役)
1980年 4月 シティバンク、
エヌ・エイ東京支店入社
1986年 9月 ソロモン・ブラザーズ・インク
ニューヨーク本店入社
1988年 6月 ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社
東京支店入社
1993年12月 エス・ジー・ウォーバーグ証券会社
東京支店入社
2001年11月 ハーバード・ビジネス・スクール
日本リサーチ・センター長
2009年 4月 国立大学法人東京大学理事
2015年 3月 同法人理事退任
2015年 6月 当社取締役
(現職)
監査役
(社外監査役)
堀井 昭成
監査役
(社外監査役)
1974年
2002年
2006年
2010年
2010年
4月
7月
6月
6月
7月
日本銀行入行
同行国際局長
同行理事
(国際担当)
同行理事退任
一般財団法人キヤノングローバル
戦略研究所特別顧問
2010年12月 同研究所理事・特別顧問
(現職)
2011年 6月 当社監査役
(現職)
和仁 亮裕
監査役
監査役
(社外監査役)
玉井 孝明
常勤監査役
1975年 4月 東京海上火災保険株式会社入社
2003年 6月 同社執行役員海外本部部長
2004年10月 東京海上日動火災保険株式会社
執行役員アジア担当部長
2006年 6月 同社常務取締役経営企画部長
2006年 6月 当社取締役
2008年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役
2008年 6月 当社取締役退任
2010年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
専務取締役
2011年 6月 当社専務取締役
2012年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
専務取締役退任
2012年 6月 当社取締役副社長
2013年 6月 東京海上日動火災保険株式会社
取締役副社長
2014年 6月 同社取締役副社長退任
2014年 6月 当社取締役副社長退任
2014年 6月 当社常勤監査役
(現職)
1979年 4月 弁護士
(現職)
1987年 5月 三井安田法律事務所
2004年12月 外国法共同事業法律事務所
リンクレーターズ
2014年 5月 伊藤見富法律事務所
(外国法共同事業モリソン・フォースター
外国法事務弁護士事務所)
2014年 6月 当社監査役
(現職)
東京海上ホールディングス
69
社外監査役インタビュー
東京海上ホールディングスの取締役会は、
社外役員を導入した歴史も古く、
社外役員をいかに活用して
コーポレートガバナンスの機能を
高めていくのか、経験を積んで
実効性を発揮していると思っています。
川本 裕子
監査役(社外監査役)
1982年、株式会社東京銀行入行。1988年にマッキン
ゼー・アンド・カンパニー東京支社入社。早稲田大学大
学院ファイナンス研究科教授
(現職)
。2006年6月より
当社監査役
(現職)
。
Q1. 社外監査役として日ごろ心掛けていることは何ですか?
監査役の重要な仕事は取締役の職務執行を監査することです。健全で公正な
経営を確保し、企業価値の向上にかなう適切な経営判断が行われるよう、業務に取
り組んでいます。
社外役員の役割とは、多層的・多様な視点(社外の目)
から、社内の論議だけでは
見過ごされがちな視点や気づきを提供していくことであると考えます。そのために
取締役会において、本質を突いた「正しい質問」
を行い、建設的な議論に貢献でき
るよう心掛けています。会社の中では
「よくわかっている」議論でも、会社の外でき
ちんと理解されるのか、と疑問に思うような場合には、チャレンジングなポイントで
も指摘を行うことが責務だと思っています。論議が活性化することによって、経営
陣はさまざまなリスクを勘案してより良い判断に近づけるのではないでしょうか。
もちろん、そのために、東京海上グループの事業やビジネスや現場を理解するよ
う努めることは当然のことです。
70
統合レポート 2015
(9年間)東京海上ホールディングスの経営に携わって
Q2. 社外監査役として長らく
おられますが、東京海上グループのコーポレートガバナンスはどのように変わり、
また現状をどのようにご評価されていますか?
東京海上ホールディングスの取締役会は、社外役員を導入した歴史も古く、社外役
員をいかに活用してコーポレートガバナンスの機能を高めていくのか、経験を積んで
実効性を発揮していると思っています。取締役会の論議はとても活発ですし、どんな
議論でも忌憚なく話せるフランクさや透明性も東京海上ならではのものです。たとえ
ば、新中期経営計画策定時も、早い段階から取締役会の議論にのせ、社外の意見を
聞きながら議論を練り上げていったことは、日本企業の中でも先進事例といえます。
取締役会の活発な議論の中で、論点が明らかになって、結論が修正されるときな
どは、取締役会の議論が決して形式的ではない、と実感できる瞬間です。
「 改善点
は?」
という問いに答えるとすれば、経営幹部が国際会議出席をはじめ常に新しい考
え方や情報にふれる機会、すなわち、他流試合を増やしていくのがよいのではない
でしょうか。それがより良いガバナンスにつながっていくでしょう。
Q3. 東京海上グループが“Good Company”を目指して、持続的に企業価値を
高めていくためのアドバイスをお願いします。
東京海上グループは、海外保険事業が売上・利益に占める割合、顧客基盤、従業員
数といった幅広い面で大きく拡大し、従来の国内事業中心のビジネスから、事業基盤
や取り巻く環境自体がグローバル化してきています。そうした中で、多様性・異質性
(ダイバーシティ)
を新たな力として組織・企業文化・経営の中に取り込み、的確にマ
ネージして企業価値の向上につなげていくことがますます重要となっています。こう
した環境下、継続的なイノベーション、グローバル人材の育成や働き方の変革
(効率
的でライフバランスの取れた多様な働き方の追求)
といった取り組みは最重要課題で
す。女性が働きやすい職場はあらゆる人に働きやすい職場であることが多く、それは
評価に透明性が高く、フェアな職場であることが多いと思います。日本企業をベンチ
マークにするのではなく、グローバルなダイバーシティの水準を目指して努力を続け
ていくことを望みます。
保険事業は「お客様のいざというときのために」あり、顧客の信頼が企業価値創
造の原点だという
“Good Company”のビジョンや経営理念は、企業の公正さや
健全性を高めていくことの基盤です。これが、持続的に企業価値を高めていく原動
力となりうるものであると評価しています。
東京海上ホールディングス
71
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンス基本方針
東京海上ホールディングス
(以下、当社)
は、
「 東京海上グ
ます。ただし、当社グループの資本を株価変動の影響を受
ループ経営理念」
を定め、株主、お客様、社会、社員等のス
けにくいものに改善するとともに、資本効率の向上を図る観
テークホルダーに対する責任を果たしていくことで、グルー
点から、引き続き総量の削減に努めます。
プの企業価値を永続的に高めていきます。
そのためには、健全で透明性の高いコーポレートガバナン
株主以外のステークホルダーとの適切な協働
スを構築し、持株会社としてグループ会社を適切に統治する
当社は、
「東京海上グループ経営理念」
を定め、株主の負託
ことが重要であると認識しており、コーポレートガバナンス・
に応え、収益性、成長性、健全性を備えた事業をグローバル
コードもふまえた
「東京海上ホールディングス コーポレート
に展開するとともに、お客様へ安心と安全を提供し、社員が創
ガバナンス基本方針」
を策定しています。
造性を発揮できる企業風土を構築し、広く社会の発展に貢献
することにより、企業価値を永続的に高めることに努めます。
株主の権利・平等性の確保
当社は、株主総会における議決権行使が適切になされる
適切な情報開示と透明性の確保
よう環境を整備します。具体的には、
『 招集ご通知 』の早期
当社は、
「 東京海上グループ 情報開示に関する基本方針」
発送や、集中日以外の日程での株主総会の開催、インター
を定め、経営の透明性や公平性を確保することを目的とし
ネットを通じた議決権行使サイトの採用等を行っています。
て、会社の経営成績等の財務情報や経営理念、経営計画等
また、株主をその有する株式の内容および数に応じて平等
の非財務情報の適時、適切な開示に努めます。
に取り扱います。
政策保有株式については、事業子会社(当社が議決権の
取締役会等の責務
過半数を直接有する会社)の一部が主として取引関係の強
当社の統治機構は、社外取締役および社外監査役
(以下、
化を図り、当社グループの企業価値を高める目的で保有し
社外役員)
に対して業務を執行する経営者が取締役会等に
東京海上ホールディングスのコーポレートガバナンス体制の概要
株主総会
選任・解任
選任・解任
選任・解任
〈取締役会委員会〉
連携
監査役
(監査役会)
会計監査相当性
の判断
監査
会計
監査
指名委員会
答申
委員長:佐々木幹夫
(社外取締役)
委 員:三村 明夫
(社外取締役)
江川 雅子
(社外取締役)
永野 毅
(取締役社長)
答申
委員長:三村 明夫
(社外取締役)
委 員:佐々木幹夫
(社外取締役)
江川 雅子
(社外取締役)
永野 毅
(取締役社長)
連携
執行部門
会計
監査人
取締役会
(取締役)
内部監査部門
内部
監査
経営会議
報酬委員会
企画・管理部門
監査
報告
(子会社等)
72
統合レポート 2015
内部統制委員会
おいて説明責任を果たすことにより、監査・監督の実効性を
取締役の員数は 10名程度
(定款上は 15名以内)
とし、こ
高めることを目指すものとなっています。
のうち、原則として 3 名以上を社外取締役とします。また、
さらに、当社および主なグループ会社の役員の選任ならびに
取締役の任期は 1 年とし、再任を妨げないものとします。
役員報酬の決定のプロセスにおける透明性の向上を図るため、
2014年度末において、当社の取締役会は 3名の社外取締
社外取締役を中心とする指名委員会および報酬委員会を設置
役を含む 10名の取締役で構成されています。
しており、こうした体制が現時点では最適と判断しています。
(2)監査役・監査役会
(1)取締役・取締役会
監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として、企業
取締役会は、当社の重要な業務執行を決定するとともに、
の健全で公正な経営に寄与し、社会的信頼に応えることを
取締役の職務の執行を監督する責務、適切な内部統制シス
目的に、取締役の職務執行を監査します。監査の実施にあ
テムを構築する責務等を負います。加えて、持株会社であ
たっては、監査役会で定めた監査役監査基準、監査方針お
る当社の取締役会は、グループの中長期戦略および内部統
よび監査計画等にしたがい、質の高い監査を実施するよう
制基本方針をはじめとしたグループの各種基本方針を決定
努めています。
するなどの機能を有します。
監査役の員数は、5名程度
(定款上は 6名以内)
とし、この
当社は、取締役会規則を定め、取締役会が行う重要な業務
うち、原則として過半数を社外監査役とします。2014年度
執行の決定の内容を定めています。取締役会での決定を要し
末において、当社の監査役会は 3 名の社外監査役を含む
ない業務執行の決定は業務執行役員に委任しています。
5名の監査役で構成されています。
社外役員の兼職状況、出席状況等(2015年7月現在)
氏名
在任期間*1
兼職その他の状況
選任理由
出席状況
社外取締役
三村 明夫
5年
新日鐵住金株式会社相談役名誉会長
日本郵政株式会社取締役
(社外取締役)
株式会社日本政策投資銀行取締役
(社外取締役)
長年の企業経営を通じて培われた経営の専門
家としての見識に基づき、適切な監督機能を
株式会社産業革新機構取締役
(社外取締役)
株式会社日清製粉グループ本社取締役
(社外取締役) 果たしていただくことを期待するため
日本商工会議所会頭
東京商工会議所会頭
佐々木 幹夫
4年
三菱商事株式会社相談役
三菱自動車工業株式会社取締役
(社外取締役)
三菱電機株式会社取締役
(社外取締役)
株式会社三菱総合研究所取締役
(社外取締役)
長年の企業経営を通じて培われた経営の専門
家としての見識に基づき、適切な監督機能を
果たしていただくことを期待するため
2014年度に開催した12回
の取締役会のうち11回(う
ち定時取締役会10回中9
回)
に出席
三井不動産株式会社取締役
(社外取締役)
旭硝子株式会社取締役
(社外取締役)
長年の金融機関での実務経験、
コーポレート
ガバナンスに関する研究活動および国立大
学法人東京大学における役員としての経験を
通じて培われた企業経営等に関する見識に基
づき、適切な監督機能を果たしていただくこ
とを期待するため
̶
長年のコンサルティング会社での実務経験
や研究活動等を通じて培われた企業経営に
関する見識に基づき、適切な監査機能を果た
していただくことを期待するため
2014年度に開催した12回
の取締役会のうち9回
(うち
定時取締役会10回中8回)
に、11回の監査役会のうち
9回に出席
江川 雅子*2
̶
社外監査役
早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ取締役
(非業務執行取締役)
2014年度に開催した12回
の取締役会のうち8回
(うち
定時取締役会10回中8回)
に出席
川本 裕子
9年
堀井 昭成
4年
一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所理事・
特別顧問
長年の日本銀行における役職員としての経験
を通じて培われた見識に基づき、適切な監査
機能を果たしていただくことを期待するため
2014年度に開催した12回
の取締役会および11回の監
査役会のすべてに出席
和仁 亮裕
1年
弁護士
長年の弁護士としての経験を通じて培われた
企業法務に関する見識に基づき、適切な監査
機能を果たしていただくことを期待するため
監査役就任後、2014年度
に開催した8回の取締役会
および9回の監査役会のす
べてに出席
*1 第13回定時株主総会
(2015年6月29日開催)
終了時点における在任期間を記載しています。
*2 江川雅子氏は、第13回定時株主総会にて選任しているため、在任期間および出席状況は記載していません。
東京海上ホールディングス
73
(3)社外役員
績評価等について審議し、取締役会に対して答申します。
社外取締役が存在することにより、取締役の職務執行に
これらの指名委員会および報酬委員会は、各々5 名程度
対する取締役会による監督の実効性を確保しています。ま
の委員で構成します。原則として過半数を社外委員とすると
た、企業経営等の専門家としての見識に基づくアドバイスを
ともに、委員長は社外委員から選出しています。
受けることにより、重要な業務執行の決定を適切に行うこと
が可能な体制を確保しています。
(5)役員報酬額の算定方法の決定方針
社外監査役が存在することにより、中立かつ客観的な立
当社および主なグループ会社の役員報酬の決定にあたっ
場からの監査体制を構築しています。また、監査役会による
ては、次の事項を基本方針としています。
監査の実効性を高め、当社の経営の透明性・健全性を維持
● 役員報酬に対する
「透明性」
「 公正性」
「 客観性」
を確保し
することが可能な体制を確保しています。
社外役員の選任にあたっては、当社からの独立性を確保
する観点から、以下のいずれにも該当しない者を選任するこ
ととしています。
ます。
● 業績連動報酬の導入により、業績向上に対するインセン
ティブを強化します。
● 経営戦略に基づき定めた会社業績指標等に対する達成
度に連動した報酬、および当社株価に連動した報酬を導
① 当社の経営者または従業員である
(あった)
者
入し、株主とリターンを共有することでアカウンタビリ
② 当社と重要な取引関係がある
(近い過去にあった)
別の
ティを果たします。
会社の経営者または従業員である者
③ 当社の取締役または監査役と親族関係にある者
● 経営目標に対する役員の個人業績を客観的に評価する
プロセスを通じて、成果実力主義の徹底を図ります。
④ 当社のアドバイザーとして取締役または監査役として
なお、役員報酬の水準については、職責に応じて役位別
の報酬以外に高額の報酬を受け取っている
(近い過去
に基準額を設定し、当社業績や他社水準等を勘案の上、決
に受け取っていた)
者
定します。
現在、社外取締役および社外監査役を 3名ずつ選任して
また、当社および主なグループ会社では、経営戦略に基
いますが、上記基準に照らして当社からの独立性を有してい
づき定めた会社業績指標等に対する達成度により毎年業績
ると判断できる*ことから、6 名全員につき株式会社東京証
評価を行い、その評価結果を当社および当該グループ会社
券取引所が定める独立役員としての届出を行っています。
の役員報酬に反映させます。
* 社外役員の出身企業の一部とグループ会社との間には保険取引がありますが、そ
の取引規模はいずれも当社の連結経常収益
(連結売上高に相当)
の1%未満です。
(6)役員報酬体系
(4)指名委員会・報酬委員会
当社は、当社ならびに主なグループ会社の役員の選任お
業績連動報酬
(会社業績および個人業績に連動)
および株式
よび役員報酬の決定のプロセスにおける透明性の向上を図
報酬型ストックオプションで構成し、非常勤取締役に対する
るため、社外取締役を中心とする指名委員会および報酬委
報酬は、定額報酬および株式報酬型ストックオプションで構
員会を設置しています。
成します。また、監査役に対する報酬は定額報酬とします。
指名委員会においては、当社および主なグループ会社の
主なグループ会社の役員報酬も、原則として当社と同じ体
取締役、監査役および執行役員の候補者の要件および選
系とします。
任・解任について審議し、取締役会に対して答申します。
上記の報酬体系は、報酬委員会からの答申内容に基づ
報酬委員会においては、当社および主なグループ会社の
き、取締役会において決定しています。
役員報酬体系、取締役および執行役員の報酬額の水準、業
74
常勤取締役および執行役員に対する報酬は、定額報酬、
統合レポート 2015
コーポレートガバナンス
2014年度における役員報酬の総額
役員区分
報酬等の種類別の総額
(百万円)
報酬等の総額
(百万円)
金銭報酬
ストックオプション
対象となる役員の員数
(名)
取締役
(社外取締役を除く)
305
256
49
9
監査役
(社外監査役を除く)
72
72
̶
3
社外役員
60
54
5
7
2014年度における連結報酬等の総額が1億円以上である役員に対する連結報酬等の総額等
氏名
隅 修三
永野 毅
役員区分
会社区分
報酬等の種類別の総額
(百万円)
金銭報酬
ストックオプション
取締役
当社
51
9
取締役
東京海上日動火災保険株式会社
45
9
取締役
当社
59
11
取締役
東京海上日動火災保険株式会社
52
11
株主との対話
連結報酬等の総額
(百万円)
116
134
(3)株主の意見の経営陣へのフィードバック
当社は、株主との建設的な対話を行うべく、以下のような
株主・投資家との対話で得られた意見や懸念事項につい
方針で臨んでいます。
ては、半期ごとに経営陣への報告を行うなど、共有に努めて
います。
(1) 株主との建設的な対話を促進するための体制
当社は株主との対話のための活動全般を統括する業務執
(4)
インサイダー情報の管理
行役員を置き、活動を企画・実施するための IR 担当部署を
当社は、
「インサイダー取引防止規程」
に基づき、未公表の
設置しています。IR 担当部署は、決算発表、投資家向け説
重要事実の管理を徹底するとともに、未公表の重要事実を
明会等の株主との対話に向けて、関連部署と連携して、株主
用いずに株主の対話を行っています。
に正確で偏りのない情報を提供するよう努めています。
(2)株主との対話の手段
当社は、株式の保有状況や株主の意見等をふまえ、株主
との建設的な対話の手段の充実を図っています。具体的に
は、以下のような取り組みについて、社長をはじめとする経
営陣幹部・取締役が中心となって対応しています。
動画配信
• 株主・投資家との個別面談
• 機関投資家向けの
「IR 説明会」
、
四半期決算公表時の
「電話会議」
• 個人投資家向けに日本各地で開催する
「個人投資家説明会」
東京海上ホールディングス
ウェブサイト 株主・投資家情報トップページ
http://www.tokiomarinehd.com/ir/
東京海上ホールディングス
75
内部統制・コンプライアンス
内部統制システム
当社は、
「 内部統制基本方針」を制定し、これに沿ってグ
努めています。また、年に 1回、内部統制システムの整備お
ループ会社の経営管理、コンプライアンス、リスク管理、顧
よび運用状況のモニタリングを実施し、内部統制委員会で
客保護、反社会的勢力への対応、内部監査等の体制を含む
の審議結果に基づき、取締役会がその内容を確認していま
東京海上グループ全体の内部統制システムを整備すること
す。さらに、モニタリングの結果をふまえて、内部統制シス
により、業務の適正を確保するとともに、企業価値の向上に
テムの強化および改善に継続的に取り組んでいます。
東京海上グループの内部統制システム
東京海上ホールディングス
報告
連携
監査役会
取締役会
監査
監査役室
監査
会計監査人
内部統制委員会
会計監査相当性
の判断
内部統制監査
会計監査
経営会議
A
P 計画
D 実施
P
内部統制担当役員
C 評価
連携
C
A 改善
D
内部監査
内部監査部門
企画・管理部門
内部統制基本方針
グループの
業務適正確保
法令等遵守
確保
リスク管理
効率的な
職務執行の確保
情報の
保存・管理
監査役監査の
実効性確保
管理、指導、調整、モニタリング、報告等
グループ会社
国内損害保険事業
国内生命保険事業
海外保険事業
金融・一般事業
内部監査
A
P
A
P
A
P
A
P
C
D
C
D
C
D
C
D
コンプライアンス
76
東京海上グループでは、
「 法令および社内ルールを遵守
事案について、グループ各社の役職員が職制を通じて報告・
し、社会規範にもとることのない、誠実かつ公正な企業活動
相談することが適当でない場合に備え、社内外に各種ホット
を遂行すること」
をコンプライアンスと定義し、その徹底を
ライン制度を設けています。なお、公益通報者保護法をふま
図っています。
え、報告・相談者の個人情報等は厳重に管理され、報告・相談
コンプライアンス上の問題事案およびその可能性のある
者が不利益な取り扱いを受けることはありません。
統合レポート 2015
リスク管理
リスク管理態勢
東京海上グループは、財務の健全性および業務の適切性
であると認識し、リスクとリターンとのバランスを勘案した
を確保するため、グループを取り巻くさまざまなリスクを総
コントロールを行っています。
体的にとらえ、リスクの特性および状況等に応じた適切な方
また、事務リスク、システムリスク等事業活動に付随して
法でリスク管理を実施しています。
発生するリスク
(付随リスク)の管理としては、そのリスクの
当社は、
「東京海上グループ リスク管理に関する基本方針」
所在を明らかにし、リスクの発生の防止、軽減等を行ってい
を制定し、グループ全体のリスク管理態勢の整備・高度化を
ます。
推進しています。また、
「 東京海上グループ 統合リスク管理
グループ会社においても、グループ全体のリスク管理に
に関する基本方針」
を制定し、格付けの維持および倒産の防
関わる方針に沿ってリスク管理方針を制定し、リスク管理を
止を目的としたグループ全体の定量的リスク管理を実施して
主体的に行っています。
います。
上記により、グループ全体として適切なリスク管理を実践
リスクの中でも、保険引受リスクと資産運用リスクについ
し、経営の安定化を図っています。
ては、収益の源泉として管理していくべきリスク
(コアリスク)
東京海上グループのリスク管理態勢
東京海上ホールディングス
監査役(監査役会)
取締役会
内部統制委員会
経営会議
リスクベース経営(ERM)委員会
リスク管理部、各事業部
コアリスク
付随リスク
その他のリスク
人事労務リスク
事故・災害・犯罪リスク
レピュテーショナルリスク
法務リスク
情報漏えいリスク
システムリスク
事務リスク
流動性リスク
不動産投資リスク
信用リスク
市場リスク
保険引受リスク
基本方針の提示、
指示・指導・モニタリング
報告等
グループ会社
東京海上ホールディングス
77
リスク管理
危機管理態勢
東京海上グループは、緊急事態に際して被る経済的損失
置や緊急事態の判定手続き、指揮命令系統の確保等、危機
等を極小化し迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態
管理態勢の整備を行っています。危機管理の統轄部署は平
勢を整備しています。
時における危機管理態勢を整備するほか、緊急事態発生時
当社は、
「 東京海上グループ 危機管理に関する基本方針」
における当社への報告を含めた対応の事務局の役割を担う
およびそれに基づく
「東京海上グループ 危機管理マニュア
こととなっています。
ル」
を策定し、グループ会社が自らの役割を遂行するために
これにより、緊急事態となり得る事態が発生した際には、
必要な危機管理態勢を定めています。
グループ会社での緊急事態の判定に加えて、必要に応じ当
グループ会社では、これらグループ全体の方針等に沿っ
社が緊急事態の判定を行うことで、グループ会社への指示
て危機管理方針等を制定し、危機管理を統轄する部署の設
やグループとして必要な対応等を行える態勢としています。
東京海上グループの危機管理態勢
東京海上グループ 危機管理に関する基本方針
● 東京海上グループ 危機管理マニュアルの策定・提示
東京海上ホールディングス
● グループの緊急事態の判定、
グループ会社への各種指示
● 当社の緊急事態の判定 等
基本方針等の提示、
指示・指導
緊急事態の
報告
● 危機管理に関する統轄部署の設置
● 危機管理態勢に関する方針の制定
グループ会社
• 統轄部署の設置
• 緊急事態における指揮命令系統の確保
● グループ会社での緊急事態の判定および当社への報告 等
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統合レポート 2015