大陸に学んだ国づくり

大陸に学んだ国づくり
6年社会
1
○
6月
36Q〈12時間〉
目指す姿
関係付けるすべを用いて,天皇中心の政治を支える仕組みや制度の特徴と前の時代や現在のく
らしとの違いや変化を考えることを通して,前の時代や現在のくらしとのつながりをとらえ,奈
良時代についての概念を形成する子ども
2
単元の計画
【学習活動】
○
「天皇中心の政治が確立した」ことについて
の学習課題をつくる
・10 円玉に描かれている建物だ。
・どこにあるんだろう。誰が建てたのだろう。
一
次
【働き掛け】
写真資料や地図を基に話し合わせ,疑問に思
ったことから,単元の学習課題をもたせる。
【平等院鳳凰堂の写真パネル】
【文化財マップ(文化庁 文化財データベース)】
◆ 平等院鳳凰堂の写真を提示し,気付いたこと
・京都や奈良に多い。平等院鳳凰堂も京都にある。
や疑問に思ったことを問う。
・平等院鳳凰堂は約1000年前に京都に建立され
【単元を貫く学習課題】
れ,世界遺産や文化財に登録されていることを
知らせる。
◆ 文化財マップを提示し,どこに多くの文化財
◎ 奈良や京都に,1500年も前の建物が
が残されているかを問う。
多くの残されていたこの時代は,どのよう
な時代なのだろう。
○ ◇ 法隆寺について調べさせ,仏教の伝来や遣隋
法隆寺について調べる。
使による外国との文化の交流の事実をつかませ
・ 世界最古の木造建築で,世界遺産に登録され
る。
ている。
【法隆寺の写真パネル】
・ 聖徳太子が建てた。
◆ 法隆寺について分かることや疑問に思ったこ
・ どうやって建てたのだろう。なぜ建てたのだ
とを問う。
ろう。どんな建物なのだろう。
◆ 法隆寺について,教科書や資料集を用いて調
・ 法隆寺は,大陸から伝わった仏教を盛んにす
べさせる
るために,聖徳太子が建てたものである。
・ 聖徳太子は,大きな力をもっていた随(中国)
に遣隋使を送り,進んだ政治の仕組みや文化を
取り入れた。
・ どうして隋の政治の仕組みや文化を取り入れ
たのだろう
◇ 聖徳太子の働き(業績)を調べさせ,天皇中
○ 聖徳太子のエピソードや働き(業績)を調べ
心の国づくりを目指したことをつかませる。
る。
【聖徳太子の写真パネル】
《冠位十二階,十七条の憲法》
◆ 聖徳太子の働き(業績)と,その目的を調べ
・大豪族たちの争いを鎮め,天皇中心の国をつく
させる。
るために,進んだ政治の仕組みを取り入れたり
仏教を盛んにすることに取り組んだりした。
○ 大化の改新が行われたころの様子や改革の内
容を調べる。
・太子がいなくなったら,また豪族の争いが起き
やすくなった。
・まだ,天皇中心の国づくりは完成していない。
◇ 大化の改新について調べさせ,天皇中心の新
・誰が襲われて(襲って)いるんだろう。なぜ,
しい国づくりが進められたことをつかませる。
こんなことが起きたのだろう。
◆ 「太子が目指した国づくりは完成したのでし
《蘇我入鹿,中臣鎌足,中野大兄皇子》
ょうか」と問う。
《公地公民制,戸籍,地方の役人,税》
◆ 大化の改新の絵図を提示し,分かることや疑
問に思ったことを問う。
◆大化の改新について,資料を基に調べさせ,天
1500年前の奈良に都が置かれ,大陸の文化を積極
皇中心の国づくりの仕組みをとらえさせる。
的に取り入れて天皇中心の国づくりが進められた時
【大化の改新の絵図パネル】
Q
◇
3
Q
1
時
間
12
Q
4
時
間
代だ。
○
大化の改新後の人々の生活について予想す
る。
・古墳時代と変わらない。
・少しはよくなったと思う。
二
次
○
絵図や文章資料から,疑問に思うことを発表
する
・(農民にとって)なぜ天国にならないのか
・なぜ貴族のくらしがよくなったのか
【学習問題】
大化の改新は,うまくいったのだろうか
◇
「天皇を中心とする政治によって,人々の暮
らしはどうなったのだろう」と問う。
◆
子どもの予想とずれを起こさせる資料を提示 6
Q
し,「疑問に思うことは ないか」と問う。
【働き掛け1】
働き掛け1】
絵図【律令時代の農村】
文章資料【改新後の社会の様子】
・「なぜ,天国にならなかったのか」について調
べたい。平等にならないことがあったのでは
ないだろうか。
・「なぜ貴族のくらしがよくなったのだろうか」
について調べたい。貴族の生活のようすについ
て調べれば解決できそうだ。
◇
予想や解決の方法をワークシートに書かせ
る。
○ 事実を調べ,ワークシートに整理して書く
・貴族のくらしだけでなく,自分たちの生活も
豊かにした。
・税を都におさめに行く費用も自分で負担した。
◆ 視点に沿う事実,沿わない事実を調べさせ,
「どのような考えが生まれましたか」と問う。
【働き掛け2】
2
時
間
・貴族にも身分の差,貧富に差があった。
・貴族のくらしは,農民の税でまかなわれた。
・資料の内容は合っている/合っていない
○
調べた事実を比べて,改新後の社会の様子に
ついて考える。
・貴族のくらしはよくなった/なってない。
・農民にとって天国/地獄
○ 調べた事実を基にして,大化の改新の意味に
ついて考える。
・農民のくらしは厳しい。不平等だ。
・貴族の力がおさえられていない。改革はうまく
いかなかった。
・税が全国から都に集まるのは,天皇中心の国づ
くりが広まって,多くの人や地域がしたがった
ということだ。失敗してない。
◆
調べた事実を比べて,改新後の社会の様子に
ついて考えさせ,
,
「このような社会を生んだ
ついて考えさせ
「このような社会を生んだ『大
化の改新』について,どのようなことが言えそ
うですか」
【働き掛け3
うですか」と問う。
と問う。
【働き掛け3】
働き掛け3】
3
Q
【既有事項】
1
時
間
現在の税制度 地方自治
前の時代のようす政治
○
二
次
資料や年表かを見て考える。
・沖縄や北海道が入ってなくて,今と違うけど,
さらに北に勢力を広げようとしている。天皇中
心の国づくりが広がったことが分かる。
・前の時代は一部だった。天皇の力が及ぶ範囲は
広がって変わった。
○ 大仏の造営の様子について調べる。
・誰がつくったのだろう
・こんな大きなものを,どうやって(材料,人手,
期間
背景:世の中の乱れや不安の高まり
大陸のやり方を真似た(取り入れた)
目的:人々を救う・人々と共に仏の恵みを受け
る(聖武天皇の願い)
経緯:のべ260万人 14年間
全国各地からの材料調達
行基と人々の協力(資料を提示する)
・インドからわざわざ僧を招いて,盛大で華やか
な開眼会ができたのは,天皇の力が大きいから
だ。
・国分(尼)寺が,全国各地に建てられたのは,
大和朝廷の時の古墳と似ている。,天皇の力が,
それだけ広がった証拠だと思う。
◇
学習問題「大化の改新後の日本は,本当にこ
のようになったのだろうか」を再度問い,今日
の学習のまとめを書かせる。
◇
大仏の造営の造営の様子について調べさせ,
天皇中心の政治が確立したことをつかませる。
◆
東大寺の大仏の写真を提示したり,高さや幅
などを,グラウンドで白線を引いてみたりし,
知っていることや疑問に思うことを問う。
◆
「大仏建立の詔」を基に,造営の社会的背景
や目的,経緯について調べさせる。
◆
開眼会の様子を示す資料や国分(尼)寺の分
布地図を提示し,「なぜ,このようなこと(会を
開く・建立すること)ができたのでしょうか」
と問う。
正倉院に収められている品物について調べた
ことを基に,聖武天皇の愛用品を収めた倉庫が
なぜ世界の宝物倉なのかについて考える。
・中国や朝鮮だけでなく西アジアの品物が納めら
れ,当時は貴重だったり珍しいものだったりし
た品物が収められているからだ。集めることが
できた聖武天皇の力の大きさが分かる。
○ 遣唐使の働きや鑑真の働き(業績)について
調べ,その役割について考える。
・大陸の文化や技術,制度や仕組みを伝えた遣唐
使や鑑真の働きがあり,現在にも残る文化が残
った。
◇ 正倉院と聖武天皇との関係をつかませる。
◆ 「聖武天皇の愛用品を収めた倉庫が世界の宝
物殿と呼ばれているのはなぜか」と問う。
◇
◆
◆
遣唐使と鑑真の関係をつかませる。
遣唐使の派遣された目的を問う。
鑑真の業績を調べさせ,願いを考えさせる。
○ 奈良や京都に,1000年も前の建物が多くの残されていたこの時代は,天皇の力が大きく全国に広が
り,今と違って農民ばかりが苦しむきまりや制度だったが,天皇中心の政治が確立した。1000年前の
奈良は,その政治の中心地であった。その時にできた様々な建物や文化が,今でも大切に残されてい
る。
4
5
6
Q
2
時
間
天皇中心の政治が,全国に広まった。
○
次
「新潟がかかわる年表と地図資料を提示し,
「分かったこと,思ったこと,考えたことは,
どんなことですか」
【働き掛け4
どんなことですか」と問う。
と問う。
【働き掛け4】
働き掛け4】
大化の改新後の日本は,この(文章資料の内容の)ようにはなっていないと思う。それは,前の時
代と比べれば,少しはよくなったかもしれないが,今のぼくたちから考えれば,税の取り方も不公平
で(違って),農民は苦しんでいる。それに,貴族は都で豊かなくらしをし,逃げた農民などを自分の
ところで働かせたりして力を増していたことが分かったからだ。でも,目的を達成するまでに,50年
もかかっていて,天皇や朝廷も苦しんでいたことが分かって,政治って難しいと考えた。
○
三
◆
準備するもの及び留意点
○単元の計画における【
】の資料
内容の関連
[第6学年]社会科
●国づくりへの歩み
・縄文と弥生の生活
・古墳と大和朝廷
[第6学年]社会科
[第6学年]社会科
●大陸に学んだ国づくり
・大陸文化の摂取
・大化の改新
・大仏の造営
●武士による政治の始まり
・源平の戦い
・鎌倉幕府の始まり
・元との戦い
6
Q
2
時
間