防災科学技術研究所 平成 27 年 9 月 14 日 防災科研基盤的火山観測網で観測された 2015 年 9 月 14 日阿蘇山噴火に伴う地震動、気圧変化(空振) 国立研究開発法人防災科学技術研究所は、火山活動の観測予測技術開発や火山噴火の発生 メカニズムの解明のため、孔井式地震傾斜観測装置、広帯域地震計、GPS などを装備した基 盤的火山観測施設を全国の 16 火山に設置し、火山の連続観測を行っています。2015 年 9 月 14 日に阿蘇山で発生した噴火では、阿蘇山の 4 か所に設置した火山観測施設(図1)にて、 噴火発生の約 20 分前から火山性微動を観測し(図2~3) 、噴火発生時には噴火に伴う気圧 変化(図4)が観測されました。傾斜計には、噴火に関連すると考えられる明瞭な傾斜変動 は観測されていません(図5) 。 この観測データは、 今回の火山噴火の発生メカニズムを解明するための研究に使われる他、 気象庁にもリアルタイムで伝送され、火山監視に利用されています。 阿蘇山 防災科学技術研究所 N ASNV ASIV 中岳第1火口 ASHV ASTV km 55 km E 図1 阿蘇山の基盤的火山観測施設の位置。この地図の作成にあたっては、国土地理院発行の数値地 図 50mメッシュ(標高)を使用した。 阿蘇山 防災科学技術研究所 9:20 頃から火 山性微動を観 測 9:43 に噴火 9:47 に最大振幅 を観測 図2 阿蘇山白水火山観測施設(ASHV)の 1 時間の地震計記録(2015 年 9 月 14 日午前 9 時台) 。 9:47 に最大振幅 を観測 9:20 頃から火山性微動を観測 9:45 頃から振幅が増大 図3 阿蘇山の 4 か所の火山観測施設の 1 時間の地震計記録(2015 年 9 月 14 日午前 9 時台) 。4 か所 で、9:20 頃から火山性微動が観測され、9:45 頃から振幅が増大し、9:47 に最大振幅の微動が 観測された。 阿蘇山 防災科学技術研究所 10h 2015/09/14 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 0 2015/09/14 09:30:00 10:00:00 9:45 頃から微弱な 気圧の変動を観測 ASHV-B 9:47 に 0.1hPa 程 度の気圧変化を観 測 ASHV-B[0.10 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 0 10h ] モ のスケール 図4 阿蘇山白水火山観測施設(ASHV)の気圧計データ(2015 年 9 月 14 日 9:30~10:00) 。9:45 頃に 微弱な気圧変化が観測され、9:47 頃に 0.1hPa 程度の気圧変化が観測された。噴火に伴う空振 によるものと考えられる。 阿蘇山 防災科学技術研究所 図5 阿蘇山の 4 か所の火山観測施設の傾斜計データ(2015 年 9 月 7 日~14 日 11:00) 。噴火が発生 した 9:43 前後に顕著な傾斜変動は観測されていない。 阿蘇山
© Copyright 2024 ExpyDoc