法人 004( CPA 2015類) 問 A社は,B社の解散時に,その残余財産の

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法 人 004( CPA 2015類 )
問
A 社 は , B 社 の 解 散 時 に , そ の 残 余 財 産 の 分 配 と し て , 時 価 4,000万 円 の 国
内所在の土地を取得した。
な お , こ の 土 地 の B 社 に お け る 帳 簿 価 額 は , 1,000万 円 で あ っ た 。
以下の税務処理に関する記述につき,正しい場合には○,誤っている場合に
は×を,答案用紙の「○×欄」に記入しなさい。また,当該各記述に係る税務
処理が正しい場合はその根拠条文を,誤っている場合は正しい税務処理及びそ
の根拠条文を,答案用紙の「記述欄」に記入しなさい。
【税務処理に関する記述】
「 B 社 か ら A 社 に 対 す る 時 価 4,000万 円 の 土 地 の 分 配 は , 金 銭 の 分 配 で は な
い の で , 法 人 税 法 上 , 配 当 等 と し て 取 り 扱 わ れ な い 。」
資格試験のFIN
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法 人 004
みなし配当
○×欄
【 重 要 性 : B 】【 難 易 度 : 難 】
記
述
欄
B社の解散によって土地の分配を受けた場合,その土地の時価がB社
×
の資本金等への持分額を超えるときは,その超える部分の金額は,配当
等 と し て 取 り 扱 わ れ る ( 法 人 税 法 第 2 4 条 第 1 項 第 3 号 )。
法 人 税 法 第 24条 ( 配 当 と の 額 と み な す 金 額 ) 第 1 項 第 3 号
法 人 ( 公 益 法 人 等 及 び 人 格 の な い 社 団 等 を 除 く 。 以 下 こ の 条 に お い て 同 じ 。) の 株 主 等
である内国法人が当該法人の次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合
において,その金銭の額及び金銭以外の資産の価額(・・省略・・)の合計額が当該法人
の資本金等の額(・・省略・・)を超えるときは,この法律の規定の適用については,そ
の超える部分の金額は,第二十三条第一項第一号又は第二号(受取配当等の益金不算入)
に掲げる金額とみなす。
(省
三
略)
資本の払戻し(・・省略・・)又は解散による残余財産の分配
資格試験のFIN
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法 人 004
解説
みなし配当
会社が解散した場合,保有割合に応じて,解散した会社から交付金等を受け
取る場合がある。受け取った交付金等のうち,解散した会社の資本金等への持
分額を超える部分は,利益剰余金からの分配と実質的に同じであるため,法人
税 法 上 は ,「 配 当 等 」 と み な さ れ る 。
会 計 で は こ の よ う な 処 理 を 行 わ な い た め ,「 み な し 配 当 」 は , 税 法 特 有 の 概
念である。
本 試 験 で は ,「 解 散 」 と い う 言 葉 に 引 き ず ら れ て ,「 み な し 配 当 」 の 論 点 で
あることさえ分からなかった受験生が大多数だったと思う。最近,大手専門学
校でも「解散」は,出題されにくい論点として,取り扱わなくなっている。こ
のため,合否に影響のない,埋没問題であったと予想される。
資格試験のFIN
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消 費 003( CPA 2015類 )
問
A社は,その保有している東京都所在の土地(更地)を,B社に貸し付けて
お り , X6事 業 年 度 に , 賃 貸 料 500万 円 を 受 領 し た 。 な お , A 社 は , B 社 の 発 行
済 株 式 の 30% を 保 有 し て い る 。
以下の税務処理に関する記述につき,正しい場合には○,誤っている場合に
は×を,答案用紙の「○×欄」に記入しなさい。また,当該各記述に係る税務
処理が正しい場合はその根拠条文を,誤っている場合は正しい税務処理及びそ
の根拠条文を,答案用紙の「記述欄」に記入しなさい。
【税務処理に関する記述】
「 A 社 が X6事 業 年 度 に B 社 か ら 受 領 し た 500万 円 に 対 し て , 消 費 税 は 課 さ
れ な い 。」
資格試験のFIN
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消 費 003
非課税取引
○×欄
【 重 要 性 : A 】【 難 易 度 : 易 】
記
述
欄
消費税法第6条第1項
○
消費税法 第6条(非課税)第1項
国内において行われる資産の譲渡等のうち,別表第一に掲げるものには,消費税を課さ
ない。
資格試験のFIN
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消 費 003
解説
非課税取引
土地の賃貸収入が非課税なのは,計算問題でよく知られた論点なので,条文
さえ探し当てれば正解できたはずである。なお,株式の保有関係に関する資料
が 与 え ら れ て い る が ,消 費 税 法 の 問 題 で は ,自 社 の 役 員 に 対 す る「 み な し 譲 渡 」
や「低額譲渡」の論点はあるが,株式の保有関係によって税務処理が異なるよ
う な こ と は な い 。従 っ て ,株 式 の 保 有 関 係 に 関 す る 資 料 は ,解 答 に 影 響 し な い 。
税 理 士 試 験 で は 条 文 が 与 え ら れ な い の で ,か な り 暗 記 が 必 要 に な る の に 対 し ,
公 認 会 計 士 試 験 で は ,「 参 考 法 令 基 準 集 」 が 配 布 さ れ る の で , 暗 記 量 は 劇 的 に
少 な く て 済 み ま す 。 と こ ろ が , 残 念 な こ と に , 非 課 税 取 引 は ,「 別 表 」 に 規 定
さ れ て い る の で す が ,「 参 考 法 令 基 準 集 」 に は 「 別 表 」 ま で は 掲 載 さ れ て い ま
せ ん 。 つ ま り , 公 認 会 計 士 試 験 の 受 験 生 も ,「 非 課 税 取 引 」 に つ い て は , 暗 記
し て お く 必 要 が あ り ま す 。 以 下 に ,「 別 表 第 一 」 を 示 し て お き ま す 。
資格試験のFIN
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別表第一
一
(第6条関係,一部抜粋・変更)
土 地 ( 借 地 権 な ど を 含 む 。) の 譲 渡 及 び 貸 付 け ( 1 ヶ 月 未 満 の 貸 付 け , 駐 車 場 な ど の 施 設 の 貸 付
け を 除 く 。)
二
有 価 証 券 ( ゴ ル フ 場 利 用 株 式 な ど を 除 く 。) 及 び 支 払 手 段 ( 収 集 品 及 び 販 売 用 の も の を 除 く 。) そ
の他これに類するもの譲渡
三
利子を対価とする金銭の貸付け,信用の保証としての役務の提供,合同運用信託,公社債投資信
託又は公社債等運用投資信託に係る信託報酬を対価とする役務の提供及び保険料を対価とする役務
の提供その他これらに類するもの
四
一定の者が行う郵便切手類,印紙及び証紙の譲渡,並びに商品券等の譲渡
五
行政手数料,外国為替業務などに係る手数料を対価とする役務の提供
六
健康保険法などに基づく療養,医療などの資産の譲渡等
七
介護保険法などに基づく居宅介護サービス,社会福祉法に基づく社会福祉事業として行われる資
産の譲渡等
八
助産に係る資産の譲渡等
九
埋葬料,火葬料を対価とする役務の提供
十
身体障害者用物品の譲渡等
十一
学校教育法に基づく教育に関する役務の提供(授業料,入学金,施設設備費などの対価として
行 わ れ る 部 分 に 限 る 。)
十二
学校教育法に基づく教科用図書の譲渡
十三
住 宅 の 貸 付 け ( 1 ヶ 月 未 満 の 貸 付 け , 旅 館 な ど の 施 設 と し て の 貸 付 け を 除 く 。)
資格試験のFIN