2014 年春闘統一要求書

2014 年春闘統一要求書
関西合同労働組合
私たち関西合同労働組合は、人らしく生活するため、生きていくために大幅賃上げを要
求し 14 春闘を闘うことを宣言します。
2006 年から続く右肩下がりの賃金減少によって、年収 200 万円以下の労働者は 1100 万
人に達し、実に 28.6%もの労働者世帯の貯蓄は底をついてしまいました。4月からの消費
税アップによって、物価上昇率が1%を超すのは確実で、これによって実質経済成長率は
4%のマイナスといわれています。賃上げなしに、GDP(国内総生産)の6割を占める
個人消費はしぼみ、デフレ循環に逆戻りすることは明確です。「好循環」(安倍内閣施政方
針)というなら、賃上げしかありません。
日本経済団体連合会は本年1月15日に出した報告の中で「業績が好調な企業は、拡大
した収益を雇用」や「賃金引上げに振り向けることを検討」すると述べ、世間では「賃上
げ」といわれています。しかし、極少数大企業と多くの中小企業という日本の企業構造か
らは、中小企業の努力のない賃金改善はありえません。287兆円内部留保をかかえる大
企業をつきあげるなど、これまでの中小企業のあり方を転換して取り組むべきです。
労働者が人間らしく働いてこそ企業が利益を上げられるということを各経営者は自覚し
て頂きたい。
今春闘において組合が要求する労働者の生活のための大幅賃上げ、リビングウェイジ(単
身者の最低生計費)にすら届かない地域別最低賃金の引き上げ、非正規雇用の正規雇用化、
均等待遇、これらの実現のために努力することは企業としての最低限の社会的責任であり、
これを拒否するならば「悪徳企業」の経営者として社会的制裁を受けることになりかねな
いことを警告します。
相変わらず一向に減らないサービス残業、長時間労働。有給休暇の取得もままならない
人員不足によって重大労働災害件数、休業4日以上の死傷者数ともに3年連続増加してい
ます。
また、退職勧奨などのパワハラが蔓延し、心の病で病院を受診する労働者が急増してい
ます。各企業は実態を調査し、早急に改善することを要求します。
現在、年金の満額支給を受けられない 60 歳代前半の労働者のうち 6 割もの人が年収 200
万円未満で就労を余儀なくされています。企業の存続にとって不可欠である「高い技能、
技術、知識」を若い世代に伝達するためにも、労働条件を下げることなく65才までの定
年延長も合わせて要求します。
関西合同労働組合は以上の要求を貫徹するために、ストライキを含む団体行動等の手段
を行使して全力で闘うとともに、自民党安倍政権に対してあきらめることなく消費税増税
中止、脱原発を求め、派遣法改悪・解雇特区の設置など労働法制の改悪、憲法改悪に反対
して闘います。
以下の通り要求しますので真摯に検討の上、誠意ある回答をお願いします。
関西合同労働組合統一要求
(1) 雇用形態の区別なく最低保証賃金(35 歳平均)として月額 30 万円・日額 1 万 5000 円・
時間給 1500 円以上とすること。
(2) 継続雇用する非正規雇用(契約社員・派遣社員・請負・パート・アルバイト・嘱託など)
の労働者のうち、希望する者を正規雇用とすること。
(3) 労働条件における差別(一時金・休日・3 保険など)をなくすこと。
(4) 労働者が安全、健康に就労できるための人員を確保し、危険防止の措置を講ずること。
(5) 雇用形態の区別なく最低限の技能、安全教育と使用者負担の健康診断を実施すること。
(6) 倒産・廃業・事業所閉鎖・一時帰休・解雇・契約更新の拒否・賃金などの労働条件の不
利益変更については、事前に組合と協議し合意の上行う旨の協定を結ぶこと。
(7) 年金支給開始年齢の 65 歳への引き上げに伴い、定年を 65 歳に引き上げること。その際
労働条件の引き下げを行わないこと。70 歳までの雇用延長制度を設けること。
⑻ セクハラ・パワハラをなくすための制度を設けること。
上記要求と下記の分会独自要求に対し、3月5日までに文書で回答し、団体交渉の開催
日時を組合と協議の上決定すること。