Document

ノート
剣蔓
七フナτフニフフプー,"
トづヲ、昔文δZ)
'に>
き' a)呈弓千多宅
化学食品部
工業化学研究室
福元
豊、秀島康文
銀めっき皮膜の耐摩耗性を向上させる目的で銀ーグラファイト複合めっきを行った。め
つき浴としては、アンモニアアルカリ浴( AΞN03 0.3M, NH'N03 1.OM, NH40H
0.7訓,
PH=9.5 浴温度は室温)を用いた。めっき条件は電流密度を1,3,5 A/dm2、グラファイ
ト(人造・天然)の添力口量を、 0.05,0.1,0.3,0.5,1,3,5,10,30,50 Ξ九とし、定
電流下で撹押しながら30分間めっきを行った。被めっき材は銅板を用いた。
めっき表面を走査電子顕微鏡で観察した結果、電流密度が IA/dm2のとき、銀めっき皮
膜が最も緻密で平滑なめっき面が得られた。また、グラファイトの種類は今回の結果から
天然グラファイトの方がよいことがわかった。しかし、グラファイトの添加量については、
グラファイトが銀めっき皮膜中に取り込まれているかどぅかはSEM観察および分析から
確認できなかったので、その最適添加量は不明である。
1.はじめに
Dln".
(μm> 0
銀は導電性および柔軟性に優れた物質であり、電
(:1)
513
190
4日・0日日
30・臼BO
21ヨ. C1日臼
15・0゛0
1〔1.日013
8 ・ B日臼
6.B日臼
5.B白0
4. B臼日
3..00
2.01ヲ0
1.50 〔1
1.0白臼
0.合臼モ1
B .6日0
0.500
子,電気関係の材料として広く使用されている。そ
こで、銀を電気接点材料として使用するために、銀
めっきの優れた導電性および柔軟性を保持させつつ、
銀中にグラファイトを分散させることによって耐摩
耗性を向上させることを目的として本研究を行った。
Fig.1 Grain 5 ize d is tr ibution of Artifici且I Gra血 ite
2.実験方法
2.1 グラファイトの粒度分布
D I Rn .
(y加) 9
(:ζ)
513
100
40.日B臼
3日.0〔1B
2B.09臼
15.合臼日
1臼.臼B日
8.日0ら
B臼日
5.日BB
4.0OB
3.BOB
白0日
1.5臼臼
1.BB今
臼.9日臼
牙.69日
臼.5臼B
銀めっきの耐摩耗性を向上させるために、めっき
液中に用いたグラファイトは人造および天然の2種
類である。グラファイトの粒度分布測定には、島津
製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置 SA・CP3 を
使用した。測定結果をFig.1、 Fig.2に示す。 2 種類
ともほとんど同じ分布を示すが、平均粒径は人造グ
ラファイトが約4.8μm、天然グラファイトカ絲勺3.フ
F1宮.2 Grain size di5tribution of NaLU「且I Graphite
μmでやや人造グラファイトの方が大きい。
19
kΩ・cm、りの方が小さかった。これは、浴中のグ
2.2 銀めっき液の組成
ラファイト濃度が増加することによってカソード電
使用したアンモニアアルカリ性銀錯体浴はアンモ
位が銀の析出電位以上に上昇しているためと考えら
ニア水を用いてPHを9.5に調整した。めっき液の組
れる。従って、以後の実験では天然グラファイトを
成は、硝酸銀 0.訓、硝酸アンモニウム 1.OM、アン
使用した。
モニア水 0.75Mである。浴温度は室温としたD 。
T北le2 は、天然グラファイト添加量と電流密度
を変化させた場合のめっきの付着量を示すものであ
2.3 めっき方法および条件
る。
電解セルには、 1リットルのガラスビーカー(マ
Table 2
グネチックスターラーで撹押)を用い、アノードに
Gain in weiΞ址 after AΞ一Graph ite pla駈nΞ(E)
0.5
0.3
0.1
0.05
IA/dm2
0.52
0.51
0.53
0.52
3A/dm2
1.52
1.53
1.52
1.52
5A/dm?
2 、 57
2.55
2,54
2,53
Natural Gr即Mte (宮/D
は純銀板、カソードには被めっき材料として銅板
aoo*50村mm)を用いた。銅板は、面積が 25Cm2と
CUTrent
なるようにビニールテープでマスキングを施した。
d帥S比y
銅板の前処理として、アセトンで洗浄→10%硫酸
エッチング→水洗後、めっきを施し、水→アセトン
の順で洗浄してデシケータに保存した。
めっき条件は、定電流(1,3,5A/dm2)、電解時
電流密度に比例してめっきの付着量は増加してい
間30分でグラファイトの添加量を 0.05,0.1,0.3,
るが、グラファイトの添加量に関しては有意差は認
0.5,1,3,5,10,30,50g/しとして行った。
められなかった。
Phot0 1,2,3 にめっき表面の走査電子顕微鏡に
よる写真を示す。これらから、電流密度が小さいと
3.結果および考察
きの方(1A/dm2)がめっき皮膜が緻密になることが
Table 1 は、電流密度 IA/dm2の定電流下で添加
わかった。しかし、グラファイトカ鴫艮めっき皮膜中
するグラファイトの種類と量を変化させたときのめ
に取り込まれているかどうかは確認することができ
つきの付着量を示すものである。
なかった。
Table l Gain ln wE地址 aftor Ag-Graph辻e P1且U昭(')
AmounL5 0f Gr即M tE(E/D
0.0
0.5
1.0
3.0
5.0
10.0
30.0
50.0
Natural Gτ叩Mt色
0.53
0.44
0.51
0.48
0.51
0.52
0.52
0.54
0.綿
0.47
0.43
0.44
0.4'
0.05
Aruficlal Gr叩hite
ミCurrEΠヒ dEns ity l A/dm?
選
天然グラファイトの場合、添加量を変化させても
めっきの付着量に有意差は認められず、約0.58であ
つた。また、人造グラファイトの場合も天然グラ
ファイトの場合と同様であった。しかし、添加量が
す'
30gル以上になると付着量は急器気こ減少した。また、
水 aL)の中にグラファイト(50 g/D を分散させ
たときの電気抵抗値は天然グラファイト絲勺 0.36
春
Phot0 1
SEH image of AE-Graphite plating film surface
( curtent density :5A/dm2,肌Ounts of grapM tE :0.5g/D
kΩ・師、りょりも人造グラファイト(約 0.108
20
、
4、
Phot0 2
Phot0 3
SEN image of A宮一Graphite plat ing film SⅡrf且CR
( current dens ity :1A/dm?, amounts of Ξraph ite :0.05g/D
SEH im丑ge of A宮一Graphito platiΠ宮 film surface
( current dens ity :3A/dm?,き叩Unts of 訂即h ite:0.05g/D
4.おわりに
粒子が負に荷電しているためと考えられるので、界
面活性剤等を用いて正の荷電を与えることによって
今回の実験では、電流密度に関しては、 1A/dm2の
析出を促進させることができると思われる。
とき、銀めっき皮膜が最も緻密で平滑なめっき面が
今後は更にめっき浴組成の検討を行い、電気化学
得られることがわかった。また、複合材としてのグ
的手法を用いて界面反応を解析しながら銀ーグラフ
ラファイトは、銀の析出電位以上にカソード電位を
アイト複合皮膜の作製を行う予定である。
上昇させる人造グラファイトよりも天然グラファイ
トの方がよいことがわかった。しかし、グラファイ
文献
トの添加量については、グラファイトの銀めっき皮
膜中ヘの取り込みを観察することができず、その析
D 古川直治、大井戸敦、岩倉千秋、表面技術協会第
出量は少ないと判断された。これは、グラファイト
81回講演大会要旨集、 P.31(199の
Study on composite electroplati昭 of Ag and 宮rapMte
Ch印istry and Food Division
Y乢aka Fukumoto a11d YasufU皿i 厳deshima
In order to obtaine the composite plating film of A宮飢d graphite,釦 ammoniacal
alkaline bath (AgN03 0.3H , NH4N03 1. OH, NH和H
0.75H, PH= 9.5, room t肌Perature) was used
for the electroplaU鴫 of copper plate wlth Ag. The electroplating was carried out W北h
Stirring by ma宮netic stirrer for 30 minutes at a current density of l,3 0r 5 A/dm2
In a
Concentr飢ion of gra血北e powder from o.05 t0 50 g/L.
Fr肌 the observation of plating fi1Ⅲ切 Usin菖 SEM, the nlm W北h the finest surface
Was obtained at l A/dm2 0f current de脇ity, but the inc0即oration of graphite in土O plating
film was not confirmed in this experiment .
Na加ral graphite
Was more
Suitable for the material of composite plati昭 th釦
artificial grapMte because of keeping a cat加de in low potential.
21

Download Report