第5節 植物

第5節 植物
5.1 調査手法
(1) 調査項目
調査項目は、対象事業実施区域及びその周辺の植物相ならびに植生の状況とした。
(2) 調査方法
植物の現地調査方法を表 4-5-1に示す。
表 4-5-1 現地調査方法(植物)
調査項目
調査方法
植物相
任意確認及び採取
植生
植生分布調査
コドラート法
調査対象範囲を踏査し、目視により確認されたシダ植物以上の高等
植物種を記録した。現地にて同定が困難な種については採取して持ち
帰り、室内で種を確認した。
重要な種を確認した場合は、確認位置についても記録した。
空中写真等の既存資料を参考に調査対象範囲内を踏査し、植物群落
の分布や土地利用の状況で区分した相観植生図を作成した。
植生分布調査で区分した植物群落について、代表地点にコドラート
(方形区)を設け、区内の階層区分を行うとともに各階層の出現種に
ついてブラウン-ブランケの全推定法により被度・群度及び立地条件
等を記録した。
コドラートサイズは木本群落では 10m×10m 程度、草本群落では
1m×1m または 3m×3m 程度とし、現地の状況に応じて変更した。
243(4-5-1)
(3) 重要な種の選定
生育が確認された種のうち、表 4-5-2に示す基準に該当するものを重要な種として選定した。
表 4-5-2 重要な種の選定基準(植物)
区分
A
B
C
D
E
法令・文献等
カテゴリー等
「文化財保護法」(昭和 25 年法律第 214 号)
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福
島県条例第 43 号)
「宮城県文化財保護条例」(昭和 30 年 8 月 1 日 宮
・国指定特別天然記念物(国特)
城県条例第 27 号)
・国指定天然記念物(国天)
「新地町文化財保護条例」(平成元年 10 月 4 日 条
・県指定天然記念物(県天)
例第 19 号 改正 平成 17 年9 月 26 日 条例第 21 号)
・町指定天然記念物(町天)
「山元町文化財保護に関する条例」(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
「亘理町文化財保護条例」
(昭和48年12月28日 亘
理町条例第 30 号)
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関 ・国内希少野生動植物(国内)
する法律」(平成 4 年法律第 75 号)
・国際希少野生動植物(国際)
「環境省第 4 次レッドリスト」(平成 24 年、環境 ・絶滅(EX) ・野生絶滅(EW)
省報道発表資料)
・絶滅危惧 IA 類(CR) ・絶滅危惧 IB 類(EN)
・絶滅危惧 II 類(VU) ・準絶滅危惧(NT)
・情報不足(DD)
・絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
「レッドデータブックふくしま I-福島県の絶滅の ・絶滅(EX+EW) ・絶滅危惧 I 類(A)
おそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」(平 ・絶滅危惧 II 類(B) ・準絶滅危惧(C)
成 14 年、福島県)
・希少(D) ・注意(N) ・未評価(NE)
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリス ・絶滅(EX) ・野生絶滅(EW)
ト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
・絶滅危惧 I 類(CR+EN)・絶滅危惧 II 類(VU)
・準絶滅危惧(NT) ・情報不足(DD)
・絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
・要注目種(要)
(4) 調査期間
植物の調査期間を表 4-5-3に示す。
表 4-5-3 調査期間(植物)
調査項目
調査方法
植物相
任意確認及び採取
植生
植生分布調査
コドラート法
調査実施期間
備考
夏 季:平成 25 年 8 月 20 日~23 日
秋 季:平成 25 年 9 月 24 日~27 日
早春季:平成 26 年 4 月 16 日~18 日
春 季:平成 26 年 5 月 12 日~16 日
夏 季:平成 25 年 8 月 26 日~30 日
(5) 調査位置
植物の調査位置を図 4-5-1(1)~(2)に示す。
植物の調査においては、
対象事業実施区域及びその周辺 200m を含む範囲を調査対象範囲とした。
244(4-5-2)
図 4-5-1(1) 調査地点位置図(植物相)
245(4-5-3)
図 4-5-1(2) 調査地点位置図(植生)
246(4-5-4)
5.2 調査結果
(1) 植物相
確認状況
1)
植物相の確認種数を表 4-5-4(1)~(3)、現地調査結果の概要を表 4-5-5(1)~(3)に示す。
平成 24 年の現地調査で生育を確認した植物相(種子植物・シダ植物)は、ミズニラ、スギナ等
の 104 科 379 種、植物相(藻類)はカタシャジクモ、シャジクモの 1 科 2 種であった。平成 25~
26 年の現地調査では、福島県において、ホソバトウシゲ、スギナ等の 113 科 608 種、宮城県にお
いて、ホソバトウシゲ、クラマゴケ等の 132 科 843 種、計 133 科 882 種の植物相(種子植物・シ
ダ植物)の生育が確認された。
表 4-5-4(1) 確認種数一覧(植物相:種子植物・シダ植物-平成 24 年)
種
子
植
物
分類群
全確認種数
春季
夏季
シダ植物
10 科 23 種
-
10 科 23 種
4 科6 種
-
4 科6 種
離弁花類
51 科 161 種
2 科2 種
51 科 160 種
合弁花類
22 科 97 種
3 科4 種
22 科 95 種
裸子植物
被
子
植
物
双子葉植物
単子葉植物
計
17 科 91 種
1 科4 種
17 科 90 種
104 科 379 種
6 科 10 種
104 科 374 種
表 4-5-4(2) 確認種数一覧(植物相:種子植物・シダ植物-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
種
子
植
物
分類群
全確認種数
夏季
秋季
早春季
春季
シダ植物
13 科 52 種
9 科 39 種
10 科 42 種
12 科 36 種
12 科 45 種
6 科 10 種
6 科8 種
6 科9 種
6 科 10 種
5 科9 種
離弁花類
66 科 355 種
57 科 245 種
60 科 266 種
43 科 161 種
50 科 245 種
合弁花類
29 科 224 種
24 科 157 種
28 科 172 種
22 科 84 種
27 科 140 種
19 科 241 種
16 科 150 種
17 科 152 種
9 科 58 種
12 科 127 種
133 科 882 種
112 科 599 種
121 科 641 種
92 科 349 種
106 科 566 種
裸子植物
被
子
植
物
双子葉植物
単子葉植物
計
表 4-5-4(3) 確認種数一覧(植物相:藻類)
平成 24 年春季*1
平成 24 年夏季*1
平成 25~26 年*2
分類群
全確認種数
藻類
1 科2 種
-
1 科2 種
-
計
1 科2 種
*1:特定評価書時の現地調査。
*2:工事着手前の事後調査における現地調査。
-
1 科2 種
-
247(4-5-5)
表 4-5-5(1) 現地調査結果の概要(植物相:種子植物・シダ植物-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
春季
夏季
確認種数
6 科 10 種
104 科 374 種
合計
104 科 379 種
主な確認種
テリハノイバラ、アセビ、オトコヨウゾメ、オオバノトンボソウ、ヒトツボクロ等
ミズニラ、スギナ、ケヤマハンノキ、ミズヒキ、オオイヌタデ等
表 4-5-5(2) 現地調査結果の概要(植物相:種子植物・シダ植物-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
福島県
宮城県
確認種数
夏季
92 科 346 種
秋季
99 科 426 種
早春季
68 科 201 種
春季
90 科 317 種
計
113 科 608 種
夏季
108 科 573 種
秋季
120 科 577 種
早春季
90 科 333 種
春季
104 科 539 種
計
132 科 843 種
133 科 882 種
合計
主な確認種
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
スギナ、イヌスギナ、ゼンマイ、ワラビ、ミサキカグマ等
モミ、アカマツ、スギ、ヒノキ、イヌガヤ等
オニグルミ、イヌコリヤナギ、クマシデ、イヌシデ、クリ等
ヤマツツジ、ヤブコウジ、ウミミドリ、ヌマトラノオ、エゴノキ等
オモダカ、チゴユリ、ショウジョウバカマ、ヤブカンゾウ、コバギボウシ等
スギナ、イヌスギナ、オオハナワラビ、ゼンマイ、ワラビ等
アカマツ、スギ、ヒノキ、イヌガヤ、カヤ等
オニグルミ、オノエヤナギ、タチヤナギ、ハンノキ、クマシデ等
アキノギンリョウソウ、イチヤクソウ、ネジキ、レンゲツツジ、ヤマツツジ等
ヘラオモダカ、オモダカ、ノギラン、ニラ、チゴユリ等
ホソバトウゲシバ、スギナ、イヌスギナ、オウレンシダ、ワラビ等
モミ、アカマツ、クロマツ、スギ、ヒノキ等
タチヤナギ、キツネヤナギ、クリ、スダジイ、アカガシ等
イチヤクソウ、ヤマツツジ、マンリョウ、ヤブコウジ、ウミミドリ等
アサツキ、ハナニラ、ショウジョウバカマ、ウバユリ、ヒメヤブラン等
ホソバトウゲシバ、スギナ、イヌスギナ、オオハナワラビ、ゼンマイ等
イチョウ、モミ、アカマツ、クロマツ、スギ等
オニグルミ、オノエヤナギ、タチヤナギ、クマシデ、アカシデ等
リョウブ、イチヤクソウ、ネジキ、レンゲツツジ、ヤマツツジ等
ノビル、チゴユリ、ショウジョウバカマ、トウギボウシ、ジャノヒゲ等
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
シダ植物
裸子植物
離弁花類
合弁花類
単子葉植物
ホソバトウシゲ、スギナ、イヌスギナ、ゼンマイ、イヌシダ等
イチョウ、モミ、アカマツ、クロマツ、スギ等
オニグルミ、セイヨウハコヤナギ、バッコヤナギ、イヌコリヤナギ、オノエヤナギ等
イチヤクソウ、ネジキ、レンゲツツジ、ヤマツツジ、バイカツツジ等
ヘラオモダカ、オモダカ、ノギラン、チゴユリ、ショウジョウバカマ等
ホソバトウシゲ、スギナ、フユノハナワラビ、ゼンマイ、イヌシダ等
イチョウ、モミ、アカマツ、クロマツ、スギ等
オニグルミ、バッコヤナギ、イヌコリヤナギ、シロヤナギ、オノエヤナギ等
リョウブ、イチヤクソウ、ハナヒリノキ、ネジキ、レンゲツツジ等
ヘラオモダカ、オモダカ、ミズオオバコ、ヤマラッキョウ、ニラ等
ホソバトウシゲ、クラマゴケ、スギナ、イヌスギナ、オオワラビ等
イチョウ、モミ、アカマツ、クロマツ、スギ等
オニグルミ、イヌコリヤナギ、ヤマハンノキ、ハンノキ、イヌシデ等
リョウブ、アキノギンリョウソウ、イチヤクソウ、レンゲツツジ、ヤマツツジ等
ノギラン、アサツキ、ハナニラ、チゴユリ、ショウジョウバカマ等
ホソバトウシゲ、クラマゴケ、スギナ、イヌスギナ、オオワラビ等
イチョウ、モミ、アカマツ、クロマツ、スギ等
オニグルミ、バッコヤナギ、イヌコリヤナギ、シロヤナギ、オノエヤナギ等
リョウブ、ギンリョウソウ、イチヤクソウ、ネジキ、レンゲツツジ等
ノギラン、ノビル、オランダキジカクシ、ハナニラ、チゴユリ等
表 4-5-5(3) 現地調査結果の概要(植物相:藻類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
春季
夏季
合計
確認種数
-
1 科2 種
1 科2 種
主な確認種
-
カタシャジクモ、シャジクモ
248(4-5-6)
2)
重要種
重要な巨樹・巨木を表 4-5-6、植物相の重要種(種子植物・シダ植物)を表 4-5-7(1)~(5)、植物
相の重要種(藻類)を表 4-5-8、重要な巨樹・巨木の位置を図 4-5-2、現地調査で確認した重要種
の位置を図 4-5-3(1)~(5)に示す。
文献調査及び現地調査において生育情報のあった植物相のうち、
選定基準に該当する重要な種は、
白幡のいちょう、称名寺のシイノキ、かやの老樹の 3 件(重要な巨樹・巨木)とミズニラ、ミズニ
ラモドキ等の 5 類 77 科 230 種(種子植物・シダ植物)
、カタシャジクモ、シャジクモの 1 類 1 科 2
種(藻類)であった。
このうち、平成 24 年の現地調査ではミズニラ、キキョウ等の 3 類 7 科 11 種(種子植物・シダ植
物)
、カタシャジクモ、シャジクモの 1 類 1 科 2 種(藻類)
、平成 25~26 年の現地調査では、福島
県において、タコノアシ、シャリンバイ等の 3 類 14 科 18 種(種子植物・シダ植物)
、宮城県にお
いてサネカズラ、タコノアシ等の 3 類 18 科 30 種(種子植物・シダ植物)
、計 3 類 23 科 35 種(種
子植物・シダ植物)が確認された。
表 4-5-6 重要な巨樹・巨木
選定基準*1
名称
A
B
C
確認状況*2
D
E
文献
○
現地 現地:H25-26
:H24 福島 宮城
○
○
-
備考
白幡のいちょう
県天
福島県指定天然記念物
称名寺のシイノキ
国天
○
○
-
○
国指定天然記念物
かやの老樹
町天
○
○
-
○
山元町指定文化財(天然記念物)
3件
3
0
0
0
0
3
3
1
2
*1:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしま I-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年、福島
県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*2:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「第 4 回 自然環境保全基礎調査(日本の巨樹・巨木林)」
(平成 3 年、環境庁)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
249(4-5-7)
表 4-5-7(1) 確認された重要種(植物相-種子植物・シダ植物)
選定基準*2
分類群
シダ植物
科名
ミズニラ
ハナヤスリ
確認状況*3
*1
種名
C
D
E
文献
現地
:H24
ミズニラ
NT
C
NT
○
○
ミズニラモドキ
VU
NE
CR+EN
A
B
B
○
ハマハナヤスリ
D
○
NE
○
ヒメハイホラゴケ
A
○
コバノイシカグマ コバノイシカグマ
オシダ
B
CR+EN
フモトシダ
B
CR+EN
○
キヨスミヒメワラビ
D
VU
○
オオクジャクシダ
D
○
オオベニシダ
D
○
オオイタチシダ
D
ヒメイタチシダ
ナンゴクナライシダ
メシダ
シケチシダ
裸子植物
離弁花類
サンショウモ サンショウモ
VU
アカウキクサ アカウキクサ
EN
B
NT
○
○
要
○
要
○
○
NT
CR+EN
○
○
ヒノキ
ヒノキ
D
○
イチイ
イチイ
D
○
ヤナギ
アカメヤナギ
D
○
ブナ
アラカシ
タデ
アブクマトラノオ
オオバヤナギ
C
VU
ヤナギヌカボ
サデクサ
VU
ヌカボタデ
ナデシコ
ノダイオウ
VU
タガソデソウ
VU
マツブサ
クスノキ
CR
サネカズラ
要
○
NT
○
B
要
B
○
D
-
C
フクジュソウ
NT
○
○
NE
要
○
B
VU
○
NT
○
B
ヒメキンポウゲ
VU
オキナグサ
VU
ヒキノカサ
ヒメバイカモ
250(4-5-8)
○
CR+EN
○
C
CR+EN
○
VU
B
CR+EN
○
EN
A
CR+EN
○
C
バイカモ
○
○
要
スハマソウ
レンゲショウマ
○
○
ヤマコウバシ
VU
○
C
A
センウズモドキ
要
NE
C
キンポウゲ
○
○
○
クスノキ
フサザクラ
○
B
ハママツナ
フサザクラ
○
VU
CR+EN
ハマアカザ
ミドリアカザ
○
要
NE
ヒゲネワチガイソウ
アカザ
NT
C
アキノミチヤナギ
宮城
○
VU
D
コガネシダ
福島
○
コヒロハハナヤスリ
コハナヤスリ
コケシノブ
現地:H25-26
○
○
表 4-5-7(2) 確認された重要種(植物相-種子植物・シダ植物)
選定基準*2
分類群
離弁花類
確認状況*3
*1
科名
種名
A
B
C
D
EN
VU
キンポウゲ
マンセンカラマツ
アケビ
ムベ
B
マツモ
マツモ
B
ドクダミ
ハンゲショウ
B
アブラナ
ユキノシタ
ナガミノツルキケマン
NT
C
C
クサアジサイ
NT
C
タマアジサイ
ヤマアジサイ
NT
タコノアシ
NT
○
NT
○
○
○
○
NT
○
B
VU
○
ジャケツイバラ
C
CR+EN
○
マルバヌスビトハギ
C
要
○
ノアズキ
C
CR+EN
○
NT
○
D
NT
B
ヒナノキンチャク
EN
マルバグミ
スミレ
エゾノタチツボスミレ
要
A
VU
アリノトウグサ オグラノフサモ
○
VU
○
NT
○
NT
タチモ
B
○
○
VU
○
VU
○
VU
○
マルバトウキ
D
○
C
NT
C
カラタチバナ
サクラソウ
ウミミドリ
A
CR+EN
○
ヤナギトラノオ
D
VU
○
C
CR+EN
○
イソマツ
NT
ハマサジ
251(4-5-9)
○
○
ヤブコウジ
○
○
○
B
VU
○
○
○
ハマボウフウ
サワゼリ
○
○
B
ホザキノフサモ
○
○
NT
C
VU
○
○
VU
フモトスミレ
ミズマツバ
○
B
テリハタチツボスミレ
ミソハギ
○
○
A
C
グミ
ミゾハコベ
NT
VU
D
ジンチョウゲ オニシバリ
○
○
C
トウダイグサ
ミゾハコベ
○
C
コフウロ
トウダイグサ ノウルシ
合弁花類
○
B
センダイハギ
セリ
○
要
モメンヅル
オオバタンキリマメ
ヒメハギ
CR+EN
ハマナス
B
○
○
B
VU
○
○
シャリンバイ
イヌハギ
宮城
○
CR+EN
エゾノレンリソウ
フウロソウ
要
B
ザイフリボク
福島
○
B
ミヤマザクラ
マメ
○
VU
CR+EN
ムカゴネコノメ
バラ
○
A
B
現地:H25-26
○
A
ハマハタザオ
現地
:H24
○
VU
EN
エゾハタザオ
文献
○
ツルキケマン
モウセンゴケ コモウセンゴケ
ケシ
E
○
○
表 4-5-7(3) 確認された重要種(植物相-種子植物・シダ植物)
選定基準*2
分類群
合弁花類
科名
種名
モクセイ
ヒイラギ
マチン
ヒメナエ
A
B
C
D
VU
VU
CR+EN
○
CR+EN
○
CR+EN
○
EX
○
VU
○
ガガイモ
D
ガガブタ
NT
アサザ
NT
EX+EW CR+EN
B
VU
○
フナバラソウ
VU
C
VU
○
スズサイコ
NT
C
VU
○
ハナムグラ
VU
NE
CR+EN
○
ムラサキ
スナビキソウ
NE
VU
○
ヤマルリソウ
C
クマツヅラ
A
ハマゴウ
シソ
ツルカコソウ
VU
キセワタ
VU
NT
○
○
CR+EN
○
VU
○
C
NT
NE
CR+EN
○
○
イガタツナミソウ
NT
○
NE
VU
○
VU
○
スズメノトウガラシ
B
NT
○
ヒナノウスツボ
D
DD
○
VU
○
C
VU
○
キツネノマゴ ハグロソウ
C
CR+EN
○
ハマウツボ
C
クワガタソウ
C
ムシクサ
VU
イヌノフグリ
ナンバンギセル
ケヤマウツボ
タヌキモ
オオバコ
NT
CR+EN
ホザキノミミカキグサ
B
CR+EN
B
CR+EN
○
VU
○
NT
NT
ムラサキミミカキグサ
NT
C
NT
C
ケナシエゾオオバコ
カノコソウ
VU
キキョウ
252(4-5-10)
○
○
○
○
○
○
NT
マツムシソウ マツムシソウ
キキョウ
○
CR+EN
レンプクソウ レンプクソウ
オミナエシ
○
B
イヌタヌキモ
○
○
要
B
ヒメタヌキモ
○
○
ミミカキグサ
タヌキモ
○
○
D
VU
○
○
NE
ヤマホロシ
○
NT
VU
ゴマノハグサ マルバサワトウガラシ
○
○
要
アオホオズキ
○
○
○
CR+EN
ナミキソウ
宮城
○
タツナミソウ
ミゾコウジュ
ナス
VU
D
ケナツノタムラソウ
○
CR+EN
NE
ヒメサルダヒコ
ヒメハッカ
D
福島
○
NT
クマツヅラ
現地:H25-26
○
アカネ
ルリソウ
現地
:H24
○
A
コケリンドウ
イヌセンブリ
文献
A
ハルリンドウ
ミツガシワ
E
C
アイナエ
リンドウ
確認状況*3
*1
○
D
○
D
○
VU
○
○
○
○
表 4-5-7(4) 確認された重要種(植物相-種子植物・シダ植物)
選定基準*2
分類群
合弁花類
科名
キク
確認状況*3
*1
種名
A
B
C
D
E
文献
シロヨモギ
C
CR+EN
○
コハマギク
C
リュウノウギク
VU
○
モリアザミ
NT
○
VU
○
アズマギク
NT
フジバカマ
D
単子葉植物
オモダカ
ミヤマキタアザミ
VU
オナモミ
VU
サジオモダカ
NT
アギナシ
○
○
VU
○
C
NT
○
B
VU
○
トチカガミ
VU
スブタ
A
ヤナギスブタ
トチカガミ
NT
ミズオオバコ
VU
B
コウガイモ
NT
ホロムイソウ シバナ
NT
オオシバナ
ヒルムシロ
CR+EN
○
VU
○
CR+EN
○
NT
○
CR+EN
○
CR+EN
○
CR+EN
○
VU
○
VU
CR+EN
○
リュウノヒゲモ
NT
EX+EW CR+EN
○
イトモ
NT
C
要
○
カワツルモ
NT
A
VU
○
イトクズモ
VU
イバラモ
ホッスモ
A
CR+EN
○
要
○
VU
○
イトトリゲモ
NT
B
NT
○
トリゲモ
VU
NE
CR+EN
○
VU
○
スズラン
C
VU
○
オオチゴユリ
B
クルマバツクバネソウ
C
ヤマラッキョウ
ヒメイズイ
アマナ
NT
ミズアオイ
ミズアオイ
アヤメ
ノハナショウブ
ホシクサ
イヌノヒゲ
イネ
ヒナザサ
VU
○
NT
○
VU
○
○
N
○
NT
C
NT
ミチシバ
C
アイアシ
○
○
VU
○
VU
○
NT
○
ウキシバ
C
○
タチドジョウツナギ
A
○
コウキクサ
C
○
253(4-5-11)
○
○
○
○
○
○
B
アヤメ
ウキクサ
○
ツツイトモ
コアマモ
ユリ
A
ホソバミズヒキモ
アマモ
○
○
B
ウリカワ
宮城
○
NT
C
オオニガナ
福島
○
CR+EN
コウヤボウキ
現地:H25-26
○
C
ツワブキ
現地
:H24
○
○
○
表 4-5-7(5) 確認された重要種(植物相-種子植物・シダ植物)
選定基準*2
分類群
単子葉植物
科名
ミクリ
確認状況*3
*1
種名
A
B
現地:H25-26
D
E
文献
ミクリ
NT
N
NT
○
ヤマトミクリ
NT
C
CR+EN
○
ナガエミクリ
NT
N
NT
○
ヒメミクリ
VU
B
VU
○
○
○
○
○
○
○
○
○
カヤツリグサ エゾウキヤガラ
B
イセウキヤガラ
A
カンスゲ
NT
オオクグ
B
オニナルコスゲ
VU
ムギガラガヤツリ
○
NT
○
NT
○
VU
○
VU
○
VU
VU
○
VU
○
VU
CR+EN
○
VU
○
スジヌマハリイ
VU
コツブヌマハリイ
B
ナガボテンツキ
ノグサ
C
コホタルイ
B
○
タイワンヤマイ
C
○
B
○
シラン
NT
A
○
ナツエビネ
VU
B
マツカサススキ
CR+EN
B
ギンラン
C
VU
○
トケンラン
VU
B
CR+EN
○
クマガイソウ
VU
A
CR+EN
○
A
CR+EN
○
B
NT
○
VU
○
VU
シロテンマ
CR
○
○
○
○
B
アケボノシュスラン
○
サギソウ
NT
C
CR+EN
○
ミズトンボ
VU
C
CR+EN
○
CR+EN
○
B
ムヨウラン
EN
ギボウシラン
○
○
VU
ハマカキラン
○
○
キンラン
セッコク
宮城
○
マメクグ
トネテンツキ
○
CR
福島
○
CR+EN
C
イガガヤツリ
ラン
現地
:H24
C
○
NT
○
VU
○
ツレサギソウ
NT
○
マイサギソウ
CR+EN
○
VU
○
VU
○
ジガバチソウ
アオフタバラン
A
コケイラン
B
オオバノトンボソウ
カヤラン
B
ヒトツボクロ
B
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
5類
77 科
230 種
0
0
83
163 160 226種 11種 18種 30種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
254(4-5-12)
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしま I-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年、福島
県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年 新地町教育委員会)
、
「フロラ福島 No.1~No.30」
(昭和 57 年~平成
15 年 福島県植物研究会)
、
「福島県植物誌」
(昭和 62 年 福島県植物誌編さん委員会)
、
「山元町歴史民俗資
料館収蔵資料目録」
(平成 22 年 山元町歴史民俗資料館)
、
「亘理町史 上巻」
(昭和 50 年 亘理町史編纂委員
会編)
、
「宮城の植物1号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年 宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成
13 年 宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「第 3 回自然環境保全基礎調査植生調査報告書」
(昭和 63
年 宮城県)
、
「日本の重要な植物群落Ⅱ 東北版 2」
(昭和 63 年 環境庁)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地
~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年 日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山
元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年 日本道路公団東北支社)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然
環境調査 報告書」
(平成 22 年 東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
、
「レッドデータブック
ふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年 福島県)
、
「仙台湾海
浜自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
表 4-5-8 確認された重要種(植物相-藻類)
選定基準*2
分類群
車軸藻
科名
シャジクモ
種名*1
A
カタシャジクモ
シャジクモ
B
確認状況*3
C
文献
現地
:H24
CR+EN
○
VU
○
現地:H25-26
福島
宮城
1類
1科
2種
0
0
2
0種
2種
0種
0種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年 新地町教育委員会)
、
「フロラ福島 No.1~No.30」
(昭和 57 年~平成
15 年 福島県植物研究会)
、
「福島県植物誌」
(昭和 62 年 福島県植物誌編さん委員会)
、
「山元町歴史民俗資
料館収蔵資料目録」
(平成 22 年 山元町歴史民俗資料館)
、
「亘理町史 上巻」
(昭和 50 年 亘理町史編纂委員
会編)
、
「宮城の植物1号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年 宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成
13 年 宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「第 3 回自然環境保全基礎調査植生調査報告書」
(昭和 63
年 宮城県)
、
「日本の重要な植物群落Ⅱ 東北版 2」
(昭和 63 年 環境庁)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地
~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年 日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山
元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年 日本道路公団東北支社)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然
環境調査 報告書」
(平成 22 年 東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
、
「レッドデータブック
ふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年 福島県)
、
「仙台湾海
浜自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
255(4-5-13)
図 4-5-2 重要な巨樹・巨木位置図
256(4-5-14)
※重要種の生育地点情報については、生育に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-5-3(1) 重要種確認位置図(植物相-種子植物・シダ植物)
257(4-5-15)
※重要種の生育地点情報については、生育に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-5-3(2) 重要種確認位置図(植物相-種子植物・シダ植物)
258(4-5-16)
※重要種の生育地点情報については、生育に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-5-3(3) 重要種確認位置図(植物相-種子植物・シダ植物)
259(4-5-17)
※重要種の生育地点情報については、生育に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-5-3(4) 重要種確認位置図(植物相-種子植物・シダ植物)
260(4-5-18)
※重要種の生育地点情報については、生育に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-5-3(5) 重要種確認位置図(植物相-藻類)
261(4-5-19)
(2) 植生
確認状況
1)
確認された植生の概要を表 4-5-9(1)~(2)、断面構造の例を図 4-5-4、植生図を図 4-5-5(1)~(2)
に示す。
文献調査及び現地調査において、ハンノキ群落、スダジイ群落等の計 40 区分の植生及び土地利
用が確認された。
表 4-5-9(1) 植生の概要
No.
1 ハンノキ群落
2 スダジイ群落
3 コナラ群落
4 アカマツ林
5 クロマツ植林
6 スギ・ヒノキ
植林
7 スギ・ヒノキ
若齢林
8 竹林
高木層
亜高木層
低木層
ハンノキ、
カナムグ
ラ
スダジイ、スギ等 コナラ、
ヒサカキ等 ヒサカキ、
スダジイ
等
コナラ、アカマツ アオハダ、
カスミザ アズマネザサ、
イヌ
クラ
ツゲ等
アカマツ、スギ等 ウワミズザクラ、
ア ウメモドキ、
アオハ
オハダ等
ダ等
クロマツ、
アカマツ アズマネザサ、
ヤマ アズマネザサ、
ヤダ
ザクラ
ケ等
スギ
ケヤキ、
スダジイ等 ケヤキ、
ヤブツバキ
等
ヒノキ、
アズマネザ
サ等
マダケ
マダケ、フジ
マダケ
9 落葉低木二次
林
10 伐採跡地
11 クズ群落
12 ハス群落
13 ガマ群落
14 ヒメガマ群落
15 マコモ群落
16 ヨシ群落
17 ツルヨシ群落
18 オギ群落
19 ススキ群落
20 ササ草地
21 セイタカアワ
ダチソウ群落
22 チガヤ群落
23 シバ草地
24 シロツメクサ
群落
262(4-5-20)
草本層
主な分布
ヨシ、
カナムグラ等 低地部
ヤブコウジ、
アズマ
ザサ等
イヌツゲ、
ヤブマメ
等
ヤマツツジ、ショウ
ジョウバカマ等
アヤメ科、
ヨモギ等
丘陵部
オクマワラビ、
テイ
カカズラ等
ヤブコウジ、
コバギ
ボウシ等
ツタウルシ、
ケチヂ
ミザサ等
クリ、
ヤマウルシ等 アズマネザサ、
オニ
ドコロ等
アズマネザサ、
コナ
ラ等
クズ、
カナムグラ等
ハス、
オオイヌタデ
等
ガマ、ヒメガマ等
ヒメガマ、
アオウキ
クサ等
マコモ
ヨシ、
サワギキョウ
等
ツルヨシ、
クサヨシ
等
オギ、
セイタカアワ
ダチソウ等
ススキ、
ヤブマメ等
アズマネザサ、
クズ ヘクソカズラ、
カタ
等
バミ等
セイタカアワダチソ
ウ、ヨモギ等
チガヤ、
ヒメシダ等
シバ、
ヒメムカシヨ
モギ等
シロツメクサ、
アメリカ
センダングサ等
丘陵部
丘陵部
丘陵部
低地部
丘陵地
丘陵部
丘陵部
丘陵部
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
丘陵部
低地部
低地部
丘陵部
丘陵部
表 4-5-9(2) 植生の概要
No.
高木層
亜高木層
低木層
草本層
25 ヒシ群落
26 イヌビエ
ヒシ、イボクサ等 低地部
イヌビエ、
オオイヌ 低地部
タデ等
メヒシバ、
アキノエ 低地部
ノコログサ等
27 メヒシバ・ア
キノエノコロ
グサ群落
28 ヒメムカシヨ
モギ群落
29 イネ科草本群
落
30 水田
31 畑
ヒメムカシヨモギ、オオ
アレチノギク等
イネ科、
コヌカグサ
等
イネ、コナギ等
ハキダメギク、
スベ
リヒユ等
イヌビエ、
ウキヤガ
ラ等
キンエノコロ、
メヒ
シバ等
32 放棄水田
33 放棄畑
34
35
36
37
38
39
40
主な分布
果樹園
植栽地
人工構造物
道路
造成裸地
自然裸地
開放水域
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
丘陵部
丘陵部
低地部
低地部
低地部
低地部
低地部
アカマツ、ウワミズザクラ、
アオハダ、ウメモドキ
スギ、ヒノキ、ケヤキ
スダジイ、オクマワラビ
コナラ、アオハダ、アズマネザサ
イヌツゲ、ヤブマメ、ゼンマイ
コナラ、ヤマザクラ、
クリ、モミ、アズマネザサ
キンエノコロ、メヒシバ
クズ、ヨモギ、ガガイモ
コナラ群落
畑
道路
水田
ヨシ群落
放棄水田
セイタカアワ
ダチソウ群落
水田
道路
水田
放棄畑
イネ、アオウキクサ
図 4-5-4 現存植生の断面構造例
263(4-5-21)
ハキダメギク
スベリヒユ
アカマツ群落
ヨシ、サワギキョウ
イヌビエ、ウキヤガラ、
アオウキクサ、セリ
イネ、コナギ
コナラ群落
スギ・ヒノキ植林
セイタカアワダチソウ、
ヨモギ、ヤブマメ、クズ
図 4-5-5(1) 植生図(起点側)
264(4-5-22)
図 4-5-5(2) 植生図(終点側)
265(4-5-23)
2)
重要な植物群落
重要な植物群落を表 4-5-10に示す。
文献調査及び現地調査において確認された植物群落のうち、選定基準に該当する重要な植物群落
は鹿狼山の自然林、仙台湾沿岸の海岸林等の 6 群落であった。
表 4-5-10 重要な植物群落一覧
名称*1
選定基準*2
A
F
G
1 鹿狼山の自然林
H
○
-
-
-
変化なし
2 仙台湾沿岸の海岸林
F
○
-
○
○
群落の消失
D
○
-
○
○
面積減少
D・F
○
-
○
○
群落構成変化
○
○
○
○
面積減少
○
○
-
○
面積減少
3 仙台湾沿岸の砂浜植物群落
4 福島県境海浜のクロマツ・ハイネズ群落
5 磯の水神沼・沼沢植物群落
D
6 磯の水神スダジイ林
-
1
確認状況*3
東北地方太平洋沖地震の影響*4
変化状況
文献 現地 地震等による影響 津波浸水域
3
0
6
2
6
2
4
5
*1:名称は各出典による。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和25 年 法律第214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和45 年7 月21 日 福島県条例第43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
F「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書」
(平成 12 年 環境庁)
A・・・原生林もしくはそれに近い自然林、B・・・国内若干地域に分布するが、極めて稀な植物群落または個体群、C・・・
比較的普通に見られるものであっても、南限、北限、隔離分布等分布限界になる山地に見られる植物群落または個体
群、D・・・砂丘、断崖地、塩沼地、湖沼、河川、湿地、高山、石灰岩地等の特殊な立地に特有な植物群落または個体
群で、その群落の特徴が典型的なもの、E:郷土景観を代表する植物群落で、特にその群落の特徴が典型的なもの(武
蔵野の雑木林、社寺林等)
、F:過去において人工的に植栽されたことが明らかな森林であっても、長期にわたって
伐採等の手が入っていないもの、G:乱獲その他人為の影響によって、当該都道府県内で極端に少なくなるおそれの
ある植物群落または個体群、H:その他、学術上重要な植物群落または個体群、-未記入
G「植物群落レッドデータブック」
(平成 8 年 財団法人 日本自然保護協会他)
1:要注意、2:破壊の危惧、3:対策必要、4:緊急に対策が必要
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「第 2 回自然環境保全基礎調査 宮城県動植物分布図」
(昭和 56 年 環境庁)
、
「第 2 回自然環境保全基礎調査 宮
城県自然環境情報図」
(平成元年 環境庁)
、
「植物群落レッドデータブック」
(平成 8 年財団法人 日本自然保
護協会他)
・現地:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 24 年及び平成 25~26 年に調査対象範囲内の状
況を確認した)
。
*4:東北地方太平洋沖地震の影響の出典、凡例は以下のとおりである。
出典「平成 25 年度東北地方太平洋沿岸地域 植生・湿地変化状況等調査 調査報告書」
(平成 26 年 環境省自然環境局)
・地震等による影響:○・・・地震等による影響がみられた群落、-・・・地震等による影響がみられなかった群落
・津波浸水域:○・・・津波浸水域内の群落、-・・・津波浸水域外の群落
・変化状況:面積減少・・・面積に著しい変化がみられた群落、群落構成変化・・・群落構成に著しい変化がみられた群落、
群落の消失・・・群落または個体群が完全に消失あるいは大部分が消失、-・・・変化なし
266(4-5-24)
「5.磯の水神沼・沼沢植物群落」は、
「第 3 回自然環境保全基礎調査 宮城県自然環境情報図(平成
元年 環境庁)」)によると、本図のとおり対象事業実施区域に分断されているが、現地確認による
と、改変区域周辺の本群落の図示範囲は畑地や水田、放棄水田となっており、重要な群落の対象
となる沼沢群落(沼岸の湿生群落)は、計画路線により分断されていないことを確認している。
図 4-5-6 重要な植物群落分布位置図
267(4-5-25)
5.3 予測手法
(1) 予測項目
植物の予測項目は、文献調査及び現地調査で確認された重要な種及び群落に対する工事の実施(造
成等の施工による一時的な影響)
、土地又は工作物の存在及び供用(鉄道施設(地表式又は掘割式及び
嵩上式)の存在)による影響の程度とした。
(2) 予測方法
予測及び環境保全措置の検討の考え方を図 4-5-7に示す。
植物の予測は、工事の実施(造成等の施工による一時的な影響)
、土地又は工作物の存在及び供用(鉄
道施設(地表式又は掘割式及び嵩上式)の存在)による自然環境の改変に伴う重要な種及び群落の生育
環境の消失・縮小、質的変化の影響について、対象事業実施区域との重ね合わせ、科学的知見を参考
に定性的に実施した。
対象事業実施区域及びその周辺
に生育する重要な種及び群落
Yes
対象事業実施区域内に重要な種 No
及び群落の生育環境が存在する
生育環境への
影響はない
Yes
生育環境が消失又は改変される Yes
おそれがあるが、影響を受ける量
は残存する量と比較して小さい
土地の改変に伴って生育環境の No
質的変化が生じる可能性がある
No
生育環境は
保存される
Yes
環境保全措置の検討
図 4-5-7 予測及び環境保全措置の検討の考え方(植物)
(3) 予測位置
植物の予測位置は、対象事業実施区域及びその周辺に生育する重要な種及び群落への環境影響が生
じるおそれがあると認められる地域とした。
(4) 予測対象時期
植物の予測対象時期は、工事の実施時期及び鉄道施設の完成時期とした。
268(4-5-26)
5.4 予測対象種及び群落の選定
(1) 予測対象種及び群落
植物の予測対象種を表 4-5-11(1)~(7)に示す。
文献調査もしくは現地調査において生育情報のあった重要な種及び群落のうち、対象事業実施区域
及びその周辺に生育の可能性があり、対象事業が与える影響について予測及び評価が必要であると考
えられる種を予測対象種として選定した。
表 4-5-11(1) 予測対象種の選定(植物)
区分
No.
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
植 巨樹・
-
白幡のいちょう
○
○
-
○
-
物
-
称名寺のシイノキ
○
○
-
○
-
-
かやの老樹
○
○
-
○
-
種子植物
1
ミズニラ
○
○
・
2
ミズニラモドキ
○
巨木等
相
シダ植物
○
○
○
○
3
コヒロハハナヤスリ
○
○
○
-
ハマハナヤスリ
○
-
-
備考
4
コハナヤスリ
○
○
○
-
ヒメハイホラゴケ
○
-
-
5
コバノイシカグマ
○
○
○
6
フモトシダ
○
○
○
7
ナンゴクナライシダ
○
○
○
8
キヨスミヒメワラビ
○
○
○
9
オオクジャクシダ
○
○
○
10
オオベニシダ
○
○
○
11
オオイタチシダ
○
○
○
12
ヒメイタチシダ
○
○
○
-
イノデ
○
○
-
13
シケチシダ
○
○
○
-
コガネシダ
○
-
-
14
サンショウモ
○
○
○
15
アカウキクサ
○
○
○
16
ヒノキ
○
○
○
17
イチイ
○
○
○
18
アカメヤナギ
○
○
○
19
オオバヤナギ
○
○
○
20
アラカシ
○
○
○
-
ウラジロガシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
シンミズヒキ
○
○
-
重要種選定除外*2
21
アブクマトラノオ
○
○
○
22
ヤナギヌカボ
○
○
○
23
サデクサ
○
○
○
24
ヌカボタデ
○
○
○
-
アキノミチヤナギ
○
-
-
25
ノダイオウ
○
○
○
26
タガソデソウ
○
○
○
27
ヒゲネワチガイソウ
○
○
○
-
ハマアカザ
○
-
-
269(4-5-27)
重要種選定除外*2
表 4-5-11(2) 予測対象種の選定(植物)
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
区分
No.
植 種子植物
28
ミドリアカザ
○
○
○
物
-
オカヒジキ
○
-
-
・
相 シダ植物
種名
-
ハママツナ
○
-
29
サネカズラ
-
-
30
クスノキ
○
○
○
31
ヤマコウバシ
○
○
○
32
フサザクラ
○
○
○
33
センウズモドキ
○
○
○
34
フクジュソウ
○
○
○
-
レンゲショウマ
○
-
-
-
トウゴクサバノオ
○
○
-
備考
重要種選定除外*2
-
○
○
重要種選定除外*2
-
ヒメキンポウゲ
○
-
-
35
スハマソウ
○
○
○
36
オキナグサ
○
○
○
37
ヒキノカサ
○
○
○
38
ヒメバイカモ
○
○
○
39
バイカモ
○
○
○
-
マンセンカラマツ
○
-
-
40
ムベ
○
○
○
-
ヒツジグサ
○
○
-
41
マツモ
○
○
○
-
ヨツバリマツモ
○
○
-
42
ハンゲショウ
○
○
○
-
ウマノスズクサ
○
○
-
43
コモウセンゴケ
○
○
○
44
ツルキケマン
○
○
○
45
ナガミノツルキケマン
○
○
○
-
ヤマブキソウ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
シロイヌナズナ
○
○
-
重要種選定除外*2
46
エゾハタザオ
○
○
○
-
ハマハタザオ
○
-
-
47
クサアジサイ
○
○
○
48
ムカゴネコノメ
○
○
○
49
タマアジサイ
○
○
○
50
ヤマアジサイ
○
○
○
51
タコノアシ
○
○
52
ザイフリボク
○
○
○
53
ミヤマザクラ
○
-
○
重要種追加種*2
-
オオシマザクラ
○
○
-
重要種選定除外*2
54
シャリンバイ
○
-
-
ハマナス
○
-
テリハノイバラ
○
-
カジイチゴ
-
55
○
○
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
○
○
-
-
○
-
重要種選定除外*2
○
○
-
重要種選定除外*2
モメンヅル
○
-
-
ジャケツイバラ
○
○
○
270(4-5-28)
○
表 4-5-11(3) 予測対象種の選定(植物)
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
区分
No.
植 種子植物
56
マルバヌスビトハギ
○
○
○
物
57
ノアズキ
○
○
○
・
相 シダ植物
種名
備考
58
エゾノレンリソウ
○
○
○
59
イヌハギ
○
○
○
60
オオバタンキリマメ
○
○
○
-
センダイハギ
○
-
-
-
ヤハズエンドウ
○
○
-
61
コフウロ
○
○
○
62
ノウルシ
○
○
63
トウダイグサ
○
○
○
-
ニシキソウ
○
○
-
64
ヒナノキンチャク
○
○
○
-
メグスリノキ
○
○
-
65
オニシバリ
○
○
○
-
マルバグミ
○
-
-
-
オオナワシログミ
○
-
-
重要種選定除外*2
66
エゾノタチツボスミレ
○
-
○
重要種追加種*2
67
テリハタチツボスミレ
○
○
○
-
サクラスミレ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
イブキスミレ
○
○
-
重要種選定除外*2
68
フモトスミレ
○
○
○
○
69
ミゾハコベ
○
○
○
○
-
カラスウリ
○
○
70
ミズマツバ
○
○
71
オグラノフサモ
○
○
○
72
ホザキノフサモ
○
○
○
73
タチモ
○
○
74
ハマボウフウ
○
-
-
マルバトウキ
○
-
-
-
ムカゴニンジン
○
○
-
75
サワゼリ
○
○
○
-
イワウチワ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アセビ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
トウゴクミツバツツジ
○
○
-
重要種選定除外*2
76
カラタチバナ
○
○
○
77
ウミミドリ
○
-
78
ヤナギトラノオ
○
○
○
-
ハマサジ
○
-
-
79
ヒイラギ
○
○
80
ヒメナエ
○
○
○
81
アイナエ
○
○
○
-
リンドウ
○
○
-
82
コケリンドウ
○
○
○
83
ハルリンドウ
○
○
○
84
イヌセンブリ
○
○
○
271(4-5-29)
○
○
○
○
-
○
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
○
○
○
○
○
○
重要種選定除外*2
○
○
重要種選定除外*2
表 4-5-11(4) 予測対象種の選定(植物)
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
区分
No.
植 種子植物
85
ガガブタ
○
○
○
物
86
アサザ
○
○
○
・
相 シダ植物
種名
備考
87
フナバラソウ
○
○
○
88
スズサイコ
○
○
○
-
アズマカモメヅル
○
○
-
89
ハナムグラ
○
○
○
-
ハシカグサ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ホタルカズラ
○
○
-
重要種選定除外*2
90
スナビキソウ
○
○
○
91
ヤマルリソウ
○
○
92
ルリソウ
○
○
-
ヤブムラサキ
○
○
93
クマツヅラ
○
○
重要種選定除外*2
○
○
○
-
○
重要種選定除外*2
○
-
ハマゴウ
○
-
-
94
ツルカコソウ
○
○
○
-
フトボナギナタコウジュ
○
○
-
95
キセワタ
○
○
○
96
ヒメサルダヒコ
○
○
○
97
ヒメハッカ
○
○
98
ケナツノタムラソウ
○
○
99
ミゾコウジュ
○
○
○
100 タツナミソウ
○
○
○
重要種選定除外*2
○
○
○
101 イガタツナミソウ
○
○
○
○
102 ナミキソウ
-
-
○
○
103 アオホオズキ
○
○
○
104 ヤマホロシ
○
○
○
105 マルバノサワトウガラシ
○
○
○
106 スズメノトウガラシ
○
○
○
107 ケヤマウツボ
○
○
○
-
ウリクサ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
シオガマギク
○
○
-
重要種選定除外*2
108 ヒナノウスツボ
○
○
○
109 クワガタソウ
○
○
○
110 ムシクサ
○
○
111 イヌノフグリ
○
○
○
○
○
-
112 ハグロソウ
○
○
○
113 ナンバンギセル
○
○
○
114 タヌキモ
○
○
115 ミミカキグサ
-
-
○
116 ホザキノミミカキグサ
○
○
○
117 ヒメタヌキモ
○
○
○
118 イヌタヌキモ
○
○
○
119 ムラサキミミカキグサ
○
○
○
120 ケナシエゾオオバコ
○
○
○
-
キツネノマゴ
272(4-5-30)
○
○
○
○
○
重要種選定除外*2
表 4-5-11(5) 予測対象種の選定(植物)
区分
No.
植 種子植物
-
物
・
相 シダ植物
種名
オトコヨウゾメ
121 レンプクソウ
-
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
○
○
○
オミナエシ
○
122 カノコソウ
○
○
-
マツムシソウ
○
-
サワギキョウ
○
○
○
○
123 キキョウ
○
-
○
○
○
-
○
○
-
-
○
-
○
○
カワラヨモギ
○
○
-
-
シロヨモギ
○
-
-
-
コハマギク
○
-
-
-
アワコガネギク
○
○
-
124 リュウノウギク
○
○
○
125 モリアザミ
○
-
○
126 アズマギク
○
○
○
127 フジバカマ
○
○
○
-
ツワブキ
○
-
-
-
コオニタビラコ
○
○
-
128 コウヤボウキ
○
○
○
129 オオニガナ
○
○
○
-
-
130 オナモミ
○
○
○
131 サジオモダカ
○
○
○
132 アギナシ
○
○
○
133 ウリカワ
○
○
○
134 スブタ
○
○
○
135 ヤナギスブタ
○
○
○
136 トチカガミ
○
137 ミズオオバコ
○
138 コウガイモ
○
○
○
ミヤマキタアザミ
○
○
○
○
○
-
-
オオシバナ
○
-
-
139 ホソバミズヒキモ
○
○
○
140 ツツイトモ
○
○
○
141 リュウノヒゲモ
○
○
○
142 イトモ
○
○
○
カワツルモ
○
-
-
143 イトクズモ
○
○
○
コアマモ
○
-
-
144 ホッスモ
○
○
○
145 イトトリゲモ
○
○
○
146 トリゲモ
○
○
147 ヤマラッキョウ
○
○
148 スズラン
○
○
○
149 オオチゴユリ
○
○
○
○
○
-
-
コオニユリ
273(4-5-31)
○
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
重要種追加種*2
重要種選定除外*2
○
シバナ
-
重要種選定除外*2
○
○
-
-
重要種選定除外*2
○
-
○
重要種選定除外*2
○
-
-
備考
○
○
○
重要種選定除外*2
表 4-5-11(6) 予測対象種の選定(植物)
区分
No.
種名
植 種子植物 150 クルマバツクバネソウ
物
・
相 シダ植物
151 ヒメイズイ
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
○
○
○
○
○
○
備考
-
キチジョウソウ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ツルボ
○
○
-
重要種選定除外*2
152 アマナ
○
153 ミズアオイ
○
154 ノハナショウブ
○
○
○
155 アヤメ
○
○
○
156 イヌノヒゲ
○
○
○
157 ヒナザサ
-
アシカキ
158 ミチシバ
-
アイアシ
159 ウキシバ
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
○
○
○
○
-
-
○
○
○
-
タチドジョウツナギ
○
-
-
-
ネズミノオ
○
○
-
160 コウキクサ
○
○
○
161 ミクリ
○
○
○
162 ヤマトミクリ
○
○
○
163 ナガエミクリ
○
○
○
164 ヒメミクリ
○
○
○
○
165 エゾウキヤガラ
○
-
○
○
○
-
-
166 カンスゲ
-
○
○
○
167 オオクグ
○
-
168 オニナルコスゲ
○
-
169 イガガヤツリ
○
-
170 ムギガラガヤツリ
○
○
○
171 マメクグ
○
○
○
172 スジヌマハリイ
○
○
173 コツブヌマハリイ
○
○
○
○
-
-
○
○
○
-
イセウキヤガラ
ナガボテンツキ
174 トネテンツキ
○
○
○
○
○
○
176 コホタルイ
○
○
○
177 タイワンヤマイ
○
○
178 マツカサススキ
○
○
179 シラン
○
○
180 ナツエビネ
○
○
181 ギンラン
○
○
○
○
○
○
-
ササバギンラン
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
183 トケンラン
○
○
○
184 クマガイソウ
○
○
○
185 セッコク
○
○
○
274(4-5-32)
重要種追加種*2
○
175 ノグサ
182 キンラン
重要種選定除外*2
○
○
○
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
表 4-5-11(7) 予測対象種の選定(植物)
区分
No.
特定評価書
事後調査
確認状況
予測 確認状況 予測
文献 現地 対象種 現地 対象種
種名
植 種子植物 186 ハマカキラン
○
○
○
○
物
○
○
○
-
・
-
カキラン
相 シダ植物 187 シロテンマ
○
○
-
189 サギソウ
○
○
○
190 ミズトンボ
○
○
○
○
○
191 ムヨウラン
○
○
○
192 ギボウシラン
○
○
○
193 ジガバチソウ
○
194 アオフタバラン
○
○
○
195 コケイラン
○
○
○
196 ツレサギソウ
○
○
○
197 マイサギソウ
○
○
○
198 オオバノトンボソウ
○
199 カヤラン
○
200 ヒトツボクロ
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
1
カタシャジクモ
-
○
○
○
2
シャジクモ
-
○
○
○
植 植物群落
-
鹿狼山の自然林
○
○
-
-
生
-
仙台湾沿岸の海岸林
○
○
-
-
-
仙台湾沿岸の砂浜植物群落
○
○
-
-
-
福島県境海浜のクロマツ・ハイネズ群落
○
○
-
-
1
磯の水神沼・沼沢植物群落
○
○
○
○
2
磯の水神スダジイ林
○
○
○
○
藻類
重要種選定除外*2
○
188 アケボノシュスラン
○
備考
○
○
*1:○・・・予測対象種、-・・・予測対象外とした種
*2:重要種追加種/重要種選定除外・・・平成 25 年の宮城県レッドリスト更新により重要種となった種/外れた種
275(4-5-33)
(2) 予測対象外とした理由
予測対象外とした種の一般生態及び予測対象外とした理由を表 4-5-12(1)~(33)に示す。
文献調査及び現地調査結果と周辺の生育環境の現状から、対象事業実施区域及びその周辺に主な生
育地が存在しないと考えられる種及び群落については、事業の実施が個々の種の生育環境への影響は
ないことから、予測対象外とした。
表 4-5-12(1)
予測対象外とした種及び群落の概要(巨樹・巨木:白幡のいちょう)
項目
選定基準
内容
福島県指定天然記念物
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
一般生態
予測対象外
とした理由
表 4-5-12(2)
白幡のいちょうは、対象事業実施区域から約 3.7km 離れている。
予測対象外とした種及び群落の概要(巨樹・巨木:称名寺のシイノキ)
項目
選定基準
内容
国指定天然記念物
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
一般生態
予測対象外
とした理由
称名寺のシイノキは、対象事業実施区域から約 5.0km 離れている。
表 4-5-12(3)
予測対象外とした種及び群落の概要(巨樹・巨木:かやの老樹)
項目
選定基準
内容
山元町指定文化財(天然記念物)
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
一般生態*1
予測対象外
とした理由
表 4-5-12(4)
かやの老樹は、対象事業実施区域から約 2.6km 離れている。
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハマハナヤスリ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
夏緑性草本で日当たりのよい砂地や草地に生育し、個体は変化に富む。根茎は細くあ
まり発達しない。共通柄は長さ 2~12cm、裸葉の柄は基部が次第に細くなり、胞子葉
柄と合体するため不明瞭。葉身は線形から、長い楕円頭。葉質は一般に厚く紙質、葉脈
は小さく、二次脈は発達しない。胞子葉は長さ 3~18cm となり、胞子嚢穂は 1~4cm
になる。
日本、シベリヤ、中国・台湾の東アジアとミクロネシアで知られている。
相馬市に今回の調査報告がある。その他の新地町の産地は絶滅し、西郷村については
報告があるが確認できない。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
276(4-5-34)
表 4-5-12(5)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ヒメハイホラゴケ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
一般生態*1
常緑性の小型のシダ。根茎ははい、ところどころで分岐し、狭い間隔で葉を散生する。
葉は小型で 3~5cm、3 回羽状複生、葉柄基部近くまで翼をつけ、汚れた褐色の毛をま
ばらにつける。葉身は三角状楕円形から広い披心形。形、大きさの変化が大きい。裂片
は数が多く、重なり合い平たくならない。葉は暗緑色。包膜は浅いコップ状。縁はわず
かに反転する。
北海道、本州日本海側、北九州の深い森林に生じることが多い。朝鮮南部にも分布す
る。
熱塩加納村、会津若松市に記録がある。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の森林環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の森林環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(6)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:コガネシダ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
夏緑性で、葉は短い根茎に叢生し、基部に赤褐色の鱗片を密生する。葉身は葉柄より
長く 5~15cm、単羽状複葉、羽片の基部が中軸に流れる。葉の表裏ともやや密に白い
毛がある。胞子嚢群は裂片のへり近くにつき、包膜はコップ状で、縁に毛がある。
本州(日本海側には特に少ない)、四国、九州の山地にややまれに産する。朝鮮、中国
北部、ロシア東部に分布する。
阿武隈山地にそって南の矢祭町から北の霊山町まで、数カ所の生育地が記録されてい
るが、今回の調査では霊山町での生育しか確認されなかった。やや乾いた岩壁に着生し
ている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の森林環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の森林環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
277(4-5-35)
表 4-5-12(7)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:アキノミチヤナギ)
項目
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
内容
福島県:準絶滅危惧(C)
海岸に生える 1 年草。茎はふつう斜上し、枝をわけ、高さ約 80cm になる。葉は披針
形または長楕円形、先は鋭形または鈍形で、ほとんど柄がなく、長さ 5~30mm。托葉
鞘は短く、多裂し、脈が多い。花期は 9~10 月。上部の葉は小さくて落ちやすいので、
まばらな穂状花序をなす。花は節に 2~3 個つく。がくは長さ 1.5~3mm、裂片の側脈
は隆起する。そう果はがくより長いか同長、3 稜形で、光沢がない。
北海道~九州に分布。
福島県植物誌には、相馬市松川浦 1 ヶ所が記載されている。今回の調査で新地町から
浜通りで 7 ヶ所報告されている。
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(8)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハマアカザ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
一般生態*1
海岸の砂地に生える 1 年草。茎は斜上するか直立して、枝をわけ、毛はなく、高さ
40~60cm になる。葉はすべて互生し、柄があり、三角状卵形~長卵形、先は鋭形か鈍
形、基部はくさび形、縁に不ぞろいの歯芽があり、厚くて多少革質で、長さ 2~8cm、
幅 2~4.5cm。花期は 8~10 月。雌花の苞は卵形~三角形、先は鋭尖形、基部は切形か
やや心形、全縁か歯芽縁。種子は褐色、楕円形で、表面にしわがあり、長さ約 4mm。
幅約 3.2mm。
北海道・本州。朝鮮・ウスリー・樺太・千島に分布。
福島県植物誌には、いわき市四倉町が記載されているが、今回の調査で新地町と相馬
市で 5 ヶ所報告された。海岸の砂浜に生育する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
278(4-5-36)
表 4-5-12(9)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハママツナ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
海辺の砂地に生える 1 年草。茎は直立し、無毛で、多くの枝を張り、高さ 20~60cm。
葉は細く長線形、先は普通鋭形、長さ 1~4cm、幅 1~2mm。茎や葉は緑色をしている
が、秋には赤くなる。花期は 9~10 月。花は葉腋に 1~5 個、かたまってつく。がくは
5 深裂し、緑色で裂片は卵形、背部の中央に隆条がある。種子はレンズ形か円盤形、黒
色で光沢があり、径 1~1.5mm。
本州では宮城県以南で九州まで分布。国外では北半球に広く分布する。
松川浦や新地町三滝川河口に局限して生育。塩沼池。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「亘理町史 上巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
表 4-5-12(10)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:レンゲショウマ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
一般生態*1
落葉広葉樹林の林床に生え、茎は高さ 40~80cm になる。根出葉と下部の茎葉は大型
で、2~4 回 3 出複葉で、小葉は卵形で長さ 4~8cm、ときに 3 浅~中裂し、先は鋭く
尖り、不ぞろいの荒く鋭い鋸歯がある。7~8 月、数個から十数個の花をつける。花は
径 3~3.5cm。がく片は長楕円形で先は円く、長さ 1.5~2cm で淡紫色。花弁は倒卵形
で、長さ 1.2cm、開出せず、淡紫色で先端部はしばしば濃色となる。袋果は無毛で、長
さ 1.5~2cm。
福島県から奈良県の主として太平洋側の温帯に分布。現在は岩手県まで北限がのび
た。
福島県植物誌には中通りを中心に 10 ヶ所ほど記載されている。今回の調査では県内
全域に 23 ヶ所報告された。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の森林環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の森林環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌
編集委員会)
279(4-5-37)
表 4-5-12(11)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ヒメキンポウゲ)
項目
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
生育地が海岸に限定され、開発で減少する恐れあり。
海岸の湿地に生育、個体数は少ない。
文献*2 によると、海岸の湿地環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸の湿地環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌
編集委員会)
表 4-5-12(12)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:マンセンカラマツ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
本州・四国・九州の各地に産するほか、千島・樺太・中国(北部・東北)
・シベリア
に分布する。
山地帯から高山帯にかけて開けた草地に群生する多年草。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の草地環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の草地環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(平成6年 平凡社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
280(4-5-38)
表 4-5-12(13)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハマハタザオ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
一般生態*1
越年草。茎は直立し、白い単毛と 2 分毛があり、高さ 20~40cm になる。根出葉は
長楕円状へら形、短い柄があり、先は円形、低鋸歯縁で両面に星状毛がある。茎葉は柄
がなく広披針形~長楕円状卵形、先は円形、基部は広がって茎を抱き葉は全て厚い。花
期は 4~6 月。花弁は白色、長倒卵形、先は普通へこみ、長さ 7~9mm。長角果は直立
して、主軸に密に接し、長線形で無毛。種子は楕円形で狭い翼がある。
北海道~九州、朝鮮南部、樺太、千島に分布する。
浜通り地方の海岸沿いに広く分布し、海岸の砂地にややまれに生育している。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(14)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハマナス)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
落葉低木で、枝に扁平な太い刺と細い刺針を多くつける。葉は羽状複葉、小葉は 7~
9 枚で倒卵状楕円形または長楕円形、長さ 3~5cm、裏面に密な軟毛と腺点がある。花
は枝の先に 1~3 個つき、径 6~7cm、深紫紅色。果実は液果状で扁球形、径 2~2.5cm、
黄赤色。
東アジア亜寒帯から温帯に分布する。日本では北海道から茨城までの太平洋沿岸と島
根までの日本海沿岸の海岸砂地に生える。
浜通りに点々と生育地が残っているが、一部の生育地では減少が著しい。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
281(4-5-39)
表 4-5-12(15)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:モメンヅル)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
斜上する高さ 30~80cm の多年草。葉は奇数羽状複葉。小葉は 13~19 枚、長卵形ま
たは長楕円形、鈍頭または鋭頭で、長さ 2~4cm、表面は無毛で裏面に短伏毛がある。
総状花序は長さ 2~3cm で 8~15 花をつける。花は黄色で長さ 12~13mm、花柄は長
さ 2~3mm。がくは長さ 7~8mm、がく裂片は細長く、がく筒とほぼ同長。豆果は細
い円柱形で湾曲し、長さ 3.5~4.5cm、短伏毛があり、多数の種子を含む。
日本固有で北海道、本州の山麓の草地に生える。
会津の田島町、下郷町、三島町、金山町、会津坂下町、中通りの白河市から報告があ
る。今回の調査では確認できなかった。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(16)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:センダイハギ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
沿岸部に生育するが、土地利用の変化により、生育地及び個体数が激減し、土地利用
が進行すると絶滅する。
以前は本県の沿岸部の砂丘地に大群落を形成していたが、現在では小群落で生育する
状況となっている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌
編集委員会)
282(4-5-40)
表 4-5-12(17)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:マルバグミ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
常緑の低木。小枝はやや太く明らかな稜角があり、白茶色の鱗片におおわれている。
葉はしなやかな革質で広卵形、長さ 5~8(~10)cm、幅 4~6cm、急鋭尖頭、基部は
円く、表面は深緑色で光沢があり、裏面は銀白色の鱗片をしく。葉柄は長く、長さ 1~
2.5cm。花は白く、葉腋に少数個束生し、10~11 月に咲く。がくの外面は花柄ととも
に銀白鱗をしき、淡赤褐色鱗をまばらに混生する。がく筒は広鐘形で短く、長さ 4~
5mm。果実は長楕円形で、長さ 1.5~2cm。
本州(関東以西)、四国、九州、琉球、朝鮮南部の海辺に生育する。中国東部沿海諸島
にもあるという。
本県が北限で、浜通りにややまれに産する。海岸林内や海岸に面した崖地などに生育
する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編
さん委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株
式会社 東北支社 仙台工事事務所)
表 4-5-12(18)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:マルバトウキ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
高さ 30~100cm の多年草で全草無毛。茎は直立し上部は枝を出す。葉は 2 回 3 出複
葉、小葉は 9 個、卵形~円形、長さ 4~9cm、鋸歯あり、表面光沢がある。7~9 月複
散形花序を密につける。総苞片、小総苞片ともに細い。
北海道・本州(青森~茨城の太平洋側)、国外では樺太・千島・カムチャッカ・アラス
カ・北アメリカに分布する。
浜通りの海岸岩場に分布する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
283(4-5-41)
表 4-5-12(19)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハマサジ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
越年草で葉は根ぎわに群生し、厚く光沢があり、長楕円状へら形で、長さ 8~17cm、
幅 1.5~3cm、先はまるく、基部は次第に細くなって柄状になる。縁に鋸歯はない。花
茎は高さ 20~50cm になり、
細かく枝分かれし、
枝先に穂を作り黄花をやや密につける。
花冠は深く 5 裂する。そう果は紡錘形。
本州の三陸海岸以南の太平洋側や四国、九州の海岸の砂地に生育する。国外では朝鮮
や中国の東北に分布する。
相馬市の松川浦に自生している。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(20)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ハマゴウ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
高さ 30~70cm の落葉小低木。砂の中をはう茎から枝が出てきて斜上し、微細毛が密
生した楕円形の葉を対生させる。7~9 月、漏斗形をした青紫色の花を枝の先に多数つ
ける。花の長さは 1.5cm 前後。
本州・四国・九州・沖縄、中国、朝鮮、東南アジア、ポリネシア、オーストラリアに
分布する。
浜通り地方の海岸の砂浜にまれに生育している。いわき市の新舞子浜には半球状の大
きな群落があったが、現在はみられない。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
284(4-5-42)
表 4-5-12(21)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:マツムシソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
草丈 60~70cm、羽裂する対生葉と径 4cm ほどの淡青紫色の頭花が特徴的である。
頭花の周りの小花は五裂し外片は大きく伸び中心部の小花は筒状で五等裂する。
北海道~九州の山地草原に分布する。
山地頂部の日当たりの良いシバ原やススキ草原に生育する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の草地環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の草地環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
表 4-5-12(22)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:シロヨモギ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
多年草で地下茎を長く伸ばして増える。地上部は全体に綿毛があり白色である。花茎
は高さ 20~60cm ほどになる。葉身は厚く長さ 3~9cm、卵形または長楕円形で羽状に
中裂し、先端は尖らない。頭花は円錐花序につき球形、長さ 7mm ほどになる。そう果
は狭長楕円形。
北海道や本州の新潟県、茨城県以北の海岸の日当たりのよい砂地に分布する。国外で
は樺太や千島、朝鮮、カムチャツカの海岸に分布する。
新地町や相馬市、鹿島町、原町市の海岸に分布している。
予測対象外
とした理由
文献*1,2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22
年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県
植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
285(4-5-43)
表 4-5-12(23)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:コハマギク)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
一般生態*1
海岸岩場に生育する多年草で茎は高さ 10~50cm。葉は有柄、広卵形、5 中~浅裂す
る。葉質は厚く表面無毛、腺点がある。花は枝や茎の先端に単生する。花色は白色、な
かには淡い紅色になるものもある。そう果は約 2mm で、5 肋がある。種子のほか地下
茎の先に新苗をつけて繁殖する。
太平洋側では、北海道から茨城県までの海岸岩場に分布する。
相馬市松川浦は個体数が多いが、双葉郡からいわき市の海岸では個体数が少なくなっ
ている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(24)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ツワブキ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
一般生態*1
多年草で葉は深緑色で光沢がある。根茎は太く、根生葉は長い柄があり束生する。葉
身は腎心形で縁に微凸鋸歯がある。花茎の先に散房状に黄色の頭花をつけ、舌状花は 1
列で雌性、中心花は両性の管状花でいずれも結実する。果実に密に毛がある。
本州(太平洋側では福島県双葉郡以南)
、四国、九州、沖縄。国外では中国、台湾、
朝鮮。
浜通りの海岸岩場。北限は富岡町。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
286(4-5-44)
表 4-5-12(25)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ミヤマキタアザミ)
項目
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
高さ 50~70cm。花は 8 月、頭花は幅 1.7cm。
山形県の高山に分布する。
文献*2 によると、山地の草地環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の草地環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:
「フィールド版 日本の野生植物 草本」
(昭和60年、平凡社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
表 4-5-12(26)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:シバナ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
県内の分布域がごく限られている上、個体数も少ない。
県内での生育地は 1 か所のみで、個体数も多くなく、生育地付近の改修工事などの影
響が危惧される。
一般生態*2
予測対象外
とした理由
河口や干潟など塩分を含む湿地に生える多年草。
花期は 5~10 月、生育地は塩性湿地。
北海道、本州、四国、九州に分布する。
文献*3 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山渓カラー名鑑 日本の野草」
(平成 12 年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
287(4-5-45)
表 4-5-12(27)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:オオシバナ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
草高 20~40(50)cm。葉は根生し、長さ 10~30cm。針形で断面は半円形、ときに
扁平となる。5~9 月に花茎を出し、多数の花が総状につく。花には花弁もがく片もな
く、葯隔付属突起が発達して花被片のような外観を呈する。相馬市周辺のものは花茎が
葉よりも長く、果実は卵形、葉幅 1~3mm で北方系のマルミノシバナにあたるが、変
異が多い。多年草。
北海道・本州(関東地方以北)
、北半球の温帯に広く分布する。
海岸付近の汽水域の湿地に生育している。かつてはいわき市にも分布していた記録が
あるが、現在は見られず、相馬市周辺に分布するのみである。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編さん委員会)
表 4-5-12(28)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:カワツルモ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
沈水性の水生植物。茎は糸状。葉は針形で長さ 5~10cm、基部が葉鞘となって茎を
抱く。6~8 月、糸状の総花柄が出て水面近くに花を開く。花には花弁もがく片もない。
リュウノヒゲモに似ているが、カワツルモの葯隔付属突起は痕跡的で花後に総花柄およ
び心皮の柄が伸長する点で異なる。多年草。
日本全国、全世界に広く分布する。
浜通り地方の海浜の汽水域にまれに生育している。かつて新地町今神に多数生育して
いたが、海岸開発のため消滅した。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
288(4-5-46)
表 4-5-12(29)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:コアマモ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:要注目種
一般生態*1
沈水性の水生植物。泥の中をはう地下茎の節から、葉だけつける枝と葉と花序をつけ
る枝を水中に伸ばす。葉は線形で長さ 10~20(40)cm。幅 1.5~2mm。花序は細長い
鞘状で中に心皮と半葯が交互に並んだだけの簡 単な構造をしている。全体アマモより
はるかに小さい。多年草。
日本全国、東アジアに広く分布する。
いわき市の河口付近の汽水域にまれに生育している。近年、個体数が激減している。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(30)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:アイアシ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
海辺の湿地に生育する大型の植物。多年生で根は太く、横臥し、短い鱗片におおわれ
る。稈は群生し、やや太く、高さ 80~120cm。葉身は長さ 20~40cm、幅 1~3.5cm、
基部は丸い。花序は掌状で 5~10 本の総からなる。総は長さ 10~25cm、中軸ははなは
だ短く、総の節間は 3 稜形。節ごとに有柄と無柄の小穂が対になってつく。小穂は無毛、
無芒で、ススキやヨシとすぐ区別できる。
北海道、本州、四国、九州、朝鮮(中・南部)
、中国北部、アムール地方。
浜通りの太平洋へ注ぐ河川の河口付近の湿地またはその砂丘付近に群生する。県内の
北から南までの河口に分布するが、湿地を残す比較的大きな河川の河口に限られ、さら
に、生育する環境も悪化している。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保
全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
289(4-5-47)
表 4-5-12(31)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:タチドジョウツナギ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
一般生態*1
塩生で多年草のイネ科植物。稈は束生、高さ 30~70cm。葉身は長さ 6~20cm、幅 2
~3mm。円錐花序は、枝が直立し、細く密に見える。花序の枝には小刺針が散在する。
小穂も小枝も淡緑色。小穂は長さ 4~6mm、3~4 個の小花からなる。包穎も護穎も背
は円く、第一包穎は 1 脈、第 2 包穎は 3 脈、護穎は 5 脈(ドジョウツナギ属は 7 脈)
。
北本州太平洋岸、朝鮮・中国北部、ウスリーに分布する。
県内では相馬市松川浦の中州にのみ生育しており、ここが南限となる。海辺の岩板、
砂質地及び湿地を生育地とするが、近年生育環境が人為により変化し、個体群が減少し
ている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-12(32)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:イセウキヤガラ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
抽水性の水生植物。草高 30~70cm。葉は線形で長さ 20~50cm、横断面は三角形。
稈の頂端に長さ 1~2cm の小穂をつけるが、苞が直立するので偽側生となる。小穂は長
楕円形で多くはただ 1 個、時に 2~5 個となる。エゾウキヤガラ(コウキヤガラ)に似
ているが、エゾウキヤガラの葉は偏平で、苞は斜上し、小穂には通常柄がある点でも区
別される。多年草。
北海道・本州・四国・九州、樺太・中国に分布する。
河口付近の岸に生育している。本県ではいわき市でしか確認されていない。近年、個
体 数が著しく減少している。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
290(4-5-48)
表 4-5-12(33)
予測対象外とした種及び群落の概要(種子・シダ植物:ナガボテンツキ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
宮城県内の分布域は局限され、その生育地である塩性湿地が開発により減少し生育条
件が著しく悪化している。
北限で、生育地は海岸近くの湿生地であり、県南部から鳴瀬町にまで分布するが、産
地及び個体数は少ない。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
291(4-5-49)
5.5 予測結果
(1) 植物相
対象事業実施区域及びその周辺に生育地が存在すると考えられる重要な植物種についての予測結果
を表 4-5-13(1)~(200)及び表 4-5-14(1)~(2)に示す。
表 4-5-13(1) 重要な植物の予測結果(ミズニラ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
夏緑性で湖沼、休耕田、水田の水路に一時的に貯水するところでも見られる夏緑
性水草。塊茎は三分する。葉は柱状で株元は広くなり、長さ10~20cm に達し30
~50 本ほどつける。葉が広くなった株元には大胞子と、小胞子をつくる。乾燥し
た大胞子の表面はひれ状の縞模様が見られるが、ルーペなどでは、蜂の巣状にみえ
る。小胞子はかなり小さい。
日本では四国と本州の太平洋側に多く分布する。朝鮮、中国にも分布する。
夏緑性で湖沼、休耕田、水田の水路に一時的に貯水するところでも見られる夏緑
性水草。
西郷村、鹿島町、飯館村、川内村、平田村、磐梯町、喜多方市関柴町・慶徳町、
郡山市湖南町など比較的広く分布するが、生育地の個体数の少ない所は、休耕田等
に多い。以前から生育している安定した環境では多くの個体が生育している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成 24 年の現地調査(春季・夏季)において、丘陵地及び低地の水田環境 1 箇所で
生育が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城の
植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植
物の会・宮城県植物誌編集委員会)
292(4-5-50)
表 4-5-13(2) 重要な植物の予測結果(ミズニラモドキ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:未評価(NE)
、宮城県:情報不足(DD)
ミズニラに似ていて、夏緑性の沈水植物。塊茎は三分する。生態や生育型、胞子
体の形態からはミズニラと区別は難しい。
大胞子の表面には長い繊維質の突起が密
に生じる。小胞子の表面に針状突起がある。胞子は正常。日本固有種である。
宮城県、福島県、栃木県、茨城県の東北・関東の太平洋側各県と、京都から徳島
の各県と瀬戸内海沿岸に生育する。岡山、香川県では、ミズニラより多くの集団の
あることが知られている。
いわき市に生育していたが、自然植生の遷移により 2000 年 10 月現在では絶滅
している。他地域では、確認されず現状不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
293(4-5-51)
表 4-5-13(3) 重要な植物の予測結果(コヒロハハナヤスリ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
夏緑性の小型草本。共通柄は 2~10cm、根茎は細い円柱状で、黄色を帯びる。
地上部は8~25cm と幅があり、1~3 枚の裸葉をつける。葉身は広卵形から長楕円
形で基部はくびれて急に狭くなり、実葉の下部を包まない。葉脈は粗い網状で 2
次脈はあまり発達せず、葉質は柔らかく、緑色をしている。
東北地方中部以南から琉球の各地の山野の路傍に生育。熱帯、亜熱帯を始め、暖
地に広く分布する。
下郷町、会津布引山、いわき市に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
294(4-5-52)
表 4-5-13(4) 重要な植物の予測結果(コハナヤスリ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
夏緑性。ハマハナヤスリの変種で良く似るが、葉質はこれよりも薄く、ハマハナ
ヤスリよりやや大きく、葉形は長い楕円形から卵形。葉の幅の最も広いところが、
中央より下にある。内陸の乾燥した草地や、河原、墓地などに生育する。ハマハナ
ヤスリとの区別が困難な場合がある。
北海道から小笠原まで分布する。
いわき市、郡山市に記録があったが、確認されず現状不明である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
295(4-5-53)
表 4-5-13(5) 重要な植物の予測結果(コバノイシカグマ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
常緑性で根茎は長くはい、褐色の多細胞の毛をつける。葉をまばらにつけ、葉身
40~80cm。葉柄は赤褐色でやや光沢がある。まばらに毛をつけ、脱落したあとは
ざらざらして、鱗片は付けない。葉身は卵状 3 角形、最下羽片が最大で三角状。
黄緑色でややかたい草質で表裏に多細胞の租毛をつける。
胞子嚢群は葉縁の先端に
付け、包膜は半球状でほとんど無毛。寒い地方では冬季には枯れる。
東北では秋田県まで分布するが少ない。関東以西の本州、四国、屋久島以北の九
州に分布する。朝鮮、台湾から南アジア、中国中南部、インドシナ半島、マレーシ
ア西部に分布する。
只見町、広野町、いわき市2 箇所に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高架、
測 及び供用による影響 盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架として
①鉄道施設(地表式又は掘 いることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
296(4-5-54)
表 4-5-13(6) 重要な植物の予測結果(フモトシダ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
常緑性で根茎は長くはう。
福島県では50cm 程になる単羽状でやや大形のシダ植
物。葉柄は細く堅い。黄褐色の毛があり、ザラザラした感じで鱗片はない。葉身は
長い三角形から、披針形のものまである。有柄の羽片はしだいに小さくなる。羽片
の縁は鋸状に浅く切れ込み、胞子嚢は葉縁につき、葉脈の先端に半球形のポケット
形の胞膜を付ける。葉の裏面には毛が多く、表面にもあるが特に葉脈上にも多い。
東北地方南部から琉球まで、やや乾いた林に生育する。日本、朝鮮、台湾、中国、
ヒマラヤから東南アジアに分布する。
県内ではいわき市内にのみ分布し、減少傾向にある産地とやや増加産地がある
が、それぞれの産地の個体数は少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架、盛土、
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としているこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-13(7) 重要な植物の予測結果(ナンゴクナライシダ)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
常緑性。
本州(東北地方南部以西)
・四国・九州で、山地の林床に生じる。固有種。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高架、
測 及び供用による影響 盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架として
①鉄道施設(地表式又は掘 いることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「日本の野生植物 シダ」
(平成 7 年、平凡社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
297(4-5-55)
表 4-5-13(8) 重要な植物の予測結果(キヨスミヒメワラビ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
常緑性。根茎は斜状し葉は叢生する。葉身は20~50cm、幅20~30cm、3 回羽
状。羽片は10~15 対で中軸にほぼ直角につく。羽片には短い柄がある。鱗片は根
茎、葉柄、葉軸に密生し、長さ 4~15mm で、葉が若いときは白色半透明だが、
しだいに褐色となる(一名シラガシダ)。胞子嚢群は小さく、裂片の片縁近くにつき、
円形、胞膜は円腎形で不規則に切れる。山地のやや陰湿な林床に生育する。
宮城県、福島県、関東地方以西、四囲、九州地方の各地に分布する。台湾、中国
に分布する。
いわき市に生育する。東北地方では宮城県に次いで2 つ目の産地である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高架、
測 及び供用による影響 盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架として
①鉄道施設(地表式又は掘 いることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
298(4-5-56)
表 4-5-13(9) 重要な植物の予測結果(オオクジャクシダ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
常緑性。葉は短い根茎から車座に斜状に叢生し、表面は深緑である。葉は普通
60~70cm 程ある。葉柄の基部には長楕円形、上部は披針形の朱褐色の鱗片が密に
つく。葉身は狭楕円形で中間部の幅が最も広く、羽片は重鋸歯的に浅い。中軸に線
状披針形の鱗片が密につき、羽軸の鱗片は散生。胞子のう群は辺縁寄りの葉脈上に
多くつく。包膜は円形~腎臓形である。
北海道利尻島・本州・四国・九州、国外では中国の揚子江流域に分布する。
スギの造林地林床に多く見られる。会津地方では群落を形成する産地があり、随
所に見られるが、浜・中通り地方では極めてまれである。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高架、
測 及び供用による影響 盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架として
①鉄道施設(地表式又は掘 いることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
299(4-5-57)
表 4-5-13(10) 重要な植物の予測結果(オオベニシダ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
常緑性で根系は短く、斜上し、塊状となって、葉を疎性し、鱗片を着ける。大き
い葉柄は50cm に達し、
藁色で多少褐色を帯びる個体もある。
鱗片は基部に密生し、
大きいものは1cm にもなり、上部はまばらになる。葉身は卵形から三角状広卵形、
長さ30~50cm 幅20~30cm、2~3 回羽状複生から深裂。片羽には柄があり、三
角状披針状~披針形。羽軸に狭披針形の鱗片をつけて、袋状の小鱗片は少ない。胞
子嚢群は小羽片の中肋よりにつき胞膜は円腎形で全縁。
べニシダの若い包膜は紅紫
色を帯びるが、本種は紅紫色帯びることはない。
日本では、岩手県まで分布するが、産地は少ない。朝鮮、中国に分布している。
いわき市を中心に浜通りの相馬市まで分布するが、個体数はいずれも少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架、盛土、
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としているこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
300(4-5-58)
表 4-5-13(11) 重要な植物の予測結果(オオイタチシダ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
分布の太平洋側北限であり、本県の分布域は局限されている。
柴田町、角田市、山元町の限定された場所に生育している。
常緑性。
本州(東北地方南部以西)・四国・九州と沖縄本島で、内陸部低山地の林縁などや
や明るい場所に生じ、朝鮮と中国に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架、盛土、
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としているこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成13年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 シダ」
(平成 7 年、平凡社)
*3:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
301(4-5-59)
表 4-5-13(12) 重要な植物の予測結果(ヒメイタチシダ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
葉の下部は3 回羽状複生で最下後側の分岐をしている。葉の表面に光沢はない。
最下羽片の後方の小羽片は前方のものより大きく、
そのため葉全体の形は五角形に
近い卵形である。小羽片の中肋に基部が袋状になった鱗片がまじる。葉柄には黒い
光沢のある鱗片がつく。狭い淡褐色の緑取りがあるのが特徴的である。包膜は丸い
腎臓形で、その窪みの1点でつき、胞子嚢群を上から被う。包膜も胞子嚢群も近縁
のイタチシダに比べて小さい。
分布の本拠は関東以西の太平洋岸側である。
朝鮮を越えて中国にも分布を広げて
いる。
福島県植物誌には背戸峨廊、浅見川渓谷、木戸川渓谷、高瀬川渓谷、浪江町、大
熊町、新田川渓谷の 7 ヶ所の生育地があげられている。中通り北部や宮城県から
の報告もあるが、なお精査が必要である。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架、盛土、
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としているこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
302(4-5-60)
表 4-5-13(13) 重要な植物の予測結果(シケチシダ)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
根茎は短くはう。葉柄はやや紅紫色をおび、みずみずしい。羽片は無柄、ふつう
対生してつき、葉軸や羽軸の上面には溝がある。
東北地方南部から九州にかけての暖地に分布する。
林下や谷間の陰湿な場所を好
む。
夏緑性。
本州・四国・九州で、低地の山林中のやや湿った地上に生じ、朝鮮南部・中国中
南部・ヒマラヤに分布する。和名は湿気地シダで、湿っぽい生育場所による。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高架、
測 及び供用による影響 盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架として
①鉄道施設(地表式又は掘 いることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「検索入門 しだの図鑑」
(昭和61年、保育社)
*2:
「日本の野生植物 シダ」
(平成 7 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成
22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
303(4-5-61)
表 4-5-13(14) 重要な植物の予測結果(サンショウモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:準絶滅危惧(NT)
夏緑性。茎はまばらに分岐し、多細胞毛がある。葉は単葉で互生し、3 枚の内2
葉は対生して浮葉となって水面に浮き、1 葉は水中葉で細裂して根状となり綿毛と
なって水中に垂れる。葉の形は楕円形、ほぼ全縁。胞子嚢群は水中葉の基部に集ま
ってつき、球形袋状、胞膜に包まれ、本県では9 月ごろから熟する。
日本では北海道を除くほば全土、国外では朝鮮、台湾、中国、インドネシア、イ
ンド、ロシア、ヨーロッパ、北米に分布する。
平田村、会津坂下町、福島市、いわき市、会津若松市、広野町に知られているが、
その他4 箇所が絶滅し、3 か所が不明の状態である。耕作地帯では激減し、ため池、
わき水のある沼や排水路で見られる。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
工事の実施による影響
陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①造成等の施工による一
れる。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
影 時的な影響
る
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としている。また、池
及び供用による影響
沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は周
①鉄道施設(地表式又は掘
辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「亘理町
史 上巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城
植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
304(4-5-62)
表 4-5-13(15) 重要な植物の予測結果(アカウキクサ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
小型の浮遊性の水生シダで、植物体は赤みをおびる。
本州(東京都と東海地方以西の暖地)
・四国・九州・沖縄で、水田や池、湖沼、
溝などの表面に生じ、冬季には特に鮮やかな赤色となる。朝鮮南部・中国・台湾・
インドなどに分布する。
栄養繁殖でどんどんふえ、水面を広く覆って赤色に染めることが多い。しかし、
水田除草剤などの影響で水田からは減少している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
工事の実施による影響
陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①造成等の施工による一
れる。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
影 時的な影響
る
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としている。また、池
及び供用による影響
沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は周
①鉄道施設(地表式又は掘
辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本の野生植物 シダ」
(平成 7 年、平凡社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
305(4-5-63)
表 4-5-13(16) 重要な植物の予測結果(ヒノキ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
常緑高木で樹皮は灰褐色~赤褐色、縦に長くはがれる。小枝は互生的に分岐し水
平に並ぶ。葉は鱗片状で十字対生、両面緑色で、裏面の合わせ目に白色気孔帯があ
りY 字状になるのが特徴。毬果は球形で8~12mm。
本州(福島県以南)
・四国・九州。
いわき地方山地が北限とされる。植栽林が多く、天然木との区別が難しい。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
306(4-5-64)
表 4-5-13(17) 重要な植物の予測結果(イチイ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
雌雄異株の常緑樹。平地に生育するものは高木となるが、山地では低木が多い。
側枝の葉はやや2 列性、扁平、線形で長さ5~20mm、幅1.5~3mm、先端は尖る。
表面は深緑色、
裏面に淡緑色の気孔帯が2条ある。
仮種皮は広卵形で長さ7~8mm、
種子の基部を取り巻き、紅色液質となる。
北海道から九州・南千島・樺太・朝鮮・中国(東北)・シベリア東部
県中・会津の限られた高山の上部。厳しい環境下にも耐える。神社の神木として
植えられる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
307(4-5-65)
表 4-5-13(18) 重要な植物の予測結果(アカメヤナギ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
ふつう平野の河岸などの水湿地に生える。樹冠の広い高木。成葉はふつう狭楕円
形ないし広楕円形。若木では広披針形。縁に有腺鋸歯があり、長さ 5~15cm、幅
2~6cm。両面無毛、裏面は粉白色。葉柄は上方両側に小盤状の腺があり、またし
ばしばここに小さな葉状物をつける。花期は 4 月上旬から 5 月上旬。雄花穂はや
や疎花で長さ7cm、苞は黄緑色で有毛。雌花穂は長さ2~4cm、苞は宿存性。子房
は無毛で長柄がある。
本州の宮城・山形両県の中部以南・四国・九州に分布。国外では、朝鮮および中
国中南部以南に分布する。
福島県植物誌では、中通りに 3 ヶ所記載されている。今回の調査では確認でき
なかった。宮城県が北限である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
308(4-5-66)
表 4-5-13(19) 重要な植物の予測結果(オオバヤナギ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
砂礫の多い河畔に自生する落葉高木。
幹は直立、高さ 15m、直径 60cm に達し、樹皮は灰褐色で縦に裂け目が入る。
小枝はほとんど無毛。成長した 1 年枝は赤褐色で光沢がある。葉は互生。若葉は
裏面に軟毛密生。成葉は有柄、楕円形ないし長楕円状皮針形、葉身の長さ 10~
20cm、幅3~6cm でヤナギの仲間としては大きいのでこの和名がある。
北海道、本州中部以北、南千島に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の河川環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の河川環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の河川環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の河川環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「原色樹木大図鑑(第3版)
」
(平成5年、北隆館)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
309(4-5-67)
表 4-5-13(20) 重要な植物の予測結果(アラカシ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:要注目種
常緑高木。幹は高さ 18m、径 60cm に達する。樹皮はふつう緑灰黒色。若枝は
淡緑紫色で、淡褐色の軟毛が密生するが、次年には無毛となり、円形または楕円形
の小さな皮目が多い。葉は互生し、長さ1.5~2.5cm の柄があり、革質で、葉身は
倒卵状長楕円形または長楕円形で長さ7~12cm で、表面にははじめ軟毛が散生す
るが、まもなく無毛となって光沢があり、裏面は絹毛を密生して灰白色。花期は4
~5 月。堅果は卵円形で、長さ1.5~2cm となる。
本州の宮城県・石川県以西・四国・九州に分布し、朝鮮の済州島・中国大陸・台
湾・インドシナからヒマラヤまで。
福島県植物誌には、いわき市で 2 ヶ所記載されている。今回の調査では 5 ヶ所
が報告されている。生育地での個体数は少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山元町
歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48
年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委
員会)
310(4-5-68)
表 4-5-13(21) 重要な植物の予測結果(アブクマトラノオ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
北限、個体数減少。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の河川環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の河川環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の河川環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の河川環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
表 4-5-13(22) 重要な植物の予測結果(ヤナギヌカボ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:要注目種
水湿地に生える 1 年草。茎の下部は斜めに倒れ、節から根を出し、上部は斜上
して枝を分け、無毛で高さ 30~60cm になる。葉は長披針形~長線形、両端は細
まり、やや厚く、両面に毛がある。裏面に腺点もあり、長さ3~9cm。幅2~9mm、
短い柄がある。托葉鞘は筒状、長さ5~10mm、やや同長の縁毛がある。花期は9
~10 月。総状花序は細くまばらに花をつける。そう果はレンズ形かまたは三稜形。
黒褐色で光沢があり、長さはがくと同長。
北海道、本州、九州に分布する。
福島県植物誌には 3 ヶ所記載されているが、今回の調査ではいわき市で 1 ヶ所
報告された。
ため池に生育しているのでため池の改修や水位の変動によっては絶滅
のおそれがある。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
311(4-5-69)
表 4-5-13(23) 重要な植物の予測結果(サデクサ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
低地の水辺に生える 1 年草。茎は斜上するか直立して多くの枝を分け、鋭い下
向きの刺毛があり、高さ 30~100cm。葉は有柄、披針状長楕円形~披針形、先は
鋭形、基部はほこ形で耳部は水平に開き心形、両面に星状毛を密生し、長さ 3~
8cm、幅2~7cm。葉柄には2 列の下向きの刺毛がある。花期は7~10 月、総状花
序は短い頭状となり2~5 花をつける。花柄には刺毛と腺毛を混生。そう果は中央
部が膨らんだ3 稜形、褐色で光沢がある。
本州~九州に分布。さらに朝鮮、中国、ウスリーに分布する。
「福島県植物誌」には小高町に 1 ヶ所が記載されているが、今回の調査では確
認できず現状不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
312(4-5-70)
表 4-5-13(24) 重要な植物の予測結果(ヌカボタデ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:要注目種
水湿地に生える 1 年草。茎は弱く、下部は地をはって根を出し、多くの枝を分
け、上部は直立し、伏毛が散在し高さ 20~40cm になる。葉はほぼ無柄で、長披
針形、両端に向かって細くなり、両面に伏毛があるかまたはなく、長さ2~6cm。
托葉鞘は筒状で、長さ 2~6mm、同じ長さの縁毛がある。花期は 9~11 月。総状
花序はまばらで細長く、線形、長さ1~3cm。そう果は卵円形で、三稜形かレンズ
形、黒褐色で光沢があり、長さ1.5-1.7mm。
本州から九州に分布する。朝鮮にも分布する。
福島県植物誌には浜通りと中通りにそれぞれ 1 ヶ所ずつ記載されている。今回
の調査では浜通りだけで 5 ヶ所が報告された。いずれも小さな沢の近くに生育し
ている。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
313(4-5-71)
表 4-5-13(25) 重要な植物の予測結果(ノダイオウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:要注目種
道ばたや畑地などに生える多年草。茎は壮大で分枝し、高さ1m 以上になる。根
出葉や茎の下部の葉は大きく、有柄で、長卵状楕円形、波状縁、先は鈍形、基部は
ふつう円形、長さ20~35cm、上部の葉は小さくて細くなり、披針形~長楕円形を
なす。花期は 6~8 月。翼状内がく片は広倒心形、低鋸歯縁または全縁で、長さ 5
~6mm。
北海道・本州中部以北および和歌山県に分布する。北半球に広く分布する。
福島県植物誌には、中通り・会津に10 ヶ所が記載されている。また、今回の調
査では3 ケ所が報告されている。河川敷や渓畔れき地に生育している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境の改変面積
①造成等の施工による一
は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境を高
測 及び供用による影響 架及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることか
①鉄道施設(地表式又は掘 ら、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-13(26) 重要な植物の予測結果(タガソデソウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
低山から亜高山のやや湿った草地に生える多年草。
高さ30~50cm。
茎は直立し、
葉とともに白柔毛がある。葉は無柄で長さ 3~8cm。集散状に直径約 2cm の白花
をつける。花弁は長楕円形。花柄や萼に腺毛が多い。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
314(4-5-72)
表 4-5-13(27) 重要な植物の予測結果(ヒゲネワチガイソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
山地に生える多年草。根は数個でひげ根状。茎は高さ10~20cm。上部2 対の葉
は接近してつき、幅が広く長さ3~4cm。花柄は無毛で先に白色花を1 個開く。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
表 4-5-13(28) 重要な植物の予測結果(ミドリアカザ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
、福島県:未評価(NE)
山野に生える1 年草。茎は細く、直立して分枝し多少粉状物があり高さ60cm 内
外。葉は長い柄があり三角状卵形、菱状卵形または卵状楕円形、先は鋭形、基部は
広いくさび形~切形、薄くて縁に歯芽があり長さ 3~5cm、幅 2.5~4.5cm。花期
は8~9 月。花序はまばらに出て、まばらに花をつける。がくは5 深裂し、裂片は
卵形、長さ約1mm、背部は緑色。胞果は水平、レンズ形、種子は径1~1.2mm、
黒色で光沢はない。
本州~九州に分布。国外ではシベリア東部、アムール、朝鮮、中国、ウスリーに
分布する。
「福島県植物誌」には滝根町に 1 ヶ所が記載されているが、今回の調査では確
認できず現状不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境の改変面積
①造成等の施工による一
は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・耕作地環境を高
測 及び供用による影響 架及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることか
①鉄道施設(地表式又は掘 ら、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
315(4-5-73)
表 4-5-13(29) 重要な植物の予測結果(サネカズラ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
無毛の常緑つる性木本で、古い茎はコルク層が発達し、太さ2cm くらいになる。
暖帯より亜熱帯に生育する。
葉身は楕円形、
長楕円形ないし卵形で、
長さ5~13cm。
幅2.5~6cm。先は多少尖り、基部はくさび形、まばらに低い鋸歯があり、やや革
質で、表面は光沢があり、裏面は色淡く、しばしば赤色をおびる。雌雄異株。花は
広鐘形、径約1.5cm、長い花柄があり、葉腋より垂れ下がって開く。花期は8 月。
花被片は黄白色。8~17 枚。
本州関東地方以西・四国・九州・琉球に分布する。国外では、朝鮮(済州島)・台
湾・中国に分布する。
福島県植物誌には、浜通り・いわき市で5ケ所が記載されている。今回の調査で
は27 ケ所が報告されている。林床や林縁の木本に絡まって生育している。
マツブサ科サネカズラ属。
無毛の常緑つる性木本で、
古い茎はコルク層が発達し、
太さ 2cm くらいになる。若枝は赤色をおび、粘液を含む。葉身は楕円形、長楕円
形ないし卵形で、長さ5~13cm、幅2.5~6cm、先は多少ともとがり、基部はくさ
び形、まばらに低い鋸歯があり、やや革質で、表面は光沢があり、裏面は色淡く、
しばしば赤色をおびる。葉柄は長さ約 1cm。雌雄異株。花は広鐘形、径 1.5cm、
長い花柄があり、葉腋より垂れ下がって開く。花期は8 月ごろ。花被片は黄白色、
8~17 枚、楕円形ないし倒卵形、外側のものは大きく、長さ 10~14mm、内側の
ものは 7~10mm。集合果は球形、赤色に熟す。種子は腎臓形。国内では本州(関
東地方以西)・四国・九州・琉球に分布する。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境2 箇所で生育
が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環
境である丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の
①造成等の施工による一
環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地の森林環境を高架・盛土・切土及
測 及び供用による影響 びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることか
①鉄道施設(地表式又は掘 ら、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「日本の野生植物 木本Ⅰ」
(平成元年 平凡社)
316(4-5-74)
表 4-5-13(30) 重要な植物の予測結果(クスノキ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(NT)
常緑高木。樟香がある。芽は瓦重ね状の鱗片に包まれる。葉は互生し、無毛、卵
形ないし楕円形で急鋭尖頭、基部も尖り、長さ6~10cm、幅3~6cm、やや革質、
表面は緑色で光沢があり、裏面は黄緑色または灰白色、羽状 3 行脈で、脈腋にふ
つう小孔がある。花期は5~6 月。花序は新葉に腋生し、円錘形。果実は球形、径
7~8mm。10~11 月熟し、黒色で光沢がある。果托は肥厚し、倒円錐状鐘形で、
浅くくぼんで果実をのせる。
本州・四国・九州の暖地に分布。野生かどうかに疑問がある。
福島県植物誌に、いわき市小浜町が記載されている。今回の調査ではいわき市を
中心に広野町まで20 ヶ所が報告されている。生育地は多いが、個体数は減少して
いる。北限である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社
仙台工事事務所)
317(4-5-75)
表 4-5-13(31) 重要な植物の予測結果(ヤマコウバシ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
落葉低木。頂芽はない。葉は互生して等間隔につき、やや厚くてかたく、長楕円
形ないし楕円形、ときに倒卵形をおび、先は鈍くとがり、表面は濃緑色で光沢がな
く、裏面は若葉の時、絹毛におおわれるが後に落ちる。花期は 4 月、数個の花が
散形に出る。小花柄は短く、絹毛を密生する。雌花は小さく、花被片は淡黄色で長
さ約 1.4mm。雌株しかなく、雄株なしで結実する。果実は球形で径約 7mm、秋
に黒色に熟す。小果柄は10~15mm。
本州(関東以西)・四国・九州に分布。さらに朝鮮・中国にも分布する。
福島県植物誌には、県北で 3 ヶ所が記載されている。今回の調査では県北で 25
ヶ所の報告がある。南に面したクリ-コナラ林の中に生育している。生育箇所は多
いが個体数が大変少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
318(4-5-76)
表 4-5-13(32) 重要な植物の予測結果(フサザクラ)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
山中の谷間などによくはえる落葉高木。
幹は根元より分枝し、高さ5~15m。樹皮は暗緑褐色で楕円形、褐色の明らかな
皮目がある。冬芽は長楕円状卵形で先は鋭く、多数の暗紫褐色の芽鱗に包まれ、光
沢がある。葉は長枝では互生し、短枝では数個を束生する。葉柄は3~7cm ある。
葉身は広卵形または扁円形で先は急に尾状にとがり、基部はやや切形で長さ 4~
12cm、幅 3~10cm ほどである。縁にはふぞろいの鋸歯があり、表面脈上に毛が
ある。3~4 月、葉に先立って短枝の上に群生して花を開く。花は両性花で短い柄
があり、裸花で花被はない。雄しべは多数、花糸は細く、葯は線形で暗紅色である。
雌しべは多数ある。果実には細い柄があり、扁平な翼状をしていて片側がくぼみ、
開裂しない。10 月頃に種子は成熟する。
陽樹であり、湿気のある渓流ぞいの向陽地に群をなしてはえる。生長は早い。
本州、四国、九州に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「原色樹木大図鑑(第3版)
」
(平成5年、北隆館)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山元町
歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成22 年、
山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録2000」
(平成13 年、
宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
319(4-5-77)
表 4-5-13(33) 重要な植物の予測結果(センウズモドキ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:未評価(NE)
、宮城県:要注目種
オンタケブシの雌しべに毛のあるもの。母種オンタケブシの茎は直立するか、ま
たは曲り、長さ90~170cm で曲がった毛があるが、上部ではしばしば開出するよ
うになり、下部は無毛。分枝するか、またはしない。中部の茎葉は円心形、長さ7
~12cm、幅 8~13cm で 5 中裂し裂片は卵形~卵状披針形で荒い鋸歯がある。花
序は総状散房状、花柄は長さ 18~35mm で、開出毛がある。花は 8~9 月に咲き
長さ33~42mm、外面に曲がった毛と開出した毛が混ざって生える。
母種は、
中部地方より東北地方南部に分布するが、
本変種は東北地方に分布する。
「福島県植物誌」には新地町と国見町の 2 ヶ所が記載されているが、今回の調
査では確認できず現状不明である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
320(4-5-78)
表 4-5-13(34) 重要な植物の予測結果(フクジュソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
温帯の落葉樹林の日当たりの良いところに生える多年草。根茎は太く短く、多数
の根を出す。根出葉はない。茎の高さ15~30cm、下部に芽を包んでいた鞘状の大
きな鱗片を残し、その腋から枝が伸びる。葉は互生して4~3 回羽状に細かく分裂
し、基部に羽裂する小さな托葉がある。花期は3~4 月。花は黄金花、径3~4cm、
数個のがくと20~30 個の花弁がある。花弁は長さ2cm 内外でがくよりも長い。
そう果は倒卵形で長さ4~5mm、全体的に短毛がある。
北海道から九州に点々と分布するが西日本では少ない。国外では朝鮮・中国東北
部・シベリア東部に分布する。
落葉広葉樹林の日当たりのよい土手などに生育している。福島県植物誌には 6
ヶ所記載されているが、うち1 ヶ所は絶滅。今回の調査では25 ヶ所報告があった。
県内には数カ所フクジュソウの里として宣伝している所もあるが、
植栽されたとこ
ろが多い。自生か植栽かの判定は難しい。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
321(4-5-79)
表 4-5-13(35) 重要な植物の予測結果(スハマソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
山野の樹林内に生える常緑の多年草。
根茎は細長くはう。
花茎は高さ10~15cm。
葉は根生し、長柄があり、葉身は 3 浅裂し、基部は心形、光沢はなく、全縁。葉
の先端があまりとがらないことでミスミソウと区別するが、
中間形があって判断が
難しいことがある。花は茎頂に1 個つき、直径1~1.5cm、花弁状の萼片は6~10
個で線状披針形~長楕円形と変化が多く、花色も白色から淡紅紫色、紅紫色、青紫
色などと多彩。茎や葉に長白毛がある。萼片のすぐ下には萼のように見える茎葉が
3 個つく。雄しべ、雌しべはともに多数。雄しべの柱頭は短い。太平洋側には白色
の花が多く、日本海側にはさまさまな花色のものや大型のものが見られる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
322(4-5-80)
表 4-5-13(36) 重要な植物の予測結果(オキナグサ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
日当たりのよい草原に生える多年草。根は太く、根出葉は束生し、長い葉柄があ
り、2 回羽状複葉、小葉は深裂し、さらに欠刻する。茎葉は無柄、基部は多少合着
し、線状の裂片に分裂する。根出葉や花茎には長い白毛を密生する。花茎は高さ
10cm 前後で開花。花後伸長して30~40cm にもなる。花期は4~5 月。花は1 個
頂生し、鐘形で下向きに開く。がく片は 6 枚、長楕円形、外面は長い白毛で被わ
れ、内面は暗赤紫色。そう果は多数が球形に集まる。
本州~九州に分布。国外では朝鮮、中国の暖帯~温帯に分布。
福島県植物誌には、中通り、会津で15 ヶ所記載されており普通にみられた。今
回の調査では中通り、会津で11 ヶ所報告された。そのうち3 ヶ所は絶滅であった。
福島県植物誌編さん当時より生育地、個体数ともに激減している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「亘理町史 上巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
323(4-5-81)
表 4-5-13(37) 重要な植物の予測結果(ヒキノカサ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
日当たりの良い湿った草地に生える多年草。
ひげ根の他に紡錘形に肥大した数本
の根がある。茎は基部から分枝し、高さ10~30cm、全体に毛を散生する。根出葉
の葉身は幅 1.5~4cm で、掌状に 3~5 浅から深裂し、裂片はさらに 2~3 裂、茎
葉とともに両面にまばらに軟毛がある。花期は4~5 月。花は径12~17mm、花弁
は倒卵形で長さ 6~7mm、光沢がある。集合果は広楕円形、そう果は円形で長さ
1.2mm、花柱は少し曲がる。
本州関東以西~九州の暖帯に分布する。国外では中国・台湾・朝鮮済州島に分布
する。
福島県植物誌には 4 ヶ所が記載されている。今回の調査では、確認することが
できなかった。水湿地に生育し、福島県が北限である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
324(4-5-82)
表 4-5-13(38) 重要な植物の予測結果(ヒメバイカモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
沈水性の水生植物。草長は50~100cm。葉は長さ3~5cm。糸状に細裂する。6
~8 月、葉腋から水面に柄を伸ばして、径 1cm 前後の白色の花をつける。花弁は
普通5 枚であるが、ときに7~8 枚になることもある。水が干上がると陸生形をつ
くる。花柄が1~3cm で、そう果に毛がない点でバイカモから区別される。一年草。
北海道・本州・九州に分布する。国外では朝鮮に分布する。
池沼にまれに生育している。かつていわき市小川町関場に生育していたが、そこ
では絶滅した。しかし、同市内にもう1 ヶ所生育しているとの情報がある。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川・池沼環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の河川・池沼環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある山地及び丘陵地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影
時的な影響
計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
325(4-5-83)
表 4-5-13(39) 重要な植物の予測結果(バイカモ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(NT)
沈水性の水生植物。草長 50~100(200)cm。葉は糸状に細分裂して房状とな
る。5~10 月、葉腋から水面上に花柄を抽出し、径 1.5cm 前後の花を開く。花弁
は 5 枚で白色。ヒメバイカモより大きく、花床とそう果背面に毛がある点で区別
される。多年草。
北海道、本州に分布する。日本固有種。
清冽な河川や湧水を湛える池沼に生育する。県内各地に分布するが、全県的に生
育地が減少している。今回確認された市町村は、原町市、いわき市、福島市、郡山
市、猪苗代町などである。
文献調査*2 によると、山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周
①造成等の施工による一
辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力
影
時的な影響
抑える計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境
及び供用による影響 を高架構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であ
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
326(4-5-84)
表 4-5-13(40) 重要な植物の予測結果(ムベ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
常緑性で無毛のつる性木本。葉は掌状複葉で柄がある。小葉は5~7 枚あるが、
若木では 3 枚のこともあり、楕円形、長卵形ないし長倒卵形、長さ 5~10cm、幅
2~4cm、全縁、先端は短く突出し、基部はやや円く、革質で光沢があり、裏面は
淡緑色で細い網状脈が目だつ。小葉柄は1~4cm。4~5 月頃、総状花序に3~7 花
つける。雄花はひとつの花序に3~7 個、雌花はそれより少ない。液果は卵円形、
長さ5~8cm、多数の黒色の種子がある。
本州の関東地方以西・四国・九州・琉球に分布する。国外では台湾・中国・朝鮮
南部の暖帯より亜熱帯に分布する。
福島県植物誌では、富岡町 1 ヶ所が記載されている。今回の調査では、いわき
市内で 7 ヶ所が報告された。宮城県での記録は逸出したとのことで福島県が北限
となる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
327(4-5-85)
表 4-5-13(41) 重要な植物の予測結果(マツモ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
沈水性の水生植物。草長 20~100cm。根が無く、水面下を浮遊するか、茎の変
化した仮根によって固着している。二つに分岐した針形の葉が、5~8 枚輪生する。
葉長 1~2cm。6~8 月、葉腋に雌花と雄花を別につける。花弁は無い。秋に茎頂
の葉が密生して殖芽を形成する。多年草。
日本全国および世界の温帯から熱帯に広く分布する。
湖沼、ため池に生育する。かつては県内各地の平野部に分布していたが、既知産
地の大部分で消滅し、今回の調査では、会津坂下町のため池で確認されたのみであ
る。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
測 及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
328(4-5-86)
表 4-5-13(42) 重要な植物の予測結果(ハンゲショウ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
低地の水辺や湿地に群生する、臭気のある多年草。地下茎は太くて、横にはい、
茎は高さ50~100cm になる。葉は卵形、基部は心形で長さ5~15cm、5~7 脈が
ある。柄は長さ1~5cm で、幅が広く、背面に稜がある。花期は6~8 月。花序に
近い数葉は開花時にその下半分が白くなり、昆虫を誘引する。花穂は長さ 10~
15cm、多数の花を付け、基部の方から順にさく。花序の軸には縮れた毛がある。
花は2~3mm の小花柄があり、果実は無毛。
本州から琉球に分布する。国外では朝鮮・中国・フィリピンに分布する。
福島県植物誌に河東町 1 ヶ所が記載されているが、今回の調査では報告はされ
なかったが、現在も生育しているとの情報がある。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
329(4-5-87)
表 4-5-13(43) 重要な植物の予測結果(コモウセンゴケ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
多年草。根出葉の葉身は広倒卵形で、幅2.5~3.5mm、表面に紅色の長腺毛があ
り、基部はくさび形で、柄はやや幅広く、葉身の約2 倍長い。花期は6~9 月。高
さ5~15cm の花茎が出て、数個~十数個の花が総状につき、花序とがくに短い腺
毛がある。花序の先はわらび巻き状で、花は片側につく。花弁は淡紅色、花柱は先
が2 深裂し、柱頭は頭状。さく果は球形で径約1.5mm。
本州(宮城県以南)~沖縄県、中国・東南アジア・オーストラリアに分布する。
宮城県亘理郡が北限である。
浜通り地方の限られた地域に分布し、
海岸近くの日当たりの良い酸性の湿地に生
育している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌
編集委員会)
330(4-5-88)
表 4-5-13(44) 重要な植物の予測結果(ツルキケマン)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
軟弱な越年草。茎は長く伸びて分技し、高さ1m以上。葉は2~3 回3 出複生し、
長さ 1~1.5cm、無毛で粉白色をおびる。花期は 7~9 月。枝先に総状花序をつく
り、花は淡黄色、長さ15~20mm。苞は卵形~広卵形。花柄は4~7mm。さく果
は長倒卵形。種子は数個あって2 列に並び黒色平滑。
本州(関東・中部地方)、朝鮮・シベリア東部・オホーツク沿岸地方に分布する。
浜通り地方・中通り地方・会津地方に分布が点在し、山中の林縁など半日陰地に
まれに生育している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
331(4-5-89)
表 4-5-13(45) 重要な植物の予測結果(ナガミノツルキケマン)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
ツルケマンの変種で、苞が多少幅狭く、小型で幅 2~5mm。さく果は線状倒披
針形で、幅2~2.5mm、種子はほぼ1列に並ぶ。8~10 月に開花する。
北海道、本州、九州、朝鮮、中国(東北)、シベリア東部に分布する。
県内各地域に広く分布し、林縁や山地の川岸などの半日陰地に生育している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山元町
歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48
年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委
員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社
東北支社 仙台工事事務所)
332(4-5-90)
表 4-5-13(46) 重要な植物の予測結果(エゾハタザオ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:要注目種
越年草。茎は直立して上部で枝を分け、単毛と星状毛を混生し、高さ20~100cm
になる。葉は長楕円状卵形~卵状披針形、先は鋭形か鋭尖形。下部の葉は柄があり、
上部の葉には柄がなく、茎を抱かない。長さ 3~12cm、幅 1~5cm、両面に毛が
ある。花期は6~8 月。総状花序は果時にまばらになる。がく片は長卵形で、無毛
か星状毛が疎生する。花弁は白色、小形、倒披針形で長さ 3~5mm。長角果は線
形で細長く、垂れ下がる。
北海道・本州(中部以北)
、朝鮮・中国・モンゴル・ロシア北東地方・ヨーロッ
パに分布する。
中通り地方の阿武隈山地や会津地方の一部の地域に分布し、
山野の林下や林縁に
生育している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
333(4-5-91)
表 4-5-13(47) 重要な植物の予測結果(クサアジサイ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
湿った林内に生える高さ 20~70cm の多年草。葉は互生し、高披針形で長さ 8
~20cm、先は尾状にとがり、鋸歯があり、両面に毛がある。茎頂に両性花と装飾
花をつける。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
334(4-5-92)
表 4-5-13(48) 重要な植物の予測結果(ムカゴネコノメ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:要注目種
花茎は前年に地中にできた球芽から出る。球芽は走出枝の先端に1 個ずつ生じ、
紡錘形で長さ 1cm 内外、赤色を帯び、毛を密生し暗紫褐色の細点がある。走出枝
は地中性または一部地上性になる。地中性のものには鱗片葉、地上性のものには普
通葉をつける。花茎は高さ3~15cm で、白毛がまばらに生え、緑白色で基部は赤
紫色を帯びる。茎葉は対生または一部互生し、葉柄がある。花期は3~4 月。花(が
く片)は緑色。
本州(関東、東海地方)に分布する。日本特産。宮城県亘理郡が北限である。
浜通りや中通りの一部地域に比較的広く分布し、
谷沿いの樹林下や沢沿いの多湿
地に生育している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報
告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
335(4-5-93)
表 4-5-13(49) 重要な植物の予測結果(タマアジサイ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
分布の北限であり、本県では阿武隈山地に局限し、個体数も少ない。
阿武隈山地の谷筋に分布し、フサザクラ-タマアジサイ群集を形成している。
山地の湿気に富む沢すじなどに群生している落葉低木。
株立ち状で枝は太く、通常高さ 1~1.5m。葉は対生で淡紅色の柄があり、葉身
は長楕円形または広卵形で鋭尖。長さ 11~20cm、幅 5~10cm。縁には細鋸歯が
ある。両面は粗渋、有毛でとくに下面には粗毛が多い。花は6~7 月頃、本年枝の
先に集散花序をなして淡紫色花を開く。花序は蕾のとき、球形で大形の包数個に包
まれている。花序は周囲に少数の中性花があり、がく片は花弁状で3~5 個ある。
中央部にある両性花はがく片、花弁は小さく各4~5 個。雄しべ8~10、花柱は2。
さく果は10 月成熟、ほぼ球形で径2~3cm である。
本州の関東南部、東北地方南部に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、可能な限り高架と
①鉄道施設(地表式又は掘 していることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成13年、宮城県)
*2:「原色樹木大図鑑(第3版)
」
(平成5年、北隆館)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山元町
歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成22 年、
山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録2000」
(平成13 年、
宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
336(4-5-94)
表 4-5-13(50) 重要な植物の予測結果(ヤマアジサイ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
分布の北限であり、生育地及び個体数も少ない。
阿武隈山地、奥羽山地南部の丘陵地のやや湿った地に生育している。
山地や山あいの渓谷のやや湿った樹陰などに分布している落葉低木。
茎はそう生、下からよく分枝し、通常高さ1m ぐらい、若枝は淡緑色で毛が密生
し、2 年枝は灰褐色で、古い枝は浅い割れ目がある。葉は対生、有柄、葉身は多く
は長楕円形ときに楕円形、長鋭尖頭、基部は狭いくさび形をしている。長さ6.5~
13cm、縁には鋭鋸歯がある。両面脈上に短毛がある。裏面中肋の脈えきに密毛が
ある。花は6~8 月、本年枝の先に散房状集散花序をつける。花序は径7~18cm、
縁にある装飾花は径1.7~3cm、両性花は白または淡い紫色で多数つける。花弁5、
雄しべは10、果実は倒卵形のさく果で径0.2cm、種子は褐色の楕円形で長さ0.05
~0.06cm と小形である。
本州の関東以西の太平洋側、四国、九州、朝鮮半島南部に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成13年、宮城県)
*2:「原色樹木大図鑑(第3版)
」
(平成5年、北隆館)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
337(4-5-95)
表 4-5-13(51) 重要な植物の予測結果(タコノアシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
多年草。茎の基部は地中にあってやや肥厚し、茎の地上部は直立し、分岐せず、
高さ30~80cm、ふつう淡紅色を帯びる。葉は狭披針形~披針形または狭楕円形、
長さ6~11cm。花期は8~10 月。花序の枝は、はじめ先端が渦巻状に外向きに巻
いているがのちに伸長して斜上し、長さ4~12cm になり、花は径4~5mm、ふつ
う花弁はなく全体が黄緑色で、ときに花柱やがく裂片の先端が紫紅色を帯びる。
本州~奄美大島、東アジアに広く分布する。
浜通り地方、中通り地方、会津地方の一部の地域に分布し、泥湿地、沼、水田、
休耕田、河川内湿地など水位の変化する場所に生育している。
ユキノシタ科タコノアシ属。泥湿地、沼、水田、川原などで、水位の変動する場
所に生育する多年草。茎の地上部は直立し、分枝せず、高さ30~80cm、無毛でふ
つう淡紅色を帯びる。
葉は狭披針形~披針形または狭楕円形、
縁には細鋸歯があり、
両端は長い鋭尖形となる。花期は 8~10 月。花序の枝は、はじめ先端が渦巻状に
外向きに巻いているが、のちに伸長して斜上する。花は径 4~5mm、ふつう花弁
がなく、全体が黄緑色なのであまり目立たないが、ときに花柱や萼裂片の先端が紫
紅色を帯びることもある。
花弁はふつうない。
国内では本州~奄美大島に分布する。
和名は花序の枝に多数の花が並び、
タコの吸盤のついた足のように見えることに由
来する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境で確認され
た。また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・湿地・
水田環境の計 29 箇所で生育が確認され、そのうち 2 箇所は改変区域、1 箇所は対
象事業実施区域内、26 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境は、生育適地と
考えられ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境
①造成等の施工による一
の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(昭和57年 平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城県植物目録2000」
(平成13 年、
宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成20 年度 常磐自動車道 山
元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
338(4-5-96)
表 4-5-13(52) 重要な植物の予測結果(ザイフリボク)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
高さ12m になる落葉低木または高木。葉柄は長さ10~25mm、葉身は倒卵形ま
たは楕円形、長さ 4~9cm、鋭頭、細鋸歯がある。花は 10 個内外が長さ 4~7cm
の散房状総状花序につき、
花柄は長さ1~2cm。
花弁は狭楕円形、
長さ約10~15mm
で白色、雄ずいは20 本、花柱は5 本。果実は球形の梨果で径6~10mm、紫黒色。
中国、朝鮮、日本に分布する。日本では本州(岩手県以南)、四国、九州の山地に
生える。
これまで三春町、棚倉町、表郷村、白河市、須賀川市、福島市から見つかってお
り、中通りに広く分布していると思われる。アカマツ林やコナラ林で見られるが、
個体数は多くなく、成木は少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
339(4-5-97)
表 4-5-13(53) 重要な植物の予測結果(ミヤマザクラ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
温帯上部の山地にはえる落葉高木。
高さ 10m、胸高直径 30cm になり、樹皮は紫褐色で皮目は多くて横に並ぶ。小
枝は細く、伏毛が多い。葉は広倒卵形、倒卵状長楕円形、長さ4~7cm、先は短く
尾状にとがり、縁に欠刻状の重きょ歯があり、両面に細毛が多い。蜜腺は葉身の基
部にあり、葉柄は暗紫紅色で伏毛が多い。5~6 月、葉を開いてから4~7 花が、長
さ5~8cm の総状花序になって上向きに開く。白色、径1.5~2cm、花弁は5 個で
円形、がく筒は鐘状つぼ形、がく片は三角状卵形で縁にきょ歯があり、ともに毛が
ある。小花柄も伏毛があり、基部の包は広卵形で縁にきょ歯があり、緑色の葉状で
宿存する。
雄しべは40 本内外、
花柱の下部に毛がある。
果実はほぼ球形、
径約0.8cm
で黒紫色に熟し、苦味がある。
北海道、本州、四国、九州の深山のほか朝鮮半島、中国東北部、サハリン、ウス
リーに分布する。
文献調査*2 によると、で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)
においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された箇所は不明であるが、本種の主な生育環境である山地及び丘陵
地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「原色樹木大図鑑(第 3 版)
」
(平成 5 年、北隆館)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編
さん委員会)
340(4-5-98)
表 4-5-13(54) 重要な植物の予測結果(シャリンバイ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
高さ1~4m の常緑低木。葉は単葉で広楕円形、卵形、倒卵形、広倒卵形で、長
さ 4~10cm、まばらに鈍鋸歯があるかほとんど全縁、革質で光沢があり、両面無
毛。花序は頂生で円錐状またはときに総状で直立し、長さ 5~15cm。花は花序に
多数つき、花弁は5 枚で白色、倒卵形または広倒卵形で長さ10~13mm。果実は
黒紫色で径7~12mm。
中国、朝鮮、日本、台湾、フィリピン、ボルネオに分布する。日本では東北(宮
城、山形、福島)以南の主に海岸に生える。
浜通りの海岸沿いに点々と生育地がある。
まだ比較的多くの生育地が残されてい
るようであるが減少が著しい。今回の調査で確認された数ヶ所の生育地のうち、一
部で個体数が大幅に減少していた。
バラ科シャリンバイ属。主として海岸に生育する常緑低木。高さ 1~4m。葉は
革質で光沢があり、両面無毛、長楕円形から楕円形、ときに広楕円形、卵形または
倒卵形から広倒卵形、鋭頭または鈍頭から円頭、基部は鋭形から円形、長さ 4~
10cm、幅 2~5cm、まばらに鈍鋸歯があるかまたはほとんど全縁で縁はやや外曲
する。花は4~6 月に咲き、花序は円錐状またはときに総状で直立し、長さ5-15cm、
褐色の軟毛を密生する。花弁は白色、倒卵形または倒広卵形、基部はやや長く爪上
となり、長さ10~13mm、幅5~8mm、円頭でしばしば歯牙がある。果実は黒紫
色、径7~12mm で光沢がある。国内では本州(宮城県、山形県以西)・四国・九州・
小笠原・琉球に分布する。
文献調査*3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の丘陵地の森林環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地の森林環境及び海岸は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である海岸、海岸付近の丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
工事の実施による影響 とから、本種の主な生育環境である海岸付近の丘陵地及び低地の森林環境の改変面
①造成等の施工による一 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は
影
時的な影響
無い。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である海岸付近の丘陵地及び低地の森林環境を
測
及び供用による影響 高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の
①鉄道施設(地表式又は掘 環境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 木本Ⅰ」
(平成元年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
341(4-5-99)
表 4-5-13(55) 重要な植物の予測結果(ジャケツイバラ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
高さ 2m になるややつる性の落葉低木。枝に逆刺がある。葉は 2 回偶数羽状複
葉で、羽片は 6~16 個、各羽片に小葉が 5~12 対つく。小葉は長楕円形または倒
卵形で、長さ10~25mm、円頭、裏面は粉白色。総状花序は頂生し長さ20~30cm。
花柄は3~4cm で無毛。花は径25~30mm で黄色、雄ずいは約15mm、帯赤色。
豆果は長楕円形、扁平、無毛で長さ7~10cm。
中国、朝鮮、日本に分布する。日本では本州(宮城県、山形県以南)、四国、九州、
琉球の低山地、川辺、野原などに生える。
県内では狭い範囲に分布するうえに、個体数の少ない生育地が多い。浜通りのい
わき市では比較的多くの場所から報告があるが、生育個体数の少ない生育地が多
い。太平洋側の北限近くに位置する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・河川・草地環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・河川・草地環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・河川・草地環境
測 及び供用による影響 を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小
①鉄道施設(地表式又は掘 さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
342(4-5-100)
表 4-5-13(56) 重要な植物の予測結果(マルバヌスビトハギ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:要注目種
高さ30~120cm の夏緑多年草。葉は3出複葉で、頂小葉は円形または菱状円形、
長さ4~9cm、両面に毛がある。花序は頂生または上部の葉の腋から出て、総状と
きに円錐状、多数の花をつける。花は帯紅紫色で長さ3~5mm、がくは長さ12~
8mm。節果は(1-)2-3 の小節果からなり、基部は長さ 2~5mm の柄となる。県内
に多いヌスビトハギ、ヤブハギ、まれなケヤブハギは頂小葉が卵形または広卵形で
ある。
中国、日本、台湾、ヒマラヤ、インドに分布する。日本では本州(岩手県以南)、
四国、九州の平地から低山地までの草地や道端などに生える。
これまでに中通りの三春町、霊山町、浜通りの新地町、高瀬川渓谷、いわき市か
ら報告がある。今回の調査で確認された2 カ所のうち1 カ所で減少していた。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
343(4-5-101)
表 4-5-13(57) 重要な植物の予測結果(ノアズキ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
つる性の多年草。葉は3 出複葉で、頂小葉は広卵状菱形、長さ2~4cm。花序は
腋生の総状花序で、2~5 個の花をつける。花は黄色で長さ15~18mm、左右不同
で、小花柄は長さ 6~8mm。がくは長さ 8~10mm、腺点と短軟毛がある。豆果
は扁平な広線形で長さ4.5~5.5mm。短毛を密生し、5~8 個の種子を含む。
中国、朝鮮、日本に分布する。日本では本州(宮城県以南)、四国、九州、琉球、
小笠原の草地や林縁に生える。
これまで中通りの玉川村、矢祭町、浜通りのいわき市で報告がある(堀 1994)。
今回の調査で確認した2 カ所での生育は良好であった。
文献調査*2 によると、低地の草地・耕作地環境で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の草地・耕作地環境は、生育適地と考えられ、本種の主な
生育環境である丘陵地及び低地の森林・草地・耕作地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・草地・耕作地環境の改
①造成等の施工による一
変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・草地・耕作地環
測 及び供用による影響 境を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
344(4-5-102)
表 4-5-13(58) 重要な植物の予測結果(エゾノレンリソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
斜上する多年草。茎は長さ40~80cm で三稜形、幅0.5~2mm の2 翼がある。
葉は羽状複葉で先端に 4~6cm の分岐しないまたは 2~3 分岐する巻きひげがあ
る。小葉は2~6 枚、披針形または狭長楕円形、長さ3~5cm。花序は5~8 花をつ
ける。花は紫色で長さ 15~20mm、花柄は長さ 10~15cm。豆果は線状長楕円形
で扁平、長さ4~5cm、無毛。よく似たレンリソウは巻きひげが分岐することがな
く、2~3cm。
北半球に広く分布する。日本では北海道、本州、対馬の湿った草地に生育する。
県内各地から報告があるが、生育地の数は多くない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の湿地・草地・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地・草地・耕作地環境は、生育適地と考え
られ、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環境
は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環
①造成等の施工による一
境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地・草地・耕
測 及び供用による影響 作地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架
①鉄道施設(地表式又は掘 としていることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編さん委員会)
、
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成
22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮
城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
345(4-5-103)
表 4-5-13(59) 重要な植物の予測結果(イヌハギ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:準絶滅危惧(NT)
高さ150cm に達する小低木。黄褐色の軟毛が目だつ。葉は3 出羽状複葉で、頂
小葉は長楕円形、長さ3~6cm。花は茎に頂生する長い総状花序、あるいは腋生の
短い花序に多数つき、帯黄白色、長さ8~10mm。がくは5 深裂し、長さ約6mm。
節果は卵形、長さ4~5mm。
中国、朝鮮、日本、ヒマラヤ、インドに分布する。日本では本州、四国、九州、
琉球の河原や海に近い砂地に生える。
これまで県内の各地から報告がある。河原や水路の堤防などで見られる。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としているこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
346(4-5-104)
表 4-5-13(60) 重要な植物の予測結果(オオバタンキリマメ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
つる性の多年草。茎に黄褐色の短軟毛がある。葉は 3 出複葉で頂小葉は卵形で
鋭尖頭、長さ4~10cm で、裏面にややまばらに伏毛と腺点がある。花は黄色、が
くは長さ 4~5mm でがく裂片はがく筒より短い。豆果は長さ 20~25mm で、紅
熟し、5~9mm の柄がある。種子は黒色で1 果あたりふつう2 個。
東北(宮城、福島)以南の本州、九州の低山地の林縁に分布する。国外では朝鮮に
分布する。
浜通りのいわき市、相馬市、富岡町、中通りの梁川町、桑折町から報告されてい
る。山道や林縁で見られる。今回の調査でも比較的多数の生育地が確認され、生育
状態はおおむね良好である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
347(4-5-105)
表 4-5-13(61) 重要な植物の予測結果(コフウロ)
項目
内容
選定基準
準絶滅危惧(C)
高さ20~80cm の多年草で腺毛を欠く。茎に下向きの毛がある。茎葉は互生し、
葉身は幅 2~8cm で 3 全裂し、側小葉はときにさらに 2 裂し、小裂片と頂小葉は
数個の大きな鋸歯があり、表面と裏面脈状に粗い毛がある。花は 2 つずつつき、
淡紅色または白色で径約 1cm。さく果は花柱分枝を含め長さ約 2cm、果体に開出
する長毛と細毛、嘴に細毛が密生する。県内に多いゲンノショウコは葉身は 3~5
中・深裂し、茎に腺毛を密生する。ミツバフウロは葉が対生し、葉身は 3 深裂す
る。
朝鮮(済州島)、日本に分布する。日本では本州(岩手県以南)、四国、九州の山地
の林下に生える。
中通りの大滝根山、塙町、白河市、平田村、浜通りのいわき市から報告がある。
今回の調査で確認された数カ所の生育地での生育状況はおおむね良好であった。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
348(4-5-106)
表 4-5-13(62) 重要な植物の予測結果(ノウルシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:要注目種
夏緑性の多年草。葉は夏に枯れる。茎は長さ 25~65cm で、上部で栄養枝を分
枝し、無毛または少し毛がある。茎葉は 15~40 で全縁、狭楕円形で長さ 4.5~
9.8cm。輪生葉はふつう 5 枚、狭楕円形、披針形または卵形で長さ 3~6.5cm。苞
葉は対生または 3 輪生で楕円形または広楕円形。苞葉、輪生葉、および上部の茎
葉は花期に黄色い。さく果は径約7mm、円錐形の突起があり、無毛またはまばら
に長毛がある。
日本固有で、北海道、本州、四国、九州の低地の湿った明るい場所に生える。
過去に会津や中通りからも報告があるが、再検討の必要があると思われる。今の
ところ確実な産地は浜通りの鹿島町のみである。
トウダイグサ科トウダイグサ属。生育地は湿地に限られ、乾燥するとなくなる。
草丈高さ 30cm 前後で、直立茎に葉を互生し、茎頂に 5 枚の葉を散状につけ、そ
の葉腋から 5 本の散形枝を出し、各枝は杯状花序を頂生し。三又分枝、ついで二
又分枝を繰り返す。花期は4~5 月。葉は狭い長楕円形から披針形で縁に鋸歯はな
く、裏面に短い軟毛がある。花序の下部の苞葉は倒卵形で、あざやかな黄色を呈し、
遠くから見ると花弁のように見える。球形の子房の外面には、いぼ状の突起が密生
し、蒴果になっても小さいいぼ状の突起となって残る。地下茎は肥厚し長く水平に
伸び、二又分枝を繰り返し、その先端から毎年新芽を生じる。国内では北海道~九
州に広く分布する。
文献調査*3 によると、低地の草地環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・湿地・
草地環境の計6 箇所で生育が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、1 箇所は対象
事業実施区域内、4 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の河川・湿地・草地環境及び海岸は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である低地の河川・湿地・草地環境及び海岸は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地・草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影 時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地・草地環境を高架及び
予 土地又は工作物の存在
盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変
測 及び供用による影響
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過し
①鉄道施設(地表式又は掘
ない。
割式、及び嵩上式)の存在
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(昭和57年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「山
元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、
山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13
年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
349(4-5-107)
表 4-5-13(63) 重要な植物の予測結果(トウダイグサ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
越年生草本。茎は長さ8~50cm で、しばしば基部で分枝する。葉は互生する茎
葉、茎の先にある輪生葉、花序にある苞葉の別があり、葉身の上半に鋸歯がある。
茎葉はへら形または倒卵形で長さ1~4cm。輪生葉はふつう5 枚、倒卵形または広
倒卵形で長さ1~3.5cm。苞葉は対生または3 輪生。苞葉、輪生葉、および上部の
茎葉は花期に黄色い。さく果は径約2.5mm、平滑、無毛。
北海道~琉球の低地の路傍、河原、海岸、畑に生える。国外では、ユーラシアの
温帯、亜熱帯に広く分布する。
これまで浜通りのいわき市、中通りの福島市、梁川町、霊山町、月舘町、郡山市、
矢祭町、西郷村から報告がある。今回の調査でやや多数の生育地を確認できたが、
一部の生育地で減少していた。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境の改変面積
①造成等の施工による一
は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としているこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
350(4-5-108)
表 4-5-13(64) 重要な植物の予測結果(ヒナノキンチャク)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
一年草。茎は高さ7~15cm。葉は卵円形または楕円形で長さ1~3cm、1~2 対
の側脈があり、縁は全縁で細毛があり、基部は次第に細くなって長さ2~8mm の
柄に流れる。花は長さ8cm に達する総状花序に多数つき、淡紫色で長さ約2mm。
さく果は扁円形で径約3mm、翼がない。
東アジアおよび東南アジア。日本では東北(福島)、関東、中部、中国、四国、九
州に点々と分布し、原野や山麓に生える。福島県が日本の北限である。
これまでに浜通り南部のいわき市、中通りの滝根町、郡山市、白河市、西郷村で
採集された記録がある。今回の調査では再確認ができなかった。
文献調査*1 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
351(4-5-109)
表 4-5-13(65) 重要な植物の予測結果(オニシバリ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
太平洋側分布の北限で、県内での生育地は約10 か所あるが、個体数は極めて少
ない。
生育地の山林の開発、園芸品としての採取が懸念される。
山地の林内に自生している落葉低木。
幹はほとんどなく、基部近くより少数の枝が分枝し、樹高1m ぐらいになり、全
株無毛。枝は汚灰茶色で、太く強じんである。葉は互生で枝先に集まり、長さ5~
10cm、幅 0.8~2cm の倒皮針形、先端は円頭または鈍頭、ときに鋭頭、基部はく
さび状で細くなり、短い葉柄がある。全縁で葉質は薄くて軟らかく、表面はやや明
るい緑色、裏面はわずかに粉白色を帯びる。秋に開葉し、夏に落葉する。花は黄緑
色で、3~4 月に枝の上部に頭状束様に数花が集合してえき生する。花柄はなく、
小花柄もごく短い。がく筒は長さ 0.6~0.8cm、先端は 4 裂し花弁はなく、8 本の
雄しべと 1 本の雌しべがある。雌雄異株で、雌花は雄花に比べやや小さい。果実
は長さ0.8~1.3cm、直径0.6~0.8cm ぐらい、楕円体の液果で光沢のある赤色とな
り、7 月頃熟す。果実は著しく辛い。種子はふつう2 個あり、黒色で長さ0..6cm、
直径0.4cm ぐらいの尖頭球形。
本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成13年、宮城県)
*2:「原色樹木大図鑑(第3版)
」
(平成5年、北隆館)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報
告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
352(4-5-110)
表 4-5-13(66) 重要な植物の予測結果(エゾノタチツボスミレ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
北海道や本州の中部地方以北の山地に生える。
ほとんどのスミレにある根生葉が
ないのが特徴。花は白色~淡紫色で、ツボスミレやタチスミレに似ているが、柱頭
に突起毛がある。
日本産スミレで柱頭に突起毛があるのはほかにアイヌタチツボス
ミレがある。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
353(4-5-111)
表 4-5-13(67) 重要な植物の予測結果(テリハタチツボスミレ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
山地に生える。地下茎は木化して、肥厚し、よく分枝する。主軸が伸びて、根出
葉が互いに離ればなれになることがある。茎は果期には高さ20cm になる。葉は鈍
三角形で、長さ2~3cm、先は鋭く尖り、基部は浅くへこむかまたはほとんど切形、
縁に低いまばらな鋸歯があり、深緑色で、厚くて硬く、光沢がある。托葉は幅の狭
い裂片に深く羽裂する。花柄は根生ならびに茎上に出る。花は淡紫色、5 月に咲く。
がく片は広披針形、長さ3.5~5mm。花弁は長さ8~12mm、側弁は無毛、距は小
さくて尖り、長さ4~5mm。
本州北部日本海側の山地に産し、新潟県東蒲原郡以西の標本はない。
会津西部にごくまれに分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
354(4-5-112)
表 4-5-13(68) 重要な植物の予測結果(フモトスミレ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
県内の分布域は局限されており、個体数も少ない。
県内の産地が少なく、個体数が減少している。
スミレ科スミレ属。丘陵地や低山地に生育する多年草。やや小型のスミレで、葉
の表面にはふつう毛がある。地下茎は短い。葉は卵形ないし広卵形でとがり、鈍頭、
長さ1~3cm、低い鋸歯があり、基部は心形、表面に白斑が入るものが多い。裏面
は帯紫色。柄は長さ2~5cm。花柄は高さ4~7cm。花は小さく、白色、4~5 月に
咲く。萼片は広披針形。花弁は長さ 7~8mm、側弁にはふつう毛があり、まれに
無毛のものがある。唇弁は他の弁より短く、幅が狭く、紫条が入る。距は短く、長
さ2~3mm。国内では本州(関東以西)・四国・九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(昭和57年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
355(4-5-113)
表 4-5-13(69) 重要な植物の予測結果(ミゾハコベ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
水田、溝、湿地に生える柔らかい小型の一年草。茎は円く地をはって分枝し、長
さ3~10cm。葉は対生し、広披針形または狭卵形で長さ5~12mm、幅2~3mm。
6~8 月、葉腋に淡紫色の小花が1 個つく。花は径1mm ばかりで、花柄は短いか
ほとんどない。がく片は 3 個、卵形で鈍頭。花弁は 3 個、楕円形で鈍頭。雄しべ
は3 個、雌しべは1 個、花柱は3 個で短い。果実は扁球形のさく果で径約2mm。
種子は多少曲がった長楕円状柱形で長さ約0.5mm、両端は円く、表面に微細な格
子状紋がある。
本州~琉球、朝鮮、中国、シベリア、ジャワ、インド、ヨーロッパ、南アメリカ
に分布する。
中通りにまれに産する。
ミゾハコベ科ミゾハコベ属。水田、溝、湿地などに生育するやわらかい小型の1
年草。茎は円く地にはって分枝し、長さ 3~10cm、節から白いひげ根を下ろす。
葉は対生し、広被針形または狭卵形で、2~3 対の細い側脈があり、鈍頭で毛も鋸
歯もなく、葉柄はごく短いかまたはない。6~8 月、葉腋に淡紅色の小花が 1 個つ
く。花は径1mm ばかりで、花柄は短いかほとんどない。萼片は3 個、卵形で鈍頭、
基部は合着する。花弁は 3 個、楕円形で鈍頭、萼片よりやや長い。雄蕊は 3 個、
雌蕊は1 個、花柱は3 個で短い。果実は扁球形の蒴果で径約2mm。国内では本州
~琉球に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の水田環境の計
15 箇所で生育が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、4 箇所は対象事業実施区域
内、10 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である低地の湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の湿地・水田環境の改変面積は小さく、同
①造成等の施工による一
様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の湿地・水田環境を高架及び盛土構
測 及び供用による影響 造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(昭和57年、平凡社)
*3:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
356(4-5-114)
表 4-5-13(70) 重要な植物の予測結果(ミズマツバ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
草高 5~10cm。茎は分枝して基部から地面をはい、ロゼット状になる。葉は線
形で各節に3~4 枚ずつ輪生する。8~10 月、葉腋に淡紅色の小花をつける。花は
鐘形で径0.8mm、5 裂したがく筒が花冠のようになったものである。一年草。
本州・四国・九州・琉球、朝鮮・中国・フィリピン・インド・中央アジア・アフ
リカに分布する。
低地の水田や休耕田、湿地などにまれに生育する。石川町・西郷村に分布してい
る。
ミソハギ科キカシグサ属。水田や湿地に生育する小さな 1 年草。茎の基部はふ
つう地面をはい、分枝して、高さ約 3~10cm になる。葉は 3~4 個輪生し、線形
~長被針形、長さ 6~10mm、幅 1~2mm。花期は 8~10 月。花は葉腋に単生、
柄はなく、淡紅色。萼筒は鐘形、のちに球形となり、3 角形の5 裂片があり、長さ
約 0.8mm。花弁はない。雄蕊は 2-3 個。蒴果は球形、長さは萼の約 2 倍あり、3
裂する。国内では本州~琉球に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水田環境 1 箇所で生育が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である低地の湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の湿地・水田環境の改変面積は小さく、同
①造成等の施工による一
様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の湿地・水田環境を高架及び盛土構
測 及び供用による影響 造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(昭和57年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
357(4-5-115)
表 4-5-13(71) 重要な植物の予測結果(オグラノフサモ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
分布の北限。県南のごく限られた湖沼にのみ生育。
生育地が局限されている上、水環境の悪化による絶滅の恐れがある。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影
時的な影響
計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
358(4-5-116)
表 4-5-13(72) 重要な植物の予測結果(ホザキノフサモ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
沈水性の水生植物。草長30~150cm。茎の各節に長さ1~3cm の葉が4 枚輪生
する。葉身は羽状に細裂し、各羽片は糸状。6~9 月、茎頂から花柄を伸ばし、水
面に穂状花序を抽出する。花序は長さ3~10cm で上部には雄花、下部には雌花を
つける。花弁はないが、雄花には紅色の花被がある。フサモに似ているが、花序に
気中葉を生じない点が異なる。多年草。
日本全国、北半球の温帯から亜熱帯に広く分布する。
湖沼、ため池、河川に生育する。かつては県内各地に分布していたが、既知産地
の大部分で消滅し、今回の調査では、梁川町で確認されたのみである。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影
時的な影響
計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
359(4-5-117)
表 4-5-13(73) 重要な植物の予測結果(タチモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
沈水または抽水性の水生植物。草長は沈水状態では20~60cm。抽水から陸生状
態では5~15cm。葉はふつう各節に3 輪生するが、まれに2 輪生、または4 輪生
になることもある。葉は羽状に細裂し、各羽片は糸状で長さ1~2cm。気中葉はや
や幅広く厚みがあり、全体短くなる。6~9 月、気中葉の葉腋に各節2~4 個の小さ
な花をつける。雌雄異株。類似のフサモやホザキノフサモは、雌雄同株で、4 輪生
である点が異なる。多年草。
北海道・本州・四国・九州、東アジア・ロシア東部に分布する。
かつては県内各地の湖沼やため池に分布していたが、既知産地の大部分で消滅
し、現在は檜原湖や猪苗代湖周辺に局限化しつつある。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
360(4-5-118)
表 4-5-13(74) 重要な植物の予測結果(ハマボウフウ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
高さ5~40cm の多年草。葉は厚く小葉や裂片は広くて先は円く、鋸歯があり、
長さ2~5cm、幅1~3cm。花は密な複散形花序で、6~7 月に開花する。
北海道から琉球・千島・樺太・アムール・ウスリー・朝鮮・中国に分布する。
浜通りの海浜の砂地に分布する。
セリ科ハマボウフウ属。海岸の砂地に生育する多年草。茎は多毛で、多少枝をわ
け、高さ 5~40cm、まれに 1m にもなる。葉は厚く、小葉や裂片は広くて先は円
く、鋸歯があり、長さ2~5cmm幅は1~3cm。花は密な複散形花序をなし、6~7
月に花を開く。萼歯片は卵形、花弁は白色。果実は広楕円形で、分果は多肉で隆条
は太く、背面に毛があり、油管は細くて数多く、種子を囲む。国内では北海道~琉
球に分布する。栽培もされ、若葉は刺身のつま、若芽は酢の物に用いる。
文献調査*3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の低地の草地環境 1 箇所で生育が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の草地環境及び海岸は、生育適地と考えられ、本種の主な
生育環境である海岸の砂地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境の改変は無く、同様の環境は周
①造成等の施工による一
辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境を通過しない計画である
測 及び供用による影響 ことから、改変は無く、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類」
(昭和57年、平凡社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編
さん委員会)
、
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「亘理町史 上
巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の
会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「仙台湾海浜県自然
環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
361(4-5-119)
表 4-5-13(75) 重要な植物の予測結果(サワゼリ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
高さ60~100cm になる茎が中空の多年草で多くの枝を出す。葉は有柄で、単羽
状複葉か 3 出葉。小葉は細長く狭卵形~披針形、鋸歯があり、側小葉は無柄。花
序はやや小さく総苞片や小総苞片は広線形。花期は7~9 月、花には三角形のがく
歯片がある。
北海道~九州、朝鮮、中国(東北)。温~暖帯の池沼地。
県中の南部、浜通りの池沼や湿地。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌
編集委員会)
362(4-5-120)
表 4-5-13(76) 重要な植物の予測結果(カラタチバナ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
常緑低木で茎は直立して分枝せず、約 20~50cm になる。葉は互生し、披針形
で先は細く尖り、長さは8~18cm、幅1.5~3.5cm、濃緑色で質は厚い。縁に波状
の鋸歯をもち鋸歯の間に腺点をもつ。
葉のわきから小さい葉をもつ長さ3~6cm の
花柄をのばし、その先に散房状に白色の小さい花を下向きに開く、花冠は浅い皿状
で5 深裂し、径7~8mm、裂片は狭卵形でそりかえる。果実は球形で赤く熟す。
本州(新潟県、福島県以西)、四国、九州、琉球の暖地の林内に自生する。
いわき市泉町、及び山田町の 2 か所に自生地がある。同市川部町にもかつて群
生地があったが現在は絶滅している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
363(4-5-121)
表 4-5-13(77) 重要な植物の予測結果(ウミミドリ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
草高10~20cm。葉は長楕円形で、長さ0.5~1.5cm、やや肉質。7~9 月、葉腋
に 1 個ずつ花をつける。花はがく片が 5 裂して、白色~淡紅色となったもので本
来の花弁はない。さく果は球形、径3~4mm。多年草。
北海道・本州北部、アジア、北アメリカに分布する。
海岸の汽水域の湿地にまれに生育する。福島県内では、新地町のみで確認されて
いる。
サクラソウ科ウミミドリ属。北地の海岸の湿地に生育する多年草。高さ 10~
20cm。茎は円く、下部は地をはい、上部は直立する。葉は対生、まれに3 輪生、
肉質で光沢があり、広披針形まれに長楕円形で先は円く、基部はやや狭くなって、
柄はない。葉は長さ6~15mm、幅3~6mm。花期は7 月~8 月、白色または淡紅
色の花をつける。蒴果は径約3~4mm。北海道・本州北部の海岸に分布する。
文献調査*3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、
福島県の低地の水田環境18 箇所で生育が
確認され、そのうち1 箇所は改変区域、3 箇所は対象事業実施区域内、14 箇所は対
象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された海岸は、生育適地と考えられるが、低地の水田環境は、東北地
方太平洋沖地震の津波の影響で一時的に生育地となっていたものと考えられる。本
種の主な生育環境である海岸の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布して
いる。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である海岸の湿地環境の改変は無く、同様の環境は周
①造成等の施工による一
辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である海岸の湿地環境を通過しない計画である
測 及び供用による影響 ことから、改変は無く、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
364(4-5-122)
表 4-5-13(78) 重要な植物の予測結果(ヤナギトラノオ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
多年草で茎は直立し円柱形で高さ 30~50cm になる。葉は対生し、柄はなく、
披針形で長さ4~10cm、幅1.5~2.5cm。全体に黒い腺点がある。葉腋から柄のあ
る短い円筒形の花序を出し多数の小さな黄色の花をつける。
雄しべの長いのが特徴
である。さく果は球形。
北海道や本州中部以北の寒冷地の湿原に分布する。
国外では北半球の寒帯に広く
分布している。
尾瀬、赤井谷地、雄国沼に分布している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、可能な限り高架としていることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
365(4-5-123)
表 4-5-13(79) 重要な植物の予測結果(ヒイラギ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
高さ4~8m になる常緑小高木で、葉は長さ4~7cm の楕円形または倒卵状長楕
円形で先端は刺状に尖り、縁に刺状の鋭い鋸歯が2~5 対ある。老木になると全縁
のものが多い。葉の表面には光沢がある。葉腋に芳香のある白い花を束生する。花
冠は直径約4mmで4深裂し、
裂片はそりかえる。
雌雄異株。
果実は長さ12~15mm
の楕円形で、翌年の6~7 月に黒紫色に熟する。
本州関東以西、四国、九州、琉球、台湾の山地に分布する。
いわき市から浪江町まで海岸線に沿って分布する。
モクセイ科モクセイ属。山地に生育する常緑小高木。高さ4~8m となり、多く
分枝する。若枝は葉柄とともに微細な突起毛がある。葉は楕円形~卵状長楕円形、
厚くてかたく、表面に光沢があり、長さ3~5(~7)cm、幅2~4cm、裏面は淡緑色
または帯黄緑色で、緑色の細点がある。葉はいちじるしい 2 型があり、成木では
全縁であるが、若木では縁に 2~5 対の刺端に終わる大きい歯牙がでる。花は 11
月ごろ葉腋に束生し、白色、香気があり、花冠は4 裂して径約5mm。雌雄異株。
核果は楕円形、翌年の7 月ごろ紫黒色となり、長さ12~15mm。鳥に食べられて
散布する。国内では本州(関東地方以西)・四国・九州・琉球に分布し、庭木として
もよく利用される。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地の森林環境の
計32 箇所で生育が確認され、そのうち3 箇所は対象事業実施区域内、29 箇所は対
象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 木本Ⅱ」
(平成元年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
366(4-5-124)
表 4-5-13(80) 重要な植物の予測結果(ヒメナエ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
草高5~10cm。葉は軟弱。葉は披針形~線形、長さ3~8mm。8~9 月、茎上部
の葉腋に鐘形の花を1 個ずつつける。花は白色で径2.5mm、先が4 裂する。さく
果は球形、径2.5mm。1 年草。
本州・四国・九州・琉球、朝鮮、中国、インド、マレーシア、オーストラリアに
分布する。
低地の湿地に生育する。福島県植物誌(1987)に西郷村、東村に生育していた記録
があるが、その後確認情報がない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の湿地環境の改変面積は小さく、同様の環
①造成等の施工による一
境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の湿地環境を高架及び盛土構造で通
測 及び供用による影響 過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
367(4-5-125)
表 4-5-13(81) 重要な植物の予測結果(アイナエ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
草高5~15cm。全体の2/3 は花茎で葉は2~4 対、下部に集まってつく。葉は卵
形~長卵形で、長さ 5~15mm。下部のものほど小さい。8~9 月、茎頂に散形花
序を形成し、白色小花をつける。花は鐘形で4 裂し、径2.5mm。1 年草。
本州・四国・九州・琉球、朝鮮、中国、インド、東南アジア、オーストラリアに
分布する。
低地の湿地に生育する。福島県植物誌(1987)に白河市、表郷村、会津本郷町に分
布していた記録があるが、その後確認情報がない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の湿地環境の改変面積は小さく、同様の環
①造成等の施工による一
境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の湿地環境を高架及び盛土構造で通
測 及び供用による影響 過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
368(4-5-126)
表 4-5-13(82) 重要な植物の予測結果(コケリンドウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
近年、産地が減少の一途をたどっている。
県内の日向の原野に点々と見られる。開発防止等の対策が待たれる。
日当たりのよい草地に生える高さ3~10cm の小さな2 年草。茎はよく枝分かれ
する。根生葉はロゼット状につき、長さ1~4cm の卵状菱形。茎葉は小さい。枝先
に長さ1~1.5cm の小さな淡青紫色の花をつける。
本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
369(4-5-127)
表 4-5-13(83) 重要な植物の予測結果(ハルリンドウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅(EX)
本県では産地は局限されている。太平洋岸分布の北限の植物である。
本種は当域で絶滅寸前の状態にあり、早急なる保護対策が必要である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
370(4-5-128)
表 4-5-13(84) 重要な植物の予測結果(イヌセンブリ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
茎は基部から分枝し高さ5~30cm、茎葉は倒披針形、先は鈍い。花冠は白色で、
淡紫色の条が入る。全草に苦味がない。
本州~九州、朝鮮、中国に分布する。
各地の山野湿地に散生する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
371(4-5-129)
表 4-5-13(85) 重要な植物の予測結果(ガガブタ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅(EX+EW)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
浮葉性の水生植物。草長0.5~2m。葉は卵円形で、長径5~20cm。7~9 月。水
面に径 1.5cm 前後の花を開く。花冠裂片に長い毛があり、株によって雌しべが雄
しべより長いものと短いものとの 2 型がある。秋に錨のような形をした大きさ 3
~5cm の殖芽を作り越冬する。多年草。
本州~九州、朝鮮、中国、東南アジア、オーストラリア、アフリカに分布。
福島県植物誌(1956、旧版)に「勿来町はじめ県内各地の池沼中に生ず」という記
録があるが、その後確認情報がない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「亘理町史 上巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
372(4-5-130)
表 4-5-13(86) 重要な植物の予測結果(アサザ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
浮葉性の水生植物。横走する地下茎から長い水中茎が伸び、その節から生じる葉
と地下茎から直接長い葉柄を伸ばしてつける葉がある。
葉は広卵形~扁円形で長径
5~15cm、基部が深く切れ込み、葉縁は波状の鋸歯がある。6~9 月、葉腋に径 3
~4cm の黄色い花を開く。花弁は5 裂して、縁に長い毛がある。多年草。
北海道・本州・四国・九州、ユーラシア大陸に広く分布する。
平野部の砂泥質の湖沼を好み、福島県では、猪苗代湖にのみ生育している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
373(4-5-131)
表 4-5-13(87) 重要な植物の予測結果(フナバラソウ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
全体に密に軟毛のある50cm ほどの直立茎に、楕円形の対生葉をつける。上部葉
腋に径1cm 位の厚みのある濃褐紫色の5弁花を多数つける。
北海道から九州まで、山野の向陽の草原にややまれに産する。
各地の日当たりのよい草原でまれに見られる。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
374(4-5-132)
表 4-5-13(88) 重要な植物の予測結果(スズサイコ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
イネ科のような細長い葉と70cm 前後の直立茎で上部葉腋に、径1cm ほどの黄
褐色の花を集散状にまばらにつけ、のち6~7cm の披針形の袋果を垂下する。
北海道から九州、朝鮮、中国に分布。
日当たりのよい各地の草原に散生する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
375(4-5-133)
表 4-5-13(89) 重要な植物の予測結果(ハナムグラ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:未評価(NE)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
茎は横に広がって斜上し長さ30~60cm、4 稜あり、下向きの刺状毛がある。葉
は 4~6 枚で輪生。初夏、枝先と葉腋から花序を出し多数の白花をつける。花冠 4
裂、径2mm、果実は無毛である。
本州(中部、関東地方)の湿性草地に生育、朝鮮、中国(東北部)に分布する。
白河市白坂・南湖、表郷村に記録があるが、その後確認されず現状不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
376(4-5-134)
表 4-5-13(90) 重要な植物の予測結果(スナビキソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
茎は高さ25~30cm、密に圧毛がある。へら形無柄の葉は互生、長さ2.5~6cm、
厚く両面圧毛がある。花は白色で径8mm。果実はコルク質で軽く、海水に浮いて
散布する。
北海道~九州、朝鮮、シベリア、欧州に分布。海岸砂地に生育する。
いわき市江名に記録があるが、その後確認されず現状不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、本来の生育地では
ないと考えられ、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境は対象事業実施区域周
辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境の改変は無く、同様の環境は周
①造成等の施工による一
辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境を通過しない計画である
測 及び供用による影響 ことから、改変は無く、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
377(4-5-135)
表 4-5-13(91) 重要な植物の予測結果(ヤマルリソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
多年草で根出葉はロゼット状に広がり、倒披針形、長さ7~20cm、幅2~5cm。
茎は数本斜上し、開出白毛が多く、高さ 7~20cm、茎上の葉はなかば茎を抱く。
花茎は分枝しない。花は径 1cm、淡青紫色、8~17mm の小花柄がある。分果は
縁が平滑で長さ3mm。
本州の福島県以南、四国、九州の山地の木陰や路傍に分布。日本固有種。
新地町に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年、新地町教育委員会)
378(4-5-136)
表 4-5-13(92) 重要な植物の予測結果(ルリソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
個体数減少の一途をたどっている。
山地の林床に生育している。可憐な風情が人の目につきやすい。開発の面と共に
採取の面の対策も不可欠。
ムラサキ科ルリソウ属。山地の林内に生育する多年草。茎は高さ20~40cm、開
出毛が多く、下部の葉は根出葉よりも大きくなり、長さ 6~12cm、幅 2~4cm。
花序は頂生し、基部で2 分する。花は1~1.5cm の小花柄があり、径1~1.5cm、
濃い藍色またはまれに白色。4~6 月に開く。萼は花後5~8mm に伸びる。分果は
中央がへこみ、縁にかぎ状の刺が並ぶ。国内では北海道・本州中部以北に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の丘陵地の森林環境3 箇所で生育
が確認され、3 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環
境である丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年、新地町教育委員会)
379(4-5-137)
表 4-5-13(93) 重要な植物の予測結果(クマツヅラ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
この植物も当地域では分布が局限されている。
宮城県内では網地島に生育する。路傍などに見られるが、開発や採取から守るた
めの対策が求められる。
クマツヅラ科クマツヅラ属。山野の道ばたに生育する多年草。茎は 4 角で直立
し、高さ30~80cm。葉は羽状に中~深裂し、長さ3~10cm、幅2~5cm、茎とと
もに細毛がある。穂状花序は細長く、30cm にもなる。花は 6~9 月に開き、淡紅
紫色、径約 4mm、花筒は上部ですこし曲がる。分果は長さ約 1.5mm。本州~琉
球に分布する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の草地環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
380(4-5-138)
表 4-5-13(94) 重要な植物の予測結果(ツルカコソウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
宮城県内の分布域が限られており、個体数も少ない。
阿武隈山地北端部にごく稀に生育。園芸用に乱掘される恐れ有り。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
381(4-5-139)
表 4-5-13(95) 重要な植物の予測結果(キセワタ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
多年草で、茎は方形で直立し高さ60~100cm になる。葉身は卵形で先は鋭頭、
基部は広いくさび形で、縁にあらい鋸歯がある。長さ5~9cm、幅3~7cm。上部
の葉腋に白紅紫色花を輪生する。花冠は唇形で長さ 25~30mm。分果は倒卵状く
さび形。
北海道~九州の山地の草地に分布する。国外では中国に分布する。
梁川町、いわき市、須賀川市、常葉町、滝根町に分布している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
382(4-5-140)
表 4-5-13(96) 重要な植物の予測結果(ヒメサルダヒコ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
茎は根元から分枝し10~40cm になる。葉は菱状狭卵形、3~4cm、幅1~2cm。
花は葉腋に群生、白色で径3mm。
北海道~九州、朝鮮、中国に分布。湿地に生育する。
いわき市平・小川町に記録があるが、その後確認されず現状不明である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
383(4-5-141)
表 4-5-13(97) 重要な植物の予測結果(ヒメハッカ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
多年草で細長い地下茎を引き、
茎は直立して高さ20~40cm。
葉は卵状長楕円形、
長さ 1~2cm。全縁。花は枝先に集まってつき、淡紅紫色、長さ約 3.5mm、がく
は長さ2.5mm、鈍角三角形の5 歯がある。
北海道、本州の湿地に分布する。
相馬市松川浦、鹿島町、羽鳥湖岸、郡山市(逢瀬町、御霊櫃峠、三穂田町)に生育
する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
384(4-5-142)
表 4-5-13(98) 重要な植物の予測結果(ケナツノタムラソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
茎の高さ25~30cm。葉の羽片がやや円くなる。葉柄基部に開出毛がある。花は、
淡青紫色。
本州中部以北の深山に分布する。
山の半日陰にはえる多年草。西郷村、棚倉町、田島町、桧枝岐、尾瀬に分布する。
シソ科アキギリ属。山の半日陰に生育する多年草。ナツノタムラソウの変種で別
名ミヤマタムラソウ。茎は高さ25~50cm になる。花期は6~8 月。花が淡青紫色
で、
葉の羽片がやや円くなる傾向があり、
国内では本州中部以北の深山に分布する。
*3
文献調査 によると、山地の森林環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地の森林環境の
計23 箇所で生育が確認され、23 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
385(4-5-143)
表 4-5-13(99) 重要な植物の予測結果(ミゾコウジュ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:未評価(NE)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
長柄の根生葉がロゼット状になる。茎は30~70cm、四角で下向毛がある。茎葉
は短柄あり、長楕円形で分裂しない。脈が凹入して葉面はしわになる。花は淡紫色
で長さ5mm。
本州~琉球、東アジア、マレーシア、インド、オーストラリアに分布。湿性草地
に生育する。
「福島県植物誌」
では目録から除外され不明。
「北本州高等植物チェックリスト」
では関東北部の存在が記載されているが、その後確認されず現状不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水田環境
①造成等の施工による一
の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
386(4-5-144)
表 4-5-13(100) 重要な植物の予測結果(タツナミソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
和名は立浪草で、紫色の花を穂状につける姿を、打ち寄せる波頭に見立てた名で
ある。野や丘の林のふちや芝草地などに生える多年草。
花期は5~6 月、生育地は丘陵・野原で、本州・四国・九州に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布して
いる。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地の森林・草地環境の改変面積は小さく、
①造成等の施工による一
同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地の森林・草地環境を高架・盛土・
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(平成 12 年、山と渓谷社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
387(4-5-145)
表 4-5-13(101) 重要な植物の予測結果(イガタツナミソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
分布の北限。宮城県内の分布が県南部に限られており、生育地が減少している。
宮城県南部の水田と接するコナラ林縁や道路沿いの草地にまれに生育。
シソ科タツナミソウ属。丘陵地の林内に生育する多年草。茎は直立し、高さ 20
~40cm で、開出する長い白毛が多い。葉は広卵形~卵心形で1~2.5cm の葉柄が
あり、先端は鈍く、基部は浅心形、縁の鋸歯は先が円く、長さ 1.2~2.5cm、両面
にまばらに開出毛があり、ときに裏面が紫色を帯びる。花期は 6 月。花序はまば
らに一方向に偏って花をつけ、萼は長さ約3mm、花冠は淡紫色で長さ約2cm、基
部で約90°に曲がって立ちあがる。本州(福島県以西)、四国に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の草地・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地の森林環境の
計14 箇所で生育が確認され、
、そのうち1 箇所は改変区域、1 箇所は対象事業実施
区域内、12 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の森林・草地・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に
広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地の森林・草地環境の改変面積は小さく、
①造成等の施工による一
同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地の森林・草地環境を高架・盛土・
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
388(4-5-146)
表 4-5-13(102) 重要な植物の予測結果(ナミキソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
茎四角、分枝し有毛、高さ10~40cm、長楕円の葉は先がまるく短柄がある。花
は上部葉腋に1 花ずつつく。長さ2~2.2cm、青紫色、基部で折れほぼ直立する。
北海道~九州、朝鮮、中国(東北部)
、千島、樺太に分布。海岸砂地に生育する。
相馬市松川浦に記録があるが、その後確認されず現状不明である。
シソ科タツナミソウ属。海岸の砂地に生育する多年草。茎は 4 角で分枝し、毛
があり、高さ10~40cm、地下に細長い走出枝がある。葉は長楕円形で先は円く、
短い柄があり、長さ1.5~3.5cm、幅1~1.5cm、やや厚く、両面にいくらか毛があ
って、縁には低い鈍鋸歯がある。花は6~9 月、上部の葉腋に1 ずつつき、長さ2
~2.2cm で、青紫色、基部で折れ曲がってほぼ直立する。萼は花時に長さ3mm、
果時では5mm 内外となり、分果は長さ約1.8mm で半円形、円い小突起がある。
国内では北海道~九州に分布する。和名は波来草で、海岸にはえるのでいう。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の草地環境 1 箇所で生育が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の草地環境は、東北地方太平洋沖地震の津波の影響で一時
的に生育地となっていたものと考えられ、本種の主な生育環境である海岸の砂地環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境の改変は無く、同様の環境は周
①造成等の施工による一
辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である海岸の砂地環境を通過しない計画である
測 及び供用による影響 ことから、改変は無く、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
389(4-5-147)
表 4-5-13(103) 重要な植物の予測結果(アオホオズキ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
山地のやや湿り気のある木陰に生え、高さ30~60cm。葉は長さ5~15mm の柄
があり、長楕円形~卵状長楕円形で長さ 5~12cm。花は葉腋に下向きにつく。花
冠は淡緑色、広鐘形で直径約 1.5cm、先は浅く 5 裂する。萼は花のあと先の開い
た壷形となり、液果を包む。液果は楕円形で淡緑色、長さ1~1.3cm。
本州、四国に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
390(4-5-148)
表 4-5-13(104) 重要な植物の予測結果(ヤマホロシ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
地上茎はつる性。まばらに枝分れし無毛。葉は三角状卵形、先は細く伸び尖り、
基部は円~切形。茎の半ばから集散花序を出す。小花柄はがくの下で太くなる特徴
がある。花は淡紫色、茎の下部の葉は大きく3~5 裂する。
北海道~九州に分布する。国外では朝鮮、中国(中北、東北)に分布する。
県内各地の山地林縁に生えるが、散生し個体数が少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
391(4-5-149)
表 4-5-13(105) 重要な植物の予測結果(マルバノサワトウガラシ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:未評価(NE)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
湿地生の植物。草高5~20cm。葉は卵円形、長さ0.5~1cm。8~10 月、茎上部
の葉腋に唇形の花をつける。花は紅紫色で、長さ約4mm。サワトウガラシに似て
いるが、サワトウガラシは葉が線状披針形で花がやや大きいことで区別される。
本州・四国・九州、朝鮮に分布する。
湿地や水田に生育する。福島県植物誌(1987)に郡山市や猪苗代町に分布していた
記録があるが、その後確認情報がない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
392(4-5-150)
表 4-5-13(106) 重要な植物の予測結果(スズメノトウガラシ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
湿地性の植物。茎が根元から分枝し、斜上して、草高5~20cm となる。葉は倒
披針形で、長さ1~3cm。8~10 月、上部の葉腋に唇形の花をつける。花は淡紅色、
長さ 7~9mm。アゼトウガラシに似ているが、葉縁の鋸歯がより多く、下側の 2
本の雄しべは葯が退化して小突起となっている点が異なる。
本州・四国・九州・琉球、東南アジアに分布する。
主に水田や休耕田にまれに生育する。今回の調査では、西郷村の休耕田で確認さ
れた。かつて、郡山市でも確認されているが、その現状は不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
393(4-5-151)
表 4-5-13(107) 重要な植物の予測結果(ケヤマウツボ)
項目
選定基準
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
宮城県:要注目種
北限、個体数激減。
やや湿り気のある落葉樹林内に生える多年草。根茎は枝分かれして地中をはい、
高さ 10~30cm の太い花茎を直立し、穂のような総状花序をつける。花は白色で
わずかに紅紫色を帯び、短い柄をもち、基部に膜質、狭卵形で先のとがる小さな苞
葉をもつ。花冠は筒状で長さ1.2cm、先は唇形となる。和名の靫は花穂の形を矢を
入れる靫に見立てたもの。
関東地方以西の本州や四国、九州に分布する。
(※ヤマウツボの記載)
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
394(4-5-152)
表 4-5-13(108) 重要な植物の予測結果(ヒナノウスツボ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:情報不足(DD)
草丈40~100cm で軟かく無毛。四稜あり。葉は対生、柄に翼あり。葉身は卵状
長楕円形、鋭い重鋸歯縁があり、長さ6~11cm、幅3~5cm。茎の先に円錐花序を
出し、細長い花柄に腺毛を散生し、まばらに開花する。花は暗赤紫色。
本州、四国、九州に分布する。
いわき市と小野町の山中林内に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
395(4-5-153)
表 4-5-13(109) 重要な植物の予測結果(クワガタソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
木陰に生える多年草。高さ 15~30cm になる。葉は対生し、上部のものは大き
く、長さ1~5cm の卵形で先はややとがり、基部はくさび形で長さ0.5~2cm の柄
となる。上部の葉腋から花序をだし、1~5 個の花をつける。花冠は淡紅紫色で紅
紫色の条があり、皿状に広く開き、直径8~13mm。萼裂片は狭倒披針形でややと
がり、ふちに毛を散生する。蒴果は扁平な三角状扇形。
本州の太平洋側に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
396(4-5-154)
表 4-5-13(110) 重要な植物の予測結果(ムシクサ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
草丈20cm 以下、分枝する茎に下部は対生、上部は互生する広線形の葉をつけ、
径2mm の白色帯紅の花を葉腋につける。
本県を北限とし、西南日本の各地路傍に分布する。国外ではアジア、アメリカ、
オーストラリアに分布する。
郡山市田村町と福島市矢野目に分布する。
ゴマノハグサ科クワガタソウ属。田や畑のやや湿ったところに生育する一年草。
茎はまばらに分枝して斜上し、高さ 10~20cm になり、毛がないかまたは腺毛が
散生する。葉は茎の下部は対生、上部では互生し、広線形または狭披針形で、全縁
か不明瞭な少数の鋸歯があり、長さ 8~25mm、幅 2~5mm。花柄はごく短い。
花は4~5 月。萼裂片は広線形で先は鈍い。花冠は白色で淡紅色を帯び、径2mm。
蒴果は扁球形で先はややへこみ、長さ2~3mm、幅3~4mm。国内では北海道を
除く日本全土に分布する。
文献調査*3 によると、低地の水田・耕作地環境で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の草地環境 1 箇所で生育が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の草地・水田・耕作地環境は、生育適地と考えられ、本種
の主な生育環境である低地の湿地・水田・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の湿地・水田・耕作地環境の改変面積は小
①造成等の施工による一
さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の湿地・水田・耕作地環境を高架及
測 及び供用による影響 び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
①鉄道施設(地表式又は掘 広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
397(4-5-155)
表 4-5-13(111) 重要な植物の予測結果(イヌノフグリ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
日当たりのよい草地や畑に生育する越年草。茎は10~20cm、毛が散生し、分枝
して地面に広がる。葉は卵形、茎の下部では対生し、上部では互生する。茎の上部
の葉腋に1 花をつける。花冠は淡紅色で、紅紫色の条があり径4~5mm。
本州、四国、九州、沖縄。国外では東アジアの温帯~暖帯に分布する。
いわき市四倉町、三和町、郡山市、白河市、会津若松市に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境の改変面積
①造成等の施工による一
は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年、新地町教育委員会)
398(4-5-156)
表 4-5-13(112) 重要な植物の予測結果(ハグロソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
多年草。茎にまばらに分枝し、20~50cm になる。葉は葉柄をもち、対生して披
針形で全縁である。茎の上部または枝先に淡紅色の花を開く。花の下には 2 枚の
大きな包葉があり、その中に2~3 個の花があるが普通は1個だけが発育する。花
冠は筒部が細くて長く、先が急に広がって上下2唇に分かれる。果実は 1cm ぐら
いで包葉の間に隠れている。
本州(東北南部以西)、四国、九州の山地に分布する。国外では朝鮮、中国、台湾
に分布する。
いわき市川部町に少数生育する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
399(4-5-157)
表 4-5-13(113) 重要な植物の予測結果(ナンバンギセル)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
1 年生の寄生植物で、茎は短く地上に出ず、赤褐色の鱗片状の葉を数枚つける。
葉のわきから 15~20cm の花柄を伸ばし、その先に淡紅紫色の花を横向きにつけ
る。がくは先が尖る。花冠は肉質で筒状形、裂片は全縁である。さく果は卵球形。
北海道~琉球の山野のススキ原に分布する。国外では中国の中南部や台湾、イン
ドシナ、マレーシア、インドに分布している。
県内では飯舘村やいわき市、郡山市に分布している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
400(4-5-158)
表 4-5-13(114) 重要な植物の予測結果(タヌキモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
浮遊性の水生植物。草長 30~100cm。根が無く、沈水状態で浮遊している。糸
状に細裂した葉を各節に2 枚ずつ互生し、葉の付け根に長径1~3mm の捕虫嚢を
つける。7~9 月、長さ10~20cm の花茎を水上に抽出し、仮面状の花を数個つけ
る。花は黄色で、径1~1.5cm。イヌタヌキモに似るが、花茎に気道を生じ、殖芽
が球形である点で異なる。多年草。
北海道・本州、樺太、中国に分布する。
会津若松市・河東町・猪苗代町周辺の自然度の高い池沼や溝に生育している。他
の地域ではほとんどがイヌタヌキモである。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
401(4-5-159)
表 4-5-13(115) 重要な植物の予測結果(ミミカキグサ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
茎が糸状で泥中を横走し、各節から 1 枚ずつ地上葉を出す。葉は線形で長さ 5
~15mm。7~10 月、高さ 5~15cm の花茎を直立させ、大きさ 3~4mm の黄色
い仮面状の花を1~3 個つける。距は下向き。泥中の枝に径0.5~1mm の捕虫嚢を
まばらにつける。多年草。
本州・四国・九州・琉球、中国・インド・マレーシア・オーストラリアに分布す
る。
日当たりの良い貧栄養の湿地やため池の縁に生育している。
かつては福島県内各
地に分布していたが、既知産地の大半で消滅し、今回の調査では喜多方市、表郷村、
原町市で確認されただけである。
タヌキモ科タヌキモ属。湿地などに生育する多年草。湿地性ではあるが、泥、ミ
ズゴケ、砂などいろいろなものの上に生育することができるので、水位の変化する
溜池の縁にも多く生育し、
水位が下がったときには水面上1m をこえるような所に
見かけることもまれではない。横にはう地中軸の所々より長さ6~8mm で線形の
地上葉を出す。捕虫嚢は地下部につくが、ときに地上葉にもつく。8~10 月に高さ
5~15cm の花軸を出し、黄色で長さ3.5mm 位の花を2~7 個つける。距は後方斜
め下を向く。明らかな花柄がある。花後、花柄は3~7mm に伸びて開出し、宿存
萼も長さ5mm 位に伸び広がり、耳掻きのようになる。蒴果は長さ3.5mm 位で宿
存萼に包まれる。国内では本州~琉球に分布する。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の湿地環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環
境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
402(4-5-160)
表 4-5-13(116) 重要な植物の予測結果(ホザキノミミカキグサ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
茎が糸状で泥中を横走し、各節から1~4 枚ずつ地上葉を出す。葉は倒披針形で
長さ 4~10mm。7~10 月、高さ 10~30cm の花茎を直立させ、大きさ 4~5mm
の淡紫色の花を数個つける。花は仮面状で長い距を前方に突き出す。泥中の枝に径
0.5~1mm の捕虫嚢をつける。多年草。
北海道・本州・四国・九州・琉球、朝鮮・中国・インドに分布する。
日当たりの良い貧栄養湿地に生育している。
かつては福島県内各地に分布してい
たが、
既知産地の大部分で消滅し、
今回の調査では原町市で確認されたにすぎない。
タヌキモ科タヌキモ属。湿地に生育する多年草。しばしばミズゴケの上やミカヅ
キサ属などの植物の根際にはえる。比較的通気のよい状態を好むようで、水面から
10cm 位高い所でもよく育つ。地中を横にはう白い軸の所々に長さ 2~3.5mm の
へら形の地上葉が集まってつく。捕虫嚢は少なく、主として仮根につく。日本産の
ミミカキグサ類ではもっとも大きく、花軸は高さ 10~30cm。6~9 月に、ほとん
ど無柄で、淡紫色、長さ約 4mm の花を 4~10 個つける。距は前方に突き出す。
蒴果は長さ 2.5~3mm で果時にも残っている萼とほぼ同長。北海道~九州に分布
する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の湿地環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌
編集委員会)
403(4-5-161)
表 4-5-13(117) 重要な植物の予測結果(ヒメタヌキモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
沈水性または浮遊性の水生植物。茎は太さ0.5mm 前後、長さ10~30cm。根が
無く、泥生枝をだして固着する。水中葉は長さ1~2cm、細裂している。泥生枝に
つく葉は白色で痕跡的である。葉裂片の付け根に1mm 前後の捕虫嚢をつける。8
~9 月、ごくまれに気中に花茎を直立させて、仮面状の花を数個つける。花は淡黄
色で、大きさは1cm 前後。多年草。
北海道・本州・四国・九州、北半球の温帯~亜寒帯に広く分布する。
貧栄養の湖沼・ため池、湿原内の水路や池塘に生育している。かつて県内全域に
ややまれに分布していたが、既知産地の大半で消滅し、尾瀬、赤井谷地、裏磐梯周
辺に分布が局限化しつつある。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
404(4-5-162)
表 4-5-13(118) 重要な植物の予測結果(イヌタヌキモ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
湖沼、ため池、水田などに生える多年性の浮遊植物。タヌキモ(U. vulgaris var.
japonica)に似るが、花茎の断面は中実。殖芽は長楕円形で暗褐色、長さ4~10mm。
本州~九州に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 植物Ⅰ(維管束植物)
」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮
城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
405(4-5-163)
表 4-5-13(119) 重要な植物の予測結果(ムラサキミミカキグサ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
茎が糸状で泥中を横走し、各節から1枚ずつ地上葉を出す。葉はへら形で長さ
10~20mm。7~10 月、高さ5~15cm の花茎を直立させ、大きさ3mm 前後の青
紫色~白色の花を数個着ける。花は仮面状で下向き。泥中の枝に径 0.5~1mm の
補虫嚢をまばらにつける。
北海道・本州・四国・九州、南アジア、オーストラリア、ニューカレドニアに分
布する。
陽当りの良い貧栄養湿地に生育する。県内各地の山間部にみられるが、中通りや
浜通り地方では、近年自生地の数が減少している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
406(4-5-164)
表 4-5-13(120) 重要な植物の予測結果(ケナシエゾオオバコ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
多年草で全体に白毛が密生する。葉は根茎に束生し、葉身は長楕円形または倒長
卵形で先は尖り、基部は次第に細くなり短い葉柄となる。長さ 5~11cm、幅 2~
4cm、ふちには小数の歯牙がある。花茎は数本立ちあがり、先に3~10cm の花穂
をつくり、3mm ほどの白花を密につける。雄しべは花冠より長くつき出す。さく
果は狭卵形。
北海道や本州、四国のおもに日本海側の海岸の砂地や岩場に生育する。国外では
朝鮮やオホーツク沿岸、樺太、千島に分布する。
相馬市の松川浦や新地町、鹿島町、原町市の海岸に分布している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境及び海岸の砂地環境は対象
事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年、新地町教育委員会)
407(4-5-165)
表 4-5-13(121) 重要な植物の予測結果(レンプクソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
軟弱な小型の早春植物。生育環境が限られ、環境の変化に弱い。
丘陵地帯のやや湿った林地に生育するが、産地はごく少ない。
昔、
この草の地下茎がフクジュソウにつながっているのを見た人がつけたものと
いう。別名(ゴリンバナ)は花が5 個集まってつくことによる。
林内に生える高さ8~17cm の多年草。白色の細長い地下茎をのばし、先端に小
さな球茎をつくってふえる。根生葉は 2 回 3 出複葉で長い柄があり、小葉は羽状
に中裂する。茎葉は小さく、1 対が対生する。花は黄緑色で直径 4~6mm。果実
は核果。
北海道、近畿地方以北の本州に分布する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の森林環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報
告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
408(4-5-166)
表 4-5-13(122) 重要な植物の予測結果(カノコソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
茎は太く直立し高さ40~80cm、地下茎を出し、太い根を多生する。茎節に白長
毛を出す。下の葉は羽状全裂する。集散花序に淡紅色の花を多くつける。径3mm
の花の筒部片側が少し、ふくれる。おしべは3 本で花冠より突き出る。
北海道~九州に分布する。国外では朝鮮、中国、樺太に分布し山地の湿性草地に
生育する。
甲子山系の大白森山、旭岳に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
409(4-5-167)
表 4-5-13(123) 重要な植物の予測結果(キキョウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
個体数激減。園芸品として採掘。秋の七草。
宮城県内各地に生育するが、環境変化や採掘などの影響で産地、個体数ともに激
減。野生のものはごく稀。
キキョウ科キキョウ属。山野の草地に生育する多年草。
、太い根茎は深く地中に
入り、茎は高さ50~100cm、ときに上方が分枝する。葉は狭卵形で長さ4~7cm、
先はとがり、無柄かまたはごく短い柄があり、縁に鋭鋸歯がある。表面は無毛、裏
面は短毛があって粉白色を帯びる。花は 7~8 月、茎頂近くに数個つき、花冠は 4
~5cm、柄があり、青紫色であるが、淡紫色や白色のものもある。国内では北海道
~九州・奄美(諸島)に分布する。観賞用としても栽培され、園芸品種もある。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の草地環境7 箇所で生育が確認さ
れ、そのうち改変区域1 箇所、対象事業実施区域内1 箇所、対象事業実施区域外5
箇所であった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境8 箇所で生育
が確認され、そのうち2 箇所は対象事業実施区域内、6 箇所は対象事業実施区域外
であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調
査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山
元町歴史民俗資料館)
、
「亘理町史 上巻」
(昭和50 年、
亘理町史編纂委員会編)
、
「宮城県植物目録2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
410(4-5-168)
表 4-5-13(124) 重要な植物の予測結果(リュウノウギク)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
産地局限。
日当たりのよい崖地に生育、丸森町内に産地がある。生育地、個体数とも少ない。
茎や葉に竜脳のような香りの揮発性の油が含まれていることによる。竜脳は、ボ
ルネオやスマトラ原産のリュウノウジュからとれる香料で、樟脳の香りに似てい
る。リュウノウギクの葉をすりつぶし、ショウガをまぜたものは肩こりや腰痛に効
くという。
日当たりのよい丘陵や山地に生える高さ40~80cm の多年草。石灰岩地に多い。
茎は細く、毛が密生する。葉は長さ4~8cm の卵形~広卵形で、ふつう3 中裂し、
ふちには大きな鋸歯がある。基部はくさび形。裏面は丁字状毛が密生して灰白色。
頭花は直径2.5~5cm。舌状花は白色、ときに淡紅色を帯びる。総苞は長さ約7mm
の半球形。総苞弁は3 列に並び、すべてほぼ同じ長さ。
福島県・新潟県以西の本州、四国、九州(宮崎県)に分布する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の森林環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*3:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山
元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、
山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13
年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
411(4-5-169)
表 4-5-13(125) 重要な植物の予測結果(モリアザミ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
山地の草原に生え、茎は直立し、高さ0.5~1m になる。根生葉は花時にはない。
茎葉は長さ15~20cm の長楕円形で、しばしば羽状に切れ込む。頭花は直径3.5~
4cm、枝先に直立して咲く。根は太く直径約 1cm。栽培され、ヤマゴボウの名で
みそ漬けなどの土産物になっている。
本州、四国、九州に分布する。
文献調査*2 によると、山元町内で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された環境は不明だが、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の
草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
412(4-5-170)
表 4-5-13(126) 重要な植物の予測結果(アズマギク)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
生育環境の減少。個体数激減。
日当たりのよい草原に群生するが、
草原の減少や管理放棄により各地域で群生地
や個体数の減少が著しい。
乾いた山地草原などに生える多年草。根生葉は長さ5~8cm、幅1~2cm のへら
形。花茎につく葉は狭長楕円形。根生葉の間から高さ 20~30cm の花茎がのび、
先端に3~4cm の頭花を1 個つける。総苞は半球形で長さ8mm ほど。
中部地方以北の本州に分布する。
文献調査*3 によると、低地の草地環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の草地環境及び海岸は、生育適地と考えられ、本種の主な
生育環境である丘陵地及び低地の草地環境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
413(4-5-171)
表 4-5-13(127) 重要な植物の予測結果(フジバカマ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:希少(D)
草丈 1~1.5mになり、葉は三深裂、葉柄短く葉裏に腺点がない。総苞は長さ 7
~8mm である。近縁のヒヨドリバナとは、葉裏・そう果に腺点があること、茎に
短毛があること、総苞長5~6mm であることで区別する。
本州(関東地方以西)~九州の草原に分布する。国外では朝鮮、中国に分布する。
奈良時代伝来し帰化したと考えられている。
田村町、喜多方市、会津若松市、会津坂下町、福島市飯坂町、原町市、玉川村に
分布する。浜通りに多生する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の河川環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川環境を高架構造で
測 及び供用による影響 通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
414(4-5-172)
表 4-5-13(128) 重要な植物の予測結果(コウヤボウキ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
分布の北限。県内の産地は局限。
牡鹿半島に 1 か所、雄勝半島に 2 か所小さな群生地あり。伐採や遷移の影響で
減少傾向がみられる。
山地の日当たりのよいやや乾いたところに生える小低木。よく枝分かれし、高さ
0.6~1m になる。茎や葉に短毛がある。葉は2 型ある。1 年めの枝には卵形の葉が
互生し、2 年めの枝にはやや細い葉が3~5 個ずつ束生する。頭花は1 年めの枝の
先につき、長さ1.5mm ほどの白い筒状花13 個ほどからなる。花冠の先は5 つに
切れ込み、そり返る。総苞の外片は小さく、内片は長い。そう果は長さ約5.5mm
で、毛が密生する。
関東地方以西の本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、低地の草地環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の草地環境及び海岸は、生育適地と考えられ、本種の主な
生育環境である丘陵地及び低地の草地環境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・湿地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4版)
」
(平成15年、山と渓谷社)
*3:
「第 3 回自然環境保全基礎調査植生調査報告書」
(昭和 63 年、宮城県)
415(4-5-173)
表 4-5-13(129) 重要な植物の予測結果(オオニガナ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
多年草で、花は黄白色で、総苞は太く長さ12~14mm。小花は26~39 個つく。
茎は高さ60~90cm、葉は有翼の長柄があり、頭大羽状中裂または深裂する。
本州(近畿以北)の山中湿地に分布する。
会津坂下町、北塩原村、会津若松市(赤井谷地)、猪苗代町、金山町、喜多方市(大
沼)、尾瀬ヶ原、いわき市(四倉、三和)、飯舘村、岩瀬村、小野町、小高町、梁川町、
郡山市(多田野)に分布する。
キク科フクオウソウ属。山中の湿地にまれに生育する多年草。花は 9~10 月に
咲き、黄白色で、総苞は太く、長さ 12~14mm、内片は 12~13 個、外片は 2 列
で披針形をなし、鈍頭、長さ 3.5~7mm。小花は 26~39 個つく。茎は高さ 60~
90cm、葉は有翼の長柄があり、頭大羽状中裂または深裂する。国内では本州(近畿
以北)に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の湿地環境2 箇所で生育
が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類」
(昭和 56 年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成
20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙
台工事事務所)
416(4-5-174)
表 4-5-13(130) 重要な植物の予測結果(オナモミ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
道ばたなどに生える1 年草で、茎は高さ20~100cm、短毛がある。葉は互生し、
3.5~10cm の長柄があり、葉身は卵状三角形で、心形、長さ6~10cm、3~5 浅裂
し、両面に剛毛があってざらつく。筒状花は白色。花期は 8~10 月。成熟した雌
総苞は、かぎ状の刺や嘴を含めて、長さ9~18mm、幅6~12mm。誤ってオオオ
ナモミ(X. occidentale)の写真が掲載されている図鑑がしばしば見られる。
北海道~琉球に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の耕作地環境で確認された。また、平成24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の耕作地環境は、生育適地と考えられ、本種の
主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に
広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境の改変面積
①造成等の施工による一
は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 植物Ⅰ(維管束植物)
」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
417(4-5-175)
表 4-5-13(131) 重要な植物の予測結果(サジオモダカ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
抽水性の水生植物。草高40~80cm。葉は根生し、楕円形~長楕円形で長さ5~
15cm。長い葉柄がある。6~8 月、多分枝した大形の花茎を直立させ、白色の小さ
な花を多数咲かせる。花弁は3 枚で卵円形。多年草。
北海道、本州(中部以北)、アジア北東部。
湖沼や河川のふち、まれに休耕田にも生育している。本県では、猪苗代湖周辺、
会津坂下町、玉川村、鹿島町などに分布している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
418(4-5-176)
表 4-5-13(132) 重要な植物の予測結果(アギナシ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
抽水性~湿地性の水生植物。草高30~60cm。葉は根生し、成葉は矢じり形、長
さ 10~30cm。7~9 月、花茎を直立させて総状花序をなし、下部に雌花、上部に
雄花をつける。花弁は3 枚、広卵円形で白色。径8~10mm。葉柄基部の内側に小
さな球芽を多数つけること、
葉の側裂片が頂裂片より短いことなどの点でオモダカ
と区別される。多年草。
北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布する。
湖沼・ため池のふち、山間部の日あたりの良い湿地、休耕田などに生育している。
県内に広く分布しているが、各地で衰退が著しい。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
419(4-5-177)
表 4-5-13(133) 重要な植物の予測結果(ウリカワ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
沈水~抽水性の水生植物。草高 10~20cm。葉は線形で長さ 5~15cm。厚みが
あって、根生する。8~10 月、根元から花茎を直立させ、花序の下部に雌花、上部
に雄花をつける。花弁は3 枚あり、白色で卵円形、長さ1cm 前後。花序のない個
体はオモダカの初生葉に酷似し、しばしば誤認される。多年草。
日本全域、東アジアの温帯から亜熱帯に広く分布する。
おもに、水田や休耕田に生育する。本県ではいわき市にのみ分布が知られていた
が、既知産地の大部分で消滅している。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の水田環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の水田環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の水田環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の水田環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「山
元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和
48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編
集委員会)
420(4-5-178)
表 4-5-13(134) 重要な植物の予測結果(スブタ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
沈水~抽水性の水生植物。草高 10~15cm。茎は極めて短く、葉は線形で長さ
10~15cm。根生状。8~10 月、がく筒を水面に伸ばし、繊細で小さな白色の花を
開く。種子は紡錘形で、両端に尾状突起が発達するが、その長さは1~4mm まで
変異がある。尾状突起の全く発達していないものはマルミスブタ(B.audertiii L. C.
Rich)として区別される。一年草。
本州・四国・九州、琉球・東アジア、東南アジア、オーストラリアに分布する。
主に水田や休耕田に生育する。本県では、いわき市の山間部でのみ確認されてい
るが、減少が著しい。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の水田環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の水田環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
421(4-5-179)
表 4-5-13(135) 重要な植物の予測結果(ヤナギスブタ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
水田や溝の水中に生える 1 年草。細い茎に紫褐色の葉が多数互生する。葉は線
形で長さ3~5cm、幅1.5~2mm。花は両性で、萼片と花弁は3 個。雄しべと花柱
も3 個ある。
本州、四国、九州、沖縄に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の水田環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の水田環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
422(4-5-180)
表 4-5-13(136) 重要な植物の予測結果(トチカガミ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
浮葉性の水生植物。茎が水中を横にはい、各節から根と葉が出る。葉は円心形で
径3~6cm。裏面には気胞があって、葉が水に浮きやすくなっている。8~10 月、
葉腋から細長い花柄を伸ばして、白色の花をつける。花は単性。花弁は 3 枚で円
形、径1~1.5cm。多年草。
本州・四国・九州・琉球、東南アジア・オーストラリアの温帯から熱帯に広く分
布する。
ため池や溝に生育する。かつては県内各地に分布していたが、既知産地の大部分
で消滅し、今回の調査では会津若松市で確認されただけである。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「亘理町史 上巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
423(4-5-181)
表 4-5-13(137) 重要な植物の予測結果(ミズオオバコ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
トチカガミ科ミズオオバコ属の水田や溝に生育する1 年草。横にはう茎がない。
葉は根生し、沈水生で葉柄があり、葉身は披針形で縁に波形のしわがある。水深に
よって葉の大きさが異なり、長さ10-30cm、幅2-15cm になる。花期は8-10 月で、
両性花をつける。苞鞘の柄は長く伸びて水面に達する。花は両性花で、苞鞘の中か
らただ1 つ出る。萼片は3 個で線形。花弁は3 個で円形、長さ15-25mm、淡紅色。
雄蕊は3 個で葯は内向し、花糸より短い。花柱は6 個、子房は3-6 室にわかれる。
種子は多数あり、楕円形。国内では本州~九州の温帯、暖帯に分布する。葉の形が
オオバコに似ていて水中にはえるのでこの名がある。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、低地の池沼環境 6 箇所で生育が確
認され、6 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路1 箇所で生育が確認
され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境及び水路は、生育適地と考え
られ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境及び水路は対象
事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境及び水路の改
①造成等の施工による一
変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境及び水
測 及び供用による影響 路を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「亘理町
史 上巻」
(昭和 50 年、亘理町史編纂委員会編)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城
植物の会)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
424(4-5-182)
表 4-5-13(138) 重要な植物の予測結果(コウガイモ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
宮城県内の分布域がごく限られている。
県内の少数の沼に生育。
淡水中に生育する多年草。
暖帯(本州・中国(中部))に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、河岸・池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影
時的な影響
計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10年、保育社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
425(4-5-183)
表 4-5-13(139) 重要な植物の予測結果(ホソバミズヒキモ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
宮城県内での分布域は限られている。
県内では限られた湖沼に生育。小溜池などでは水位が不安定な上、水質汚染など
による激減・絶滅が危惧される。
池の中に普通に生える多年草。
温帯、暖帯(北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・ウスリー・中国・台湾・
マレーシア・インド)に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、低地の池沼・水田環境の計2 箇所で生育
が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県
植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
426(4-5-184)
表 4-5-13(140) 重要な植物の予測結果(ツツイトモ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
県内での分布域はごく限られている。
県内の生育確認地は 2 地域のみで、うち 1 地域はその後見られなくなり、絶滅
したもようである。
イトモに似て、托葉が2 側で合生して筒となる。稀に本州・四国にあり。欧州・
北米にも分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、河岸・池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影
時的な影響
計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10年、保育社)
*3:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
427(4-5-185)
表 4-5-13(141) 重要な植物の予測結果(リュウノヒゲモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅(EX+EW)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
沈水性の水生植物。草長20~100cm。葉は狭線形で、長さ5~10cm。6~9 月、
水面に長い花柄を伸ばし、長さ1~2cm の穂状花序を着ける。カワツルモに似てい
るが、カワツルモには葯隔付属突起が無く、花後に心皮の柄が伸びる点で異なる。
多年草。
北海道、本州、四国、九州、世界の温帯に広く分布する。
おもに海岸の汽水中に生育するが、まれに、火山地帯の湖沼に生育することもあ
る。本県では、かつて猪苗代町の川上青沼に生育していたが、現在は見られない。
林ほか(1981)に猪苗代湖の記録があるが、その後確認されない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び海岸で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び海岸は、生育適地と考え
られ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
河川・池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境で
工事の実施による影響
ある丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、河岸・池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影
時的な影響
計画としている。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
428(4-5-186)
表 4-5-13(142) 重要な植物の予測結果(イトモ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:要注目種
沈水性の水生植物。草高20~100cm。葉は糸状。茎は狭線形で長さ2~5cm。6
~8 月、茎の先端から花柄を水面に伸ばし、長さ5mm 前後の穂状花序をつける。
花には花弁もがく片もなく、
葯隔付属突起が花被のように雄しべと雌しべを保護し
ている。しばしば、ミズヒキモ類の沈水葉のみの個体と混同される。多年草。
北海道、本州、九州、世界の温帯~熱帯に広く分布する。
平野部から山間部にかけての湖沼、溜池に生育する。今回確認された市町村は鹿
島町、飯舘村、平田村、西郷村、郡山市、北塩原村、会津高田町、下郷町、田島町
などである。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
工事の実施による影響 池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
①造成等の施工による一 陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
測
及び供用による影響 通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車
道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
429(4-5-187)
表 4-5-13(143) 重要な植物の予測結果(イトクズモ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
分布域が限られている。
生育地が限られており、そのうちの 2 か所は、水質汚濁や高茎湿生草におされ
るなどで絶滅したもようである。
淡水または半塩水中に沈んで生育する多年草。
温帯~熱帯(本州・九州・琉球・朝鮮)に分布する。
文献調査*3 によると、低地の池沼環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境及び海岸は、生育適地と考えられ、本種の主な
生育環境である低地の池沼環境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広く分布して
いる。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である低
工事の実施による影響
地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、池沼
①造成等の施工による一
岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。なお、本事業
影
時的な影響
による海岸の改変は無い。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の池沼環境を高架構造で通過する計
及び供用による影響 画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10年、保育社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
430(4-5-188)
表 4-5-13(144) 重要な植物の予測結果(ホッスモ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
宮城県内の分布域が限られており、生育域がさらに狭められている。
生育地が自然度の高い湖沼や山間の水田・側溝などのため、水質の富栄養化、農
薬使用、水田の改修などにより生育地が狭められ、激減している。
水中に沈んで生える1 年草。
温帯~熱帯(本州・四国・九州・琉球・アジア・ヨーロッパ・オーストラリア)に
広く分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
工事の実施による影響
陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①造成等の施工による一
れる。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
影
時的な影響
る。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県
植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
431(4-5-189)
表 4-5-13(145) 重要な植物の予測結果(イトトリゲモ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
沈水性の水生植物。草長 5~20cm。多分枝し、もろく折れやすい。葉は硬い糸
状。縁に刺があり、反り返る。7~9 月、葉腋に雌花と雄花を別々につけるが、花
弁やがく片はない。果実は各節に2 個ずつ着き、種子表面の細胞は縦長。一年草。
本州・四国・九州、東アジアに分布する。
山間部の水田や休耕田・ため池などに生育している。本県ではいわき市、船引町、
鹿島町・会津高田町などで確認されている。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、低地の池沼環境 3 箇所で生育が確
認され、3 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である山
工事の実施による影響
地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画と
影
時的な影響
している。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境
及び供用による影響 を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない
①鉄道施設(地表式又は掘 計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
432(4-5-190)
表 4-5-13(146) 重要な植物の予測結果(トリゲモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:未評価(NE)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
沈水性の水生植物。草長20~30cm。多分枝し全体がもろく折れやすい。葉は線
形、長さ 1~2cm、著しく反り返り、縁に刺がある。7~9 月、葉腋に1個の雄し
べからなる雄花と 1 個の雌しべからなる雌花をつける。種子表面の細胞は横長で
ある。オオトリゲモより葉が短く葯は1 室。一年草。
本州、四国、九州。世界の温帯~熱帯に広く分布する。
福島県植物誌(1987)に広野町、いわき市の記録があるが、その後確認されず現状
不明である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である山
工事の実施による影響
地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画と
影
時的な影響
している。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境
及び供用による影響 を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない
①鉄道施設(地表式又は掘 計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
433(4-5-191)
表 4-5-13(147) 重要な植物の予測結果(ヤマラッキョウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
宮城県内の分布域が局限されており、個体数も減少。
県南部に点々と生育する。
ユリ科ネギ属。山地の草原に生育する多年草。鱗茎は狭卵形で長さ2~3cm、外
皮は灰白色である。花茎は高さ30~60cm、下部に3~5 個の葉がある。葉は円柱
形で長さ 20~50cm、幅 2~5mm、断面は鈍 3 角形。9~10 月、花茎の頃に多数
の花が球状の散形花序につく。花被片は紅紫色、楕円形で先は円く、長さ5mm 内
外、平開しない。雄蕊は花被片より突出し、花糸の歯ははっきりしない。本州(福
島県以南)から琉球に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の草地環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地・草地環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地・草地環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の湿地・草地環境
測 及び供用による影響 を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
434(4-5-192)
表 4-5-13(148) 重要な植物の予測結果(スズラン)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
山地、高原の草地に生える多年草、細い匐枝を出し群生する。葉は卵状長楕円形
で長さ 10~18cm、幅 3~7cm、表面無毛。裏面粉白色、花茎は 20~35cm で、4
~6月に香り高い白色花を10個前後、
総状に垂れて咲く。
花被は広錘形で径10mm
内外、裂辺は反る。葯は鮮黄色で花糸と同長、液果は径6~8mm で赤熟する。
北海道、福島、新潟、静岡、富山、山形の各県にしか分布しない。
春植物で、小形だが目だつ植物で年々生育数が少なくなっている。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
435(4-5-193)
表 4-5-13(149) 重要な植物の予測結果(オオチゴユリ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
チゴユリに似てすべて大型。細長い地下茎をひいて繁殖する多年草。葉は卵状楕
円形で長さは9~11cm。先は短い鋭尖頭、基部は円く短柄がある。茎は高さ40~
70cm で分枝し、5~6 月に緑色を帯びた白花が咲く。花被片は鋭頭または鋭尖頭
で披針形で長さ12~15mm、花柄は長さ13~16mm。花糸と葯、子房は花柱と同
長。漿果は球形、黒色で径13~15mm。
北海道と本州の中北部に分布する。国外では朝鮮、中国、ウスリーに分布する。
県内では浜通りと会津に各1ヶ所知られていたが、調査中確認されなかった。
文献調査*2 によると、山地・丘陵地及び低地の草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
436(4-5-194)
表 4-5-13(150) 重要な植物の予測結果(クルマバツクバネソウ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
山地の林下に生える多年草。
地下茎は細く横にはう。
茎は高さ30cm 前後で無毛、
葉は 6~8 枚輪生し、倒披針形~狭倒卵形で縁に小突起があり両面無毛、長さ 3~
4cm。6~7 月に開花し、内花被片は4個、線状で黄色を帯びる。雄芯は 8 個、長
さ17~32mm、葯の長さ5~8mm、花柱は4個。漿果は径14~16mm、紫黒色、
種子は卵形長さ2.2mm。
北海道、本州、四国、九州に分布する。国外では朝鮮、中国、千島、シベリアに
分布する。
目だつ植物だが、県内の里山にほんの少ししか確認されていないので、分布域も
生育個体数もわずかと考えられる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
437(4-5-195)
表 4-5-13(151) 重要な植物の予測結果(ヒメイズイ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
県内広く分布するも個体数やや減少。
県内各地に生育するが、場所により個体数が減少。
山地や海岸に生える多年草。
茎は高さ20~50cm、
稜角がある。
葉は長さ4~7cm、
ふちと裏面脈上に小突起がある。花は葉腋から 1~2 個下垂し、花筒は長さ 1.5~
2cm。花糸に乳頭状突起がある。液果は球形で直径8~9mm、黒紫色に熟す。
北海道、本州の北部及び中部地方、九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境及び海岸は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4 版)
」
(平成15 年、山と渓谷社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
438(4-5-196)
表 4-5-13(152) 重要な植物の予測結果(アマナ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
宮城県内の分布域が局限されており、個体数も減少。
現在産地は県南部の2 か所のみ。
日当たりのよい草地、田畑のあぜ、林のふちなどに生える多年草。葉は長さ 15
~25cm、幅 0.5~1cm の線形で白緑色。中脈はしばしば白いすじになる。花茎は
高さ 15~20cm になり、細くてやわらかい。花はふつう 1 個つき、日が当たると
開く。花被片は6 個あり、長さ2~2.5cm で、白色に暗紫色の脈がある。雄しべは
6 個で花被片より短い。
東北地方南部以西の本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水田環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水田環境
①造成等の施工による一
の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
439(4-5-197)
表 4-5-13(153) 重要な植物の予測結果(ミズアオイ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
抽水性の水生植物。草高 30~70cm。葉は心形で長さ 5~10cm。根出葉には長
い柄がある。8~10 月、茎頂に青紫色の花を多数総状につける。花は径2~3cm、
花被片は 6 枚。コナギに似ているが、花序が葉より高い位置にあり、花冠がより
大きい点で異なる。一年草。
北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国・ウスリーに分布する。
河川やため池の縁に生育する。
福島県では浜通り北部と南部の沖積地で確認され
ている。いわき市では、15 年程前に一部の河川で大繁殖したことがあったが、現
在は消滅している。
ミズアオイ科ミズアオイ属。沼や水田などに生育する1 年草。葉は心形で長さ5
~10cm、全縁、厚く、深緑色で、光沢がある。根出葉の柄は長く10~20cm で、
茎葉の柄は短く 5~10cm。9~10 月、茎の先に多数の花が総状花序につく。花は
径1.5~3cm で斜上する花柄がある。花被片は青紫色で楕円形、長さ15mm 内外、
内花被片はやや幅広い。花柱は湾曲する。蒴果は卵状長楕円形で、先につの状の花
柱が残り、長さ約 10mm、熟すとそれぞれ下に向く。国内では北海道~九州に分
布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、低地の水田環境 3 地区で生育が確
認され、そのうち、1 地区は改変区域、対象事業実施区域内、対象事業実施区域外
の広範囲に渡っており、2 地区は対象事業実施区域外であった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・池沼・
水田環境及び水路の計54 箇所で生育が確認され、そのうち6 箇所は改変区域、13
箇所は対象事業実施区域内、35 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報
告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
440(4-5-198)
表 4-5-13(154) 重要な植物の予測結果(ノハナショウブ)
項目
内容
選定基準
福島県:注意(N)
山野の草原、湿原に生える多年草。分枝する根茎に褐色の多くの繊維がある。葉
は剣状で長さ 30~60cm、幅 5~12mm、大きい中肋は隆起し目立つ。6~7 月に
高さ40~80cmの花茎をのばし頂部に数個の苞があり、
その中から数個の花を次々
に開く。花は赤紫色、径約10cm、外花被片は楕円で先は垂れる。中央から基部の
爪にかけ黄色、内花被片は狭長楕円形、直立し高さ 4cm 内外、花柱は分枝し先は
2 裂、葯は黄色。さく果は楕円形で長さ2~3cm。
北海道、本州、四国、九州に分布する。国外では朝鮮、中国、東シベリアに分布
する。
県内全域にやや広く自生するが、破壊されやすい低山から亜高山帯までの湿地、
草原に生育するので、減少することも考えられる。なお、本種はハナショウブの原
種であることから採取も行われる可能性も高い。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
441(4-5-199)
表 4-5-13(155) 重要な植物の予測結果(アヤメ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
県内各地に分布するが、採掘のため個体数減少。
生育場所により個体数が減少。
やや乾いた草原に生える多年草。葉は剣状線形で長さ30~60cm、幅5~10mm、
中脈は目立たない。花茎は高さ30~60cm、紫色の花を2~3 個つける。外花被片
は紫色、基部中央は黄色く、青紫色の網目模様がある。内花被片はへら形で長さ
4cm、直立する。
北海道、本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の草地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4 版)
」
(平成15 年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
442(4-5-200)
表 4-5-13(156) 重要な植物の予測結果(イヌノヒゲ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
草丈は高くても20cm。総苞片は淡緑白色で、頭花の1.5 倍長く披針形。頭花は
淡褐白色で花床に毛が無い。
(やや有毛の個体もある。
)雌花のがく内面、花弁表裏
とも長毛があり、上部にそれぞれ白い棍棒状の毛がある。種子には鉤毛がある。
本州~九州に分布する。
県下の低層湿原や中間湿原で植被率の低い多湿地やミズゴケ群落に生育する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
443(4-5-201)
表 4-5-13(157) 重要な植物の予測結果(ヒナザサ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
宮城県内の自生地がきわめて少ない。かつ、生育地が開発などによって、破壊さ
れている。
低地や里山の水湿地に生育する小草本で、県内の自生地は極めて少なく、仙台市
荒巻と三本木町の 2 か所が知られていた。水湿地の埋め立てや開発などによる撹
乱で現状は不明である。
湿地に生える。
温帯・暖帯(本州・四国・九州・南朝鮮)に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10年、保育社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
444(4-5-202)
表 4-5-13(158) 重要な植物の予測結果(ミチシバ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
生育地の森林の伐採によって、産地、個体数ともに減少。
宮城県内の分布域は、北上山地と阿武隈山地で、稀に見られるものである。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
445(4-5-203)
表 4-5-13(159) 重要な植物の予測結果(ウキシバ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
抽水性の水生植物。草長は水深によって大きく変化し、10~200cm。茎が水面
を匍匐し、先端付近が葉と共に水上に抽出する。葉は線形で、長さ3~5cm。8~9
月、長さ3~4cm の小穂を出し、芒のある小花を多数つける。干ばつが続くと、泥
上に陸生型をつくる。多年草。
本州、四国、九州、朝鮮、中国に分布する。
水位変化の大きな溜池に生育する。
浜通り中北部と会津盆地の一部に分布してい
る。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
446(4-5-204)
表 4-5-13(160) 重要な植物の予測結果(コウキクサ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
浮遊性の水生植物。直径2~4mm の広卵形の葉状体からただ1 本の根を水中に
垂らして生活する。根は長さ3~6cm。夏に、葉状体の側面から微小な花序を出し、
1 個の雌花と2個の雄花をつける。雌花は1本の雌しべ、雄花は1 本の雄しべだけ
から成る。アオウキクサに似ているが、葉状体に厚みがあり、根冠が鈍頭である点
が異なる。常緑。
北海道、本州、四国、九州、北半球の温帯に広く分布している。
湧水が流れ込むような湖沼や休耕田、水路などに生育する。北塩原村、猪苗代町、
郡山市、石川町などで確認されている。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である丘
工事の実施による影響
陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①造成等の施工による一
れる。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
影
時的な影響
る。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であるこ
①鉄道施設(地表式又は掘 とから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
447(4-5-205)
表 4-5-13(161) 重要な植物の予測結果(ミクリ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:注意(N)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
抽水性の水生植物。草高70~150cm。葉は線形で茎より長く三稜形。6~8 月、
茎頂から花茎を伸ばし、個々の分枝の上部に雄性頭花、下部に雌性頭花を数個ずつ
つける。分枝が多く、果球を構成するひとつひとつの果実が5~8mm と大きい点
で他のミクリ類から区別される。多年草。
北海道・本州・四国・九州、アジア、ヨーロッパ、北アフリカの湿帯に広く分布
する。
湖沼、溜池、河川の浅水部に生育する。相馬市、鹿島町、原町市、北塩原村、猪
苗代町、会津若松市、新鶴村、郡山市、いわき市、表郷村などで確認されている。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県
植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元
地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
448(4-5-206)
表 4-5-13(162) 重要な植物の予測結果(ヤマトミクリ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
抽水性の水生植物。草高 50~80cm。葉は線形で、茎より長い。6~8 月、茎上
部の葉(苞)腋から枝を出し、下部に毬栗状の雌性頭花、上部に雄性頭花をそれぞ
れ数個ずつつける。
最下の雌性頭花が腋上性である点ではエゾミクリやタマミクリ
に似ているが、エゾミクリとは花柱が短い点で、タマミクリとは頭花が互いに離れ
てつく点で異なる。多年草。
本州、四国、九州、東アジア、南アジアの温帯~暖帯に分布する。
山間部の湖沼、溜池の浅瀬に生育する。かつては、新地町や白河市でも確認され
ていたが、今では見られずいわき市のみに偏在している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の河川・池沼・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境
①造成等の施工による一
の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿
測 及び供用による影響 地環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編さん委員会)
449(4-5-207)
表 4-5-13(163) 重要な植物の予測結果(ナガエミクリ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:注意(N)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
抽水性の水生植物。草高70~100cm。葉は線形、茎より長く三稜形。6~8 月、
茎頂から花茎を伸ばし、上部に雄性頭花、下部に雌性頭花をそれぞれ数個ずつつけ
る。下方の 1~2 個の雌性頭花には柄があり、葉(苞)腋について腋性となる点でヤ
マトミクリやエゾミクリと異なり、
枝が分岐しない点でミクリやヒメミクリと異な
る。多年草。
北海道・本州・四国・九州、朝鮮に分布する。
山間部の湖沼、溜池、小川に生育する。流水中では花序を生じないことがある。
今回の調査では、相馬市、北塩原村、北会津村、川内村、いわき市、田島町、下郷
町などで確認されている。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び水路は
対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び水
①造成等の施工による一
路の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境
測 及び供用による影響 及び水路を高架構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
450(4-5-208)
表 4-5-13(164) 重要な植物の予測結果(ヒメミクリ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
抽水性の水生植物。草高30~70cm。葉は線形で茎より長く、裏面に稜がある。
6~8 月、茎頂から花茎を伸ばし、上部に雄性頭花を5~10 個、下部に雌性頭花を
2~5 個つける。頭花は無柄で腋生。ミクリと比較して全体的に小形で分枝が少な
く、果実も小さい。多年草。
日本全国、朝鮮、中国に分布する。
湖沼やため池の浅瀬や湿地に生育する。
福島県ではかって県内各地に分布してい
たが、現在は、飯舘村と磐梯町にわずかに残存しているだけである。主に平野部に
生育しているので、人為の影響を受けやすい。
ミクリ科ミクリ属。浅い水中に生育する多年草。茎の高さは30~60cm。葉は裏
面に稜があって立ち、茎より長く幅3~5cm。頭花をつける枝は葉腋からでて、少
数の分枝がある。雌性頭花 1~3 個あり、すべてが無柄。雄性頭花は 2~7 個まば
らにつく。果実は小柄がなく、広卵状菱形で長さ約4mm、稜がある。国内では北
海道~琉球に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の丘陵地の湿地環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
451(4-5-209)
表 4-5-13(165) 重要な植物の予測結果(エゾウキヤガラ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
抽水または湿地生の植物。草高 50~100cm、茎は三稜形。葉は線形で長さ 20
~50cm。5~7 月、茎頂に 3~6 個の小穂を頭状につける。小穂は卵形、長さ 1~
1.5cm。イセウキヤガラに似るが、葉や苞の断面が三角形とならず、しばしば花序
に柄を生じる点で異なる。多年草。
日本全国、樺太、朝鮮、ユーラシア大陸に分布する。
河口付近や干拓地など海水の影響を受ける泥湿地に生育する。
福島県では新地町
から鹿島町にかけて分布している。
新地町今神地内にはかつて広大な群落が広がっ
ていたが、土地造成により消滅した。
カヤツリグサ科ホタルイ属。海岸近くの湿地などに生育する多年草。根茎は長い
匐枝を出す。茎は高さ40~100cm、基部はすこし肥厚する。葉は主として根生し、
伸びて、幅2~5mm。花序は頭状に密集する1~6 個の無柄の小穂からなり、苞は
1~3 個あって、伸びて葉状になる。小穂は卵形で、長さ8~15mm、幅6~8mm、
光沢のある赤褐色をなす。鱗片は膜質で、長さ 5~6mm、細毛があり、凹頭、中
肋は細く先は突出しすこし反曲する長さ 1~2mm の芒となる。果は長さ 3mm、
広倒卵形で扁平、光沢のある黄褐色で、両面がすこしへこみ、両縁は鋭い。刺針は
ない。7~10 月に熟す。国内では北海道~琉球に分布する。
文献調査*3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の水田環境及び
水路の計 22 箇所で生育が確認され、そのうち 3 箇所は改変区域、5 箇所は対象事
業実施区域内、14 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された海岸は、生育適地と考えられるが、低地の水田環境及び水路は、
東北地方太平洋沖地震の津波の影響で一時的に生育地となっていたものと考えら
れる。本種の主な生育環境である低地の河川・湿地環境及び海岸の湿地環境は対象
事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地環境の改変面積は小さく、同
①造成等の施工による一
様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地環境を高架及び盛土構
測 及び供用による影響 造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①鉄道施設(地表式又は掘 れる。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編さん委員会)
452(4-5-210)
表 4-5-13(166) 重要な植物の予測結果(カンスゲ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
分布の北限であり、宮城県内の生育地はごく稀で、しかも開発工事等により破壊
されてきている。
県内では 1 か所、県南部の峡谷沿いの岩上に生育。ダム建設などの開発工事に
より、生育地の破壊が進んでいる。
冬も葉が枯れず濃い緑色をしている。山地の谷沿いなどに生え、叢生して大株と
なる。葉は幅約1cm、断面はM 字形で、かたく、光沢があり、ふちは手が切れそ
うなほどざらつく。基部の鞘は暗赤色。頂小穂は雄性で長さ 3~4cm。側小穂は雌
性で3~5 個、短い円柱形で直立し、長さ2~3cm。苞は短い葉状で太い鞘がある。
雌花鱗片は長さ4mm、褐色を帯びる。果胞は無毛でそり返り、広卵形で長さ3~
3.5mm。先はくちばし状で、口部は2 歯がある。柱頭は3 個。
福島県以西の太平洋側の本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4 版)
」
(平成15 年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
453(4-5-211)
表 4-5-13(167) 重要な植物の予測結果(オオクグ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
太い匐枝を生じ、少し糸網状に細裂する。基部の鞘は無葉で濃赤褐色、高さ 40
~70cm、葉の幅は 5~8mm。上の小穂 3~5 個は雄性、下方の 2~4 個は雌性で
円柱状、長さ3~5cm。果胞は長楕円形で長さ6~7mm、嘴は太く短い。柱頭は3
個、5~7 月に熟す。
北海道、本州、九州に局地的に分布する。国外では朝鮮、中国、ウスリーに分布
する。
相馬地方の海岸の汽水域だけに分布し、
海岸近くの休耕田などにも自生すること
がある。
カヤツリグサ科スゲ属。海水の出入りする河口に生育する多年草。果胞の性質は
シオクグによく似るが、茎は高さ 40~70cm あって太く、基部の葉鞘は葉身がな
くて濃赤褐色の部分があり、すこし糸網がつく。葉は幅 5~8mm。上方の小穂 3
~5 個が雄性で、濃褐色を帯びる。下方の2~4 雌性で円柱形をなし、長さ3~5cm、
最下の苞はときに鞘ができる。果胞は長楕円形で、長さ6~7mm、嘴は太く短い。
5~7 月に熟す。国内では北海道、本州、九州にまれに分布する。
文献調査*3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の湿地・水田環
境の計8 箇所で生育が確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、7 箇所は
対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の湿地・水田環境及び海岸は、生育適地と考えられ、本種
の主な生育環境である低地の湿地環境及び海岸の湿地環境は対象事業実施区域周
辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の湿地環境の改変面積は小さく、同様の環
①造成等の施工による一
境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の湿地環境を高架及び盛土構造で通
測 及び供用による影響 過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「福島県植物誌」
(昭和 62 年、福島県植物誌編
さん委員会)
、
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目
録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
454(4-5-212)
表 4-5-13(168) 重要な植物の予測結果(オニナルコスゲ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
湿地や谷沿いに生え、長い匐枝を引く。高さ 0.3~1m。茎はかたく鋭い 3 稜形
でざらつき、基部の鞘は紫褐色で糸網が著しい。上部2~3 個の小穂は雄性。下方
1~3 個の小穂は雌性で、長さ3~7cm、幅6~10mm。苞は葉状で鞘はない。果胞
は長さ6~8mm。柱頭は3 個。
北海道、本州、九州に分布する。
文献調査*2 によると、低地の池沼環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環境
である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4 版)
」
(平成15 年、山と渓谷社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
455(4-5-213)
表 4-5-13(169) 重要な植物の予測結果(イガガヤツリ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
主として海岸に生える多年草。根茎短く、小さな株をつくる。直立し鈍稜がある。
高さ10~50cm、葉幅1~3mm で淡黄色、花序は単純で1 回分枝する。頭状に小
穂を密集し赤褐色の15~40 個の花をつける。
鱗片はやや直立し、
長さ1.5~2.0mm
で狭卵形。果は鱗片の半分の長さで狭倒卵形でやや切形になる。柱頭2 個、8~10
月に熟す。
岩手県以南の本州、四国、九州、沖縄に分布。国外では朝鮮、中国、インド、ア
フリカ、オーストラリアなど全世界の亜熱帯。
浜通り南部のいわき市四倉町、勿来町にだけ自生が知られているが、海浜の土木
工事などで減少している。
カヤツリグサ科カヤツリグサ属。主に海岸に生育する多年草。根茎は短く、茎は
硬くて小さな株をつくり、
直立して鈍稜があり、
高さ10~50cm。
葉は幅1~3mm、
深緑色。花序は単純で 1 回分枝するか、頭状に小穂を密生し、苞は葉状。小穂は
やや直立して線形、偏平で、長さ 1~2.5cm、幅 1.5mm、ふつう一部血赤色を帯
びる。鱗片はやや直立して長さ1.5~2mm、狭倒卵形、上端はやや切形となる。8
~10 月に熟す。本州(関東以西)~琉球に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地の草地環境及び海岸で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の湿地・水田環
境及び水路の計41 箇所で生育が確認され、そのうち9 箇所は改変区域、10 箇所は
対象事業実施区域内、22 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地・水田環境及び海岸は、生育適地
と考えられ、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地環境及び海岸の湿地環境
は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地環境の改変面積は小さく、同
①造成等の施工による一
様の環境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の河川・湿地環境を高架及び盛土構
測 及び供用による影響 造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①鉄道施設(地表式又は掘 れる。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車
道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
456(4-5-214)
表 4-5-13(170) 重要な植物の予測結果(ムギガラガヤツリ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
湿地に生える高さ 30~70cm の多年草。葉は線形、幅 2~3mm、茎よりも著し
く短い。茎頂に 2~4 個の長い苞葉をつけ、ここから出た 1~4 本の枝先に頭状に
集まった小穂からなる花序をつける。小穂は扁平な広披針形で、長さ1~2.5cm、
15~30 花をつけ、わら色。花期は7~10 月。
四国、九州に分布する。
文献調査*2 によると、低地の池沼環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環境
である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架・盛土
測 及び供用による影響 及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 植物Ⅰ(維管束植物)
」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
457(4-5-215)
表 4-5-13(171) 重要な植物の予測結果(マメクグ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
本県では生育地の沼は稀でかつ個体も少ない。
その上、
沼辺の開発等により産地、
個体数ともに減少。
沼辺の湿地に生育する小草本、県南から県北の、数か所の湖沼の湿地に生育する
が、いずれも個体数は少ない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
458(4-5-216)
表 4-5-13(172) 重要な植物の予測結果(スジヌマハリイ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
草高 30~60cm、茎は細い円柱状、葉身はない。7~9 月、茎頂に小穂を 1 つつ
ける。小穂は披針形。長さ1~3cm。ヌマハリイに似るが、茎がやや硬くて細く、
明らかな縦稜がある点で異なる。多年草。
本州・九州、朝鮮、中国、中央アジアに分布する。
湖沼・ため池の縁や湿地に生育する。本県では会津坂下町と相馬市でしか確認さ
れていない。
カヤツリグサ科ハリイ属。山地の湿地や池の周辺に群生する多年草。まばらには
え、長い匍匐根茎がある。高さ30~60cm、幅1.5~2mm、円くて平滑、軟らかく、
有花茎の内部は綿状、縦溝が目立つ。基部の鞘は赤褐色で痩果は広倒卵形、長さ
1.5~2mm、横断面は凸レンズ状、熟すと淡褐色となり、光沢がある。柱基は小さ
く、長さは痩果の1/3、3 角錐状。刺針状花被片は4 本またはない。柱頭は2 岐。
花期は5~10 月。国内では本州(秋田県、宮城県、福島県、新潟県、千葉県、神奈
川県)、九州に分布する。
文献調査*3 によると、低地の水田環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水田環境 1 箇所で生育が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された低地の水田環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環境
である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変
①造成等の施工による一
面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本カヤツリグサ科植物図譜」
(平成 23 年、平凡社)
*3:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
459(4-5-217)
表 4-5-13(173) 重要な植物の予測結果(コツブヌマハリイ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
分布の北限であり、産地は少なく、しかも、生育地の沼沢地が開発などによって、
破壊され、減少している。
県内の沼沢地に稀に生育。
池や沼のほとりに生える高さ 30~50cm の多年草。オオヌマハリイと似ている
が、小穂は長さ0.7~1.5cm、果実は長さ1~1.2mm と小さい。刺針は4 個と少な
く、長さは果実の約3 倍。
本州(関東地方)に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
460(4-5-218)
表 4-5-13(174) 重要な植物の予測結果(トネテンツキ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
県内における分布は、極めて稀で個体数も少ない。かつ分布の太平洋側北限であ
る。
生育地は県南部から北部に亘る 4 つの沼の水辺であるが、沼辺の開発によって
生育条件が悪化している。
軟かい一年草でそう生する。
暖帯(本州・・・南関東、近畿地方)に分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ」
(平成10 年、保育社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
461(4-5-219)
表 4-5-13(175) 重要な植物の予測結果(ノグサ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
平地の日当たりのよい湿地に生える 1 年草。根茎なく、全体無毛。茎は直立し
高さ10~25cm で平滑、根出葉は細く幅0.5mm、鞘は一部血赤色を帯びる。分花
序は2~3 個、散状か頭状で10 個以下の小穂をつける。小穂は長さ4~6mm で扁
平な披針形、ときに一部血赤色を帯びる。果は球形、白色で長さ1mm、網絞があ
る。柱頭は3 個。6~8 月に熟す。
本州では福島県以南、四国、九州、沖縄に分布。国外ではインドネシア、マレー
シア、オーストラリアに分布する。
相馬市松川浦と郡山市田村町でだけ生育が認められているが、一年草なので、現
況は不明である。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
462(4-5-220)
表 4-5-13(176) 重要な植物の予測結果(コホタルイ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
草高30~50cm。茎は細い円柱形、葉身はない。茎頂に小穂が多数頭状につく。
小穂は卵形、長さ3~5mm。花期は7~9 月。ホタルイやミヤマホタルイと比べ、
小穂が小さく、苞が著しく長い特徴がある。一年草。
北海道・本州(中北部)、朝鮮、中国、ウスリーに分布する。
湖沼・ため池の縁、水田、休耕田などに生育する。本県ではまれな植物で、1987
年にはじめて猪苗代湖で発見された。その後、西郷村や鹿島町でも発見されたが、
猪苗代湖の既知部分と西郷村では今回の調査では確認されなかった。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生育適地と考えら
れ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
463(4-5-221)
表 4-5-13(177) 重要な植物の予測結果(タイワンヤマイ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
草高 30~50cm。茎は円柱形、径 1~2mm。7~10 月、茎頂に数個の小穂をつ
けるが、苞が茎の延長上に伸びているので側生に見える。小穂は披針形、長さ1~
1.5cm。イヌホタルイに似ているが、小穂がより細く、苞が長い点で異なる。一年
草。
本州、四国、九州、朝鮮、中国、東南アジアの温帯~亜熱帯に分布する。
水田や休耕田に生育する。今回の調査では、新地町、白河市で確認された。
文献調査*1 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田・耕作地環境は、生育適地と考え
られ、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高架
測 及び供用による影響 及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
①鉄道施設(地表式又は掘 に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
464(4-5-222)
表 4-5-13(178) 重要な植物の予測結果(マツカサススキ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
草高 1~1.5m、茎は鈍三稜形。葉は線形で長さ 30~70cm。7~9 月、茎頂に小
穂の団集した球状の花序を多数散房状につける。小穂は、長さ 4~5mm。コマツ
サカススキに似るが、球状の花序数がより多く、小穂や鱗片が小さい点で異なる。
多年草。
本州・四国・九州に分布する。多年草。
ため池や川の縁の湿地に生育する。かつて郡山市に2 ヶ所の生育地があったが、
現状は不明である。最近、相馬市から新たな生育地が確認された。
カヤツリグサ科ホタルイ属。平地の湿地に生育する多年草。茎は高さ 1~1.5m
あって直立し、太くて硬く、やや円く、5~7 個の節がある。茎の葉は伸長し、扁
平で、幅4~8cm、葉鞘は長さ3~10cm あって、密に茎を包む。花序は2~3 個の
分花序からなり、頂生の分花序は大きく、長さ 5~10cm、苞は葉状で、花序より
も長い。小穂は柄がなくて、長さ4~6mm、褐黒灰色を帯び、10~20 個ずつかた
まって球状の小集団をつくる。果は長さ1mm で淡色、扁三角形。刺針は5~6 個、
長さ約5mm、上方にまばらに上向きの小刺針がある。8~10 月に熟す。国内では
本州~九州に分布する。和名はその小穂集団を松かさに見立てたもの。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の草地・水田環境の計5 箇
所で生育が確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、4 箇所は対象事業実
施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地・水田環境は、生育
適地と考えられ、本種の主な生育環境である低地の池沼・湿地・水田環境は対象事
業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の池沼・湿地・水田環境を高架及び
測 及び供用による影響 盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①鉄道施設(地表式又は掘 く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
465(4-5-223)
表 4-5-13(179) 重要な植物の予測結果(シラン)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
日当りよいやや湿った山の斜面に生育する地生の多年草。
横に並ぶ偽球茎から高
さ30~70cm の茎を出す。葉は硬い草質、無毛、長披針形、先端鋭頭、長さ20~
30cm。4~5 月に花茎の先満に紅紫色の花を3~7 個つける。がく片と側弁は狭長
楕円形、唇弁は楔状倒卵形、3 裂、中裂片は波状縁。
東北地方南部以南の本州、四国、九州、沖縄。国外では中国、台湾に分布する。
いわき市高久に生育する。
文献調査*2 によると、丘陵地の草地環境で確認された。また、平成24 年の現地調
査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された丘陵地の草地環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生育環
境である丘陵地及び低地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布して
いる。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
466(4-5-224)
表 4-5-13(180) 重要な植物の予測結果(ナツエビネ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
多年草。偽球茎は球状で横に連る。葉は狭長楕円形で3~5 枚根生、花期に前年
の葉が残る。花茎は 1~2 本で根元の葉腋から出て高さ 20~40cm、7 月~8 月に
15 個内外の薄紫の花をつける。苞は草質で披針形開花時に 2.5cm。距はない。側
花弁は広線形、唇弁の中裂片は平坦で先端は突出する。
本州~九州に分布する。国外では朝鮮(済州島)、中国南部、台湾に分布する。
会津地方の自然林林床のやや適潤地に生え、時に小群落を形成する。今回の調査
でいわき地方において新しく確認されている。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
467(4-5-225)
表 4-5-13(181) 重要な植物の予測結果(ギンラン)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
山地の林床に生える多年草。草丈は10~30cm。根はひげ根を多数つける。葉は
3~6 枚の互生で茎を抱く。5~6 月に白い花をつける。下部の 1~2 枚の苞は長く
なるが花序より短い。唇弁の基部はやや鋭く、花被の外に突き出る。本種と似てい
るササバギンランとは、下部の1~2 枚の苞は花序より長く、唇弁の基部は鈍くと
びだして短い点で区別され、クマヌゲランとは唇弁の基部の距が浅く、突出するこ
とがない点で区別され、また、ユウシュンランとは葉が退化して鱗片状、もしくは
小型で2cm 以下である点で区別される。
本州~九州に分布する。国外では朝鮮に分布する。
県内全域の山林林床にややまれに生育する。
ラン科キンラン属。山地樹林下に生育する多年草。茎は直立し、高さ10~30cm、
無毛。葉は3~6 個で、互生し、狭長楕円形、長さ3~8cm、幅1~3cm、鋭尖頭、
無毛で、基部は茎を抱く。5~6 月、白色の数花をつける。苞は狭 3 角形、長さ 1
~3mm、下位の 1~2 個は長くなる。萼片は披針形、先端はややとがり、長さ 7
~9mm。側花弁は広披針形、鈍頭、萼片よりすこし短い。唇弁は基部が短い距と
なり、舷部は 3 裂し、側裂片は 3 角形、中裂片は楕円形。中裂片の中央に 5 本ば
かりの隆起線がある。蕊柱は直立し、先端に葯があり、葯室は 2 個、長楕円形の
花粉塊を入れる。国内では本州~九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境5 箇所で生育
が確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、4 箇所は対象事業実施区域外
であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「山
元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、
山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13
年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
468(4-5-226)
表 4-5-13(182) 重要な植物の予測結果(キンラン)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
低山の比較的明るい林床に生える多年草。茎は50cm 内外。葉は5~6 枚で互生
し茎を抱く、また葉質は厚く披針形、葉脈が目立つ。5~6 月、黄色の花を10 個内
外つける。がく片は卵状長楕円形。倒花弁は卵形。唇弁は 3 裂し、側裂片は三角
状卵形、中裂片は円心形で5~7 本の隆状線がある。
本州~九州、国外では朝鮮、中国に分布する。
全県下の低山の林床にややまれに見ることができる。
ラン科キンラン属。山や丘陵地の疎林下に生育する多年草。茎は直立して高さ
30~70cm、稜線がある。葉は5~8 個で互生し、広披針形、長さ8~15cm、幅2
~4cm、先端は鋭くとがり、基部は茎を抱く。4~6 月、黄色の花を3~12 個つけ
る。苞は膜質で 3 角形、長さ 2mm。萼片は卵状長楕円形、長さ 14~17mm、鈍
頭。背萼片の背面は突出する。側花弁は萼片よりすこし短く卵形。唇弁の基部は筒
状で距となり、舷部は 3 裂し、側裂片は 3 角状卵形で蕊柱を抱き、中裂片は円心
形で内面に黄褐色の肥厚した隆起線が数本ある。蕊柱は直立し、2mm。葯室は長
く、2 個の長楕円形の花粉塊を入れる。国内では本州~九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境1 箇所で生育が確認さ
れ、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境2 箇所で生育
が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城県植物目録 2000」
(平
成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報
告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
469(4-5-227)
表 4-5-13(183) 重要な植物の予測結果(トケンラン)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
落葉樹林の林床に生える多年草。
複数の球形の偽球茎が細長い地下茎でつながっ
ている。葉は長楕円形、偽球茎の上部先端より 2 枚でる。5~6 月、花茎は偽球茎
の上方側部より出て、まばらに10 個内外の花を横向きにつける。がく片、側がく
片は黄褐色で紫色の斑点がある。唇弁は白色で紫色の斑点があり、3 裂し側裂片は
線形で立ち、中裂片は直角に曲がる。
北海道・本州・四国に分布する。国外では朝鮮に分布する。
中通り、会津地方の森林の林床に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
470(4-5-228)
表 4-5-13(184) 重要な植物の予測結果(クマガイソウ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
多年草。根茎は横にはう。茎は高さ30cm 前後で粗毛が密生する。下部の葉は鞘
状、上部の 2 枚の葉は径 10~20cm、扇円形で放射状の脈は目立つ。4~5 月に茎
頂に 10cm 程の花 1 個が垂れ下がって開花する。がく片・側花弁は淡黄緑色。唇
弁は大きな袋状で淡白色で紅紫色の脈がある。
北海道西南部・本州西北部・四国(高知県)・九州(熊本県)、中国に分布する。
各地の雑木林やスギ林・竹林下に生え時に群生する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
471(4-5-229)
表 4-5-13(185) 重要な植物の予測結果(セッコク)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
岩場や樹上に着生する多年草。根茎は短く多数の根がある。茎は大きくて20cm
程、束生し節があって多肉質である。葉は披針形で互生、光沢があり長さ 5cm ほ
どである。花は白く、5~6 月、古い茎の上部の節ごとに1~2 個つける。背がく片
は披針形。側がく片、側花弁は狭楕円形。唇弁は卵状披針形で先がとがる。
本州~沖縄、朝鮮・中国・台湾に分布する。
いわき市・矢祭町・会津本郷町・三島町から確認されている。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
472(4-5-230)
表 4-5-13(186) 重要な植物の予測結果(ハマカキラン)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:準絶滅危惧(NT)
海岸クロマツ林床砂浜に自生する地生の多年草。短い根茎から 30~50cm の地
上茎をだす。葉は5~7 枚互生し、楕円状卵形、全縁、鋭頭、葉脈上に毛状突起が
ある。花期は7~8 月。花は総状に多数つく、淡緑色で、がく片狭長卵形、鋭頭。
側弁と花弁は同長。エゾスズランの海岸型で、生態の違いのほか唇弁が黄緑色で赤
紫色の斑
紋があるなどの違いがある。
青森県から愛知県までの海岸クロマツ林床の砂浜に分布する。
浪江町、いわき市新舞子浜に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境及び海岸で確認された。また、
平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境 1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境及び海岸は、生育適地と考えられ、
本種の主な生育環境である低地の森林環境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環
①造成等の施工による一
境は周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である低地の森林環境を高架・盛土及び切土構
測 及び供用による影響 造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①鉄道施設(地表式又は掘 れる。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
473(4-5-231)
表 4-5-13(187) 重要な植物の予測結果(シロテンマ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
個体数が少なく極めて稀なものである。珍しいということで堀り取られている。
県内の山地で数か所生育が確認されているだけである。個体数も極めて少ない。
雑木林の林内に生える葉緑素のない腐生植物。ナラタケの菌糸と共生し、ジャガ
イモのような肥厚した塊茎をつくる。塊茎は地上部の生長につれて養分をとられ、
中空に近くなるが、養分が残っている場合には細長い地下茎をのばす。地下茎はナ
ラタケの菌糸から養分をとり、やがて新しい塊茎をつくる。花茎は高さ 0.6~1m
で黄赤色を帯び、まばらに膜質の鱗片をつける。花は黄褐色を帯び、総状に多数つ
く
北海道、本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
(平成元年、山と渓谷社)
*3:
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
474(4-5-232)
表 4-5-13(188) 重要な植物の予測結果(アケボノシュスラン)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
山林に生える多年草。茎は長くはって斜上し高さ 10cm 内外。葉は長さ 3cm、
幅1.5cm 程で、縁は波状、葉柄は10mm 程で基部は鞘状となって5~6 枚互生す
る。花はやや同じ向きに淡紅紫色の10 花程度を穂状につける。背がく片は狭卵形、
花弁は広倒披針形で背がく片に接する。唇弁はがく片と同長で基部はふくらむ。
北海道~九州、奄美大島、国外では朝鮮に分布する。
中通り、会津地方のスギ林や落葉広葉樹林の林床に確認されている。
ラン科シュスラン属。おもに落葉広葉樹林下に生育する多年草。茎は基部が地表
近くをはい、上部は斜上し、高さ5~10cm。葉は4~5 個を互生し、長さ2~4cm、
幅1~2cm、鋭頭、基部は左右不相称で長さ1.5cm ばかりの葉柄に続く。花序は直
立し、淡紅紫色の3~7 花をやや偏ってつけ、苞の縁および子房にやや硬い突起状
の毛がある。
苞は披針形、
長さ10~15mm。
背萼片は狭卵形、
鈍頭、
長さ8~10mm。
花弁は広倒披針形、背萼片に密着する。唇弁はほぼ萼片と同長、基部は胞状にふく
らむ。蕊柱は5mm で、まっすぐ。嘴体は2 裂し、裂片は針状。葯は淡黄色、卵形。
花粉塊は 2 個でそれぞれ 2 裂する。国内では南千島・北海道~九州・奄美大島に
分布する。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境1 箇所で生育
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域内であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く
分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
475(4-5-233)
表 4-5-13(189) 重要な植物の予測結果(サギソウ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
前年の球茎から30cm 内外の地上茎を出す。下部に広線形の葉を2~3 枚つけ、
上部は苞状の葉をつける。7~8 月に白色の3cm 程の花が通常1~2 個咲く。がく
片は緑色、側花弁は白色で斜卵形、がく片と共に兜をつくる。唇片は大きく開出、
3 深裂し中裂片は披針形、側裂片は扇形で縁は深く細かく切れ込む。また、距は3
~4cm で下垂して先端は次第に太くなる。
本州~九州、国外では朝鮮、台湾に分布する。
県下の日当たりのよい湿原や湿地に生える多年草。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
476(4-5-234)
表 4-5-13(190) 重要な植物の予測結果(ミズトンボ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
日当たりの良い湿地に生える多年草。球茎は新旧 2 個あり、茎は三角柱状で、
草丈は高いもので80cm 程。線形の葉を茎の下部に数枚つけ、葉の基部は鞘となっ
て茎を抱く。
7~8 月に淡緑色で10mm 程の花を総状につける。
背がく片は円心形。
側がく片 2 枚は下側が張りだして半切腎形。側花弁は歪んだ卵形。唇片は 3 裂し
十字形となり、裂片は線形で側裂片は斜上する。距は15mm、下垂し先端は球状。
北海道西南部から九州、国外では中国に分布する。
県内各地の湿地にややまれに生育する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である丘陵地及び低地の湿地環境を高架及び盛
測 及び供用による影響 土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
①鉄道施設(地表式又は掘 残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
477(4-5-235)
表 4-5-13(191) 重要な植物の予測結果(ムヨウラン)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
山林の林床に生える菌根植物。地下茎は長く、密に鱗片がある。茎は40cm 程で
短い鞘状葉を数枚つけ、
花茎の色は、
はじめ汚れ白色であるが後に黄褐色に変わる。
5~6 月、淡黄色の花を数個つける。花被片は倒披針形、唇弁も倒披針形で先端は
3 裂し、中裂片の内面には長毛がある。
本州(東北地方南部以南)・四国・九州に分布する。
県内の低山地帯の常緑広葉樹林や落葉広葉樹林の林床にまれに確認される。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
478(4-5-236)
表 4-5-13(192) 重要な植物の予測結果(ギボウシラン)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
園芸価値が高いため、乱掘が進み個体数も激減している。
山地の林下等のやや湿ったところに生えるが産地、個体数とも少ない。乱掘が進
み絶滅した地域も出ている。
常緑樹林中に生える。偽球茎は卵形、葉は 2 枚つけ、広卵形、急鋭頭、基部は
心形、長さ 5~12cm、幅 3~8cm、脈間がくぼむ。花茎は高さ 15~30cm で直立
し、帯白色または紫黒色の花を十数個つける。唇弁は倒卵状くさび形で、円頭、萼
片、側花弁とほぼ同長で5mm、基部に2 個の突起がある。花期は7~8 月。
北海道~九州、屋久島に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 植物Ⅰ(維管束植物)
」
(平成 22 年、環境省)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
479(4-5-237)
表 4-5-13(193) 重要な植物の予測結果(ジガバチソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
園芸価値が高いため乱掘が進み、個体数も激減している。
高山を除く県内全域に見られるが、乱掘されるため、かなり減少している。
ラン科クモキリソウ属。山地樹林下に生育する多年草。偽球茎は球形。葉は 2
個あって、広卵形、やや鋭頭、長さ3~8cm、幅2~4cm。葉脈は横走の2 次脈が
顕著なので網目模様がはっきりする。花茎は高さ8~20cm、直立し、5~7 月に10
~20 花をつける。花は淡緑色(アオジガバチソウ)、または黒褐色(クロジガバチソ
ウ)と変異がある。苞は3 角形でやや鋭頭、長さ1~1.5mm。萼片は線形、やや鋭
頭、長さ 10~12mm。側花弁は反曲し、糸状、鋭頭、長さ 8~10mm。唇弁は長
さ 6~8mm、先は急に曲がって下垂し、舷部は狭倒長楕円形、縁がわずかに外曲
する。蕊柱は長さ約2mm、ほとんど翼がない。国内では北海道~九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境5 箇所で生育が確認さ
れ、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、4 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地の森林環境の
計4 箇所で生育が確認され、4 箇所は対象事業実施区域内であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成
22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
480(4-5-238)
表 4-5-13(194) 重要な植物の予測結果(アオフタバラン)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
山地の林床に生える多年草。茎は10~20cm。葉は無柄で地際近く対生につけ、
光沢はなく不鮮明な白斑がある。花茎の鱗片葉は4~10 枚。7~8 月淡緑色の花を
10 個内外つける。がく片は長楕円状披針形、側花弁は線形とがく片と同長。唇弁
は長さ5~6mm で先端が2 裂し、基部付近が先端より狭い。
本州~九州に分布する。
県南地方やいわき地方で生育が確認されているが、
今回のレッドデータブック調
査では確認出来なかった。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
481(4-5-239)
表 4-5-13(195) 重要な植物の予測結果(コケイラン)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
森林の林床や湿った沢の草地に生える多年草。地下茎は卵形の偽球で、2 枚の葉
は披針形で偽球の先端から出る。花茎は 40cm 程で、5~7 月に多くの黄褐色の花
を総状につける。がく片と側花弁は披針形。唇弁は白色で、基部近くで 3 裂し、
側裂片は披針形、中裂片は先はくさび状に広がり先端は鋸歯がある。
北海道~九州、国外ではカムチャツカ・樺太・朝鮮・ウスリー・中国(東北)に分
布する。
ややまれに確認することができる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
482(4-5-240)
表 4-5-13(196) 重要な植物の予測結果(ツレサギソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
個体数が少なく、乱掘が進んでいる。
山地の日当りのよい草原や湿った林下に生育する。県内では広く見られるが、個
体数は少ない。また乱掘が目立つ。
日当たりのよい草地や林内に生える多年草。茎は高さ30~50cm。葉は数個互生
し、狭長楕円形で長さ10~20cm、上部では小型。穂状の花序に多数の白色花をつ
ける。背萼片と側花弁は長さ7~8mm でずい柱をおおう。唇弁は長さ約1.5cm。
距は下垂し、長さ3~4cm。
日本全土に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花(4 版)
」
(平成15 年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
483(4-5-241)
表 4-5-13(197) 重要な植物の予測結果(マイサギソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
個体数が少なく、乱掘されている。
山地に生育するが、個体数が少ない。また、乱掘されている。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の湿地・草地環境は、生育適地と考えられ、本
種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境の改変面積は
①造成等の施工による一
小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の湿地・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
484(4-5-242)
表 4-5-13(198) 重要な植物の予測結果(オオバノトンボソウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
分布の北限であり、本県の分布域も局限されている。乱掘される恐れがある。
丘陵地に生育するが、個体数が少ない。
ラン科ツレサギソウ属。丘陵地の疎林下に生育する多年草。茎は紡錘状に肥厚す
る根から出て、高さ 25-60cm、稜があり翼がみられる。葉は下方の 2-3 個が大き
く、長楕円形、長さ 7-12cm、幅 2.5-3.5cm、上方のものはしだいに小さく披針形
となる。花は6-7 月、黄緑色の10-25 花が穂状につく。苞は広披針形、縁に細かな
乳頭状突起がある。背萼片は広卵状、長さ4-5mm。側萼片は狭長楕円形で、背萼
片より長い。側花弁は半切卵形、背萼片よりわずかに短い。唇弁は広線形、長さ
6-8mm。距は長さ 12-15mm、下垂し鈍頭。蕊柱は平たく半筒形。葯室は上部で
接するが下方で離れ、その外側の左右に仮雄蕊がある。花粉塊は淡黄色、円盤状の
粘着体がつく。本州~九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境7 箇所で生育が確認さ
れ、そのうち3 箇所は対象事業実施区域内、4 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地の森林環境の
計 37 箇所で生育が確認され、そのうち 1 箇所は改変区域、3 箇所は対象事業実施
区域内、33 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「宮城の植物 1 号~36 号」
(昭
和 48 年~平成 23 年、宮城植物の会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成
22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
485(4-5-243)
表 4-5-13(199) 重要な植物の予測結果(カヤラン)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
照葉樹林帯の樹幹上に着生する常緑多年草。気根を茎の中部以下の葉腋から出
し、空気中に下垂させる。茎の長さは3~7cm、分枝しない。葉は10~20 個、カ
ヤに似た狭披針形で左右2 列に互生させる。花期は3~5 月、葉腋から花茎を出し、
先端に2~5 個の花をつける。花色は鮮やかな黄色で美しい。側弁は開出し、上半
は内曲する。唇弁は3 裂し、側裂片は左右に突出する。
本州(岩手県以南)、九州。
鹿島町、楢葉町、いわき市背戸峨廊、夏井川渓谷、戸草渓谷に分布する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県植物目録 2000」
(平成 13 年、宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会)
486(4-5-244)
表 4-5-13(200) 重要な植物の予測結果(ヒトツボクロ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
林床に生える多年草。2~3 個連なる肥厚する偽球形があり、20~30cm の花茎
を頂部より出す。葉は狭卵形、葉柄は長く葉身とほぼ同長、表面は光沢のある深緑
色で中肋は白く、裏面は紫色。5~6 月に淡黄緑色の花を10 個内外総状花序につけ
る。がく片、側花弁は狭倒披針形。唇弁は倒卵形で3 裂し、距がある。
本州~九州、国外では朝鮮に分布する。
低山のやや明るく、適湿潤な林床にまれに見られる。
ラン科ヒトツボクロ属。アカマツ林のような明るい林床に生育する多年草。偽球
茎は狭卵形、汚白色で、2~3 個が連なり、細いひも状の根がある。葉は卵状楕円
形、鋭尖頭、表面は光沢のある深緑色で中肋が白く、裏面は紫色、長さ3.5~7cm、
幅 1.5~3cm。花茎は直立し、細くて高さ 20~30cm、下半部に 2~3 個の鞘状葉
がある。5~6 月、黄緑色の小さな花を5~10 個、まばらにつける。苞は微細で痕
跡だけとなる。萼片および側萼片は狭倒披針形、鈍頭、長さ4mm。唇弁は倒卵形
で長さ約3mm、3 裂し、中裂片は円頭、広線形で全縁、側裂片には細歯牙がある。
距は淡紅紫色、長さ約5mm で、下垂する。蕊柱は長さ3mm。国内では本州~九
州に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境1 箇所で生育が確認さ
れ、1 箇所は対象事業実施区域内であった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境4 箇所で生育
が確認され、4 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
育
情
報
一般生態*2
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生育適地と考えられ、本種の主
な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としているこ
とから、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さ
①造成等の施工による一
く、同様の環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類」
(昭和 57 年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
487(4-5-245)
表 4-5-14(1) 重要な植物(藻類)の予測結果(カタシャジクモ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
世界各地に分布しており、日本では北海道から本州北中部の湖沼に広く見られ
た。
本種は北海道~中部地方に分布し、池・溝・湖水などの静水域に多く見られる。
湖沼では大群落をなし、
ヒメフラスコモとともにいわゆるシャジクモ帯の主要素と
なる。
現在では阿寒湖、十和田湖、蔦沼、中禅寺湖、湯の湖、山中湖、芦ノ湖、河口湖
の 8 湖沼でしか確認されなくなった。本種が生育する湖沼では比較的多数の個体
あるいは群落が確認された。消滅した湖沼では富栄養化が進行し、ソウギョの放流
や埋め立てがなされている。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)において、低地の池沼・水田環境1 箇所で散生が確認され、1 箇所は対象事業
実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生
育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である山
工事の実施による影響
地・丘陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①造成等の施工による一
れる。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
影
時的な影響
る。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック9 植物Ⅱ(維管束植物以外)」
(平成12年 環境省)
488(4-5-246)
表 4-5-14(2) 重要な植物(藻類)の予測結果(シャジクモ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
世界各地に分布し、日本でも国内全域に広く分布している。
各地の池、溝、湖沼、水田、川、潟湖や河口付近に生育していたが、湖沼では市
柳沼(青森県)、中禅寺湖、山中湖、芦ノ湖、河口湖でしか確認されなくなった。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)において、低地の池沼・水田環境の計4 箇所で群生が確認され、4 箇所は対象
事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
育
情
報
確認状況
生育地の分布状況
本種が確認された低地の池沼・水田環境は、生育適地と考えられ、本種の主な生
育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としており、
池沼内に橋脚を建設しない計画としていることから、本種の主な生育環境である山
工事の実施による影響
地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①造成等の施工による一
く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画と
影
時的な影響
している。
響
よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生育環境である山地・丘陵地及び低地の池沼・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、池沼内に橋脚を建設しない計画で
①鉄道施設(地表式又は掘 あることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック9 植物Ⅱ(維管束植物以外)」
(平成12年 環境省)
489(4-5-247)
(2) 植生
対象事業実施区域及びその周辺に生育地が存在すると考えられる重要な群落についての予測結果を
表 4-5-15(1)~(2)に示す。
表 4-5-15(1) 重要な植物群落の予測結果(磯の水神沼・沼沢植物群落)
項目
選定基準
生
育
情
報
一般生態*1
確認状況
内容
第5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書:特定植物群落
植物群落レッドデータブック:ランク3(対策必要)
湿地植生、面積8ha
山元町坂元磯から西方400m の地点。
浮葉植物のヒシ群落、抽水植物群落のマコモ群落、ヨシ群落が分布し、ヨシ群落
の中にヌマゼリ、
ヌマトラノオ、
ヤナギトラノオなどの貴重な植物が混生している。
文献調査*2 及び現地調査において、水神沼と沼周辺で沼沢群落が確認された。
沼の周辺は水田となっており、池の辺縁にヨシやマコモ、ガマがわずかに見られ
る程度である。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、本群落の生育地は、図 4-5-6(出典:
「第 3 回自然環境保全基礎調査 宮城
県自然環境情報図」
)では対象事業実施区域に分断されているが、現地調査による
工事の実施による影響
と、改変区域周辺の本群落の図示範囲は水田や放棄水田となっており、重要な群落
①造成等の施工による一
の対象となる沼沢群落(沼岸の湿生群落)は計画路線により分断されていないこと
時的な影響
影
を確認している。このことから、本群落の生育地は改変区域から離れた場所に位置
響
しており、直接改変されないと予測される。
予
よって、本群落の生育環境は保全されるものと予測される。
測
計画路線は、本群落の生育環境から離れており、土地又は工作物の存在による影
土地又は工作物の存在
響は小さいと予測される。また、計画路線は、本群落の生育環境である低地の池沼・
及び供用による影響
水田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘
ることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在
よって、本群落の生育環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書」
(平成 12 年、環境庁)
、
「宮城県の希少な野生動植
物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「第 2 回自然環境保全基礎調査 宮城県動植物分布図」
(昭和 56 年、環境庁)
、
「第 3 回自然環境保全基礎調査
宮城県自然環境情報図」
(平成元年、環境庁)
、
「植物群落レッドデータブック」
(平成 8 年、日本自然保護協
会他)
、
「平成 25 年度東北地方太平洋沿岸地域 植生・湿地変化状況等調査 調査報告書」
(平成 26 年 環境省
自然環境局)
490(4-5-248)
表 4-5-15(2) 重要な植物群落の予測結果(磯の水神スダジイ林)
生
育
情
報
項目
内容
選定基準
第5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書:特定植物群落
山元町坂元磯の西側の山林。
高木層は高さ14m 内外のクロマツ、
アカマツが優占している林になっているが、
亜高木層には高さ7m 内外胸高直径10cm の常緑樹のスダジイ、落葉樹のコナラ、
ウワミズザクラが混生する。スダジイの分布の北限は名取市の高舘山であるが、県
内でスダジイの更新が確認されているのはこの地域だけであり、貴重な群落であ
る。
文献調査*2 及び現地調査において、シイ林とみられる群落が確認された。
乗馬場の開発により、一部面積が減少している。
一般生態*1
確認状況
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、本群落の生育地は改変区域から離れた場所に位置しており、直接改変されな
①造成等の施工による一
いと予測される。
影
時的な影響
よって、本群落の生育環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本群落の生育環境から離れており、土地又は工作物の存在による影
測 及び供用による影響 響は小さいと予測される。
①鉄道施設(地表式又は掘 よって、本群落の生育環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
割式、及び嵩上式)の存在
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「第 2 回自然環境保全基礎調査 宮城県動植物分布図」
(昭和 56 年、環境庁)
、
「第 3 回自然環境保全基礎調査
宮城県自然環境情報図」
(平成元年、環境庁)
、
「平成 25 年度東北地方太平洋沿岸地域 植生・湿地変化状況
等調査 調査報告書」
(平成 26 年 環境省自然環境局)
491(4-5-249)
5.6 環境保全措置の検討
(1) 保全対象種及び群落の選定
植物の保全対象種及び群落の選定結果を表 4-5-16(1)~(5)に示す。
予測結果より、
対象事業の実施による生育環境の質的変化が生じる可能性があると判断された種を
保全対象とした場合、保全対象種及び群落はないものと予測される。ただし、タコノアシ、ウミミド
リ、イガタツナミソウ、ミズアオイ、オオバノトンボソウについては、専門家の意見を踏まえて保全
対象種として選定した。
表 4-5-16(1) 保全対象種及び群落の選定(植物)
区分
No.
種名
種子植物・シダ植物
植物相
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
1
ミズニラ
B
B
2
ミズニラモドキ
B
B
3
コヒロハハナヤスリ
B
B
4
コハナヤスリ
B
B
5
コバノイシカグマ
B
B
6
フモトシダ
B
B
7
ナンゴクナライシダ
B
B
8
キヨスミヒメワラビ
B
B
9
オオクジャクシダ
B
B
10
オオベニシダ
B
B
11
オオイタチシダ
B
B
12
ヒメイタチシダ
B
B
13
シケチシダ
B
B
14
サンショウモ
B
B
15
アカウキクサ
B
B
16
ヒノキ
B
B
17
イチイ
B
B
18
アカメヤナギ
B
B
19
オオバヤナギ
B
B
20
アラカシ
B
B
21
アブクマトラノオ
B
B
22
ヤナギヌカボ
B
B
23
サデクサ
B
B
24
ヌカボタデ
B
B
25
ノダイオウ
B
B
26
タガソデソウ
B
B
27
ヒゲネワチガイソウ
B
B
28
ミドリアカザ
B
B
29
サネカズラ
B
B
30
クスノキ
B
B
31
ヤマコウバシ
B
B
32
フサザクラ
B
B
33
センウズモドキ
B
B
34
フクジュソウ
B
B
35
スハマソウ
B
B
36
オキナグサ
B
B
37
ヒキノカサ
B
B
38
ヒメバイカモ
B
B
39
バイカモ
B
B
492(4-5-250)
備考
表 4-5-16(2) 保全対象種及び群落の選定(植物)
区分
No.
種名
種子植物・シダ植物
植物相
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
29
サネカズラ
B
B
30
クスノキ
B
B
31
ヤマコウバシ
B
B
32
フサザクラ
B
B
33
センウズモドキ
B
B
34
フクジュソウ
B
B
35
スハマソウ
B
B
36
オキナグサ
B
B
37
ヒキノカサ
B
B
38
ヒメバイカモ
B
B
39
バイカモ
B
B
40
ムベ
B
B
41
マツモ
B
B
42
ハンゲショウ
B
B
43
コモウセンゴケ
B
B
44
ツルキケマン
B
B
45
ナガミノツルキケマン
B
B
46
エゾハタザオ
B
B
47
クサアジサイ
B
B
48
ムカゴネコノメ
B
B
49
タマアジサイ
B
B
50
ヤマアジサイ
B
B
51
タコノアシ
B
B
52
ザイフリボク
B
B
53
ミヤマザクラ
B
B
54
シャリンバイ
B
B
55
ジャケツイバラ
B
B
56
マルバヌスビトハギ
B
B
57
ノアズキ
B
B
58
エゾノレンリソウ
B
B
59
イヌハギ
B
B
60
オオバタンキリマメ
B
B
61
コフウロ
B
B
62
ノウルシ
B
B
63
トウダイグサ
B
B
64
ヒナノキンチャク
B
B
65
オニシバリ
B
B
66
エゾノタチツボスミレ
B
B
67
テリハタチツボスミレ
B
B
68
フモトスミレ
B
B
69
ミゾハコベ
B
B
70
ミズマツバ
B
B
71
オグラノフサモ
B
B
72
ホザキノフサモ
B
B
73
タチモ
B
B
74
ハマボウフウ
B
B
75
サワゼリ
B
B
493(4-5-251)
○
備考
専門家の助言・意見
表 4-5-16(3) 保全対象種の及び群落選定(植物)
区分
No.
種子植物・シダ植物
植物相
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
種名
76
カラタチバナ
B
B
77
ウミミドリ
B
B
78
ヤナギトラノオ
B
B
79
ヒイラギ
B
B
80
ヒメナエ
B
B
81
アイナエ
B
B
82
コケリンドウ
B
B
83
ハルリンドウ
B
B
84
イヌセンブリ
B
B
85
ガガブタ
B
B
86
アサザ
B
B
87
フナバラソウ
B
B
88
スズサイコ
B
B
89
ハナムグラ
B
B
90
スナビキソウ
B
B
91
ヤマルリソウ
B
B
92
ルリソウ
B
B
93
クマツヅラ
B
B
94
ツルカコソウ
B
B
95
キセワタ
B
B
96
ヒメサルダヒコ
B
B
97
ヒメハッカ
B
B
98
ケナツノタムラソウ
B
B
99
ミゾコウジュ
B
B
100 タツナミソウ
B
B
101 イガタツナミソウ
B
B
102 ナミキソウ
B
B
103 アオホオズキ
B
B
104 ヤマホロシ
B
B
105 マルバノサワトウガラシ
B
B
106 スズメノトウガラシ
B
B
107 ケヤマウツボ
B
B
108 ヒナノウスツボ
B
B
109 クワガタソウ
B
B
110 ムシクサ
B
B
111 イヌノフグリ
B
B
112 ハグロソウ
B
B
113 ナンバンギセル
B
B
114 タヌキモ
B
B
115 ミミカキグサ
B
B
116 ホザキノミミカキグサ
B
B
117 ヒメタヌキモ
B
B
118 イヌタヌキモ
B
B
119 ムラサキミミカキグサ
B
B
120 ケナシエゾオオバコ
B
B
121 レンプクソウ
B
B
122 カノコソウ
B
B
494(4-5-252)
備考
○
専門家の助言・意見
○
専門家の助言・意見
表 4-5-16(4) 保全対象種及び群落の選定(植物)
区分
No.
種名
種子植物・シダ植物
植物相
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
123 キキョウ
B
B
124 リュウノウギク
B
B
125 モリアザミ
B
B
126 アズマギク
B
B
127 フジバカマ
B
B
128 コウヤボウキ
B
B
129 オオニガナ
B
B
130 オナモミ
B
B
131 サジオモダカ
B
B
132 アギナシ
B
B
133 ウリカワ
B
B
134 スブタ
B
B
135 ヤナギスブタ
B
B
136 トチカガミ
B
B
137 ミズオオバコ
B
B
138 コウガイモ
B
B
139 ホソバミズヒキモ
B
B
140 ツツイトモ
B
B
141 リュウノヒゲモ
B
B
142 イトモ
B
B
143 イトクズモ
B
B
144 ホッスモ
B
B
145 イトトリゲモ
B
B
146 トリゲモ
B
B
147 ヤマラッキョウ
B
B
148 スズラン
B
B
149 オオチゴユリ
B
B
150 クルマバツクバネソウ
B
B
151 ヒメイズイ
B
B
152 アマナ
B
B
153 ミズアオイ
B
B
154 ノハナショウブ
B
B
155 アヤメ
B
B
156 イヌノヒゲ
B
B
157 ヒナザサ
B
B
158 ミチシバ
B
B
159 ウキシバ
B
B
160 コウキクサ
B
B
161 ミクリ
B
B
162 ヤマトミクリ
B
B
163 ナガエミクリ
B
B
164 ヒメミクリ
B
B
165 エゾウキヤガラ
B
B
166 カンスゲ
B
B
167 オオクグ
B
B
168 オニナルコスゲ
B
B
169 イガガヤツリ
B
B
495(4-5-253)
○
備考
専門家の助言・意見
表 4-5-16(5) 保全対象種及び群落の選定(植物)
区分
No.
種子植物・シダ植物
植物相
藻類
植生
植物
群落
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
種名
170 ムギガラガヤツリ
B
B
171 マメクグ
B
B
172 スジヌマハリイ
B
B
173 コツブヌマハリイ
B
B
174 トネテンツキ
B
B
175 ノグサ
B
B
176 コホタルイ
B
B
177 タイワンヤマイ
B
B
178 マツカサススキ
B
B
179 シラン
B
B
180 ナツエビネ
B
B
181 ギンラン
B
B
182 キンラン
B
B
183 トケンラン
B
B
184 クマガイソウ
B
B
185 セッコク
B
B
186 ハマカキラン
B
B
187 シロテンマ
B
B
188 アケボノシュスラン
B
B
189 サギソウ
B
B
190 ミズトンボ
B
B
191 ムヨウラン
B
B
192 ギボウシラン
B
B
193 ジガバチソウ
B
B
194 アオフタバラン
B
B
195 コケイラン
B
B
196 ツレサギソウ
B
B
197 マイサギソウ
B
B
198 オオバノトンボソウ
B
B
199 カヤラン
B
B
200 ヒトツボクロ
B
B
B
1
カタシャジクモ
B
2
シャジクモ
B
B
1
磯の水神沼・沼沢植物群落
B
B
○
2 磯の水神スダジイ林
C
C
*1:A・・・環境保全措置の検討を行う、B・・・生息環境は保全される、C・・・生息環境への影響はない。
*2:○・・・必要に応じて保全対象とする種。
496(4-5-254)
備考
専門家の助言・意見
(2) 環境保全措置の検討
路線位置及び基本構造の検討段階から、低地の水田、丘陵地の森林、水神沼及びその周辺の自然環
境の改変量を極力抑える計画としており、さらに、工事施工ヤード及び工事用道路は計画路線上を極
力利用する計画としていることから、
予測結果を踏まえた環境保全措置の検討は行わないものとする。
ただし、重要な植物相及び植生の生育環境は保全されるものの、生育地の一部が改変される種があ
り、専門家の意見を踏まえて保全対象種として選定したことから、その植物種を対象に、事業者によ
り実行可能な範囲内で事業により損なわれる環境の有する価値を代償することを目的として、
環境保
全措置の検討を実施した。
ここで、キキョウについては、特定評価書時の現地調査において、「計画路線上の生育が確認され
たことから、事後調査の結果を踏まえて移植等の再検討を行う」こととしていたが、事後調査におい
ては、生育地の多くが対象事業実施区域外であり、生育環境は保全されると考えられることから、環
境保全措置の検討は実施しなかった。また、同様に特定評価書時の現地調査において計画路線上の生
育が確認されていたムカゴニンジン及びオトコヨウゾメは、平成 25 年の宮城県レッドリスト更新に
より重要種選定除外となったことから、環境保全措置の検討は実施しなかった。
1)
検討結果の検証
環境保全措置の検討状況を表 4-5-17に示す。
事業者の実行可能な範囲内で環境保全措置を実施することとしていることから、事業により損な
われる環境の有する価値が代償されているものと考えられる。
表 4-5-17 環境保全措置の検討状況(植物)
実施の検討*1
検討の概要
重要な種の移植
○
重要な種の生育地の一部が消失する場合に移植を実施するこ
とで重要な種の生育環境への影響を代償できることから、環境
保全措置として採用する。
重要な種の生育環境の創出
-
重要な種の生育環境を創出することにより、影響を代償するこ
とができるが、町内は復興事業を実施しており、安定した用地
の確保が困難なことから実施しないこととした。
環境保全措置
*1:○・・・環境保全措置を講じる、-・・・環境保全措置を講じない。
2)
検討結果の整理
環境保全措置の内容を表 4-5-18に示す。
事業により損なわれる環境の有する価値を代償するため、「重要な種の移植」を実施する。
表 4-5-18 環境保全措置の内容(植物)
項目
実施主体
保全対象
種類・方法
実施
位置
内容
時期
重要な種の移植
新地町、山元町
生育地の一部が改変区域に位置する重要な植物
重要な種の移植
改変区域の重要な種の生育地
工事着手前
生育地の一部が消失する種について、類似の環境に移植することで重要な種の生育環境への
保全措置の効果
影響を代償することができる。
効果の不確実性 移植した植物の生育状況に不確実性あり
他の環境への影響 なし
497(4-5-255)
3)
環境保全措置の実施
ア. 重要種の移植
移植の概要を表 4-5-19(1)~(2)に示す。
予測結果により、生育地の一部が改変される種のうち、生育地が新地町の一部に限定されている
ウミミドリのほか、専門家の意見を踏まえて、タコノアシ、イガタツナミソウ、ミズアオイ、オオ
バノトンボソウについて移植を実施した。移植地は、それぞれの種の生育地が存在する町の町有地
の中から生育に適した環境の場所を選定した。
表4-5-19(1) 重要植物種の移植概要(福島県)
移植種
重要種選定状況
移植先
タコノアシ
(ユキノシタ科)
環境省:準絶滅危惧(NT)
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
ウミミドリ
(サクラソウ科)
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
新地町内の町有地
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
ミズアオイ
(ミズアオイ科)
環境省:準絶滅危惧(NT)
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
移植作業日 移植方法
移植数量
株移植
67 株
株移植
移植延長 30m
種子播種
果実 50 個
移植作業日 移植方法
移植数量
新地町内の町有地
平成 25 年
11 月 13 日
新地町内の町有地
表 4-5-19(2) 重要植物種の移植概要(宮城県)
移植種
重要種選定状況
移植先
イガタツナミソウ
(シソ科)
宮城県:準絶滅危惧(NT)
山元町内の町有地
ミズアオイ
(ミズアオイ科)
環境省:準絶滅危惧(NT)
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
山元町内の町有地
オオバノトンボソウ
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
(ラン科)
平成 25 年
10 月 30 日
山元町内の町有地
株移植
42 株
種子播種
果実 340 個
株移植
25 株
イ. 重要種の再移植
再移植の概要を表 4-5-20に示す。
新地町で移植した種のうち、
タコノアシとウミミドリの移植地が他事業により改変されることに
なったことから、別の町有地に再移植を実施した。再移植は、移植地として確保した町有地に移植
可能な量について実施した。
表4-5-20 重要植物種の再移植概要(福島県)
移植種
重要種選定状況
移植先
移植作業日 移植方法
新地町内の町有地
タコノアシ
(ユキノシタ科)
環境省:準絶滅危惧(NT)
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
ウミミドリ
(サクラソウ科)
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
新地町内の町有地
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
新地町内の町有地
498(4-5-256)
平成 26 年
4 月 28 日
移植数量
株移植
31 株
株移植
13 株
株移植
移植延長6.5m
5.7 事後調査
(1) 事後調査の必要性
予測は、重要な種及び群落の消失・縮小、生育環境の質的変化の影響について対象事業の実施によ
る改変区域との重ね合わせや科学的知見を参考に行っており、
予測の不確実性は小さいと考えられる
ため、事後調査は実施しないものとする。ただし、移植を実施した種については、移植後の生育状況
に不確実性が残ることから、事後調査を実施するものとする。
(2) 事後調査の概要
植物の事後調査の概要を表 4-5-21に示す。
事後調査は、移植を実施した重要な植物種の生育状況及び移植地の状況を確認する。現地調査は平
成 27 年に 3 回程度実施するものとし、その後は専門家の指導・助言のもと、適切な措置を講じるも
のとする。
表 4-5-21 事後調査の概要(植物)
調査項目
調査内容
実施主体
○調査対象
移植した重要な植物種
・新地町:タコノアシ、ウミミドリ、ミズアオイ
・山元町:イガタツナミソウ、ミズアオイ、オオバノトンボソウ
移植した重要な
植物種の生育状況
及び移植地の状況
○調査時期
平成 27 年の春季・夏季・秋季
○調査範囲
移植を実施した町有地内の移植地
・新地町:2 箇所
・山元町:1 箇所
○調査方法
移植した重要な植物種の生育状況及び移植地の状況確認
(3) 事後調査の結果により環境影響の程度が著しいことが明らかとなった場合の対応方針
事前に予測し得ない環境上の著しい影響が生じた場合は、事業者が関係機関と協議し、必要に応じ
て専門家に相談して、その指導・助言のもと、適切な措置を講じるものとする。
(4) 事後調査結果の公表の方法
事後調査結果の公表等については、原則として事業者が行うものとする。公表時期・方法等につい
ては関係機関と連携して適切に設定するものとする。
5.8 評価
路線位置及び基本構造の検討段階から、低地の水田、丘陵地の森林、水神沼及びその周辺の自然環境
の改変量を極力抑える計画とし、工事施工ヤード及び工事用道路についても計画路線上を極力利用する
計画としていることから、事業者の実行可能な範囲内で回避又は低減されるものと評価する。
また、改変されるおそれのある計画路線上及びその周辺で確認された重要な植物種については、専門
家の意見を踏まえて移植を実施し、その生育状況を確認することとしていることから、事業者の実行可
能な範囲内で事業により損なわれる環境の有する価値が代償されるものと評価する。
なお、事後調査の結果、環境影響が著しいことが明らかになった場合は、専門家の指導・助言を得て
適切な措置を講じるものとする。
499(4-5-257)