農業用減価償却資産の損失額の計算 - JAちちぶ ちちぶ農業協同組合

税務相談(JAちちぶ広報誌やまなみ26年11月号)
農業用減価償却資産の損失額の計算
問
本年2月の大雪で農業用建物に被害を受けましたので取り壊しました。この災害による損
失額はどのように取り扱われるのでしょうか。また、その損失額はどのように計算するので
しょうか。
回
答
農業等の事業の用に使われている固定資産について、取壊し・除却・滅失などの理由で生
じた損失額(保険金・損害賠償金等で補填される金額を除きます。
)は、農業(事業)所得等
の計算上、必要経費に算入されます。この場合、必要経費に算入される損失額は次の算式で
計算します。
算
式
①被災直前のその資産の帳簿価額
②被災直後のその試算の時価で計算した金額
③その資産から生じた廃材などの価額 ④保険金・損害賠償金等で補填される金額
⑤損失額
⇒①-②-③-④=⑤
注)被災直前のその資産の帳簿価額とは、次の算式で計算します。
①その試算に係る取得価額
額
②設備費及び改良費
④被災直前のその資産の帳簿価額
③①及び②に係る減価償却費の合計
⇒①+②-③=④
したがって、ご質問の場合は、上記の算式に基づいて計算した結果により、次のように取
扱われます。
①帳簿価額が被災直後のその資産の時価を上回る場合、その損失額はその損失が生じた年
分の必要経費に算入されます。
②被災直後のその資産の時価が帳簿価額を上回る場合、その損失額はなかったものとなり
ます。
なお、災害による事業用資産の損失は、その年の確定申告書をその提出期限までに提出し、
その後においても連続して確定申告書を提出している場合には、3年間の繰越控除が認めら
れます。