「好き好き大好き」であるがために押しつけてしまう心君は「村上春樹」

第 5 章 君と僕とメディア
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「好き好き大好き」であるが
ために押しつけてしまう心
君は「村上春樹」に弱い
CHECK
村上春樹に弱い人の特徴
□ 謎めいた展開のドラマやアニメが好き
□ プチネットストーカー経験がある
□ 人を変えようとしてしまいがち
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ちょっと不思議なことや納得できないことがあると、
「なぜそ
うなっているのか」が気になって仕方ないのです。
村上作品の場合はまさにそれで、ほとんどの人にとっては「な
にが書いてあるかよくわからない」
。
だからみんな気になり、自分なりの理屈を探すのです。
もはやメインカルチャーの「エヴァ現象」
そういう点では、村上春樹と通ずるところにあるのが『新世紀
エヴァンゲリオン』ではないでしょうか。
『新世紀エヴァンゲリオン』は、1995 年に放映されたテレビア
「隠された謎」のとりこになる
あなたは村上春樹さんの作品を読んだことがあるでしょうか?
ニメでしたが、熱狂的な人気を集め、映画化までされ、さらに
10 数年たった今も再び「新劇場版」が制作されています。
人によって「最高だった」
「イマイチだった」
「よくわからなか
これがただのロボットアニメならそうならなかったのでしょう
った」と賛否両論の作家さんなのですが、ある人がこんなことを
が、思春期の子どもたちの心の葛藤、キリスト教の世界観をモチ
言っていました。
ーフにした複雑な設定、そして、あまりの「謎」の多さ……ここ
「村上春樹は、『自分だけが彼の世界を理解できる』と思わせる
に、子どもからおとなまでとりこになったのです。
ことが最高にうまい作家である」
。
これは言い得て妙で、
「ああ……たしかにそうだなぁ」と思っ
てしまいました。
たとえば村上春樹関連の本を探してみると、文学者がこぞって
村上春樹作品の分析をしています。
では、なぜ研究するのかというと「なにが書いてあるかわから
ないから」
「すべてが明らかになっていないから」でしょう。
というのも、人の心理には「理解したい」
「知りたい」という
欲求があります。
私(ホッタ)は先日初めて観たのですが、驚きました。
だって、あまりにも不親切なのです。
内容を理解しようと思って観賞しようとすると、
「この単語の
意味ってなに?」「今なんて言った?」
「え、なんで急にそんな話
になってるの?」……と、ちょっとしたフラストレーションすら
たまります。
「もっとちゃんと説明してくれよ!」と、一生懸命ネットで調べ
たりして、もうその時点ですっかりハマっているのです。
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人は、好きなもののことはすべて知りたい。理屈をつけて納得
弱さを克 服するための処 方 箋
したいと思ってしまいます。
そのオタク精神が科学技術を発展させ、今の暮らしがあります
……が、しかし、これが対人関係などにまで発展するとちょっと
ミステリアスなアニメなどにハマりがちな人は・・・
→→ものすご〜く難しい文学に挑戦してみる(理屈や合
理性ではない世界が描かれています)
危険です。
たとえばストーカーの心理というのは、
「相手のことが好きす
ぎて、行動をすべて把握したい」
。最終的には、
「相手のすべてを
コントロールしたい(思いどおりにならないのがイヤ)」といっ
た気持ちが強くなりすぎ、危ない行動につながるのです。
ある程度精神的におとなになると、知っておいたほうがいいこ
と、知らないほうがいいことの線引きができます。
人と他人は違う生き物だということをわかっているからです。
ですが、精神が未熟なままだと、自分と他人を同じフィールド
に入れて考えてしまいます。
だから、同調することを求めるし、コントロールしたがるし、
異なる意見を認められません。
人に自分の気持ちを強要するのは、前項のいじめの問題とも似
ています。※ 1
村上春樹が好きでも、エヴァが好きでも、そのこと自体はまっ
たく問題ありません。しかし、その趣味嗜好を他人に押しつけて
しまってはいないでしょうか?
まとめ
CASE 1
気持ちや価値観を押しつけるのは
マナー違反(伝えるのは OK)
※ 1天声人語に書かれた「love と like の違い」が話題になりました。「love は異質なものを求め、like は同質なもの
を求める心の作用」という考え方があるそうです。「押しつけ」や「同調圧力」は、love ではなく like なのです。
CASE 2
プチネットストーカーになりがちな人は・・・
→「知りすぎると興味を失うこともある」と、思いとどめ
→
てみる
CASE 3
人を変えようとしてしまう人は・・・
→「他人は変えられない、自分が変えることができるの
→
は自分だけ」と自分に言い聞かせる
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