シリアル伝送型Flex Ethernetにおける適応型リンクレート変更実現のため

B-12-7
2015 年 電子情報通信学会総合大会
シリアル伝送型 Flex Ethernet における適応型リンクレート変更実現
のためのダミー信号挿入手法の提案
Proposal of the dummy signal insertion method for realizing the adaptive link rate of the serial
transmission type Flex Ethernet
岡本 聡*1*2
宮崎 貴博*2
Satoru Okamoto Takahiro Miyazaki
Ion Popescu*3
Ion Popescu
*1
電気通信大学
The University of Electro-Communications
千野 光礼*2
山中 直明*2 Malathi Veeraraghavan*4
Mirai Chino Naoaki Yamanaka Malathi Veeraraghavan
*2
慶應義塾大学
Keio University
*3
Telecom Bretagne
Telecom Bretagne
大木 英司*1
Eiji Oki
*4
University of Virginia
University of Virginia
1. まえがき
3. ダミー信号のフォーマット提案
25 Gb/s × n の任意の Ethernet を実現する Flex Ethernet の
議論が進められている[1].Flex Ethernet の適用例として,
100 Gb Ethernet (100GE)の転送レートを転送トラヒック量
に適応させ,PCS (physical-coding sublayer),PMA (physicalmedium-attachment sublayer) , PMD (physical-mediumdependent sublayer)の未使用レーンを休止させることで省電
力化を実現すること[2]があげられる.[2]においては,
PHY の光モジュールの ON 時間が 2 ms 程度と見積もられ
ており,リアルタイムなトラヒック変動ではなくトラヒッ
ク予測に基づいた統計的な適応型リンクレート変更(ALR)
手法が提案されている.本論文では,PHY としてコヒーレ
ント伝送に基づいたシリアル 100 Gb/s 伝送型システムを適
用し,リアルタイム ALR を実現するために PHY が生成す
るダミー信号挿入手法を提案する.
ダミー信号は DSP の内部で生成され,以下の条件が必要
となると考える.1) 固定パターン,2) 受信側 DSP での高
速検知可能,3) DC バランス信号.1) は DSP 内部回路の簡
易化を,2)は 受信側 での高速 ALR 同期を目的とする.ま
た,3) は高速回路での一般的要件となる.
提案するダミー信号フォーマットを図 2 に示す.各仮想
レーン単位では,“0000011111”の固定パターンであり,
64B66B の同期パターンである 66 bit 毎の“10”,“10”の
出現を回避することで,①受信側での高速ダミー信号廃棄,
②Running Disparity ≦ 5 による擬似 DC バランスの実現,
③生成信号の“00”及び“11”出現パターンによる受信側
DSP 内での ALR 切替認識の簡易化及び高速化が期待でき
る.
2. シリアル伝送型 ALR 実現手法
図 1 に 25 Gb/s×n 型 Flex Ethernet MAC (F-MAC)に対して
DP-QPSK によるシリアル伝送を適用するシステム構成例
を示す.F-MAC において,5 本の仮想レーン単位で信号割
当を行うことで,PMD の 25 Gb/s レーン単位での ON/OFF
が可能となることがわかる.F-MAC では,10GBASE-W と
同様のレート調整により 25 Gb/s 単位での ALR が実行され,
PCS/PMA/PMD の ON/OFF が可能となる.PHY にコヒーレ
ント伝送を採用することで,ALR 時の光モジュール ON/
OFF が回避され,リアルタイムトラヒック変動に対応可能
な 100 µs 未満の高速 ALR 切替が期待できるが,PHY の
DSP においてダミー信号を挿入することが必要となる.
図 2.ダミー信号フォーマット. (a) 仮想レーンマップ.(b) 生成信号.
4. まとめ
F-MAC に対応した高速 ALR 切替実現のためのダミー信
号フォーマットを提案した.
謝辞
本研究の一部は,NICT 委託研究「将来ネットワークの
実現に向けた超大規模情報ネットワーク基盤技術に関する
研究」の成果です.
参考文献
[1] Ethernet Alliance http://www.ethernetalliacnce.org/
[2] P. Reviriego, et al. “Improving Energy Efficiency in IEEE 802.3
ba High-Rate Ethernet Optical Links.” IEEE Journal of Selected
Topics in Quantum Electronics, Vol.17, No.2 pp.419-427, 2011.
図1.シリアル伝送型 100 GE システム構成
2015/3/10 〜 13 草津市
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( 通信講演論文集 2 )
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