カナダ特集 2015

Canada Special 2015
カナダ特集 2015
(2)
(第3種郵便物認可)
第2277号
2015年(平成27年)7月20日 増刊
カナダ観光局
Destination Canada
組織名を「Destination Canada」に
「競争力のあるデスティネーション」へ
組織名を新たに「Destination Canada」としたカナ
ダ観光局。観光局社長兼CEOのデービッド・ゴール
ドスティーン氏は「カナダを競争力のある力強いデス
ティネーションにしたい」と意気込みを見せる。ブラ
ンディング新たにし、これまで以上にマーケティング
機関としての側面を強く打ち出す観光局の戦略につい
て触れてみたい。
カナダシアターは、カ
ナダ建国150周年を迎え
る2017年7月までの約2
年間にわたって実施する
プロモーションで、ウェ
ブサイトを軸にカナダ
の魅力を10のテーマで訴
求。BSイ マ ジ カ 制 作 の
ドキュメンタリードラマ
「MOSAIC -CANADA-」
、
旅行雑誌「クレアトラベ
ラー」とのタイアップ企
「カナダシアター」ウェブサイト
www.canada.jp
画など、各種メディアの
協力で、オリジナルコンテンツを充実させる。
また、旅行会社各社は10のテーマに合ったツアーを
造成。ツアー内容はウェブサイトで紹介、旅行会社各
社へのリンクも用意する。ライリー日本代表は「すで
に夏と一部秋のツアーで80本集まった。これから紹介
する秋と冬のツアーを加えれば、ツアー数は100本に達
する。テーマと連動したツアーで新しいカナダの魅力
を紹介したい」と述べた。
カナダシアターについて、
ライリー氏は「場所ではな
く、テーマを切り口とした展開が今の日本のマーケッ
トにマッチしている。カナダシアターはコンテンツ重
視のプロモーション。カナダ観光局全体としてもコン
テンツ・マーケティングに力を入れる方針で、日本は
そのテストケースに位置づけられている」と説明した。
同路線は実に7年ぶりの再開で、レジャー運航部門
の「エア・カナダ ルージュ」が運航する。関西マーケッ
トについて、ライリー日本代表は「カナダシアターの
アクセス数の24%は大阪からの訪問者で、東京に次ぐ
規模。関心の高さがうかがえる」と説明。また「直行
便の再スタートとなるので、まずは旅行会社とのパー
トナーシップを強化していきたい」と旅行会社重視の
姿勢を示す。
今年は日本人6%増
25万3000人目標に
観光局では、今年の日本人訪問者数の目標を前年比
6%増の25万3000人に定める。ライリー氏は「航空座
席供給が昨年は前年比で15%増、今年は17%増となる
が、カナダやアジアからの渡航者も日本のフライトを
数多く利用しており、その面を考慮して6%増という
目標とした。供給がさらに増えることに期待したい」
とコメント。今年 1 - 4 月は前年同期比2.7%増の5万
8143人で、今後関空線再開や夏のピークシーズンを迎
えることから、
「伸び率はさらに高まるはず」と期待を
見せた。
→詳しくは7〜10ページ
航空アクセスと
パートナーシップに注力
ゴールドスティーン氏
新名称で
「カナダブランド」を訴求
カナダ観光局の新名称「Destination Canada」につい
て、観光局日本代表のモリーン・ライリー氏は「これ
までの名称は、どちらかというと政府機関としての印
象が強かった。新名称はカナダのブランドを表してお
り、今後は観光以外の面でも使用していく予定だ」と
説明。なお、日本語名称の「カナダ観光局」は変更せ
ず、今後も同名称を使用していく。
ライリー氏
各国に合ったプロモーション展開
日本では「カナダシアター」
新組織でのプロモーション展開について、ゴールド
スティーン氏は「各国それぞれのマーケット特性に合
わせた『テーラーメイド』のマーケティングを展開し
たい」と述べ、一例として日本マーケット向けに5月
1日よりスタートした「カナダシアター」を挙げた。
ゴールドスティーン氏は、カナダを「競争力のある
デスティネーション」にするために、航空アクセスと
パートナーシップ強化に注力する。同氏は「世界各地
からカナダへアクセスしやすくすることで、需要を伸
ばすことができる」と強調。特に昨年は世界各地から
カナダへの航空座席供給が前年比で12%増となり、そ
れが「カナダへの旅行者増につながった」と評価した。
なかでも日本からは羽田線の就航により、昨年の航
空座席供給が前年比で15%も増えたことで、カナダへ
の日本人訪問者数は観光目的で23万9000人と前年比で
13.1%増となった。
「日本からのアウトバウンド全体の
数は前年比で3%減だったことを考えると、大きなプ
ラスを記録したことは大変意義深い」と振り返る。
ほかにも中国路線の拡大、エールフランス航空がパ
リ↔バンクーバー線を開設したことで需要が伸びた点
も挙げ、
「航空座席供給の拡大が旅行者増に確実に結び
ついている」と指摘した。
また重要視するパートナーシップについても、日本
の「チームカナダ」を一例に挙げ、
「各州の観光局や航
空会社、サプライヤーとの協力関係が訪問者数増に結
びついている」と述べ、その重要性を指摘する。
今後の国際マーケット全体の需要見通しについて
は、
昨年は「結果を残した年」と評価。航空座席供給の
アップ、さらに日本での「カナダシアター」を含め、
新体制でのプロモーション展開がスタートすることか
ら、
「前向きにみている」との見通しを示した。
関空扌バンクーバー直行便復活
旅行会社を重視
新フライトで拡大するマーケット。今年は昨年に引
き続き航空座席供給が増加傾向にあり、特にエア・カ
ナダの関空↔バンクーバー線復活が大きい。
週刊ウイングトラベル「カナダ特集2015」目次
WING Travel Weekly “Canada Special 2015” Contents
カナダ観光局 Destination Canada・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 2
エア・カナダ Air Canada ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 3
RVC2015レポート RVC2015 Report ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 4-5
オンタリオ州 Ontario ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 6
カナダシアター Canada Theatre ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 7-10
ノースウエスト準州 Northwest Territories ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 11
ユーコン準州 Yukon Territory ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 12
プリンス・エドワード島州 Prince Edward Island ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 13
カナダでドライブ Driving in Canada ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 14
エイビスレンタカー AVIS Rent A Car ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 14
アルバータ州 Alberta・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 15
エア・カナダ Air Canada ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Page 16
ノースウエスト準州
Northwest Territories
ユーコン準州
Yukon Territory
「エア・カナダ ルージュ」関空扌バンクーバー線就航式典の様子
TOPIC
カナダ政府、
電子認証「eTA」を来年3月15日より導入
カナダ連邦政府は、2016年3月15日より電子渡
航認証「eTA
(Electronic Travel Authorization)
」
を導入すると発表した。アメリカ合衆国を除く
ビザ免除国が対象となり、日本も含まれる。同
日より、空路でビザなし入国する際にeTAの取
得が必要となる。
申請はウェブサイト経由で、料金は7カナダ
ドル。有効期間は5年間で、期間内なら何回で
も入国が可能だ。今年の8月1日より申請受付
を開始、2016年3月14日までは移行期間として、
eTA取得なしでも入国は可能だ。
eTAは、安全保障上のため行うもので、導入
メリットとしては、事前に旅行情報を入力して
おくことで、入国審査時の時間短縮につながる
点が挙げられる。各旅行会社への情報提供を行
う予定。電子渡航認証については、アメリカの
「ESTA(14米ドル/2年間有効)
」やオーストラ
リアの「ETAS(20豪ドル/1年間有効)
」など
の先行例があり、カナダのeTAもほぼ同様の形
態となる。
なお、カナダ連邦政府はeTAに関する情報を
まとめたウェブサイトを開設、同サイトより今
後はeTA申請が可能となる。
【eTAウェブサイト】http://canada.ca/eta
エア・カナダ
Air Canada
Page
11
Page
Page
3・16
エイビスレンタカー
Avis Rent A Car
Page
プリンス・エドワード島州
Prince Edward Island
Page
14
13
12
アルバータ州
Alberta
Page
15
オンタリオ州
Ontario
Page
6
第2277号
(第3種郵便物認可)
Air Canada
日本からカナダへ最大週33便
関空からもノンストップ
日本扌カナダ間を最大週33便で結ぶエア・カナダ。成田に加え、羽田からもフライ
トを運航、さらに今年5月からは、新ブランド「エア・カナダ ルージュ」として、
関空扌バンクーバー線を週5便で再開、関西エリアからもカナダへ直接アクセスでき
るようになった。
関空扌バンクーバー線を再開
「ルージュ」ブランドで週5便
7年ぶりの再開となった関空↔バン
クーバー線。既に7~8月を中心に、予
約も順調で好評だ。夏期スケジュールは
週5便の運航で、レジャー路線を運航す
るエア・カナダの新ブランド「エア・カ
ナダ ルージュ」の機材と乗務員が担当す
る。
「エア・カナダ ルージュ」にとって、関
空↔バンクーバー線はアジア初の路線。
利便性の高いスケジュールにも注目だ。
バンクーバー到着は午前中で、カナダ各
地への乗り継ぎが便利。また帰りのバン
クーバー発もお昼なので、カナダ各地か
らの乗り継ぎがスムーズ。カナダだけで
なく、ラスベガスへの乗り継ぎが良い点
も大きなポイントだ。
羽田から唯一の北米行き昼便フライト
成田からはカナダ3都市へ
日本からカナダへ、最大のネットワー
クを誇るエア・カナダ。特に首都圏から
は、羽田と成田の両空港からカナダへフ
ライトが飛ぶ。
羽田↔トロント線
(週7便)
は、羽田発
唯一の北米行き昼便フライト。羽田を発
着する日本の国内線フライトとの接続は
もちろん、トロントからは、カナダ東部
に限らず、アメリカやカリブ、南米各地
へも便利に乗り継ぐことができる。
また成田からは、トロント
(週7便)
と
バンクーバー
(週7便)
、カルガリー
(最大
週7便)のカナダ3都市へそれぞれフラ
*カナダ国内線を一部抜粋
エア・カナダは、英スカイトラックス社
調査で5年連続「北米ベストエアライン」
を受賞(
「北米の国際線ベストエアライ
ン」を含む)
、北米の国際線航空会社で
エア・カナダ
唯一4つ星ランクを獲得しており、その
サービスレベルの高さは北米随一。すべ
てのクラスで高品質なサービスを提供す
る。
Air Canada
全席通路側、フルフラットの快適空間
International Business Class
国際線ビジネスクラス
(羽田/成田発の全路線)
全席通路側、180度フルフラットにリク
ライニングするシートで、長いフライト
でも快適な睡眠環境を作り出す。B787型
機(成田扌トロント/バンクーバー線)に
は、個室感覚の最新シート「エグゼクティ
ブ・ポッド」が登場。フルフラットで全
長203cmの空間が広がり、最新機内エン
ターテインメントを楽しめるタッチパネル
式の18インチ大型モニター、ユニバーサル
電源、スマートフォ
ンなどの充電ができ
る U S B ポート、収
納式大型テーブルを
搭載する。ボリュー
B787型機
ムのある機内食は、懐石風の和食を含む4
種類からチョイスが可能。上質なワインや
「Lavazza」の淹れたてエスプレッソも味わ
いたい。アメニティー・キットは、バンクー
バー発の自然派コスメブランド「Escents」
のプロダクトで、カナダらしさにこだわり
を見せる。
Premium Economy
プレミアム・エコノミー
(B787型機:成田扌トロント/バンクーバー線)
B787型機(成田扌トロント/バンクーバー線に投入)
イトを運航。カナダ東部とカナダ西部を
まんべんなくカバーする。
クセスできるカナダ東海岸の拠点都市ハ
リファックスへもトロントからフライト
が飛ぶ。
さらに首都のオタワ、フランスの雰囲
気を感じさせるモントリオールへは、ト
ロント、バンクーバー、カルガリーの3
都市すべてから乗り継ぐことが可能。特
にトロント↔オタワ間など、主要な国内
線はほぼ1時間に1本程度の運航で、フ
ライトの選択肢が豊富にある。
アメリカやカリブ、南米へ
カナダ以外への乗継も便利
また、カナダ以外のアメリカやカリブ、
中南米への乗り継ぎも便利だ。特にトロ
ント経由なら、アメリカ中部や東海岸エ
リア、キューバ、南米のペルーやブラジ
ル、
チリ、
アルゼンチンへ便利に接続でき
るほか、バンクーバーからは、ラスベガ
スをはじめとするアメリカ西部、メキシ
コシティへも同日接続できるのが便利だ。
「北米ベストエアライン」5年連続受賞
高品質なサービスをすべてのクラスで
専用サービスで、ワンランク上の旅を提案
充実のカナダ国内線ネットワーク
豊富なフライトで全土を広くカバー
エア・カナダは、カナダの航空会社と
して、カナダ国内のネットワークが充実
しているのが大きな強み。例えば、オー
ロラ鑑賞の拠点となるイエローナイフや
ホワイトホースへは、バンクーバーまた
はカルガリー経由でアクセスできる。
また、小説「赤毛のアン」の舞台で有
名なプリンス・エドワード島のシャー
ロットタウンへは、羽田または成田から
トロント乗り継ぎが便利。島へ陸路でア
(3)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
乗り継ぎの際は、トロント、バンクー
バーでの受託手荷物のピックアップは不
要で、荷物はそのまま最終目的地で受け
取ることが可能。さらに両空港でアメリ
カの入国/税関審査を受けることができ
るので、アメリカ到着時は、荷物をピッ
クアップすれば、すぐに空港を出ること
が可能。まさに国内線同様の感覚だ。
B787型機(成田扌トロント/バンクー
バー線)に搭載したプレミアム・エコノ
ミー。横2-3-2の配列で、全21席を用意。
シートピッチ96.5cm、シート幅49.5cm
と、エコノミークラスよりもひとまわり大
きいスペースを確保。深いリクライニング
で、ワンランク上の快適で上質な旅を提供
す る。11イ ン チ の
タッチパネル式モニ
ターで機内エンター
テインメントが楽し
めるほか、ユニバー
B787型機
サル電源とUSBポートを全席に設置。機
内食はプレミアム・エコノミー専用のメ
ニューで、オリジナルカクテルのサービス
など、エコノミークラスにはないサービス
を体験できる。
足まわり広々の「プリファード・シート」も
Economy Class
エコノミークラス
(羽田/成田発の全路線)
エア・カナダのエコノミークラスは、通
常よりも広めのシートで好評。全席に9イ
ンチのモニターを設置、機内エンターテイ
ンメントが楽しめる。USBポートでスマー
トフォンや携帯音楽プレーヤーなどの充電
ができるほか、一部
シートにはユニバー
サル電源も完備。機
内食は2種類のチョ
イ ス で、 ワ イ ン や
エア・カナダ ルージュ
B787型機
ビールなどのアルコール類は無料だ。また、
追加料金*で、さらに足まわりの広い「プリ
ファード・シート」を利用できる。
*一部運賃、及びマイレージ・プログラム「エアロプラ
ン」上級会員は、無料または割引料金で利用可能
Air Canada Rouge
快適で上質な旅なら、優先サービスも
Premium Rouge
プレミアムルージュ
(関空扌バンクーバー線「エア・カナダ ルージュ」)
横 2 -2 -2 の座席配列で、シートピッチ94cm、座席幅
60cmのゆとりあるシート。バーサービスやワンランク上
の食事を味わいながら、機内エンターテインメントが楽し
めるiPadを無料で借りることができる。空港での優先的な
手荷物取扱、優先搭乗など、ビジネスクラス同様の質の高
いサービスも用意する。
サービス充実、ユニークな機内エンタメ
Rouge
ルージュ (関空扌バンクーバー線「エア・カナダ ルージュ」)
横 2 - 3 - 2の座席配列で、シートピッチ76cm、座席幅51
~53cmの快適なシート。追加料金でシートピッチ89cm
の「ルージュ・プラス」シートの利用も可能だ。飲み物
(アルコール類は有料)と食事のサービスのほか、機内エ
ンターテイメントは、ノートパソコンやiPhone、iPad(有
料貸出あり)、iPodTouch及びAndroid端末にアプリケー
ションをダウンロードして、自分の端末で楽しめるスタイ
ル。カナダへのフライトをカジュアルに楽しめる。
(4)
(第3種郵便物認可)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
RVC2015レポート
第2277号
RVC2015 Report
RVC2015、ナイアガラフォールズで開催
日本から41名が参加、国別で3位の規模に
各州、サプライヤーの動き
ブリティッシュ・コロンビア州
GSA公募、秋までに決定
旅行会社とメディア重視の姿勢変わらず
ブリティッシュ・コロンビア
(BC)州観光局
は、今年6月に新たな日本地区GSAの公募を
開始、遅くとも秋までには決定、新たな日本
事務所を立ち上げる計画だ。
BC州観光局は、直轄オフィスの見直しに伴
い、今年の4月末に日本事務所を閉鎖したば
かり。日本市場に対しては、これまで通り旅
行会社とメディアへのアプローチを重視する
方針だ。新しいGSAの活動について、観光局
市場開発マネージャー(アジア担当)のモニ
カ・リーク氏は「旅行会社とメディアへのプ
ロモーションは引き続き力を入れたい」と説
明。特に冬のパッケージ、夏のワインやグル
メのパッケージを提案していく考えで、
「日本
からの旅行者は、バンクーバーからカナディ
アン・ロッキーへ向かうルートが中心。もっ
と違うエリアや違った季節の旅行を紹介した
い」と述べた。
「RVC2015」会場の様子
カナダ観光局主催のトラベルトレードショー「RVC2015」がオンタリオ州ナイアガ
ラフォールズで開催された。今年で39回目の開催となり、5月26〜29日の期間中、
28か国から453名の旅行会社バイヤーが参加。またカナダ側は、537社921名のサ
プライヤーが集まり、過去2番目の規模となった。日本からはメディア3名を含む41
名が参加し、国別で英国の53名、中国の52名に次ぐ規模となった。今回は、ブラン
ド強化に伴う観光局の名称変更(Destination Canada)や電子渡航認証「eTA」の
発表など、話題の多い回となった。
観光大臣が挨拶、マーケティング予算を計上
初日には、カナダ連邦政府より中小企
業・観光担当国務大臣のマキシム・ベル
ニエ氏が登場。
同氏は「観光面において、他国との競
合関係が強まる中、カナダはさまざまな
革新的な手法でカナダへ行く理由を強く
打ち出せるマーケティングやキャンペー
ンが必要だ」と述べ、マーケティング強
化のため、カナダ観光局に対し、アメリ
カ向けプロモーション用として今後3年
間で3000万カナダドルを拠出すると発表
した。
新たなマーケティング予算が追加され
たことで、結果的に日本を含む海外プロ
モーション用予算も増えることになる。
左よりデービッド・ゴールドスティーン カナダ観光局社長兼
CEO、マキシム・ベルニエ 中小企業・観光担当国務大臣。真
ん中にカナダ観光局の新ロゴ「Destination Canada」
開催地を体験できるイベントも
商談が主体のトレードショー。もちろ
ん開催地を体験できるイベントもトレー
ドショーの醍醐味だ。特に今年は日本人
に人気の高いカナダ随一の観光ポイント
であるナイアガラの滝を間近に体験でき
る良い機会となった。
昨年よりホーンブローワー社の運航と
ワイナリーでのディナーも
なった「ナイアガラ・クルーズ」の体験
やナイアガラ・オン・ザ・レークのワイ
ナリー訪問とディナーなど、ナイアガラ
フォールズならではのユニークなアク
ティビティーを体験、参加する旅行会社
スタッフ自身がカナダの魅力に触れるこ
とができた。
VIA鉄道がトロントからナイアガラへの特別列車を運行
来年は4月下旬にモントリオールで開催
来年40回目を迎える「RVC2016」は、ケベック州モントリオールで2016年
4月24〜27日に開催される予定。翌年(2017年)の「カナダ建国150周年」
を控え、関連イベントやプロモーション展開についての発表も期待される。
新GSAでブランド刷新
日本人10%増に期待
また観光局では、昨年よりブランドイメー
ジを刷新、日本
でも新 G S A の
もと、
「今年冬か
ら来年夏にかけ
て新しいブラン
ドイメージを日
本でも発信した
い」
(リーク氏)
リーク氏
考え。現在ある
パンフレットなども新ブランドイメージに基
づき内容を一新させる予定。ほかにも本部に
SNS専任のスタッフを配置、日本でのSNS展
開も検討する。
昨年、BC州へ訪れた日本人は10万4366人
に達し、前年比で11.7%増となった。リーク
氏は「ANAの羽田線就航が大きい」と指摘。
今年はエア・カナダ ルージュが関空扌バン
クーバー線の運航を開始、引き続き航空座席
供給が増加傾向にある。今年の見通しについ
ては「さらに10%増、もしくはカナダ観光局
が掲げる6%から10%増になれば」と前向き
だ。
アルバータ州
業界向けに32のツアー行程を紹介
冬の素材も訴求
日本マーケットの状況について、アルバー
タ州観光公社アジア担当マーケティング・
ディレクター、ダーリーン・フェドローシェ
ン氏
(写真左)
は「極めて良好」と強調する。
その要因として挙げるのは、エア・カナダの
成田扌カルガリー線の存在だ。今年はさらに
エア・カナダ ルージュが関空扌バンクーバー
線の運航を開始、同氏は「隣のブリティッ
シュ・コロンビア州にアルバータ州を加えた
提案など、旅行会社へ働きかけたい」と意欲
を見せる。6月にはセールスミッションが東
京と大阪を訪れた。
新たな業界向けの展開としては、カナダ観
光局の「カナダシアター」に連動して32個
のツアー行程を新たに作成。どれもカナダシ
アターで新たなカナダの魅力として訴求する
10のテーマに合わせた内容で、野生動物、
バンフやジャスパーでの星空観賞、ドラムヘ
ラーでの恐竜発掘体験など、同州ならではの
ユニークな旅行素材を盛り込んだ。
フェドローシェン氏は「アルバータ州の魅
力を、顧客に伝
えてくれる旅行
会社の存在は、
我々が成長する
上で、非常に重
要」だと強調す
る。ツアー行程
は、グループと
FIT の両方に適
した内容。冬の 左からフェドローシェン氏、小西氏
素材も用意することで、冬季の需要アップに
もつなげる。
一方、日本サイドでは、ウェブサイトのツ
アー紹介のページでウェブ投票を実施、サイ
トに訪れた人が気に入ったツアーを投票でき
る仕組みで、抽選でプレゼントを用意、投票
の際はコメントもできるので、ツアー内容の
反響が分かる。
「今後のツアー造成の参考に役
立てて頂ければ」(アルバータ州観光公社市
場開発担当ディレクター小西美砂江氏(写真
右)と期待を込める。
オンタリオ州
羽田線効果で26%増、新マーケット創出へ
ワイン、アウトドア、地方発需要も
昨年は、エア・カナダの羽田扌トロント線
開設で、同州への日本人訪問者数は、11万
7090人に達し、前年比で26%増の高い伸び
を記録した。今年はエア・カナダ ルージュの
関空扌バンクーバー線再開で、関西方面から
の需要も伸びている。オンタリオ州観光局ア
カウント・マネージャーの田中恵美氏は「関西
マーケットは、ファーストタイマーが多く、
カナダの西部だけでなく、東部のナイアガラ
も行きたいという声が強い。実際に周遊型の
商品が売れている」という。
今後は新たなマーケット開発に力を入れ
る。例えばワイン。
「ナイアガラ周辺のワイ
ナリーの認知度が上がっており、ツアーでも
立ち寄るケースが増えた。今後は、州内の新
しいワイン産地で、キングストンにほど近い
プリンス・エドワード・カウンティ―など、
ほかのエリアの認知度を上げ、女性向けのワ
イナリー巡りツアーなどを提案したい」
(田中
氏)
考え。
また、LGBTマーケットの開拓も進める。
毎年4月に
トロントで
世界最大級
の LGBT パ
レード「ト
ロント・プ
ライド」が
あり、日本 左から観光局トレード・コンサルタント、
での関連イ アジアのハービー・浜崎氏、田中氏
ベントへの参加や認知度アップに努める。
カヌーやフィッシングなどのアウトドアに
も注目する。同州でしか釣れない魚などもあ
り、
「ニッチではあるが、新しい商品として提
案したい」考え。同州の観光情報を発信する
ウェブサイト「オンタリオスタイル」
(http://
www.ontariostyle.com)
の中でも紹介する。
羽田線開設で、福岡や札幌からの乗り継ぎ
が増えていることから、地方需要にも注力。
今年10月のワークショップ「フォーカス・カ
ナダ・ジャパン」
(大阪開催)の前には、ミッ
ションが東京と名古屋へ訪れる予定だ。
第2277号
(第3種郵便物認可)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
RVC2015レポート
RVC2015 Report
プリンス・エドワード島(PEI)州
ナイアガラフォールズの楽しみ方
昨年は朝ドラ効果で2倍増に
昨年、NHKの朝のテレビ小説「花子とア
ン」の放映で注目が集まったプリンス・エド
ワード島
(PEI)
。同島が舞台の小説「赤毛のア
ン」を翻訳した村岡花子氏の生涯を描いたド
ラマで、毎回主題歌と共に、島の美しい風景
が映像で流れ、大きな露出となった。昨年の
日本人訪問者数について、PEI州観光局日本代
表の高橋由香氏は「例年の2倍強、宿泊数で
約8000泊に達した。特に6月とチャーター
便が飛んだ9月、そして10月が非常に良かっ
た」と振り返る。
9月のチャーター便は、隣のノバスコシア
州ハリファックスを発着。日本航空(JAL)に
よる運航で、到着時は歓迎式典を開催、PEI
州の観光大臣も歓迎した。高橋氏は「今年は
チャーターの予定はないが、今後機会があれ
(5)
「RVC2015」の開催地となったオンタリオ州ナイアガラフォールズには、ナイアガ
ラの滝を間近にできるアトラクションのほか、周辺にもカナダの魅力を体験できるス
ポットがいっぱい。新しい旅の楽しみ方や最新情報を含め、いくつか紹介したい。
左から高橋氏、観光局マネージャー ロバート・ファーガソン氏
ば、ぜひまたやりたいと考えている」と意欲
を見せる。
昨年は、
同島で行われた「カナダ建国会議」
から150年を数え、地元カナダからの観光客
も増えたPEI。今年は「大きなトピックはな
い」ものの、引き続き旅行会社と協力する姿
勢。高橋氏は「PEIに対する旅行会社の関心が
失われないよう、さまざまな活動に取り組み
たい」とコメント。一般消費者向けの展開と
しては、カナダ観光局の「カナダシアター」
への協力を進める考えだ。
ノースウエスト準州
「夏オーロラ」定着、9月にブランド刷新
昨年、日本事務所が新体制となったノース
ウエスト準州観光局。日本マーケットの動き
としては、「夏のオーロラが昨年あたりから
旅行商品の専用パンフレットが出るなど、本
格的に定着してきた。販売できる季節が長く
なることで、今後の人数/販売増に期待した
い」
(日本オフィス田中映子アカウント・マ
ネージャー)状況だ。
今年9月にはブランド刷新を予定してお
り、本国で先行しているキャッチフレーズ
「Spectacular」を、
「日本マーケットに合っ
た言葉で打ち出していく」考え。ウェブサイ
トのリニューアルも予定しており、SNSとの
連動や旅行会社のツアー紹介も積極的に行う。
© Niagara Falls Tourism
22時*に上がる花火は要チェック
*2015年は5月15日から9月7日までの毎週金・日と祝日
「WEGO」バスはFITの足として便利
「ナイアガラ・クルーズ」で
滝の水しぶきを浴びる
昨年よりホーンブローワー社の運航となった
「ナイアガラ・クルーズ」
。夜のイルミネー
ションや花火を見るクルーズなど、コースが
充実。滝を裏から見る「ジャーニー・ビハイ
ンド・ザ・フォールズ」で、水の爆音が聞け
るのもここだけの体験。
また、
エア・
カナダとの共
同キャンペー
ンを計画。
「旅
ナイアガラ・クルーズ
行会社のツ
http://www.niagaracruises.com/
アーがキャン 左から田中氏、観光局ディレクター・オブ・
マーケティング ロン・オストロム氏
ペーンの受け
皿となるような流れを作りたい」
(田中氏)
。
素
よりエキサイティングに
材面では、白夜でのゴルフ、極北部の3月の
激流を体感する
わずかな期間しか見ることのできないトナカ
イの移動や一日中太陽が昇らない時期が続い 「ワールプール・ジェットボート」は、ナイア
ガラ川下流の激流をオープンエアのジェット
た後に見る初日の出、雄大な自然が広がるナ
ボートで突入、水しぶきを浴びるスピード感
ハニ国立公園など、個性的な素材をパッケー
ジし、FITマーケットに向けて提案していく。 あふれるスリル満点の人気アトラクション。
昨年より149人乗り客船を使ったサンセット
ユーコン準州
ディナークルーズが登場。ナイアガラ川下流
を航行し、ランチやワイン試飲を楽しめる
観光大臣の初来日で業界内の認知度広まる
コースもある。チャーターも可能。
関西マーケットにも注力
http://www.whirlpooljet.com/
今年は3月に観光大臣をはじめとするミッ ( 観 光 局 日 本
ションが初来日。同行したユーコン準州政府
代表高橋由香
ナイアガラ・オン・ザ・レイクの
観光局アジア太平洋地区マーケティングマ
氏)
意向。
由緒ある街並みを散策する
ネージャーのジェシカ・ラフェン氏は「東京
一般消費者
ナイアガラの滝から車で約20分。水運で栄え
と大阪を訪れ、日本の業界への良いアピール
向けの展開と
左から高橋氏、ラフェン氏
た19世紀前半の建物が今も健在。おしゃれな
となった。
ユーコン準州が、
カナダの新しいデ
して、カナダ
ショップやレストランが建ち並び、街歩きに
スティネーションだ、
という認識が広まり、
大
観光局が進める「カナダシアター」に協力、
最適。ブティックホテルや北米最初のゴルフ
きな成果を上げることができた」
と振り返る。 ラフェン氏は「ユーコンの体験を紹介できる
場もあり、手頃な料金でプレーできる。併設
商品展開としては
「冬のオーロラ中心から、 良い機会」と期待する。また関空扌バンクー
夏や秋のオーロラ、黄葉、ドーソンシティや
バー線開設により、
関空からの需要にも注目、 クラブハウスは、食事の貸し切りもできる。
トゥームストーン、ゴールデンサークルなど
業界向けのトレーニングや旅行会社ごとのセ
ナイアガラ・オン・ザ・レイク・ゴルフクラブ
のコースも増え、さらに増やしていきたい」
ミナーを関西エリアで実施する。
http://www.notlgolf.com/
© Niagara Falls Tourism
© Whirlpool Jet Boat Tours
エア・カナダ
「ルージュ」関空線、好調スタート
プレミアム・エコノミー順次導入、オーロラのプロモーションも
5月にレジャー路線運航ブランド「エア・
カナダ ルージュ」として、7年ぶりに関空扌
バンクーバー線の運航を再開したエア・カナ
ダ。輸送状況について、ワイス貴代日本支社
長は「7〜8月を中心に予約が順調に入って
いる」と好調ぶりを語る。
同路線は、プレミアムエコノミークラスに
相当する「プレミアム ルージュ」とエコノ
ミークラスの位置づけとなる「ルージュ」の
2クラスを用意。プレミアム ルージュには、
パッケージツアー用の料金も設定、
「旅行会
社からは、プロダクト内容とサービスへの評
価が高く、特に機内食の評判が良い。プレミ
アムルージュを指定するツアーグループもあ
る」と評判を集めている。
就航前には、関西地区で交通広告など、
しっかりとキャンペーン展開できたことも好
調の要因。「まずはパッケージツアーを中心
に、今後はFITの販売にも力を入れたい。デ
イリー化や通年運航については、現在の需要
をまず埋めることが大切で、次のステップ。
本社サイドでは機材の導入で路線の拡大傾向
にあり、その流れで日本市場にも注目してい
る」(ワイス支社長)
同社は、現在羽田扌トロント線、成田扌ト
ロント線、成田扌バンクーバー線、成田扌カ
ルガリー線、「エア・カナダ ルージュ」が運
航する関空扌バンクーバー線の計5路線を運
航、週間の便数は、最大週33便に達する。羽
田扌トロント線は首都圏からの需要、成田扌
トロント線はカナダと
アジアからの乗り継ぎ
需要が多く、
「日本発の
成田線の販売をもっと
ワイス氏
強化したい」意向。特
にトロントからは「アメリカや中南米、カリ
ブ海への乗り継ぎもスムーズ。乗り継ぎの良
さもアピールしていきたい」考えだ。
機材面では、夏期スケジュールより成田扌
バンクーバー線にB787-8型機を投入、座席
数を増やしたほか、羽田扌トロント線には冬
季スケジュールより最新鋭のB787-9型機を
導入する予定。B787型機は、
成田扌トロント
線にも投入済みで、来年夏期スケジュールを
目途に成田扌カルガリー線も同機材となる計
画がある。
また、
来夏の羽田扌トロント線に投
入予定のB777型機の機内リニューアルが完
了すれば、羽田/成田発のすべての路線で最
新鋭の機内インテリアが投入される見通し。
B787型機には、プレミアムエコノミーク
ラスを搭載、現在は同機材で運航する成田扌
トロント線と成田扌バンクーバー線でのサー
ビスとなるが、来年夏には全路線で提供でき
ることで、
「より販売しやすくなる」と期待を
込める。
プロモーション展開としては、以遠需要の
キューバ、さらにノースウエスト準州観光局
と協力し、オーロラを再度プロモーションす
る計画。
「冬のスキーも引き続き販促をかけた
い」と意欲を見せる。
ワイナリーを巡る
ナイアガラ・オン・ザ・レイクを拠点に、周
辺を含めると、約80軒以上のワイナリーで
試飲を楽しめる。人気のアイスワインはぜひ
チェック。レストランを併設するワイナリー
では、
団体での貸切パーティーのアレンジも。
ナイアガラの滝を見下ろす人気のヘリツアー
との組み合わせは特に人気。ワイナリーに直
接ヘリを発着させることも可能。まさにここ
だけのユニークな体験だ。
http://winecountryontario.ca/
アウトレットで
ショッピングを楽しむ
昨年オープンしたばかりの「アウトレット・
コレクション・アット・ナイアガラ」。アメ
リカやカナダの人気ブランドを中心に、100
以上の店舗がラインナップ。夜21時(日曜は
18時)
までの営業で、無料Wi-Fiあり。フード
コートも充実。グループには割引クーポンの
アレンジもできるので、ツアー行程の一部に
組み入れてみては。
http://www.outletcollectionatniagara.com/
自転車で巡るワイナリーツアーも
http://cyclinginniagara.bike/
(6)
(第3種郵便物認可)
第2277号
2015年(平成27年)7月20日 増刊
オンタリオ州
Ontario
「おいしいオンタリオ」
観光+ローカルグルメで楽しむ
カリナリー・ツーリズムが話題
ナイアガラの滝をはじめとする観光、アルゴンキンや
ブルーマウンテンなどでのアウトドア体験やアガワ渓
谷での鉄道利用による紅葉ツアーなど、バリエーショ
ン豊かな旅素材をもつオンタリオ州。様々なテーマと
あわせてぜひ体験したいのが、各地の「味覚」だ。新
鮮で安全なローカル食材を使った食のブームが各地で
定着。人気のオンタリオワインも加わり、観光+グル
メを満喫する「おいしいオンタリオ」が新たな旅スタ
イルとして注目されている。
充実したカリナリー・
デスティネーション
オンタリオ州ではここ10年ほど、食と旅をつなげた
「カリナリー・ツーリズム」が注目されている。オンタ
リオ・カリナリー・ツーリズム連合(OCTA)という
NPO組織もでき、州観光局などと協力しながら、各地
の味覚をコアにした旅をプロモーション中だ。
例えば、ブルー・マウンテン・リゾート近くの、リ
ンゴのスイーツをクローズアップした「アップルパイ・
トレイル」
、手作りのチョコレートショップ巡りが楽し
めるストラトフォードの「チョコレート・トレイル」
、
オンタリオ湖北岸のチーズ工房やビール醸造所を訪れ
る「チェダー&エール・トレイル」など、州内にはカ
リナリー・ツーリズム・デスティネーションがすでに
数十カ所もあり、それぞれがグルメをテーマにした観
光プログラムやイベントを提案。旅行者の集客につな
げている。
アップルパイ・トレイルでも人気のブルー・マウンテン・リゾート
注目のグルメシティ
オタワ
数あるオンタリオのグ
ルメエリアの中でも最近
特に注目されているの
が、
オタワだ。世界の国賓
も訪れる首都だけあり、
採れたての野菜やフルーツが並ぶ
バイワード・マーケット
一流のシェフが集まって
おり、洗練されたレストランも多い。特定の料理とい
うよりは、中東料理のシュワルマから、飲茶、ベトナ
ム料理、そして創作カナダ料理まで、国際都市らしく
様々な味覚がハイレベルで楽しめる点が自慢だ。
また近年この街では、健康的なローカル食材を使っ
た料理をオタワ名物にしようというプログラム「セイ
バー・オタワ」が繰り広げられている。たとえば街の中
心で観光スポットとなっているバイワード・マーケッ
トに店を出す生産農家や小
売業者をはじめ、マーケッ
ト周辺に集まる人気レスト
ランまで、多くがこのプロ
グラムに参加。地元の食材
を活用し、世界の味覚をお
いしく提供する「オタワ料
理」のムーブメントを盛り
地元の食材を使うセイバー・オタワ
上げている。
参加レストランが多数
滝とワインとローカル食で定番の
ナイアガラ
オンタリオ州の特産品のひとつがワイン。有名なア
イスワインだけでなく、近年では赤・白のテーブルワ
インも国際的に高評価を得ており、旅行者のワイナ
リー巡りも、かなり定着してきている。中でも人気が
高いのは、ナイアガラ地区で、周辺には60カ所ほどの
ワイナリーが点在。多くの施設で見学ツアーや試飲、
ショッピングなどが可能だ。ナイアガラの滝とあわせ
て数か所のワイナリーを訪問するスタイルが好評で、
トロントから日帰り、あるいは1泊2日程度のツアー
も数多く出ている。
新鮮な食材を生かしたこだわりの料理をオンタリオワインと共に
滝を眺めながらナイアガラワインを楽しめる店も
またレストランを併設
しているワイナリーも多
く、ナイアガラ産の野菜
やフルーツなどを活かし
た料理と、自家製のワイ
ンとのペアリングを提案
するなど、ワイナリーな
らではの工夫も凝らされ ワイナリーツアーでは、
ている。ブドウ畑を望む 試飲やショッピングが可能
ような贅沢な立地のハイエンド店も多く、ゆっくりと
こだわりの食事を満喫したい旅行者にも人気だ。最近
では、ヘリコプターを使い、ナイアガラの滝上空を遊
覧飛行した後、そのままワイナリーに飛んでランチ、
というアトラクションも登場。滝のダイナミックさを
そのままツアーにしたような迫力とテンポの良さ、さ
らにおいしさも加わり、評判となっている。
コアなワインファンなら
PECの
「テイスト・トレイル」へ
オンタリオ州のワイン産地は、南部のオンタリオ湖
とエリー湖の周辺に集中している。オンタリオワイン
品質管理同盟(VQA)では、4か所のアペレーション
(指定ワイン産地)――ナイアガラ半島、プリンス・
エドワード・カウンティ、ピーリー・アイランドとエ
リー湖北岸――を定め、それぞれの特徴や品質管理に
努めている。
ナイアガラ以外は日本人旅行者にはあまり馴染みが
ないが、それぞれにユニークな見どころやテーマもあ
り、オンタリオのリピーターやワインファンにおすす
めできるエリアだ。
とくにプリンス・エドワード・カウンティは、冷涼
な気候とミネラル豊富な土壌が特長で、ピノノワール
などデリケートな味わいのワイン生産に成功している
場所。一帯には家族経営の小規模ワイナリーが30カ所
以上あり、州内のリカーストアにもあまり出回らない
希少ワインが味わえるとあり、世界のワイン通たちも
注目している。
またここは、
上記でも紹介したOCTAのカリナリー・
ツーリズム・デスティネーションの人気エリアでもあ
る。自然農法の農場やチーズ工房、それらを利用した
評判のレストランや、ワイナリーなどを巡る「テイス
ト・トレイル」という観光ルートは、ドライブしなが
ら楽しむ個人旅行に最適だ。トロントやオタワから車
で2~3時間程度と近く、気軽に足を延ばすことがで
きる。
「テイスト・トレイル」に沿ってのどかな田園地帯を巡る
ウィンザーを入口に
カナダワインとウィスキーの旅
そしてもう一つのワインアペレーション、ピーリー・
アイランドとエリー湖北岸は、カナダワイン発祥の地
と言える場所。ワイナリーは20カ所程度だが、リゾー
ト島としても人気のピーリー・アイランドや砂州が美
しいポイント・ピーリー
国立公園など、見所も多
く、観光とあわせて訪れ
るのに最適だ。
ゲートウェイとなるの
はアメリカ国境にある
ウィンザー。ここは、
「カ
ナディアン・クラブ・ウィ
アメリカからの旅行者も多い
ピーリー・アイランド
スキー」の故郷としても
知られる。ワインとあわせて、禁酒法時代を経て世界
的に有名になったカナディアンウィスキーの誕生秘話
を探るのも面白いだろう。街は、アメリカのデトロイ
トから川を渡った対岸にあるので、デトロイト空港か
ら訪れるのも便利だ。
各地で楽しめるクラフトビール
大好評!
人気3都市のレストラン情報
「おいしいオンタリオ」グルメマップ
オンタリオ州の旅行情報サイト「オンタリオスタイル」で
は、グルメ情報を特集した「おいしいオンタリオ」を更新
中だ。トロント、ナイアガラに続きオタワのおすすめレス
トラン情報も新たに紹介されており、旅先で便利なグルメ
マップも用意されている。グルメマップはウエブサイトか
らダウンロードが可能なほか、エージェント向けには、顧
客向け販促ツールとして情報満載のプリント版も配布して
いる。ポケットサイズで旅先でも使いやすいと、かなり好
評だ。問い合わせはオンタリオ州観光局へ。
www.ontariostyle.com/oishi
オンタリオ州はビールファンにとってもパラダイス
だ。モルソン、ラバットといったナショナル・ブラン
ド・ビールのほか、たいていの街にクラフトビールの
醸造所があり、様々なタイプのビールを作っている。
レストランやパブでも、カウンターにたくさんの地
ビールのタップを並べ
ているところは多い。
中には、自家醸造所を
持ち出来たてのビール
を味わえるブリューパ
ブもあり、季節ごとに
気候に合ったビールを
作って出している。州内50以上の醸造所が参加する
Ontario Craft Brewersという組織もあり、ホーム
ページ(www.ontariocraftbrewers.com)では各地
で飲めるビールや店の紹介もしている。
写真:ontariostyle.com, OTMPC
第2277号
(第3種郵便物認可)
(7)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
カナダシアター
Canada Theatre
総合ポータルサイト
カナダシアター
の
新しいカナダ
!
魅力を発見
カナダ観光局は、カナダ旅行に関するさまざまなコンテンツを集めた総合ポータルサイト「カナダ
シアター」を開設した。同サイトは、2017年7月1日に迎えるカナダ建国150周年へ向けてスタート
した大型プロジェクトのひとつ。動画や特集記事、ブログやツアー情報など、多彩なコンテンツを集め、
まだまだ知られていないカナダの新しい旅の魅力を提案する。
サイトにアクセスすれば、まるで「シアター」にいるかのように楽しみながら、新しいカナダの魅力
に触れることができるのが特徴。サイトの見やすさにも工夫を施し、スタートフォンやタブレット端末
からも最適な閲覧環境でサイトを見ることができる。
もちろんサイトでは、旅の最新情報も発信、さらに旅行会社が「カナダシアター」のコンセプトに
合わせたカナダの新しいツアーを造成、サイトから各社ページに飛ぶことができる。
カナダの旅行情報を幅広くカバーしたカナダシアター。ここからワンストップで新しいスタイルの
カナダ旅行を発見できるはずだ。
カナ ダシアター
www.canada.jp
10のテーマで
カナダの魅力を紹介
カナダの旅の魅力を10のテーマで紹
介。
雄大な大自然はもちろん、
食やアー
ト、移動手段など、ユニークな切り口
で、日本にはない、カナダだけの体験
について知ることができる。
→詳しくは8ページ
カナダ建国150周年記念ドラマ
「MOSAIC-CANADA-」のページヘ
カナダ建国150周年を迎える2017年
へ向け、
スタートした新プロジェクト。
ドラマを通じて、カナダの素晴らしさ
を実感できるはずだ。
動画を見る
10のテーマやスペシャルコンテン
ツにある動画をすべて網羅。動画を
チェックしたい際はまずここをク
リックしたい。
物語を読む
書きおろしのエッセイやコラムなど
を一括して見たい場合はここをク
リック。10のテーマを切り口とし
た、興味深い内容も横断的に見るこ
とができる。カナダについてのさま
ざまな知識が深まるはずだ。
→詳しくは9ページ
特集
スペシャルコンテンツへのリンク
各種メディアとのタイアップにより、
選りすぐりの動画や特集記事をライン
ナップ。テーマごとにカナダが持つ奥
深さに触れることができる。
→詳しくは9ページ
カナダ観光局のツイッター
(@CanadaExplore)をアップデート
カナダシアターのアップデート情報な
どを随時ツイート。各州の観光情報な
どもカバーする。
特集を紹介。
「2015 FIFA女子ワー
ルドカップの開催都市を巡る」
や
「カ
ナダの世界遺産」など、旅のヒント
やアイデアをここで発見。
ツアー情報
10のテーマに合ったユニークなツ
アーを旅行会社が造成し、その内容
を紹介。旅行会社へのリンクも用意
されている。
→詳しくは10ページ
人気記事ランキングをチェック
カナダシアター内の人気コンテンツを
ランキングで紹介。どんなコンテンツ
が一番閲覧されているかが分かる。
タブレット、
スマートフォン
にも対応
(8)
(第3種郵便物認可)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
カナダシアター
カナダの10の楽しみかた
「カナダシアター」では、カナダの新しい旅の魅力を10の切り口で紹介する。世界第2位の広大な国土を持つ
カナダには、美しい大自然が広がるだけでなく、多様な文化を持つ人達が共存する。そこにあるのは、日本で
はまず経験できないものばかり。各テーマでカナダのユニークな旅の魅力について触れることができる。
また、10のテーマに合わせたツアーを旅行会社が造成。各社ツアーを紹介するページヘのリンクも用意して
いるので、行きたくなったらすぐに旅の予約もできる。
歩く
Walking
歩くとは、カナダのライフスタイ
ルを肌で感じること。ガイドブッ
クには載っていない人々の暮らし
やその土地ならではの文化に出会
える。ルートマップなんて必要な
い。都市と自然が共存する街を、
自分のペースで自由に旅してみよ
う。
表現する
Arts & Culture
多様な文化が共存するカナダで、
自分自身の存在感を、アイデン
ティティを確立しようと、人々は
「表現」する。その根底では愉しむ
精神がほとばしる。魂に触れるこ
とは、決して難しくない。多文化
に彩られたカナダの情熱と誇りが
旅人の胸を熱くする。
自然と共に生きる
移動する
一万年前の氷河、温帯雨林、無数
の湖、そこに生息する野生動物、
そして言葉では表すことができな
いほどの絶景の数々。雄大な自然
に優しく包み込まれると、自分も
その一部であることに気づかされ
る。大自然によって自分の存在が
肯定された瞬間を実感しよう。
生きるために北の大地を「移動」
し続けてきたカナダの人々。生き
ることは移動することでもあっ
た。そして今、大陸横断鉄道や水
上飛行機、犬ぞりなど、カナダを
肌で感じられる「移動」がそこに
ある。窓の外に広がるダイナミッ
クな絶景や大自然の空気に好奇心
を駆り立てられながら、私達を新
たな物語へと誘う。
食べる
拓く/歴史2
それは生きていくための営みであ
り、また人生を幸せにする原動
力。多様な民族が共存するカナダ
の食文化はバラエティ豊かだ。伝
統的なメープル料理、海や大地の
恵みを活かした地元料理やカナダ
産ワイン、世界の文化に彩られた
各国料理など、食のひとつひとつ
に人々を幸せにする“スパイス”が
ある。
拓く。それは西部カナダの歴史を
象徴する言葉。19世紀のゴールド
ラッシュ時代に金を求めてやって
きた開拓者たちは命がけで未来を
切り開いた。馬にまたがり、荒野
を駆け抜けたカウボーイは大平原
を開拓し、独自の文化を作り上げ
た。昔の面影を残す史跡やフェス
ティバルを通して、今も息づく開
拓者魂に触れてみよう。
冒険する
動物と共に生きる
ニューファンドランドに初めて上
陸したバイキング、ゴールドラッ
シュで一攫千金を夢見た開拓者、
そして今でも私達が心の中に抱い
ているもの。それは冒険心。カナ
ダを旅するうちに、自分の中に潜
んでいた冒険心があふれだす。そ
れは新たな夢を求めて未来へと突
き進む勇気の結晶。冒険の舞台、
カナダへ。
グリズリーベア、シロクマ、エル
ク、バイソン、ビーバーからシャチ
やクジラ、アザラシまで、豊かな
自然環境の中で数えきれないほど
の動物が生息している。動物と共
に生きる。それはカナダ人にとっ
て、ごく当たり前の暮らしの一部
だ。野生動物との出会いに、思わ
ず何かを語りかけずにいられない。
謎解く/歴史1
人と共に生きる
カナダの国旗に大きなカエデの葉
が描かれているのはなぜか。ビー
バーがカナダの国獣とされている
理由はなにか…。カナダの旅には
謎解きの楽しみがある。カナダの
歴史を知ることで、さらに見えて
くるもっと奥深いカナダの魅力。
東部カナダを舞台に繰り広げられ
る謎解きの旅へ、ようこそ。
多様な民族が文化や伝統を守りな
がら、お互いに尊重しあい、国全
体として調和しているカナダ。人
種のモザイクが作り出す豊かで温
もりのある社会。旅行者さえ、ま
るで何年もいたかのような感覚を
おぼえる。人と共に生きる。それ
こそが、過去から現在へ、そして
未来へと続く「カナダらしさ」だ。
Nature
Food
Adventure
History-East
Transportation
History-West
Wildlife
People
第2277号
Canada Theatre
第2277号
(第3種郵便物認可)
(9)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
カナダシアター
各種メディアとのタイアップで
カナダの魅力を発信
Canada Theatre
カナダシアターは、イマジカBSのオリジナルドラマ・ドキュメンタリー「MOSAIC-CANADA-(モザイク-カナダ-)」をはじめ、放送局、
出版社、オンラインメディア、ブロガーとのタイアップにより、カナダ旅行に関する充実した動画や記事などを提供する。さらにほかでは
見ることができない、ここだけの貴重なオリジナルコンテンツも多数ラインナップ。カナダの新しい魅力をあらゆる角度で発信する。
カナダ建国150周年記念ドラマ
MOSAIC -CANADA-
ストーリー
モザイク-カナダ-
イマジカBSとカナダ観光局との共同プロ
ジェクトで、2015年7月1日より放送を開始す
る、
カナダをテーマにしたオリジナルドラマ。
2017年7月1日のカナダ建国150周年へ向けて、
カナダシアターで紹介する10のテーマについ
てのドキュメンタリーとドラマで構成する。
ドラマは2年間で全12話を放送する大がか
りなプロジェクト。ストーリーは、主人公で
あるカナダ観光局スタッフが、建国150周年へ
向け、現地カナダでさまざまな出会いを経験
しながら、自分自身でカナダの魅力の原点を
探していくという内容。映像を通じてカナダ
への理解が深まれば、カナダ旅行への意欲が
掻き立てられるはずだ。
ドラマはイマジカBSで放送するほか、
「カ
ナダシアター」でも観ることができる。
INFO
キャスト
安田 早紀
前田 亜季
江口 のり子 袴田 吉彦 ボブ・ワーリー
萬田 久子
公式サイト:http://www.imagica-bs.com/mosaic-canada-/
放 送:2015年7月1日より放映開始(カナダシアターでも放送1ヶ月後より公開予定)
カナダ観光局入局2年目の秋月菜々は、3年後に訪れる「2017年の
カナダ建国150周年」プロジェクトを成功に導くプランの立案を命ぜ
られる。その大役のプレッシャーと格闘する中で、日本の人々にカナ
ダの本当の魅力を伝え、カナダを好きになってもらうことが自分の仕
事と感じるようになる。そして、その魅力を伝えるにはあまりにも表
面的な知識しか持ち合わせていなかったことにも気づかされる。プラ
ン立案の前に立ちはだかる大きな壁。それを打ち破るには「等身大の
自分で真のカナダを体感し伝えていくしかない…」という答えにたど
り着いた秋月菜々は、上司や同僚を半ば強引に説き伏せて、カナダへ
の旅に出かけていくのであった。
スペシャルコンテンツが続々登場!
「ダーウィンが来た!」など
NHK
http://canada.jp/media/darwin/
過去の自然番組をカナダシアター用に編集。そのハイ
ライトを動画と解説で紹介する。番組のキャラクター
「ヒゲじい」も登場、
カナダの大自然の魅力を分かりや
すく訴求する。
シリーズ世界遺産100
わくわく☆カナダ
シーズン2 BSフジ
http://canada.jp/media/wakuwaku2/
カナダのおすすめ体験と夢のツアーを動画で提案。
「カナダ通」おすすめの穴場や初めて行く人に勧めた
いスポットなど、知って得する情報が満載だ。
カナダ-150年
街道をゆく
自転車 縦・横断1万キロの旅
トランス・カナダ・トレイル
http://canada.jp/blog/
ノンフィクション作家の上原善広氏によるブログ。
2017年のカナダ建国150周年へ向け、カナダの歴史的
なルートをつなげた「トランス・カナダ・トレイル」
を、上原氏自身が自転車で走り、その様子をブログで
伝える。2015年5月~10月の横断と、2016年6月~9
月の縦断の2つに分け、全長1万キロを走破するとい
う壮大な計画。ゴールは北極圏。現地の人たちとの出
会いを通じて、広大なカナダの大地と歴史を巡り、カ
ナダの魅力を余すことなくレポートする。なお、ブロ
グの内容は文藝春秋より単行本となる予定だ。
NHK
http://canada.jp/media/sekai-isan100/
カナダの世界遺産を5分番組の美しい映像で、分かり
やすい解説絵を交えながら紹介。
時事ドットコム
http://canada.jp/media/jijicom/
「自然と共に生きる」人々をテーマに、
世界遺産や先住
民の暮らしにもフォーカスした貴重な動画や特集記
事を掲載する。
クレアトラベラー
人気旅行雑誌のクレアトラベラーで、2015年9月から
3ヶ月毎に掲載する新シリーズ「一生に一度は体験し
たいラグジュアリーなカナダ」をテーマにした記事を
紹介。
(10)
(第3種郵便物認可)
第2277号
2015年(平成27年)7月20日 増刊
カナダシアター
Canada Theatre
カナダの「新しい旅の魅力」をツアーに
旅行会社の取り組み
カナディアンネットワーク
http://www.canadiannetwork.co.jp/
カナダの魅力を知るきっかけに
独自の内容で自分達が「楽しい」と思えるツアー
「カナダシアター」のツアーで考慮したのが「まだ知
られていないカナダの魅力をどう伝えるか」
(同社 内
田智恵氏)
という点。
「例えば、野生動物であれば、数
ある中から人気のあるシロクマを紹介することで、ま
ずは興味を持ってもらえる内容とした。
『カナダシア
ター』がカナダの魅力を知るきっかけとなれば」と期
待を込める。
また、
「カナダの専門店」という強みを活かし、他社
にはできない独自性を打ち出したのも特徴。
「当社が何
でも手配できるという点を見せるのが狙い。今後の問
い合わせにつながるよう配慮した」という。
さらに「まずツアーを造成する私達自身が『行きた
い』と思えるツアーにした」ことも重要なポイント。
どのツアーも「調べていくうちに自分達が楽しいと思
える場所を盛り込んだ」内容となっている。
プリンス・エドワード島からケベックへ
建国の歴史をたどる、島の生活体験も
ism(イズム)
クラブツーリズム
http://shogai-kando.com/
http://www.club-t.com/
「生涯感動」大自然の魅力を追求
カナダでしかできない体験を提案
「カナダシアター」がスタートする以前より、
「生涯
感動の旅」をコンセプトに、カナダならではの大自然
の魅力を紹介し続けてきた同社。
「カナダの『売り』は
何と言っても大自然。ほかのデスティネーションに負
けない魅力がある」
(同社代表取締役社長 野口和哉氏)
と力説する。
どのツアーも「スタッフ自ら足を運んで体験したも
の」で、その内容は実に多彩。
「絶景だけでなく、ハイ
キングやトレッキング、野生動物、氷河、北極圏への
旅など、日本では体験できない大自然がカナダにはた
くさんある」という。
また、自然だけでなく「地球の歴史、カナダの歴史、
先住民の文化など、歴史や文化に焦点を充てたツアー」
も用意。カナダでしかできない体験を数多く提案する。
野生のカリブーを追う
先住民の知恵に学ぶ
そのなかのひとつが、野生のカリブーを追うツアー。
「野生のカリブーを追う」
は、世界を代表するカナダ人
冒険家と一緒にテントで移動しながらスノーモービル
や徒歩でヌナブト準州をまわり、カリブーの移動を追
いかける。移動時期にあたる春限定のツアーで、その
姿は「圧巻の一言」だという。
叙情的なプリンス・エドワード島の風景(ケープトライオン灯台)
© Canadian Network
同社が「カナダシアター」で提案するツアーのひと
つが「カナダ建国の歴史をたどる旅」
。小説「赤毛のア
ン」の舞台として人気のプリンス・エドワード島とケ
ベックシティを組み合わせたツアーで、途中の直行便
が無いため、航空券の手配上パッケージツアーでは組
めない旅程を、手配旅行の強みを活かしてツアー化。
実際に「問い合わせも多い」という。
またプリンス・エドワード島の「カリナリー・ブー
トキャンプ(料理特訓)
」やホームステイ、クラフト作
りや仕事見学などを盛り込んだ「プリンス・エドワー
ド島 アイランダーの生活体験の旅」もラインナップ。
プリンス・エドワード島は、
「やはり『赤毛のアン』を
きっかけに訪れる観光客は多いが、実際に訪れると、
島の風景や島の人に惹かれていく」のが魅力だという。
ユーコン準州のユニークさをツアーに
一方、ユーコン準州のツアーもユニーク。
「カナダ人
でも憧れる大自然が魅力。紹介し甲斐のあるデスティ
ネーションだ」という。
「冬の北極圏を探検!アイスロードで先住民の村・
タクトヤクタックへ」は、氷結したアイスロードを走
破するのが貴重な体験。英語ツアーに同乗することで
実現できたツアーだ。また「極北ユーコンの旅!ゴー
ルドラッシュの夢の足跡をたどる」は、通常なかなか
個人旅行では行きづらいユーコン準州を2名以上でも
行ける内容としたもの。ハイキングや8月中旬以降は
オーロラも楽しむことができる。
カリブーの移動を追う
ほかにも、ロッジをベースにするツアーやユーコン
準州北部のポーキュパイン川を渡る野生のカリブーを
見る秋のツアー「オールドクロウ カリブーウォッチン
グツアー」も用意。いずれもカリブーの狩猟で生計を
立てる先住民の知恵を学ぶこともできる。
本格的なアウトドア体験
野生動物との触れ合いも
また「カナダ屈指のロングトレイル ウエストコース
トトレイル」は、ブリティッシュ・コロンビア
(BC)
州
のバンクーバー島西海岸、パシフィックリム国立公園
内の海岸沿い75kmのトレイルコースをテントで走破す
る。このコースは難易度の高さでも有名で、世界のト
レイル愛好者憧れのコースとしても知られている。
カナダを細分化して魅力をアピール
リピーターにつなげる内容に
「カナダシアター」向けに同社が用意したツアーは、
いずれも新企画。従来のツアーにひと工夫加えている
のが特徴だ。ツアー造成にあたり、
「カナダを細分化し
て見せる」
(同社アメリカ・オセアニア旅行センター
アシスタントマネージャー 田中佳宏氏)点を念頭に置
いた。
通常、同社を含むメディア系旅行会社の場合、
「カナ
ダ方面のツアーは、春夏のカナディアン・ロッキーと
ナイアガラ、秋のメープル街道を大量販売する」のが
メイン。ただ、そこで懸念となるのが「リピーターが
育たなくなる」点。そこでカナダの魅力を細分化し、
「いろいろな商品を種まきしておくことで、お客様に何
度もカナダへ足を運んで頂けるチャンスを提供する」
のが狙いだ。
こうした同社の取り組みは、10の切り口でカナダの
魅力を打ち出そうという「カナダシアター」の考えに
合致。
「魅力を細分化してカナダを露出していくという
思惑が一致した。観光局共に、カナダ全体の旅行需要
を盛り上げたいと考えている」と意欲を見せる。
定番商品に新たな魅力をプラス
食べ歩き、街歩き、大陸横断鉄道
「カナダシアター」
で
訴求する10の切り口に
合 わ せ、 新 た な 魅 力
を加えた同社の新ツ
アー。例えば「美味し
い!美しい!メープル
街道探訪8日間」
は、
通
常のメープル街道のツ
アーに食と街歩きの要
素を加えた商品。食事
はジャンクフードから
メープルタフィー
(水
飴)
、シーフードまで、
カナダらしさにこだわ
りを見せる。また町の
中心部に宿泊すること
で、ケベックシティや
モントリオール、トレ
ンブランビレッジ、オ
タワ、
トロント、
ナイア
ガラ・オン・ザ・レイク
の街歩きも提案する。
トレンブランビレッジ
「カナディアンロッ
キー国立公園めぐり8日間」は、人気のカナディアン・
ロッキーの周遊ツアーに大陸横断鉄道の旅を行程に加
えたツアー。通常の周遊商品の場合、移動はバスや飛
行機となるが、
「列車そのものを楽しんで頂こう」と企
画したものだ。
幻の白いクマ「カーモードベアー」
ユーコン準州ホワイトホース近郊のフィッシュ・レイク
© Arctic Range Adventure
「カーモードベアー『幻のクマ』の生息地をセーリン
グ」は、大型ヨットでBC州のプリンセスロイヤル島を
航行、
この地域しか生息しない幻の白いクマ「カーモー
ドベアー」だけでなく、クジラやシャチ、イルカ、ア
ザラシ、ラッコなど、さまざまな海洋生物を間近に観
察できる。
「極北ユーコンで犬ぞり冒険ツアー」
は、ユーコン準
州の冬の醍醐味である犬ぞりを体験できるツアー。犬
の食事や犬小屋の清掃、準備も自分で行う。ツアーの
最後には犬たちとの絆も深まるはず。まさに「生涯感
動」の体験となるはずだ。
大陸横断鉄道で移動の楽しさを訴求
紅葉とオーロラ
期間限定の自然の美しさ
「秋のカナダ・ユーコンへの旅7日間」は、8月中旬
から下旬のわずかな期間しか見ることのできないユー
コン準州のツンドラ大地の紅葉を商品化したもの。出
発日限定で価格は高いものの、大地が紅葉に染まる姿
は圧巻で、ほかにもホワイトパス・ユーコン鉄道、もち
ろんオーロラ鑑賞も楽しめる満足度の高い内容となっ
ている。
第2277号
(第3種郵便物認可)
(11)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
ノースウエスト準州
夜空に広がる神秘的なオーロラ
地上に広がる壮大な大自然
Northwest Territories
ノースウエスト準州
NW準州の大自然を体感できる
2大国立公園
オーロラ以外でもNW準州の魅力は尽きない。特に
ナハニ国立公園とウッド・バッファロー国立公園は
NW準州の大自然を語るうえで外せない場所。観光デ
スティネーションとしても高い人気を誇っている。
ユーコン準州との州境、サウス・ナハニ川にそって
広がるナハニ国立公園は、1978年にガラパゴス諸島や
イエローストーンなどと並んでユネスコ世界自然遺産
第1号として登録された。最大の見所は、落差90メー
トルのバージニア滝。ナイアガラ滝の2倍の高さから
流れ落ちる光景は圧巻の一言だ。
オーロラ・デスティネーションとして日本人にも人気
の高いノースウエスト準州(NW準州)。ここ数年、太陽
の活動が活発だったことからオーロラの当たり年が続
いたが、それが終わってもオーロラの出現頻度は引き
続き高い。冬はもちろんのこと、夏のオーロラも観光素
材として大きな魅力。冬も夏もアウトドア・アクティ
ビティと組み合わせれば、NW準州のダイナミックな
大自然を体験できる旅を楽しむことができるだろう。
オーロラのゲートウェイとなるイエローナイフ
市内にも見どころ満載
NW準州のゲートウェイで、オーロラ鑑賞の拠点と
なるのがイエローナイフ。先住民デネ族が使っていた
銅や鉱山採掘で使用された銅製ナイフの色から、そう
名付けられた。地下資源が豊富で、かつてはゴールド
ラッシュに沸いたが、
現在では「世界で一番オーロラが
見られる街」として、カナダを代表する観光デスティ
ネーションとなっている。
イエローナイフとその近郊でオーロラ遭遇率が高い
のにはワケがある。オーロラは緯度60度〜80度のいわ
ゆる「オーロラベルト」で頻繁に出現すると言われて
おり、緯度69度のイエローナイフは、すっぽりとその
なかに入る。しかも、海から離れているため雲が発生
しにくく、晴天率も高い。さらに平地が広がり遮るも
のがないため、夜空に広がるオーロラを手に取るよう
に鑑賞することが可能だ。こうした好条件がそろうこ
とから、イエローナイフに3日滞在すれば、ほぼ95%
オーロラが鑑賞できると言われている。
イエローナイフは人口2万人程度の小さな街だが、
市内には見どころも多い。平坦な地形のなかでも市内
で一番高い「パイロットモニュメント」に登れば、市
街地とそれを取り囲むように広がるグレートスレーブ
湖が一望できる。NW準州の歴史や先住民の生活文化
を垣間見られる博物館「ノーザン・ヘリテージ・セン
ター」も必見。このほか、立法議事堂、オールドタウン
なども市内観光のハイライトだ。
真冬には街の中心にある気温掲示
板も観光スポットになる。日本で
はなかなか体験できないマイナス
気温の表示をバックに記念撮影す
立法議事堂
る観光客も多い。
イエローナイフ市内(オールドタウン)
オールドタウンにある
イエローナイフで一番
古いレストラン
オーロラビレッジで快適鑑賞
夏オーロラも必見
ナハニ国立公園、バージニア滝
イエローナイフやその近郊でオーロラ鑑賞のベース
となる場所はいろいろあるが、そのなかでも施設が整
い、快適な鑑賞環境を提供しているのが「オーロラビ
レッジ」
。日本からのツアーでも多く利用されている。
敷地内にはティーピー(先住民が住居として利用し
ていたテントでオー
ロラ鑑賞では待機場
所として使われてい
る)が並ぶ。サイズ
も2名から5名収
容のプライベート・
ティーピーから最
大50名が入れる大型
ティーピーまでさま
ざま。また、150名収
容のダイニングホー
ルやギフトショップ
までそろう。
オーロラビレッジ ©Aurora Village
このほか、オーロ
ラ鑑賞だけでなく、極寒のなかで見られる不思議な現
象を実演する極寒実験教室は、オーロラが現れるまで
のアトラクションとして人気を集めている。
冬のオーロラのシーズンは11月中旬から4月上旬。
一方、夏でも晴天率の高い8月下旬から9月末の期間
はオーロラ鑑賞に最適な季節となる。オーロラは冬と
いうイメージが強いが、最近では夏オーロラの認知度
も上がってきた。
夏は、気温的にも鑑賞しやすく、緑の光の帯が湖面
に反射する神秘的な様子など冬とは異なる景色を楽し
める。グレートスレーブ湖でのオーロラクルーズなど
夏ならではのアクティビティも訴求力は高い。
ウッド・バッファロー国立公園
©Parks Canada
日本から同日到着、宿泊施設も充実
多彩なアクティビティ
冬と夏で楽しみ方いろいろ
アクティビティも冬と夏とでバラエティに富んで
いる。冬の定番のひとつは犬ぞり。現地オペレー
ターの「ベックス・ケンネル」では、さまざまなタ
イプの犬ぞり体験を提供している。たとえば、夜で
あれば走りながらオーロラを追いかけるオーロラハ
ンティングがおすすめだ。
また、完全氷結するグレートスレーブ湖でのアイ
スフィッシングも人気のアクティビティ。氷に穴を
あけ、そこに釣り糸を垂らす。ノーザンパイクのほ
かにタラ、マス、北極イワナ、ホワイトフィッシュ
などの釣果が期待できる。
川や湖が凍ることで冬の間だけ出現するアイス
ロードも必見。イエローナイフから近郊に伸び、生
活道路として使われるが、厚く氷結した道路を走る
という日本では味わえない自然の力強さを体験する
ことができる。
このほか、スノーモービルも代表的な冬のアク
ティビティ。特別な免許はいらず、全くの初心者で
川のそばで湧きだす温泉水の影響で形作られた奇岩
トゥーファ・マウンドなどユニークな形式が広がるほ
か、カリブーやマウンテンシープなど、野生動物の楽
園ともなっている。
ゲートウェイはフォート・シンプソン。イエローナ
イフから飛行機で2時間ほどだ。冬季は閉鎖される。
ウッド・バッファロー国立公園は、グレートスレー
ブ湖の南、アルバータ州にまたがって広がる。ここも
ユネスコ世界自然遺産。1983年に登録された。その名
称の通り、野生のバッファローの保護区として大切に
管理されている。
8月の下旬には、キャンプをしながら天体観測を楽
しむ「ダークスカイフェスティバル」が行われるほか、
春先に飛来してくるアメリカシロヅルの観察もできる。
ゲートウェイはフォート・スミス。イエローナイフ
からも定期便が飛んでおり、容易にアクセスすること
が可能だ。
「フーピング・クレイン・ゲストハウス」な
どユニークな宿泊施設も人気を集めている。
犬ぞり
©Aurora Village
バイソン
ハイキング
も簡単なレッスンですぐに乗れるよ
うになる。
夏のアクティビティで外せないの
がハイキング。特にキャメロン滝は
イエローナイフからのアクセスもい
いことから、気軽にNW準州の自然
を満喫するには絶好の場所だ。
アイスフィッシング
また、
「マッケンジー・バイソン・
サンクチュアリ
(保護区)
」では、日本では見ることの
できないバイソンを観察することが可能。こちらもイ
エローナイフから容易に訪れることができる。
日本からイエローナイフへのアクセスは、エア
カナダの直行便が飛んでいるバンクーバー経由あ
るいはカルガリー経由が一般的だ。バンクーバー
からは国内線でエドモントンかカルガリー経由。
エドモントンからは約1時間半、カルガリーから
は約2時間のフライト。いずれのルートも同日到
着が可能だ。
NW準州観光局では今年も冬の需要喚起に向け
てエアカナダと共同で「イエローナイフ・キャン
ペーン」
を行う予定。また、隣州アルバータ州観光
公社と組んで、冬のロッキーとオーロラを組み合
わせたプロモーションも検討している。
観光の拠点となるイエローナイフ市内にはホテ
ルが点在。日本人観光客の利用が多いのはエクス
プローラーホテル。街の中心にあるイエローナイ
フイン、
ディスカバリーイン、デイズインなどは市
内観光やショッピングに便利だ。また、
キャピタル
スィートはリノベーションを完了。以前のモーテ
ルタイプからスタンダードホテルにアップグレー
ドされ、日本人スタッフも常駐するようになった。
(12)
(第3種郵便物認可)
第2277号
2015年(平成27年)7月20日 増刊
ユーコン準州
Yukon Territory
人生を変える大自然との出会い
心揺さぶる体験をユーコンで
カナダの西北部に位置するユーコン準州。そこには、オーロラや氷河、ツンドラ地帯など、思わず息を呑むほどの圧倒的な大自然が広がっている。
日本ではまず体験できないカナダの新しい魅力がそこにある。
デンプスターハイウェイから見るオーロラ
ユーコンの大自然を体感する
自分のペースでオーロラ鑑賞
充実の施設、山並みとのコントラストも
世界遺産の山岳地帯と大氷河
クルアニ国立公園
オーロラが頻繁に出現する「オーロラベルト」の真
下に位置するユーコン準州では、ほとんどのエリアで
オーロラ鑑賞が可能。シーズ
ンは8月末から4月半ばまで
と幅広く、8月末から9月末
までは紅葉と共に、11月頃ま
では比較的寒さの厳しくない
環境で楽しむことができる。
特に、雄大な山並みとオーロラとのコントラストが
体験できるのがユーコンならでは。鑑賞できるこぢん
まりとしたロッジが点在しているのも特徴で、充実し
た設備のなか、自然と一体となって自分のペースで
オーロラを独り占めできる。
岩山とツンドラの大地から一路北極海へ
トゥームストーン準州立公園&デンプスターハイウェイ
カナダ最高峰のマウント・ローガン(標高5959m)を
筆頭に、
5000m級の山々が連なる山岳地帯。ブリティッ
シュ・コロンビア州からアラスカ州にかけての広大な
エリアが世界遺産に指定されて
おり、極地以外では世界最大の
氷原が広がる。グリズリーベア
やマウンテンゴートなど、野生
動物の宝庫でもある。
ここでのアクティビティーは
バラエティー豊か。ヘリコプターで山の奥地へひとっ
飛びしてハイキングを楽しむヘリハイク、山々や氷原
を見下ろす遊覧飛行、カヌーやラフティング、フィッ
シング、先住民の文化体験など、どれもここでしか体
験できないものばかりだ。
ユーコンの自然を体験できるおすすめコース
ユーコンの旅の拠点に
ゴールドラッシュの世界が今に
ホワイトホースを南下、アラスカ
州のスキャグウェイまで行き、そこ
からカーフェリーでヘーンズまで移
動。その後は北上し、クルアニ国立
公園を目指す周遊コース。個人旅行
ならレンタカーで巡るのがおすす
め。カークロス扌スキャグウェイ間
は、夏に観光列車「ホワイト・パス
&ユーコン・ルート」が走り、鉄道
の旅も楽しめる。
ユーコン川沿いの小さな町なが
ら、自然を愛するミュージシャンや
アーティストたちが移り住み、自由
でクリエイティブな雰囲気が感じら
れる。周辺には、
タキニ温泉や極北
の野生動物たちに
出会えるユーコン
野生動物保護区な
どのスポットが。
温泉でホッと一息
19世紀末のゴールドラッシュで、
当時は「カナダ西部最大の町」として
繁栄。その頃の建物が国定史跡とし
て今に残り、その様子は、まるで西部
劇の世界に迷い込
んだかのよう。周
辺では、現在でも
金の採掘が行われ
ており、砂金すく
い体験もできる。
砂金すくいに挑戦
ゴールデン・サークル
州都ホワイトホース
ドーソン・シティ
切り立った花崗岩の岩山がツンドラの大地に連なる
その光景は、まるで太古の地球に迷い込んだかのよ
う。極北の厳しい自然のなか、ムースや野鳥たちが生
息し、本格的なハイキングが楽しめる。デンプスター
ハイウェイで北上すると、北
極圏に突入、北極海へと抜け
る。冬にはアイスロードの区
間もあり、氷の上を走行する
ことができる。
ユーコンのアクティビティー
カヌー/カヤック
ハイキング
大小70もの川が流れるユー
コンは、カヌー/カヤックを
楽しむ人達にとって憧れの
地。1週間以上をかけてキャ
ンプをしながら川下りを楽し
む本格派も。日本語対応可能
なツアーもあるので、初心者
でも安心。
初心者からキャンプでまわる
上級者向けまで、だれでも楽
しめる。広大なスケールの大
自然に自分の足で踏み入れれ
ば、高山植物や紅葉、氷河や野
生動物たちとの出会いなど、
驚きの感動体験が待っている。
ユーコンへの
アクセス
バンクーバー乗継が便利。バンクーバーからホワイトホースへは、エア・カナダ
とウエストジェット
(季節運航)
、ユーコンの航空会社エア・ノースが毎日飛んで
いる*。バンクーバーで日本路線との同日接続も可能。関空扌バンクーバー線の
復活で、西日本エリアからもアクセスしやすくなった。 *運航スケジュールは要確認
犬ぞり
代表的な冬のアクティビ
ティー。実際に体験した
り、レースを観戦したり、楽しみ方はいろいろ。毎年2月
上旬の「ユーコン・クエスト」は、ホワイトホースからア
ラスカ州フェアバンクスまでの1600kmを走破する「世界
で最も過酷なレース」。2012年のレースで本多有香氏が日
本人女性として初めて走破、その経験を著書「犬と、走る」
(集英社)にまとめており、今話題だ。
ユーコン準州観光局
http://yukonjapan.jp/
第2277号
(第3種郵便物認可)
(13)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
プリンス・エドワード島(PEI)州
Prince Edward Island(PEI)
由緒ある島の魅力を肌で感じる
「イン(INN)
」でアイランドステイ
表情豊かなプリンス・エドワード島
約150年前の1864年にカナダ建国会議が開かれ、「カナダ発祥の地」として知られる
プリンス・エドワード島。その由緒ある島の歴史を肌で感じたいなら、「ヘリテージ
イン」や「カントリーイン」など、
「イン(INN)」での滞在がおすすめ。こぢんまりとした
インだからこそ体験できる島の人々との温かい触れ合い ― 今までとは違ったカナダ
のユニークな旅の魅力がそこにある。
歴史ある大邸宅にステイ
ヘリテージイン
プリンス・エドワード島には、イング
ランドやスコットランド、アイルランド
からの入植者が多く、富裕層が建てた大
きな邸宅が州都シャーロットタウンをは
じめ、州内各地に今でも数多く残されて
いる。島にはそんな100年以上の時を刻ん
だ邸宅を「ヘリテージハウス」として保
存する制度があり、なかには魅力的な宿
に改造して営業しているところがある。
植民地時代からカナダ独立への道のり
の間に建てられた風格のある建物。中に
入れば、アンティークの調度品がさり気
「赤毛のアン」の暮らしを体感
カントリーイン
Dundee Arms Inn
http://www.eden.travel/DUNDEE
なく置かれ、気品漂う内装で、まるでタ
イムスリップしたかのような気分にさせ
てくれる。島の豊かな歴史を物語る「ヘ
リテージイン」での滞在は、きっと旅を
盛り上げてくれるはずだ。
島に広がる素朴な田園風景。そんな風
景を見ながら、のんびりとした時間を過
ごせるのが郊外に点在する「カントリー
イン」だ。たとえ歴史は古くなくても、
島
らしい建築とデザインを施した大きな建
物。海辺に建つリゾートホテルもあり、
とれたての食材を使ったおいしい食事も
楽しめ、リアルな島の生活に触れること
ができる。
小説「赤毛のアン」の舞台となったプ
リンス・エドワード島。表情豊かな島の
風景は、まさに「赤毛のアン」の世界そ
Kindred Spirits Country Inn
http://www.kindredspirits.ca/
のもの。島の自然に囲まれながら、
「赤毛
のアン」の暮らしをリアルに体験できる
のも、
「カントリーイン」ならではの大き
な魅力だ。
Elmwood Heritage Inn
http://www.elmwoodinn.pe.ca/
例えば
こんな宿 カナダ建国ゆかりの宿
The Great George
州都シャーロットタウンの中心、グ
レート・ジョージ・ストリートに建つ。
1864年のカナダ建国会議が開かれた際
は、会議の出席者たちが滞在したことで
も知られる「カナダ建国ゆかりの宿」で、
これまでに数々のアワードを獲得してい
る。家族経営でサービスの質の高さも評
判だ。
島の伝統文化を受け継ぎ、アンティー
クの家具が置かれた優雅な雰囲気のロ
ビー。ここでは夕刻にワインのサービス
を受けることができる。旬の地元食材を
使った朝食(無料)
は人気。改装で水回り
を一新、無料Wi-Fiも完備する。
Hillhurst Inn
Inn at St. Peters
http://www.hillhurst.com/
http://www.innatstpeters.com/index.php
例えば
こんな宿 「赤毛のアン」映画のロケ地にも
Info
Dalvay By The Sea
客室数: 54
住所: 58 Great George Street,
Charlottetown, Prince Edward Island,
Canada C1A 4K3
TEL: +1 902-892-0606
URL: http://thegreatgeorge.com/
美しい海辺に建つ、かつてのアメリカ
の大富豪の別荘。正面玄関から階段へと
続く広々とした空間が「古き良き時代」
を彷彿とさせる。小説「赤毛のアン」で
たびたび出てくる「ホワイトサンドホテ
ル」のモデルとも言われ、
「赤毛のアン」
実写版映画の中でもロケ地として使われ
たことがある。
6~10月までの営業で、ダイニングも
有名。英国王室のウイリアム王子とキャ
サリン妃も訪れた。100名までのディナー
やレセプションにも対応できるので、
ウェディング・パーティーやイベントに
も活用できる。
プリンス・エドワード島には、歴史的な価値のあるインのアソシエーション
まだまだたくさんある魅力的な「イン
(INN)」「Inns of Distinction」がある。どのインもユニークで、地元の食材を使った
美味しい食事も味わえる。気になるインをチェックしてみてはいかが?
PE I H o t N
ews
「赤毛のアン」の頃のPEIを体験!ご当地グルメや工芸品も
Avonlea Village
グリーン・ゲーブルズ国定史跡から車で1分。
「赤毛のアン」
の作者、モンゴメリが教えていた学校の建物など、19世紀
後半のPEI各地の建物を移築、または再現し、
「赤毛のアン」
の世界を感じさせる。
2015年より入場無料に。新たに島のご当地グルメの有名
店やお土産店が出店し、ベイクド・ポテトや生カキ、ロブ
スター・ロール、手作り石鹸など、ここに来ればPEIの味と
お土産が揃う注目のスポットに生まれ変わった。
http://avonlea.ca
o pic
PE I H o t T
Info
客室数: 25(3ベッドルームのコテージ8棟もある)
住所: 16 Cottage Crescent, Dalvay,
Prince Edward Island,
Canada C0A 1P0
TEL: +1 902-672-2048
URL: http://www.dalvaybythesea.com/
URL:http://innsofpei.com/
注目!
PEIマラソン
「世界一美しいマラソンコース」と
も言われる人気大会。フルマラソ
ンからハーフ、10kmランや5km
ラン、キッズランなど種目も豊富。
ボストン・マラソンへの出場権も
獲得可能だ。今年は10月16~18
日の開催。
http://www.peimarathon.ca/
プリンス・エドワード島州政府観光局
http://www.tourismpei.com/jp
(14)
(第3種郵便物認可)
第2277号
2015年(平成27年)7月20日 増刊
カナダでドライブ
Driving in Canada
カナダならではの知られざる魅力を
ドライブで体験
目の前に広がる圧倒的な大自然を感じながら、観光ポイントを自由に巡る
ドライブ体験は、カナダの魅力を体感できる旅の楽しみ方の一つ。
「カナダシアター」 でも紹介されるような、感動体験の宝庫を自分のペース
でのんびりと楽しめるドライブ旅行を提案したい。
アルバータ州
エドモントン
グレイシャー・スカイウォークで
「空中散歩」
を体験
緑に包まれたカナダの
「フェスティバル・シティ」
カナディアン・
ロッキー北部の
拠点。バンクー
バーからVIA鉄
道でアクセスで
きる。レイク・
ルイーズへ向か
う途中にあるコ
ロンビア大氷原
Ⓒ Brewster Travel Canada
では、雪上車に
乗って氷河の上を歩くことができる。昨年
オープンしたグレイシャー・スカイウォー
クで「空中散歩」を体験。
Start
都会にありながら、大自然の美しさに触れ
ることができるアルバータ州の州都。芸術
文化関連のさまざまなジャンルのイベント
が年間を通じて開催される「フェスティバ
ル・シティ」だ。中心部を流れるノース・
サスカチュワン川沿いは、都市型緑地とし
て北米で最長を誇る。
B
トロントからオタワへ
①アルゴンキン州立公園 経由 オタワへ
②プリンス・エドワード・カウンティ、キングストン、リドー歴史街道 経由 オタワへ
アルゴンキン
オタワ&リドー歴史街道
雄大な自然が広がるアルゴンキン州立公園
のんびりしたドライブルート
運河沿いに小さな町が点在
メープルシロップのグルメを楽しむ
アルゴンキン州
立公園ビジター
センターでは、
公園の成り立ち
や生息する野生
動物について学
ぶことができ
る。早春なら新緑、夏から秋にかけては紅葉
が楽しめ、のんびりドライブするにはもっ
てこいのカナダらしいドライブルート。道
路沿いにはウォーキングトレイルも整備さ
れているので是非トライしたい。ハイウェ
イ沿いでも野生のムースに出会えることも。
リドー運河沿いを北
上、オタワへ。運河沿い
にはクラフトを売る店
やカフェなど小さなか
わいい町があるので、
休憩にぴったり。夏に
運河でボート遊びをす
る人たちが水門を通過
する様子は一見の価値
あり。途中ラクーナは
メープルシロップの里
で、一年中メープルシロップをたっぷりか
けたパンケーキ・ディナーが楽しめる。
レイク・ルイーズ
トロント
ターコイズブルーの湖
カナディアン・ロッキーの「宝石」
トロントを起点に
日帰り観光ポイントがたくさん
ジャスパー
ジャスパー国立公園
街
ラマ
パノ
キー
ロッ
道
氷河から溶け出した岩粉によって、宝石の
ように輝くターコイズブルーの美しい湖。
年間を通じてアク
ティビティーが豊
富で、部屋から湖
を臨むリゾートホ
テルでの優雅な滞
在は、カナディア
ン・ロッキーの忘
れられない思い出
となるはずだ。
エドモントン
バンフ国立公園
レイク・ルイーズ
バンフ
カルガリー
Ⓒ Banff Lake Louise Tourism
バンフ
カルガリー
ワールドクラスのリゾート
高山植物に出会うハイキングも
雄大なカナディアン・ロッキーの山並みを
一望できるワールドクラスのリゾート。温
泉保養地としても人気で、優雅な滞在が楽
しめる。また、カナディアン・ロッキーで
のハイキングは、毎年6~8月にピークを
迎える高山植
物が大きな見
どころのひと
つ。日本では
珍しい希少種
も多く自生し
ている。
Ⓒ Canadian Tourism Commission
Goal
Start
トロントを起点にカナディアンアートを満
喫するなら「マクマイケル・カナディアン
アートコレクション」がおすすめ。敷地内
には散策できるトレイルもある。また、週
末にはファーマーズマーケットやハンドメ
イドのお店が並ぶ
「セント・ジェイコ
ブス」や、古いオ
ンタリオの風景に
出会える「ユニオ
ンヴィル」も見逃
せない。
アルゴンキン州立公園
アルゴンキン
オタワ
道
ジャスパー
COUSE
史街
A
エドモントンからカルガリーへ
太古から続く大自然 「ロッキーパノラマ街道」
リド
ー歴
COUSE
オンタリオ州
①
トロント
プリンス・エドワード・
カウンティ
キングストン
②
オンタリオ湖
プリンス・エドワード・カウンティ
キングストン
日本からの直行便が飛ぶゲートウェイ
活気ある大都市
美食家や有名シェフも集まるワインの産地
果樹園ではフルーツ狩りも
世界遺産リドー運河の終着点
フォトジェニックな光景に出合う
日本からの直行便が飛ぶアルバータ州の
ゲートウェイ。1988年の冬季オリンピッ
ク開催地としても有名。毎年7月に開催さ
れるカウボーイの祭典「カルガリー・スタ
ンピード」など、楽しみもいっぱい。
ナイアガラに次ぐオンタリオ州のワインの
産地。テイスト・トレイルなど食のツーリ
ズムに力を入れている地域で、トロントか
ら2時間もかけて、美食家や有名シェフが
わざわざやってく
る場所だ。果樹園
などもあるので、
収穫時期に重なれ
ばブルーベリー摘
みなどもできる。
キングストンへは
車で30分ほど。
かつて首都が
あった場所
で、世界遺産
リドー運河の
スタート地
点。サウザン
ド・アイラン
ド・クルーズ
の乗船ポイントだ。フォート・ヘンリーは
世界遺産の一部で、夏の間は、ミリタリー・
ショーなどが楽しめる。キングストンから
20分ほどの、キングストン・ミルズは水門
の上に鉄橋が走っており、美しい光景だ。
Goal
Ⓒ Calgary Stampede
写真提供:カナダ・オンタリオ州観光局
第2277号
(第3種郵便物認可)
(15)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
アルバータ州
Alberta
大切なこと:
旅って、ここからがおもしろい
© Travel Alberta
アルバータ州で体験する「カナダシアター」の10テーマ
新しい切り口でカナダの魅力を伝える、カナダ観光局の「カナダシアター」
(canada.jp)。このなかでは、10のテーマで
カナダのユニークな体験を提案している。各テーマごとに、アルバータ州で体験できる旅行素材を紹介したい。 エドモントン
冒険する
移動する
ヘリハイクで
カナディアン・ロッキーの奥地へ
道
街
マ
ラ
ノ
パ
ー
キ
ッ
ロ
ジャスパー
アルバータ州
ドラムヘラー
レイク・ルイーズ
バンフ
カルガリー
キャンモア
州立恐竜公園
歩く
「ロッキーパノラマ街道」でハイキング
カナディアン・ロッキーの雄
大な大自然、その素晴らしさ
を自分の足で体感できるのが
ハ イキ ン グ。 初 心 者 から上
級者まで楽しめる。毎年夏に
可憐な花を咲かせる高山植物
は、見どころのひとつ。日本
では珍しい希少種も多く自生
しているので見逃せない。
カナディアン・ロッキーの絶景を
乗馬で楽しむ
© Banff Lake Louise Tourism
冬だけのお楽しみ、アイスウォーク
凍結した川や渓谷を歩くアイ
スウォークは、まさに冬だけ
の体験。ジャスパー国立公園
のマリーン渓谷やバンフ国立
公園のジョンストン渓谷で楽
しめる。道は比較的平坦で、先
へ進むと、氷結した滝など、
冬にしか見ることのできない
貴重な光景に出会える。
© Travel Alberta
© Banff Lake Louise Tourism
カルガリーの東南、バッドラ
ンドにある州立恐竜公園は、
世界有数の「恐竜スポット」
で、世界遺産に指定されてい
る。化石の発掘体験ができる
ので、ぜひ挑戦したい。ドラム
ヘラーにあるロイヤル・ティ
レル古生物学博物館では、最
近発見された新種恐竜「レガ
リケラトプス」の化石が展示
され注目を集めている。
© Travel Alberta
食べる
フードツアーで
アルバータ州の食の魅力に触れる
© Calgary Food Tours Inc
拓く/歴史2
カルガリー・スタンピードで
西部開拓時代にタイムスリップ
「地上最大の屋外ショー」と言
われるカウボーイの祭典。盛
大なパレードや迫力のロデオ
ショー、大興奮のチャックワゴ
ン・レースなど、アトラクショ
ンがいっぱい。かつての西部開
拓時代をリアルに体験できる。
毎年7月上旬~中旬の開催。
http://www.calgarystampede.com/
© Calgary Stampede
エドモントン近郊にある野生動
物の宝庫。エドモントンの喧騒
から少し離れただけで、野生動
物たちの鳴き声だけの世界に。
バイソンやエルクの群れが行き
交い、湖にはさまざまな種類の
野鳥の姿。北米最大のビーバー
の生息地としても有名だ。
バイソン © Travel Alberta
http://www.pc.gc.ca/pn-np/ab/elkisland/index.aspx
© Canadian Tourism Commission
表現する
歴史公園で
西部開拓時代の文化に触れる
カ ル ガ リ ー の「 ヘ リ テ ー ジ
パーク」は、18世紀後半の西
部開拓時代の街並みや生活を
今に再現した歴史公園。蒸気
機関車が走り、先住民との交
流や工芸品づくりなど、かつ
ての時代の雰囲気をリアルに
体験できる。エドモントンに
は同様に「フォート・エドモ
ントン・パーク」がある。
© Kathmandu
エルク・アイランド国立公園で
野生動物を間近に
州立恐竜公園
http://www.albertaparks.ca/dinosaur.aspx
ロイヤル・ティレル古生物学博物館
http://www.tyrrellmuseum.com/
ジャスパー http://www.sundogtours.com/
バンフ http://discoverdm.com/
VIA鉄道の大陸横断列車「カナ
ディアン号」。そのハイライト
のひとつが車窓から眺めるカナ
ディアン・ロッキーの山々。そ
のスケールの大きさは、日本で
はまず体験できない。展望車や
食堂車でおいしい食事を味わい
ながら、列車の旅ならではのひ
とときを楽しみたい。
http://wcs.ne.jp/via/
動物と共に生きる
世界遺産の「恐竜スポット」で
太古の世界に思いを馳せる
圧倒的な星空
ベストな環境で星空鑑賞
穀物や牛肉などの一大供給地
として知られるアルバータ
州。そんな豊かな食の魅力に
触れることができる3時間の
ガイド付きウォーキングツ
ア ー。 カ ル ガ リ ー の ファー
マーズマーケットやレストラ
ンでシェフの解説を聞きなが
ら食に対する知識を深めてみ
ては。
http://calgaryfoodtours.com/
馬に乗りながらロッキーの山
岳地帯を巡る「バンフ・トレ
イル・ライダー」。カウボーイ
気分で、雄大な大自然と一体
になろう。単なる観光やハイ
キングとはひと味違う、新鮮
な体験になるはずだ。バーベ
キューランチ付きのツアーも
ある。
http://horseback.com/
謎解く/歴史1
自然と共に生きる
ジャスパー国立公園の「ダー
クスカイ保護区」やバンフ国
立公園では、夜間の照明を調
整することで、年間通じて星
空鑑賞にベストな環境を提供
する。空を見上げると、闇夜
に煌めく無数の星の光が。ま
るで宇宙の中に浮かんでいる
ような感覚になる。
ヘリコプターでひとっ飛び。
上空から眺めるロッキーの雄
姿は言葉に表せない美しさ。
降り立てば、目の前に広がる
大氷河に圧倒されるはず。普
段なかなか行くことができな
い場所で、可愛らしい高山植
物を見ながらハイキングを楽
しもう。
© Travel Alberta
http://www.banfflakelouise.com/Things-To-Do/
Summer-Adventures/Sightseeing-Tours/Heli-HikingHelicopter-Tours
大陸横断列車で
カナダの大地を感じる
人と共に生きる
本場カナダで
アイスホッケーのレッスン
カナダの国民的スポーツとして
知られるアイスホッケー。キャ
ンモアの地元チーム「キャンモ
ア・イーグルス」のユニフォー
ムに着替えてプロのコーチによ
るレッスンを。コーチと一緒に
試合で汗をかけば、ホッケーに
熱中するカナダ人の気持ちにな
れるはず。
[email protected](E-mail)
© Noel Rogers
アルバータ州で体験できる10のテーマを
32のアイテナリーで紹介
ヘリテージパーク(カルガリー)
© Tourism Calgary
カルガリー:ヘリテージパーク
http://www.heritagepark.ca/
エドモントン:フォート・エドモントン・パーク
https://www.fortedmontonpark.ca/
アルバータ州観光公社では、
「カナダシアター」
で紹介する10の
テーマにふさわしい旅行素材を組み込んだ32のモデルコース
を新たに作成し順次提案していく。現在すでに18のモデルコー
スがウェブサイト
(http://www.travelalberta.jp)で公開され
ているので、今後の商品造成にぜひ役立てたい。
さらに、初めてノースウエスト準州観光局と共同で、イエロー
ナイフのオーロラを組み合わせた冬のモデルコースの提案も
開始。冬の商品造成にぜひ役立てたい。
(16)
(第3種郵便物認可)
2015年(平成27年)7月20日 増刊
第2277号