資料3-4 洋野町人口ビジョン 独自推計における出生の仮定について 1.出生に関わる仮定と将来人口推計 町独自の将来人口推計における合計特殊出生率の仮定については、国の長期ビジョン における仮定や本町の出生の特性等を踏まえて複数ケースを設定し検討します。 過去の実績等を踏まえた妥当性や将来展望としての見通しを考慮して、採用する値を 判断することとします。 合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に生むとされる子供の数を表す数値)の仮定ケース ・ケース1:国の仮定値に準拠した場合 (岩手県も同様に設定) ・ケース2:町民の子どもを持つことに対する理想が実現した場合(アンケート結果より) ・ケース3:国の仮定値を割増した場合(実際の出生率の高水準を考慮) ・ケース4:国の仮定値を割増した場合(出産可能な年代の女性が少ないことを考慮) ケース毎に設定した合計特殊出生率(詳細は2.に示します。)と、将来人口推計(移 動率は 15~34 歳の純移動の低減、35 歳以上の転出・転入の均衡を仮定)の結果を下 表に示します。 パターン1(社人研推計準拠)の推計に比べて、平成 72 年(2060)の人口は、最 大でケース 2-1 の場合に約 2,700 人、最小でケース 1 の場合に約 1,400 人の人口減 少が図られると推計されます。 表 合計特殊出生率の仮定と将来人口推計 合計特殊出生率 実績 H 20(2008) ~ H 24(2012) 将来人口推計 総人口(人) 仮定値 H 37 (2025) H 42 (2030) H 37 H 42 H 52 (2025) (2030) (2040) H 72 (2060) パターン1 との差 国の長期ビジョン 本 町 の 独 自 推 計 1.38 1.80 2.07 (人口置換水準) - - - - - ケース1 国の仮定値準拠 1.80 2.07 14,354 13,289 11,261 7,610 +1,371 ケース2-1 理想の子ども数実現 2.36 2.72 14,618 13,724 11,994 8,919 +2,679 1.94 2.24 14,435 13,415 11,460 7,947 +1,707 1.96 2.26 14,444 13,429 11,483 7,986 +1,747 2.34 2.69 14,610 13,708 11,963 8,858 +2,619 1.26 1.26 13,926 12,638 10,272 6,239 0 ケース2-2 予定の子ども数実現 1.51 (対全国1.09倍) ケース3 国仮定割増 (出生率高水準考慮) ケース4 国仮定割増 (出産可能年代女性割合考慮) (参考)パターン1 (社人研推計準拠) - 1 2.仮定の考え方(詳細) 4つのケースについて、合計特殊出生率の仮定における具体的な考え方を以下に整理し ます。 ■ケース1:国の仮定値に準拠した場合 (岩手県も同様に設定) ⇒平成 42 年(2030)に合計特殊出生率 2.07 国の長期ビジョンにおける将来人口推計においては、合計特殊出生率は平成 32 年 (2020)に 1.6、平成 37 年(2025)には 1.8 まで向上し、平成 42 年(2030) には人口置換水準の 2.07 が達成されるケースを設定しています。 ケース1では、上記の国の仮定値と同様の合計特殊出生率を設定します。 ■ケース2:町民の子どもを持つことに対する理想が実現した場合 ケース2-1:理想とする子どもの数の実現 (アンケート結果より) ⇒平成 42 年(2030)に合計特殊出生率 2.72 町民アンケート結果によれば、既婚者(18~49 歳)の理想とする子どもの数は 2.72 人です。 そのため、ケース2-1では、町民の理想とする子どもの数が実現した場合とし て、平成 42 年(2030)に合計特殊出生率が 2.72 になると仮定します。 (注)本町の昭和 60 年(1985)以降の合計特殊出生率の最大値は 2.52 であ り、合計特殊出生率 2.72 は過大な設定と考えられます。 ケース2-2:実際に持つつもり(予定)の子どもの数の実現 (アンケート結果よ り) ⇒平成 42 年(2030)に合計特殊出生率 2.24 町民アンケート結果によれば、既婚者(18~49 歳)が実際に持つつもりの子ど もの数は 2.24 人です。 そのため、ケース2-2では、町民の実際に持つつもりの子どもの数が実現した 場合として、平成 42 年(2030)に合計特殊出生率が 2.24 になると仮定します。 ■ケース3:国の仮定値を割増した場合(実際の出生率の高水準を考慮) ⇒平成 42 年(2030)に合計特殊出生率 2.26 本町の合計特殊出生率は全国に比べて高く、平成 20 年(2008)から平成 24 年 (2012 年)の平均値で、全国 1.38、本町 1.51(全国に比べて 1.09 倍)となってい ます。 そのため、ケース3では、国の長期ビジョンで仮定する合計特殊出生率の推移に対し て、現在の本町の合計特殊出生率を基準に拡大して比例推移させることとします。 具体的には、国の長期ビジョンで仮定する各年の合計特殊出生率の 1.09 倍を見込み、 2 平成 42 年(2030)の合計特殊出生率を 2.26 と仮定します。 (注)この仮定値は、町民アンケートにおける既婚者(18~49 歳)が実際に持つつ もりの子どもの数 2.24(ケース2-2)と概ね一致します。 過去の本町の合計特殊出生率の実績からみた場合、平成 2 年(1990)相当の 合計特殊出生率となります。 ■ケース4:国の仮定値を割増した場合(出産可能な年代の女性が少ないことを考慮) ⇒平成 42 年(2030)に合計特殊出生率 2.69 国の長期ビジョンで仮定する平成 42 年(2030)における合計特殊出生率 2.07 が 達成されたとしても、 母体となる 15〜49 歳の女性が少なければ子ども数は増えません。 そのため、ケース4では、15〜49 歳の女性割合に応じて、国で仮定する合計特殊出 生率を割増して設定することとします。 具体的には、平成 42(2030)年の総人口に対する 15~49 歳の女性割合は、本町 26.1%、岩手県 30.7%(対本町 1.18)、全国 34.0%(対本町 1.30)であり、全国と 同規模の子どもの割合を確保するためには、合計特殊出生率は全国の 1.30 倍となる必 要があるため、2.69(2.07×1.3)と仮定します。 (注)本町の昭和 60 年(1985)以降の合計特殊出生率の最大値は 2.52 であり、 合計特殊出生率 2.69 は過大な設定と考えられます。 3
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