1 UAV安全ガイドライン 事故事例と原因の解説 MORALS

MORALS
MORALS
1.事故発生状況と発生
事故発生状況と発生傾向
傾向
UAV安全ガイドライン
事故事例と原因の解説
当委員会では、UAVを運航するメンバーより事
故に関するアンケートを収集しました。
事故発生の状況は、ハード・ソフト的な側面と操
縦者の経験に分類される。
MORALS
1
事故の現状<年齢と熟練度>
MORALS
• 年代別の事故率は、40歳以上が最も多く52%を占
めていることと、中級者に事故が集中していること
から事故の要因に「慣れ」が介在していると推察さ
れる。
上級者
29%
<年齢別>
40歳~
52%
20~30
歳
10%
2
事故の現状<主たる原因>
MORALS
• 事故の主たる原因は、ハードウェアのトラブルと人
的トラブルに大別される。ハードウェアのトラブル
ではバッテリー関係と部品の劣化が多い。
初級者
26%
中級者
45%
30~40
歳
38%
<熟練度別>
3
事故の現状<主たる原因>
4
MORALS
MORALS
• 人的トラブルでは、整備ミスが多く、整備ミスから
部品の劣化が生じたことによる事故の発生が推察
される。
整備ミスから
部品の劣化へ
<人的トラブル>
設定ミス その他
13%
12%
操縦ミス
28%
整備ミス
47%
その他
24%
部品劣化
24%
バッテリ
38%
2.UAV機器の
UAV機器の性能
性能
事故発生の原因としてハードウェアのトラブルは
約3割であり、機器の性能を理解することは安全
運航に向けた方策のひとつといえます。
コンパス
14%
<ハードウェアトラブル>
5
6
1
<ヒューマンエラーによる事例>
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• 人的なエラーによるトラブルは、複合的な場合が
多い
<整備ミスによる事例>
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• 厳冬期などに飛行する場合では、樹脂製のプロペ
ラが硬化・破断する事故が発生している。低温環
境下ではその他使用部品の素材に配慮する必要
がある。
• 対面飛行による操作ミス
• ゲイン調整不良による過度な旋回
• リカバリー不能となり墜落
7
<電波環境による事例>
8
MORALS
• UAVが搭載している機器がGNSSに与える影響とし
て、モーターによるノイズの影響が考えられる。
モーターの回転によりGNSSデータの受信強度が低
下するため、ノイズ低減のための対策を検討する
必要がある。
50
45
45
40
40db
GPS衛星L1:1575.42MHz
携帯電話LTEとの干渉が懸念
受信強度SNR(db)
40
35
30
25
20
35
30
25
20
ノイズ対策
15
15
10
10
4349
4373
4321
4327
4334
4341
4340
4347
4354
4360
4367
4360
4367
4374
4321
4326
4334
4327
4333
4340
4347
4355
4345
4354
4360
4367
4372
4379
4321
4326
4334
4342
4348
4354
4360
4366
4372
4379
4326
4331
4338
4346
4352
4358
4366
4371
4377
4323
4331
4337
4345
4351
4358
4363
4371
4379
4324
4331
4338
4344
4349
4357
4363
4369
4375
5
5
4370
4377
4324
4331
4338
受信強度SNR(db)
GPS衛星L2:1227.6MHz
画像転送装置や特定
小電力との干渉が懸念
MORALS
ノイズ対策
ノイズ対策あり
50
4350
4357
4363
受信強度(SNR)db
ノノーマル
マル
ノイズ対策なし
GPSの捕捉に注意
観測時間(秒)
観測時間(秒)
観測時間(時系列)→
G1
G4
G7
G8
G11
G17
G18
G19
G20
G28
G30
G32
G1
G4
G7
G11
G17
G19
G20
プロペラ回転時のGNSS受信強度(SNR)
バッテリーに潜む危険
G28
G30
G32
9
MORALS
• リチウムポリマーバッテリーは発火します!
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<バッテリーの取扱い>
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• リポバッテリーは、大きなエネルギーを溜める事が
できるため、間違った使い方やショートで膨張・発
熱・可燃性ガス発生、火災等の危険性がある。保
管においては不燃性の容器や、弾薬ケース等衝
撃を防ぐ容器に入れて保管することを推奨する。
11
12
2
MORALS
厳しいすぎる安全管理
MORALS
• これでは厳しくて実運用できない!
• 企業にとって不利益だ!
本当にそれで良い
のか?
3.安全運航に
安全運航に向けて
向けて
• 安全の確保は事業者の責務である
• 今事故を起こせば・・・
ば
事故は、ハードエラー、ソフトエラー、ヒューマン
エラーなど様々な要因が考えられる。
• 測量業界全体の体質を問われる
• 研究や開発にも支障を来す
安全な運航に向けて、フライヤーの安全意識の
向上とあわせ、企業の組織的な体制作りも必要
となる。
• 結果的に企業の不利益につながる
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企業の取り組み と自己研鑚
MORALS
• 社会安全への備え
• 安全実績証明書の作成
• 安全報告書の作成
• 事故
事故への対応
への対応
の対応
安全管理規程
平成27年6月
○○測量会社
安全報告書
• 危機管理マニュアルの作成
• 突発的な状況に対応できる技量
平成27年6月
○○測量会社
事故原因の究明に向けて
MORALS
• 手引きを策定しブラッシュアップしていく上では、客
観性の高い事故原因の分析が求められる。
• 安全管理規程の作成
(事業運営方針、管理者の責務と権限、飛行体制)
• 安全
安全確保への責務
確保への責務
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• そこで、写真測量を実施する機体にはフライトレ
コーダーの搭載を義務付けたい。
安全実績証明書
操縦者:○○○○
場 所:△△地区
時 間:○○時間
事 故:0件
発注者:□□事務所
監督員:☆☆☆☆
承 認:27年6月
危機管理
マニュアル
平成27年6月
○○測量会社
• 基礎的な操縦スキルの習得
• トラブル発生時に備えた高度な操縦スキルの習得
• モラルの向上
• 事故発生による被害規模の想定
• 個人情報やプライバシーへの配慮
• 第三者への配慮
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安全な運用に向けて
MORALS
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まとめ
MORALS
• 組織的な取り組みと体系的な運用が必要不可欠
• 運航する企業としての取り組み姿勢を明確
<安全な取り組みに向けて>
• 飛行体制を確立し、現状では個々の条件に応じて
運用時の基準を整備し、その運用基準にしたがっ
て飛行させ、運用基準の適否を判断し、改善を
図っていく必要がある。
• これまで無人航空機、模型飛行機で空の安全を
守ってきた先人の取り組みに熟慮が必要
• 安全な運用に向けて関係法令、機器性能、操縦
技能などの教育体制の確保
<UAVの利活用について>
• UAVの出現によって空間情報技術分野では変革
の時期を迎えました
• ただし、すべての計測をドローンでカバーするので
はなく適材適所へドローンを適用することが重要
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