国内経済から海外市場に成長の機会をシフト

PRESS RELEASE
2015 年 6 月 4 日
グローバル企業 565 社の財務責任者(CFO)を対象とした意識調査
日本の CFO、国内経済から海外市場に成長の機会をシフト
~積極的な投資から、支出・投資の管理を強化する傾向に~
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(東京都杉並区/日本社長:清原正治)は、グローバル企業
の財務責任者(CFO)565 名を対象に過去 7 年間行っている意識調査「アメリカン・エキスプレス/CFO リサー
チ グローバル・ビジネス・スペンディング・モニター2015」の結果を発表しました。
今年の調査で顕著だったのは、日本の CFO は過去 2 年、国内市場に成長の機会を見いだしていましたが、
今後は海外市場により期待していることが明らかになりました。さらに、日本企業の投資水準は昨年と比べ
て大きな変化はないものの、徐々に積極的な投資から支出・投資の管理を強化する方向へとシフトしている
ことが分かりました。
1. 国内経済の成長への期待がやや減少。海外市場にビジネス成長を求める傾向に
日本の回答者の 52%は、今後 12 カ月の間に「景気が良くなる」と答えました。引き続き半数以上の CFO は
国内経済について明るい見通しを持っているものの、過去 2 年(2014 年:55%、2013 年:67%)と比べると
期待感は若干、低下傾向にあります。
日本企業の今後 12 カ月の景気予測
52%
2015
10%
42%
6% 3%
39%
55%
2014
7%
48%
32%
10%
3%
67%
2013
10%
0%
57%
10%
20%
著しい景気拡大
30%
40%
やや景気拡大
10%
23%
50%
経済活動に変化はない
60%
やや景気後退
70%
80%
90%
0%
100%
著しい景気後退
さらに、企業の成長に影響を与える要因について聞いたところ、日本の回答者の 6 割以上は「日本以外の国
の経済」が自社の成長に最もポジティブな影響を与えると考えています。昨年の調査結果では、「国内経済」
が最も高い要因であったことからも、日本の CFO は、自社の成長の機会を国内から海外に見いだそうとして
いることが分かります。
1
日本企業の成長にポジティブな影響を与える要因
2014 年 (%)
48%
日本以外の国の経済
2015 年 (%)
61%
61%
国内経済
57%
55%
自社の財務改革
52%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
2. 新興国市場ではベトナム、中国、タイに注目が集まる
新興国市場のどこの国で今後、売り上げや販売チャネルを拡大したいか、という質問に対しては、日本企業
の財務責任者は、ベトナム(35%)、中国(29%)、タイ(26%)でのビジネス成長に最も注力したいと回答しま
した。さらに、58%の日本の回答者は、昨年と比べて海外への輸出ビジネスが自社の成長により重要にな
ると答えています。
世界の財務責任者にどの新興国で海外ビジネスを強化したいか尋ねたところ、中国が引き続き最も重要な
市場であることが明らかになりました。加えて、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどのラテンアメリカ諸国へ
の注目も高まっています。
今後、日本企業がビジネスを強化したい新興国
今後、海外企業がビジネスを強化したい新興国
アルゼンチン
インドネシア・
インド
韓国
ベトナム
13%
35%
13%
中国
メキシコ
19%
39%
16%
タイ
26%
インド
中国
20%
29%
ブラジル
27%
2
3. 日本の CFO は徐々に支出・投資の管理を強化
本調査で日本の CFO の 10 人中 7 人は、今後 1 年間に支出や投資を「積極的(16%)」もしくは「ある程度
(61%)」増やすと回答しました。この傾向は昨年とほぼ変わらないものの、「利益を確保するために支出や
投資をしっかり管理する」と回答した CFO は昨年より 10%上昇し、23%となりました。さらに、投資水準が昨
年と比べて 30%以上増加すると回答した企業は昨年の 7%から 0%に減った一方、昨年と同じレベルになる
と回答した企業は昨年の 10%から 16%に増加しました。
また、諸外国を見てみると、日本以外にも米国、ロシア、ドイツなど多くの国の CFO は積極的な投資よりも支
出・投資管理を重視していることが分かりました。
投資レベルの各国比較
国名
厳しく投資・
支出を管理
積極投資
日本
23%
16%
米国
31%
13%
ロシア
55%
5%
ドイツ
27%
6%
英国
26%
24%
オーストラリア
23%
10%
シンガポール
27%
17%
中国
3%
28%
インド
6%
38%
メキシコ
5%
33%
カナダ
10%
13%
フランス
15%
30%
4. 商品・サービス開発が投資の最優先項目に
支出の内容では、「新商品・サービスの開発」や「セールス・マーケティング活動」のための投資が高くなる見
込みです。さらに、人材面では、IT スタッフ(37%)ならびにセールス・マーケティング職(26%)が不足してい
るとの回答が最も高かったことから、IT 技術職に加えて、セールス・マーケティング活動の拡大に向けて採用
が増えると見込まれます。
不足している職種
昨年と比べて、投資レベルを増やすビジネス活動
 新商品・サービスの開発: 35%

IT スタッフ: 37%
 セールス・マーケティング活動: 32%

セールス・マーケティング職: 26%
 生産・サービス提供の拡大: 30%

一般的な技術職/労働作業: 23%
3
今回の調査の結果について、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 法人事業部門-日本 副社
長/ジェネラル ・マネージャーのバイロン・マーミキディスは、「2015 年の調査では、日本の CFO は過去 2
年間と比べて、支出の管理を強化する傾向が出始めています。日本企業は支出を引き締めながら収入や利
益を伸ばすために、効率的な経費管理に取り組む必要があるでしょう。さらに、海外市場にビジネス成長を
求めていることから、グローバル市場でビジネスを加速するために、コンプライアンス強化および透明性の確
保も求められるでしょう」と述べています。
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「アメリカン・エキスプレス/ CFO リサーチ グローバル・ビジネス・スペンディング・モニター」について
本調査は、アメリカン・エキスプレスの法人事業部門と、CFO リサーチ・サービスが 2008 年より共同で実施
しているもので、今年で 8 回目となります。欧米主要国のほか、日本を含むアジアの国々などの企業財務責
任者を対象に、景気観測や投資優先項目などを調査したものです。
【調査概要】
調査方法:
調査対象:
サンプル数:
調査地域:
実施期間:
調査協力:
オンライン調査およびインタビュー形式
CFO(最高財務責任者)など財務責任者
565 名 (年間売上高が 5 億ドル以上の企業を対象)
米国、カナダ、中南米、欧州、アジア、オーストラリアなど
2014 年 12 月
CFO リサーチ・サービス(米国)
アメリカン・エキスプレス 法人事業部門について
アメリカン・エキスプレス法人事業部門は、Fortune500 社の 70%以上の企業が導入している法人向けペイメン
ト・ソリューションを提供しています。カード会員の利便性・安全性だけではなく、企業の出張交際費の最適化や、
煩雑な経費業務の大幅な簡素化を実現する「アメリカン・エキスプレス・コーポレート・カード」やサプライヤーの
選定から、請求処理、支払い、照合にいたるまでの一連の膨大な一般間接購買プロセスを合理化するためのプ
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国内外の多くの企業・団体に提供しています。
CFO リサーチ・サービスについて
CFO リサーチ・サービスは、CFO パブリッシング LLC 傘下の調査グループで、CFO マガジン、CFO.com、
CFO カンファレンスなどを発行しています。四半世紀以上にわたり、財務プロフェッショナルの最重要課題につ
いて信頼できる情報を提供しています。
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