第5学年 算数科学習指導案 在籍 指導者 1 単元名 2 単元について 35名 屋鋪 善祐(T1) 神田 京子(T2) 比べ方を考えよう(2) 本単元では、2つの数量関係について、もとにする量(基準量)を1とみた時、他方の量(比較量) がどれだけにあたるかというように、割合の見方で捉えることをねらいとし、百分率を含む割合の意 味とその求め方、表し方を学習する。 本学級では、1学期から自分の考えを図や式、言葉を用いてノートに書き、友達に分かりやすく伝 わるように工夫して説明する活動を大切にしてきた。ほぼ全員が問題に対する自分の考えをノートに 図や式、言葉を使って、分かりやすく書くことができる。また、自分の考えと友達の考えを比較しな がら聞き、考えを深めたり、自分の考えがもてなくても、友達の考えを聞いて理解することができる ようになったりする児童も多い。しかし、算数の授業は楽しいと感じる児童がいる一方で、「立式で きない」 「どうやって解けばいいのか分からない」など、学びの楽しさを味わえていない児童もいる。 これまで第4学年では、対比する2量が整数の場合について、基準となる大きさを1として、それに 対する割合(倍)を小数で表すことを学習してきた。第5学年では、対比する2量が小数の場合でも、 式の意味を考えながら割合(倍)を求めたり、倍を用いて比較したりすることも経験してきている。 しかし、本単元では、0.2倍など1より小さい小数の小数倍になるので、関係を捉えるのが難しい と考える。 そこで、本単元では立式に至るまでの過程を大切にする。数直線で2量の関係を十分に把握できる ようにする。数直線に表すことにより、2量のうちどちらを基準量とするかが児童にとって捉えやす くなり、割合を求める立式の手助けになると考える。さらに、割引セールのチラシや野球の打率など、 日常生活と結びつけて学習を進めることで、児童にとって割合のイメージができ、理解がしやすくな ると考える。どの子も「分かった」 「できた」 「使えた」と感じ、学びの楽しさを味わえるように、児 童に寄り添った支援を行っていきたい。 3 単元の目標 資料における数量の比較や全体や部分の関係の考察などで割合を用いる場合があることや、その表 し方についての百分率について理解するとともに、資料を円グラフや帯グラフを用いて表したり、特 徴を調べたりすることができるようにする。 【関心・意欲・態度】 ・ 割合を用いて比較したり考察したりするよさに気付き、生活や学習に用いようとする。 【数学的な考え方】 ・ 倍の見方を基に割合を考え、目的や場面に応じて数量の大きさの間の関係を割合でとらえること ができる。 【技能】 ・ 数量の関係から割合や百分率、基準量、比較量を求めたり、資料の全体と部分などの関係を表す -1- 割合を円グラフや帯グラフに表したりすることができる。 【知識・理解】 ・ 割合や百分率、基準量、比較量の求め方や、円グラフや帯グラフのかき方及び歩合の表し方を理 解する。 4 研究主題との関連 視点1 主体的な学びを生み出すための単元構想の工夫 児童が主体的に取り組める教材の工夫 日常生活で、買い物の価格表示や降水確率、アンケート調査結果を表すのに割合が用いられてい る。日常生活の中から割合が用いられている事象を探すなどの活動を通して、割合の考え方が生活 の様々な場面で用いられていることに気付き、興味関心をもって学習を進めることができると考え る。そこで、日常生活で買い物をする場面を設定することで、具体的な場面をイメージしながら活 動に取り組んでいく。本時では、 「定価1500円のボールを、300円引きで売っているA店と、 …があります。どの店で買うと、一番安く買えますか。」という問題を提示する。日常生活に密着 した場面を取り上げることで、「どの店が一番安いのだろう」と場面を想像しながら、意欲をもっ て取り組むことができると考える。 立式の根拠を明確にするための数直線の活用 割合や百分率を含む数量の関係を把握し、演算決定することは、児童にとって難しい。また、 「1 とみる」といった見方や表現も理解が難しい。基準量や比較量、割合の関係性を理解しながら、立 式できる児童を育てたい。 そこで、数直線を積極的に活用し、2量の関係を把握しながら、立式できるようにしていく。そ うすることで、言葉の表現が難しい公式に頼らずに、立式することができ、割合に対する抵抗感を 減らすことができると考える。数直線を用いながら、立式した理由を説明することで、割合の確か な理解へつながる。 視点2 関わりやつながりを通して、学び合う場の工夫 互いの考えを聞き合い、自分の考えを深めるペア学習や話合い 数直線や式、言葉を使って自分の考えを表現した後、互いの解き方を比較検討する中で、より洗 練した方法に高めることが大切だと考える。そこで、ペア学習や全体で話し合う場を設定し、自分 の考えを説明し合う活動を取り入れていく。 ペア学習では、自分の考えを友達に説明することによって、考えを確かめたり、修正したりする ことができるので、全体の話合いで自分の考えに自信をもつことができる。また、全体の話合いの 後にペア学習を取り入れ、 「よかった友達の考えを、ペアで発表し合おう」と投げかける。友達の 考えを伝え合う場を設けることで、友達の考えのよさに気付いたり、学んだことを定着したりする ことができる時間としたい。 全体で考えを共有し合う場面では、実物投影機を用いて、考えを発表し合う。全体で話し合うこ -2- とで、友達の説明を聞いて共感し合うことができたり、多様な考えを知るきっかけとなり、自分の 考えを深めたりすることができる。その際、教師は「児童に気付かせたいこと」 「考えさせたいこ と」を明確にし、取り上げる考え方を絞ったり、児童のつぶやきを拾い、問い返したりしながら、 学習のねらいに迫れるようにしていきたい。 視点3 確かな学びをつくるための評価と指導の工夫 確かな学力となるフラッシュ型教材とチャレンジタイムの活用 既習内容を確認するため、授業の始まりにフラッシュ型教材を用いて復習し、学習したことを使 って「できた」 「分かった」 「使えた」と感じる瞬間を作っていく。 また、割合の単元では、既習事項の「数直線」や「倍の見方」、 「割合の表現」が大切になってく る。チャレンジタイム(毎日10分間)を活用し、今まで学習してきたことを確認する問題を繰り 返し行い、基礎基本を定着させていく。 きめ細やかな支援のための指導形態の工夫 算数が得意な児童がいる一方で、一斉学習だけでは十分に理解できない児童もいる。そこで、単 元の計画において、多様な考えを交流したい時間は一斉T.T指導、一人一人の活動を重視する時 間は学年を3分割にした尐人数指導とし、指導の形態を工夫する。そうすることで、個に応じた指 導の工夫により、一人一人の思考の過程に適切に対応することができ、学習意欲を高めることにつ ながる。 -3- 6 本時の学習(7/13時) (1)ねらい ・割引の場面で、引かれる金額や割合に着目して解決の仕方を考え、説明することができる。 (2)展開 学習活動(時配) 教師の支援(・)と評価(◎) T1 1 フラッシュ型教材で割合の表現の仕方の確認をする。 ・フラッシュ型 (2分) つ T2 教材を使っ 割合を使って、日常生活の問題に チャレンジしよう。 て、百分率 や、歩合と小 数の関係を 2 問題の題意をつかみ、見通しをもつ。(5分) か み ・問題文の中の「も 定価1500円のボールを、300円引きで売っている とにする量」 「割 A店と、20%引きで売っているB店、定価の7割で売っ 合」を色で囲むこ ているC店があります。 とで、2つの量を 確認する。 つかみ、数直線に どの店で買うと、一番安く買えますか。 表したり、立式し ・もとの値段が1500円で、代金はもとの値段の「30 たりすることが 0円引き」 「20%引き」 「7割」だよ。 できるようにす ・どうやって比べようかな。 る。 / 3 自分の考えをノートに書く。 (10分) ・数直線や式、言 ・自力解決が困 4 それぞれの考え方を話し合う。 (15分) 葉を用いて自分 難な児童に ①すべての値段を出して、比べる。 の考えを書くよ は、途中まで うに伝える。 書かれた数 A…1500-300=1200 B…1500-1500×0.2 0 1500 =1200 自 1500×(1-0.2) =1200 0 0.8 0 ・机間指導を行い トカードと 1 ながら、多様な して用意し、 1500 考え方の児童を 分かってい 把握する。 ることや求 C…1500×0.7=1050 一番安いのは、C店。 ②いくら引かれるかで比べる。 0 0.7 めることを 1 1500 0 A…300 分 B…1500×0.2=300 0.2 0 1 0 直線をヒン 1500 ・考えを書いてい 把握させ、課 る児童のノート 題解決の見 を、実物投影機 通しをもた を使って提示 せる。 し、共有する。 C…1-0.7=0.3 1500×0.3=450 ・T1と連携 0 0.3 一番多く引かれて安くなるのは、C店。 -4- 1 ・式や数直線だけ し、共有した を提示し、全体 らよい考え / ③割合の大きさで比べる。 A…1500-300=1200 1500 0 B…1-0.2=0.8 1500×0.8=1200 つ 0 0.7 0.8 C…0.7 1 で数や立式の意 の児童を取 味を考えたり、 り上げるよ 別の児童に説明 うに配慮す を促したりし、 る。 主体的な話し合 Bは、Aと同じ1200円で、割合は0.8。Cの割合は、 いができるよう ・実物投影機を 0.7だから、AとBよりも代金は安いといえる。 にする。 な する児童の ・ A、B、Cそれぞれの代金を求めて比べました。 ・ 僕は代金じゃなくて、引かれた値段で比べたよ。だか ぎ 用いて説明 ら、数が大きい方が安い。 ・友達の発表を聞 補助を行う。 き合い、自分の 考えと比較しな ・ 全部求めなくても、AとBは同じ代金で、BとCの割 合を比べるとCの方が小さい。全部計算しなくても、C が一番安いことが分かるよ。 がら聞くように 投げかける。 ◎割引の場面で、引かれる金額 / や割合に着目して解決の仕方を 考え、説明することができる。 ま (発言、ノート) 5 よいと思う友達の考えをノートに書き、ペアで発表し合 と う。 (5分) さに気付いた 間取ってい り、学んだこと る児童に寄 を定着したりす り添い、助言 割引の表現の仕方がいろいろあることが分かりまし るために、友達 する。 た。新聞や広告に使われているか気を付けようと思いま の考えをペアで す。 発表し合う場を ・机間指導にお 6 本時の学習の振り返りをし、発表する。 (8分) め ・友達の考えのよ ・ペア学習に手 ・ ・ 全部の代金を求めなくても、割合の大きさを比べるこ 設ける。 とで、計算せずに比べられることに気付きました。 ・ 表現の仕方によって、すぐに代金が分かることと、分 からないことがあると思いました。 いて、友達の 考えのよさ ・机間指導におい に気付いて て友達の考えの いる児童を よさに気付いて 把握する。 いる児童を見付 け、取り上げる。 (3)視点 ・ 日常生活と結びついた問題を設定し、数直線とつなげて立式したり、比較検討できるように板書を 工夫したりしたことは、引かれる金額や割合に着目して解決の仕方を考え、説明することに効果的で あったか。 -5- 1/29 割合を使って、日常生活の問題にチャレンジしよう。 定価1500円のボールを、300円引きで <割合の大きさで比べる> 売っているA店と、20%引きで売っているB A…1500-300=1200 店、定価の7割で売っているC店があります。 B…1-0.2=0.8 どの店で買うと、一番安く買えますか。 <すべての値段を出して、比べる> A…1500-300=1200 B…1500×0.2=300 1500-300=1200 C…1500×0.7=1050 1500×0.8=1200 C…0.7 <いくら引かれるかで比べる> A…300 B…1500×0.2=300 C…1-0.7=0.3 1500×0.3=450 -6-
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