No.13 2015 年 8 月 9 日 発行 発行:共助の場 集楽 サンデーマーケット ー街中に現れる手づくりの市場ー サンデーマーケットとは 第1日曜日と第3日曜日、手作り感 れるマーケットが福岡市中央区白金の街中に突如現れる。 それが、『サンデーマーケット』です。うさぎプロジェクト主催の『サンデーマーケット』は、 良質な「本物」の食べ物や障がいのある人々の心のこもった作品などを福岡市中央区白金で販売 しています。消費者と生産者・販売者が顔を合わせ、そこから生まれるコミュニケーションを大 事に、楽しく活動しています。 商品の紹介 ①朝倉街道で有機農業を長年営んでいる「む すび庵」の旬の無農薬の野菜 ②「産地がわかる本物の牛乳」として全国で も珍しい自社牧場の牛乳を無調整で提供する 永利牛乳の新商品「まきばのプリン」 ③ダウン症のお子さんを持つお母さんが立ち 上げた「天然酵母おひさま」の天然酵母のパ ン ④その他、ハンドメイドのお菓子など 現状ー発見と課題ー 3月2日(日)の第1回目の活動から始まり、 7月で10回目の開催になります。開催していく うちに新たな発見や課題が見つかっていきます。 大きな発見としては、子育て世代の人々が食の 安全性に関心を示し、少し値段が高くても無農 薬野菜や天然酵母のパンを購入していきます。 その野菜もパンも、スーパーに並ぶものとは違っ て大量生産は難しいものです。今までの大量生 産・大量消費とは違う、新たな消費の形のヒン トがこの発見に潜んでいるかもしれません。 しかし現状のマーケットにはいくつかの課題 が残っています。そのなかでも最大の課題は、 身内以外の顧客が少ないことです。これは、サ ンデーマーケットがまだまだ地域に浸透してい ないことを意味しています。今後の活動として は、薬院・白金近辺の方々に周知していただく 学生としての感想 ための広報やリピーター獲得の戦略が必要になっ ていきます。 幼い頃から大手スーパーが台頭していた世代である私たちは、サンデーマーケットのような雰囲気のマー ケットに対して非常に違和感を感じます。私たちがよく使うスーパーでは、季節や土地も関係なく多様な商 品が用意されていて、お金を支払う際には機械的に支払金額だけを伝えられます。しかしサンデーマーケッ トの商品は、コミュニケーション・会話を通じて、誰が、どのように作り、どんな思いがこもっているのか がわかります。何より、会話が多い市場なので誰もが楽しく、リラックスして過ごしています。この市場独 自の楽しい雰囲気は実際に現場に行かなければ感じ ることができません。ぜひご興味のある方は一度足 を運んでみてください。きっと楽しい時間を過ごせ るはずです。 九州大学経済学部3年 橋本凌真 サンデーマーケット 開催日時:毎月第1・第3日曜日 12:00 15:30 開催場所:権藤悦子事務所ビル入口エントランス 福岡市中央区白金2丁目154 『世界と地域を結ぶフォーラムin太宰府』開催のお知らせ 私たちが従来から懸念していたTPP交渉も(強引に)いよいよ大詰めとなってきました。 また、国内では人口減による様々な影響が明白になりつつあります。まさに激変の時代です。 これまでの右肩上がりの日本の夢を追い競争を煽るような「成長戦略」や「地域創生」といった 言葉に踊らされることなく、持続的で住民本位の地域づくりを新しい発想で地道に取り組む必要が あります。 このような事から「世界と地域を結ぶフォーラム」(旧WTO FTA NGOフォーラム)を下記のと おり開催します。暑い盛りの時ですが、「今起こっていること」や「これからどうするか?」をじ っくり考え話し合いましょう。ぜひご参加下さるようお願いします。 実行委員会一同 【日時】 2015年8月22日(土)13時~8月23日(日)12時 【場所】 22日:太宰府市いきいき情報センター(アクセス等は後記参照) 23日:奥太宰府北谷「うさぎ庵」 【内容】 22日1)基調講演Ⅰ「TPPの本当の問題は?」 磯田 宏さん(九州大学農学研究院 准教授) 2)基調講演 Ⅱ「TPP時代の地域づくり」 神田 浩史さん(NPO法人泉京・垂井副代表) 3)分科会 1)地域とは?ともに生きる「いのち」 2)若者が決める自分たちの未来 3)新しい働き方を探る 4)ファーマーズマーケットの可能性とCBAの現状 4)懇親会 その後、宿泊場の「北谷のうさぎ庵」に移動します。 23日 9時から12時 ○全国の取り組みの紹介 ○今後の方向性 ※)同日午後「永利牧場」さんの見学ツアーを開催します。 http://www.nagatoshi-milk.co.jp/ お時間がございましたらぜひご参加下さい。 【参加費】 22日のフォーラム:一般1,000円、学生500円 懇親会:一般1,500円、学生1,000円 宿泊(23日朝食+昼食):2,500円 午後の見学:交通費(実費) 【会場】 太宰府市いきいき情報センター 〒818-0125 福岡県太宰府市五条三丁目1番1号 http://www.dazaifu-info.or.jp/ ■福岡空港、JR博多駅からのアクセス 1)地下鉄空港線乗車 天神駅で下車して下さい 2)西鉄大牟田線(福岡天神駅)から二日市駅で太宰府線に乗り換えて下さい (福岡天神駅から二日市駅まで特急で約15分です) 3)西鉄五条駅下車して下さい。駅から徒歩3分が太宰府市いきいき情報センターです(1階はマ ミーズというスーパーマーケットです) 4)2階に上がり205号室で受付をお願いします 【受付】 フォーラムの受付フォームです。 http://goo.gl/forms/pOn4xSOiXx こちらのフォームから受付をお願いします。 もしくは、(ご質問も) 橋本 [email protected] 今村 [email protected] 携帯電話番号 080-5241-1145 までお願いします。 4 4 5 48 3 1 2 3 「フードバンク」について考えよう 蔦川 正義 1.世界の飢餓と日本の食糧事情 “フードバンク”・・あまり聞き慣れない言葉だが、1967年にアメリカで生まれ、すでに約 50年の歴史がある。「食べ物に困っている人」がたくさんいる一方で、食料がたくさん捨てられ ている・・この状況をつなぐ活動全体がフードバンクである。 食料はもとより、さまざまな物資があふれるこの世に深刻な飢餓が大規模に存在する。 世界の 飢餓人口(1日1食以下)は約8億7000万人、絶対的貧困層(1日2ドル以下)は約24億人 という。ちなみに、現時点の推定人口は約72億人であるから、飢餓人口は1割以上、絶対的貧困 層は3割以上となる。貧困は子ども達の暮らしを襲う。物乞い・ストリートチルドレンが約1億5 000万人、児童労働約2億1500万人等。飢餓が原因で命を失う人が年間1000万人あり、 その7割近くの690万人は子ども達である。 一方、日本の食糧事情をみると、しばしば指摘されるようにカロリー・ベースの食料自給率は3 9%だから、外国からの輸入がストップすれば瞬く間に飢餓が蔓延する状況にある。にもかかわら ず、日本で1年間に廃棄される食糧は1788万トンにも上る。その内の食品ロスと言われるもの は、500~800万トンと推定され、年間のコメ収穫量に匹敵する規模に達している。さらに、 食品ロスの内訳は、家庭が200~400万トン、企業が300~400万トンという。 食品ロスを引き起こす要因はいろいろだが、企業分野で300~400万トンと、大量に発生す る要因として、 “梱包と商品表示”ならびに“「3 分の 1」ルール”があることに注目しておきたい。 つまり、食品が製造された企業にある段階や輸入された港にある段階で、例えば段ボール箱が破れ て食品がこぼれ出ている場合には、その段ボール全体が破棄され、あるいは段ボール箱に書かれて いる内容表示にミスがあった場合、内容物を新たな箱に移し替えることなく手つかずのまま廃棄さ れる。また、 「3 分の 1」ルールというのが業界では常識らしい。例えば、工場の生産時から6カ月 で賞味期限を迎える食品があったとしよう。生産から消費=賞味期限までを3分割し、①工場から 卸業者等に出荷する時期が最初の3分の1、つまり2カ月過ぎたら工場段階で廃棄され、②卸売り 段階では最後の2カ月を切ったら小売業には出荷されず、③小売業段階では、賞味期限を過ぎると 廃棄される。このルールを厳しく守るのは日本だけ、家庭レベルで「買いすぎた商品」が余るとい う規模をはるかに超える大量商品が、製造元や流通段階で廃棄されている。 2.フードバンクとは? フードバンクとは:品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業や 個人から寄贈してもらい、施設や団体、生活困窮者などに無償で配給する活動。 定義としては以上のようであっても、この過程はそれほど簡単ではない。商品を無償で受け取っ た者が、有償で転売しないか?品質等に問題なく配布しても、何らかの食品事故は起きないか?事 故が発生すれば責任はどうするか?等などである。とくに、フードバンクの原則は「無償の連鎖」 であるが、食品の輸送や配布の過程にはかならず費用がかかるという問題である。歴史の古いアメ リカでは、税制上の優遇措置があり、また国が農産物を買い取りフードバンクへ寄付する制度、万 一の食品事故の場合、善意行動に対する免責の措置等もある。余剰食品を個人が郵便受けに置き、 郵便配達が集荷してフードバンクに寄付するという「個人参画システム」もあるという。また、フ ランスの場合、フードバンクの目的としては「飢餓撲滅」より「食品ロス」の削減に重点があり、 イタリアでは、スーパーの入り口でチラシを配布し、購買者にフードバンクへの寄付を呼び掛ける 活動がある。 以上からわかるように、フードバンクの目的・意義は、 「飢餓を救う」とともに、 「食品ロスの削 減」にあり、それぞれの国や地域でさまざまな工夫や仕組みが考えられているようだ。それに加え て、人々や企業・団体の「つながり」を求めることが考えられる。 3.NPO共助の場 集楽として学ぶこと 日本ではやっと2000年に始まった。この年、「セカンドハーベスト・ジャパン」が東京で設 立された(農水省認可のNPO)。いま、日本でフードバンクを名乗るには、この「セカンドハー ベスト・ジャパン」の認定を受けることが必要なようである。福岡県内では、「フードバンク北九 州ライフアゲイン」が、2001年から任意団体として活動を始め、昨年14年度にNPO法人の 認可を受けている。その具体的な活動は、企業・団体、個人の協力による食品の提供ばかりでなく、 食品保存のための倉庫の提供の呼びかけ、集荷・輸送・配布のためのボランティアの呼びかけ、大 学生に働きかけて子どもの学習などの居場所の支援、このような活動を支える会員(企業・団体、 個人)の募集、その全体を支え合う会員自身の学習・交流などである。 フードバンクは、私たち「共助の場 集楽」が企図している使命と目的に照らして参考にすべき 点が極めて多いと考えられる。しかし、今すぐに何かを取り組むにはかなり距離が大きい。まず、 北九州の現地見学を含めて、学習の機会をつくりたい。 ===================================== 「はちの輪」とは 様々な種類の花から花へ、おいしい蜜を求めながら飛び回っていると、自然と実を結ぶ役目になっていたミツバチの ような存在でありたい。∞(無限)の可能性を秘めたネットワークそのものでありたい。そんな思いが沢山つまった集 楽の機関紙が「はちの輪 通信」です。私たちの周りの様々な活動をみなさんにお伝えしていきます。 編集後記 暑い日が続いております.皆様,いかがお過ごしでしょうか.『世界と地域を結ぶフォーラムin太宰府』の開催がいよいよ 近づいてまいりました.今回のフォーラムは,学生を主体とした実行委員会が運営しております.実行委員が一生懸命準 備をしておりますので,皆様お誘い合わせの上,是非ともご参加ください.フォーラム後は,今号でも紹介しております「う さぎ庵」にて懇親会を行います.これを機に足を運んでみてはいかがでしょうか? まだまだ暑い日が続くかと思われますが,熱中症等にはお気をつけて,お身体を大事にお過ごしください. 《編集責任者:高田》 連絡先 NPO 法人 共助の場 集楽(きょうじょのば しゅうらく) 〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前 3 丁目 6 番 1 号 小森ビル4-A 福岡NPO共同事務所びおとーぷ内 FAX : 092-473-1222 Email : [email protected] HP : http://shuraku.jimdo.com/
© Copyright 2024 ExpyDoc