現行の税制で贈与税は、110 万円を超える財産を譲り受けると課税される

現行の税制で贈与税は、110 万円を超える財産を譲り受けると課税される。例え
ば、2014 年末までに 1,000 万円を贈与された場合、231 万円の贈与税がかかる。
政府・与党は 2016 年 10 月から、親や祖父母から住宅資金をもらった際にかか
る贈与税の非課税枠を、現在の 1,000 万円をから 3,000 万円に拡大する方針を固
めた。3000 万円の非課税枠は、これまでで最大となる。
2017 年 4 月に消費税率を 10%へ引き上げる際、住宅需要が落ち込むのを防ぐ
のが狙いだ。
贈与税の非課税枠を設定するのは、若い世代の住宅購入を促すためだ。現在、非課
税枠は、省エネ住宅などの購入には 1,000 万円まで認められており、2014 年末が
適用期限となっている。
政府・与党は、消費増税で冷え込む住宅市場を活性化するため、非課税枠を 2015
年 1 月から 1,500 万円に拡大する。再増税を見込んで駆け込み需要が膨らみすぎる
のを防ぐため、2016 年 1~9 月は、1,000 万~1,200 万円の水準に戻す。2016
年 10~2017 年末は 3,000 万円に大幅拡大し、2018 年以降は段階的に縮小して
いく。
住宅建設には時間がかかるため、2014 年 4 月の 8%への消費増税の際は、半年
前の 2013 年 9 月末までに建築契約を行えば、住宅の引き渡しが 2014 年 4 月以
降でも 5%の税率が適用されると特例が設けられている。
政府・与党は、再増税の際も同様の特例を設ける方針だ。
続いて、結婚や出産、育児の費用を親や祖父母から提供してもらった際の贈与税が、
非課税になる制度を、2015 年度に設ける方針を固めた。2015 年 4 月~2017 年
末までの時限措置とする方針で、子や孫 1 人当たり 1,000 万円を上限とする方向で
調整している。
また学費などの教育資金は 2015 年末まで 1,500 万円を上限に非課税となって
いるが、この期限も 3 年程度延長する。
これらの時限措置を最大限活用すれば、1 人に付き 4,000 万円までの資金が非課
税となる。
自民・公明両党が 12 月 30 日にまとめる 2015 年度税制改正大綱に盛り込む。
(2014/12/20 読売新聞から)