健診・人間ドックでおこなう主な検査項目

健診・人間ドックでおこなう主な検査項目
検査値には個人差があり、その日のコンディションに左右されることも少なくありません。また、健診機関や測定方法によっても基準値が変わりますので注
意が必要です。
最終的には医師が総合的に判断し、疑わしいときは再検査や精密検査が指示されますので、必ず受診しましょう。
主な検査項目
■血液検査
検査項目(略称)
この検査でわかること
赤血球数
(RBC)
貧血の有無の検査。
低いと貧血、急性出血などが考えられる。
白血球数
(WBC)
白血球が増えすぎの状態は、虫垂炎などの体の炎症や細菌やウイルスによる病気、減りすぎの場合は悪性貧血などが疑
われる。運動や妊娠、喫煙、ストレスの強いときなどにも高くなる。
貧
血色素量
血
[ヘモグロビン(Hb)]
赤血球中の酸素を運ぶタンパクの一種。基準より低いと貧血。
ヘマトクリット
(Ht)
貧血検査のひとつ。血中の赤血球の割合。基準より低いと貧血。
血小板数
(PLT)
出血傾向の有無の検査。
多すぎたり、少なすぎたりすると、出血しやすくなったり血が止まりにくい状態になる。
中性脂肪
[トリグリセライド(TG)]
増えすぎると、肥満や脂肪肝、動脈硬化の原因になる。さらにHDLコレステロールを減らしてしまう。
食事(糖質)・アルコールによる影響を受けやすいので、食後最低でも12時間経過が必要。
総コレステロール
血 (TC,T-cho)
中
脂
質 HDLコレステロール
LDLコレステロール
AST
(GOT)
ALT
肝 (GPT)
機 アルカリフォス
能 ファターゼ
(ALP)
動脈硬化、肥満、肝臓、腎臓、ホルモン状態の検査。異常があれば高くなる。コレステロール値が高く、高血圧もある人
は、動脈硬化になりやすいので要注意。
善玉コレステロールとも呼ばれる。血管の内側の壁に付着した余分な脂肪を取り除くはたらきがある。値が低いと、動脈硬
化症などが考えられる。
悪玉コレステロールとも呼ばれる。血管にコレステロールを蓄積させ、動脈硬化をすすめる。
計算式でも算出できる(ただし中性脂肪400mg/dlまで)。
求め方:TC-HDL-(TG×0.2)
血清中の酵素。その量によって肝臓のはたらきがわかる。肝疾患があると増える。筋肉重労働後など一過性に上昇する
ことがある。
肝臓・胆道の障害のほか、骨の異常もチェックできる。なお、幼・少年期には骨の発達が活発なため成人の2倍ほど高く
(妊娠中の女性も同様)なる。
γ-GTP
肝・胆道の状態がわかる。飲酒者の検査。
特にアルコール性の肝障害や薬物性肝障害のとき敏感に高くなる。
血中尿素窒素
(BUN)
腎機能検査。肝臓のはたらきが悪いと上昇する。
高たんぱくの食事や薬剤などの影響を受けやすいので注意。
腎
クレアチニン
機
(Cr)
能
尿酸
(UA)
血糖
血 (FBS,BS)
糖
ヘモグロビンエーワン
シー(HbA1c)
腎機能の検査。
腎臓の働きが悪いと上昇する。
腎臓のはたらきがわかる。痛風のときに特に高くなる。
食事・激しい運動などによっても上昇する。
糖尿病・ホルモン機能検査。高いと血糖を下げるホルモンであるインスリンがうまくはたらかなくなっていることが考えられ、
糖尿病を疑う。食事の影響が大きいので必ず空腹時に検査を受ける。
血液中のヘモグロビンとブドウ糖が結合したもの。1~2ヵ月前の血糖値を推測できる。糖尿病の確定診断や経過観察に
役立つ。
※HbA1cの表記が、平成25年度からJDS値からNGSP値にかわりました。
平成25年度までのJDS値と比較するときは、下記のように換算してください。
<JDS値からNGSP値への換算方法>
JDS値で4.9%以下:NGSP値(%)=JDS値(%)+0.3%
JDS値で5.0~9.9%:NGSP値(%)=JDS値(%)+0.4%
JDS値で10.0~14.9%:NGSP値(%)=JDS値(%)+0.5%
(例)JDS値で5.6%の場合、NGSP値に換算すると6.0%になります。
■尿、便検査
検査項目
基準値
異常を示す主なもの
尿蛋白
陰性(-)
陽性:腎炎、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、発 腎臓病などの検査。激しい運動、発熱、寒冷、副交感神経興奮など
熱、過労など
により、一時的に認められることもある。
尿糖
陰性(-)
陽性:糖尿病、膵炎、肝疾患、甲状腺疾患、妊 糖尿病の検査。糖が出ていると陽性。ただし尿に糖が出ていても必
娠時、ステロイドの長期服用など
ずしも糖尿病とは限らない。
ウロビリノーゲン
陽性:肝炎、溶血性黄疸、腸閉塞、便秘など
弱陽性(±) 陰性:胆石、悪性腫瘍による胆道閉塞、抗生
物質の長期大量投与など
肝臓や胆道の異常を調べる検査。
胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌によって分解されてできる物質
で、大部分は便として排せつされる。
尿潜血
陰性(-)
陽性:糸球体腎炎、膀胱炎、尿路結石など
尿中に血液が含まれているかどうかを調べる検査。
便潜血
陰性(-)
陽性:大腸がん、胃・十二指腸潰瘍、悪性腫瘍 消化管からの出血の有無を調べる検査。肉体的にはわからないよう
など
な微量の血液(潜血)を検出する。
※検査項目や基準値は、検査機関、検査方法によって異なる場合があります。
この検査でわかること