『外国人観光客おもてなし研修プログラム』 ~観光施設事業者向け 実践

『外国人観光客おもてなし研修プログラム』
~観光施設事業者向け 実践編~
◆イントロダクション
◆お客様が施設にご来場されて
◆展示などの説明を求められたとき
◆トラブルをおこさないために
◆リクエストへの対応
イントロダクション
●旅行をするにあたって観光施設は、その国の歴
史・文化・歴史を最大限に体験する場所です。日
本を訪れる外国人も同様に、日本の歴史を感じる
伝統的な建物や美しい自然を求めて観光地を訪れ
ます。
●日本人にはあまり知られていなくとも、外国人に
は人気のある施設など、外国人の訪れたいと思っ
ている観光地は国や地域、年齢によっても様々で
す。そのため、現在あまり外国人が来ていないと
しても、受入体制を整備し、プロモーションを行
えば、人気のスポットとなることも十分にあり得
ます。
お客様が施設にご来場されて
施設に到着した観光客の身支度をお助けするものを
入口付近に準備しておきましょう。
外国からのお客様は長い旅路を渡ってきた
方がほとんどです。中にはホテル等に立ち寄
らずに直接大きな荷物を持って、観光施設に
来る方もいらっしゃいます。そのような方が
困らないよう、入り口の近くに大きい荷物も
HOW TO USE
入るようなコインロッカーを設置するか、受
付などで預かれる準備ができるようにしてお
①Put your baggage
in the locker
②Put the money
¥100
③Close the door,
turn and take out
the key
きましょう。コインロッカーの使い方などに
ついても英語又は多言語の表記をするとよい
でしょう。
限定イベントや天候によって内容が変わることは
英語又は多言語で表記したカードなどでご案内しましょう
せっかくお越しいただいたのなら外国人の方
にもイベントを知って楽しんでもらいたいもの
です。あらかじめその日のイベントを記した英
語又は多言語のカードなどを準備しておくこと
で、外国人の方にもスムーズにイベント情報が
伝わります。イベントのポスターでもよいで
しょう。また、屋外の施設、乗り物などのアト
ラクションがある施設の方なら、お天気の状況
によって、施設の実施状況や、運行の有無、施
設のサービスの変更などを記したカードを準備
するとよいでしょう。
簡単な英語のフレーズや単語を覚えましょう
■何名様ですか?
How many ? (ハウメニィ?)
■コインロッカーはあちらにあります。
Coin locker is over there.
(コインロッカーイズオーバーゼア)
■どちらからお越しですか?
Where are you from?
(ウェアアーユーフロム?)
■ただいま満員です。
Sorry. We are fill at the moment.
(ソーリー。ウィーアフィル アトザモーメント)
■当施設は午後5時まで開いています。
We are open until 5:00 p.m.
(ウィーア オープン アンティル ファイブピィーエム)
■所要時間は約○時間です。
It takes about ○hour (s)
(イットテイクスアバウト○アワーズ)
■チケット売り場:Ticket Office
(ティケット オフィス)
■トイレ:Restroom
(レストルーム)
■順路:Tour route
(トゥアールート)
■一方通行:One way (ワンウェイ)
■子供料金:Child fare (チャイルドフェア)
■サービス休止:Not in service (ノット イン サービス)
チェックテスト
簡単なテストです。トライしてみましょう!
チェックテスト
問①
長旅でいらっしゃった外国人の方が施設に来た時に困ら
ないように、準備しておくとよいものは下記のうちどれ
でしょう
①
公共交通機関の時刻表
②
限定イベントの告知掲示物
③
コインロッカー
④
施設案内パンフレット
問① こたえ
③
コインロッカー
⇒コインロッカーがない場合はお預かりサービスを設けましょう
チェックテスト
問②
展示の内容を理解していただき、楽しんでいただくため
には、配慮が必要です。間違った配慮は次のうちどれで
しょう?
①
案内情報を表記やイヤホンガイドなどにより多言語
で提示する
②
あらかじめ外国人から質問されることに対する回答
集を用意しておく
③
展示物の名称のみローマ字表記をする
④
展示物の案内情報の多言語パンフレットを用意する
問② こたえ
③
展示物の名称のみローマ字表記をする
チェックテスト
問③
限定イベントや天候によって内容が変わることについては、
お伝えする必要があります。伝え方としてよくない方法は下
記のうちどれでしょう?
①
多言語カードやタブレット端末を使って限定イベントの
内容を口頭で説明する
②
質問を受けたら説明を行う
③
パンフレットに限定イベントの内容や天候による条件を
多言語で記載する。
④
ホームページの英語ページにもイベント情報を記載する
問③ こたえ
② 質問を受けたら説明を行う
⇒限定イベントを目的にいらっしゃる外国人の方も多くいらっ
しゃいます。日本人同様にお伝えしましょう。
展示などの説明を求められたとき
まずは普段通りの接客を
日本人のお客様と同じように展示物に
ついてお伝えしたいのに、言葉という苦
手意識があるだけで、表情に出したり、
そっけない態度で接したりすると、外国
人にとっては「歓迎されてないなぁ」な
どと思われてしまうことがあります。
日本人と同じお客様であることを認識
し、「ようこそ」と自信をもって笑顔で
対応することから始めましょう。
説明ボードを準備したりしてご案内する
ことも重要です。
全ての表示を多言語化することが難しい
場合は、例えば重要文化財である展示物、
名勝観光資源など重要な情報をピンポイン
トで英語又は多言語表示するほか、聞かれ
た際に対応出来るように、単語レベルでも
よいので、複数の言語で覚えておいたほう
がよいでしょう。あらかじめスタッフ内で
展示品に関する外国人からの質問への回答
集をご準備されてもよいかもしれません。
基本的な会話のパターン
■いかがされましたか?
May I help you ? (メイアイヘルプユー?)
■重要指定文化財:national important cultural property
(ナショナル インポータント カルチャル プロパティ)
■国宝:national treasure
(ナショナル トレジャー)
トラブルをおこさないために
ルールやマナー違反に対する注意を行う場合
■叱るのではなく、禁止・違反の理由を伝えましょう
注意する場合も、おもてなしの心づかいを忘れずに、叱るような態度ではな
く、「●●の理由で、●●してください」とお伝えしましょう。
また、立ち入り禁止などの、ある程度の確率で頻発していることや予測可能
な事柄については、最低限の禁止事項などを掲示物を用いて、あらかじめ注
意を促すようにしましょう。
Don’t~
日本語の「ご協力おねがいします」といった表
現を直接翻訳すると、外国人にとっては「協力
しなくてもよい」と受け取られる可能性もあり
ますので、禁止事項については、あいまいな言
葉ではなく「Don’t~」のようにはっきりとお
伝えすることが重要です。
神社仏閣での対応
宗教の違いやマナーの差異により、
そこでの振る舞いに困ったり、日本の
慣習では考えられないような行動にで
る外国人観光客が多くいらっしゃいま
す。神社参拝などの礼拝については、
宗教上の理由から、自分の信仰する神
様以外に礼拝することが禁止されてい
る外国人の方もいらっしゃいますので、
礼拝を強制するのではなく、礼拝する
場合はこのような作法で行ってくださ
いというような表現が良いでしょう。
■外国人観光客の来訪目的やニーズを理解した上で、必要な情報を提
供することが大事
建物や歴史についての価値について理解してもらうように紹介する
■飲食や大声、撮影禁止などのマナー違反は、はっきりと禁止である
ことを伝えましょう
パンフレットや掲示物等で、拝観上の注意というような形で、神聖な施設
であるため撮影ができないことを理解していただくとともに、禁止であるこ
とはしっかりと伝えましょう。もちろん、マナー違反行為があれば「それは
だめですよ」と直接お声がけしましょう。
ピクトグラムの活用について
■掲示物の貼りすぎに注意!
観光客への注意書きやご案内といった文章によるポスターなどの掲示物は
大事ですが、掲示物を貼りすぎたあまり、せっかくの観光資源や展示物が掲
示物だらけで、外観を損なってしまう恐れがあります。
掲示物は貼られている数や書かれている文字が多くなればなるほど、見て
いる人には内容が伝わりにくくなることも事実です。
掲示物は伝えたいことのみに絞り、禁煙や撮影禁止、立ち入り禁止や接触
禁止といった、注意事項はピクトグラムなどを活用するなど、展示物の素晴
らしさを最大限に楽しんでもらえるよう工夫しましょう。
・触らないでください
・立ち入り禁止
・飲食禁止
・写真はお控ください
・タバコはお控ください
基本的な会話のパターン
■禁止:prohibit
■撮影:take a picture ■立ち入る:go into
■触る:touch
■列の最後にお並びください:Please stand in a line.
■大きな声での会話や写真撮影等の行為はお控ください:
Please refrain from taking photo and talking by loud voice
■ご協力いただきありがとうございます。:Thank you for your cooperation
リクエストへの対応
広域の地図やバスの時刻表を準備しましょう
周辺観光地に行きたいという観光客のリクエ
ストにこたえるために、広域の地図やバスの時
刻表を準備しましょう。また、地図を渡すだけ
でなくメモ等を使い、交通手段・時間・費用・
注意事項等も併せて紹介するよう心がけるよう
にしましょう。
チェックテスト
簡単なテストです。トライしてみましょう!
チェックテスト
問④
外国人の方にも、展示物の内容や、順路、その他の注意
事項などの表示をわかりやすく提示する工夫としてより
よい方法は次のうちどれでしょう?
①
幟(のぼり)とポスターの活用
②
周囲の色彩と調和したデザインの掲示物(板)とピク
トグラムの活用
③
掲示物をできるだけ多くの場所にたくさん提示する
④
掲示物は何も張らない
問④ こたえ
② 周囲の色彩と調和したデザインの掲示物(板)とピクトグラム
の活用
⇒外国人のお客様は、日本の荘厳な風景を楽しむ方が多くいらっ
しゃいます。できれば、周囲の色彩と調和した掲示物とし、ピ
クトグラムなどを活用するとよいでしょう。
チェックテスト
問⑤
下記の( )の中に入る言葉としてふさわしいものを次のう
ちどれでしょう
観光客は様々な観光施設に訪れたいと考えている人が多い。
そのような人がいらっしゃったときのためにも、広域の地図
や( A )を準備しておくとよい。また、地図を渡すだけで
なく、相手に応じた時間や費用、注意事項等を記したメモ書
きを作成して渡せるように心がける必要がある。
① A: 多言語パンフレット
② A: ピクトグラム
③ A: 英語を併記した公共交通機関の時刻表・路線図
④ A: ボイスレコーダー
問⑤ こたえ
③ A: 英語を併記した公共交通機関の時刻表・路線図
⇒団体のお客様には必要ありませんが、次にどこに行くためには、
どんなルートがあり、このバスに乗ってくださいなどと丁寧に
説明をし、時刻表や路線図をお渡しすれば、行動しやすいです
ね。