2015 年 10 月 13 日 内閣総理大臣 安倍晋三 様 防衛大臣 中谷 元 様 私たちは、翁長沖縄県知事の辺野古・大浦湾海域の 埋立承認取り消しを支持します ~政府は、沖縄の民意を受け止めるべき~ 本日、沖縄県の翁長雄志知事が、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設(新基地 建設)について、公有水面埋立法に基づく辺野古・大浦湾海域の埋立承認を取り消しました。 私たちは、この決断を支持し、日本政府はこの承認取り消しに従い、辺野古・大浦湾海上での工事 作業を中止するように求めます。 翁長沖縄県知事は、昨年 11 月、辺野古基地建設反対を公約にかかげ、仲井真氏に 10 万票もの大 差をつけて当選しました。これだけでなく、これまで何度も、選挙で、県議会で、市議会で、市民 の行動で、「辺野古基地建設ノー」という沖縄の民意は明らかにされてきました(別紙参照)。 日本政府はこの圧倒的な民意を無視するべきではありません。 また、翁長県知事は、承認取り消しにあたり、きわめて慎重な検討を行ってきました。 翁長県知事の指示により設置された第三者委員会は、法的な検証を行った結果、4つの瑕疵をあげ ています。すなわち、①「埋め立ての必要性」が立証されていない、②「国土利用上、適正かつ合 理的」という要件を満たしていない、すなわち利益が不利益を上回っているということが立証され ていない、③環境影響評価がずさんであり環境保全措置が不十分、④「生物多様性おきなわ戦略」、 「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」など法律に基づく地域の計画に反している――の4点です。 生態系や生物多様性の価値は、人類共有の財産です。地域コミュニティにとっては、その未来を築 いていくための礎でもあります。自然のめぐみをどのように使っていくか、開発と保全の調和をど のように保っていくかの意思決定に参加することは、そこに暮らす人々の当然の権利ではないでし ょうか? また、日本が加盟する生物多様性条約の第 10 回締約国会議で採択された愛知ターゲットにおいて も、とりわけサンゴ礁のような脆弱な生態系や絶滅危惧種の保全は重要な目標となっています。辺 野古・大浦湾は、確認されているだけでも、絶滅危惧種 262 種を含む 5,300 種以上の海洋生物の 生息地ともなっており、世界に誇る豊かな海です。国際的にみても「保護価値の高い」生態系なの です。 知事の承認取り消しに対し、国は、地方自治法第 255 条の 2 に基づき、行政不服審査請求を行う 公算が強いとみられています。 しかし、行政不服審査請求は、行政の不当な権力の行使にあたり国民の権利を守るための制度です。 国自体が不服申立てを行い、弱い立場にある県を屈服させるのは、法や民主主義の精神にもとるで しょう。 私たちは、辺野古・大浦湾のかけがえのない生物多様性を守るため、また沖縄で示された民意を踏 まえ、日本政府に対して、翁長県知事の埋立承認取り消しに従い、新基地建設に伴う作業を中止す ること、また、行政不服審査請求などの対抗措置を取らないことを強く求めます。 賛同団体:194団体 賛同署名(個人):6423筆 賛同団体(194 団体) :FoE Japan/ピースボート/ラムサール・ネットワーク日本/美ら海にもやんばるにも基地 はいらない市民の会/ジュゴン保護キャンペーンセンター/辺野古への基地建設を許さない実行委員会/国際 環境 NGO グリーンピース・ジャパン/沖縄環境ネットワーク/環境市民/ピースニュース/国連生物多様性の 10 年市民ネットワーク/沖縄・生物多様性市民ネットワーク/辺野古埋め立て土砂搬出計画反対全国連絡協議会 /北九州がっこうユニオン・うい/ヘリ基地いらない二見以北十区の会/辺野古リレー/Stop!辺野古埋め立てキ ャンペーン/APLA (Alternative People's Linkage in Asia)/三島自然を守る会/緑の党グリーンズジャパン/こ おりやま「楽笑村」/東北アジア情報センター(広島)/基地のない平和で豊かな沖縄をめざす会 大阪/ピー スリンク広島・呉・岩国/碧い空の会/仏教徒非戦の会・福岡/FB 憲法九条の会/ティナラク織の会「カフテ ィ」/地球救出アクション 97/オールターナティブズ/そらとも/鎌倉平和学習会/ふろむあーす&カフェオハ ナ/平和をつくる大和市民の会/反原労(反原発労働者行動実行委員会)/脱原発の日実行委員会/なくそう浜 岡原発・天竜の会/辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動/未来の福島こども基金/ノーニュークス・アジ アフォーラム・ジャパン/日伊の架橋ー朋・アミーチ/サスティナブル21/グリーンアクションさいたま/日 本山妙法寺/緑のハーモニー調布/平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声/かながわ平和憲法を守る会/時を 見つめる会/横浜南部九条の会/「平和への結集」をめざす市民の風/脱原発四万十行動/ぐるぅぷ未来/さか え市民共同事務所/ジョアン川崎/シニア・ワーカーズコープ仙台/宮崎の自然と未来を守る会/新協建設工業 ㈱大阪支店/憲法9条ー世界へ未来へ連絡会/「命どぅ宝」あいち/不戦へのネットワーク/イルカ&クジラ・ アクション・ネットワーク/鎌倉・岐れ路の会/徳山ダム建設中止を求める会/9条の会・おおがき/1000 人委 員会戸塚・栄・泉/平和憲法を守る荒川の会/DAYS JAPAN サポーターズクラブ 名古屋/練馬・文化の会/緑 の党グリーンズジャパン京都府本部/KOBE ピース i ネット/被ばく医療を考える会かごしま/辺野古・高江プ ロジェクト/バイオダイバーシティ・インフォメーション・ボックス/高木学校/原子力教育を考える会/日本 基督教団西中国教区/大阪安威川の治水を考える流域連絡会/商社九条の会・東京/導水路はいらない!愛知の 会/憲法を活かす市民の会・やまぐち/太田川ダム研究会/子どもの未来を楽しくする会 飯能/原発いらん! 山口ネットワーク/周防灘の自然を守る会/日本湿地ネットワーク/日本基督教団神奈川教区寿地区センター /ポレポレ佐倉/いしのまき寺子屋/神奈川県労働組合共闘会議/自治市民の会/美しい錦川を未来へ手渡す 会/八重山・白保の海を守る会/NPO 法人ふくしま支援・人と文化ネットワーク/びわ湖自然環境ネットワーク /9の日スタンディング★ちがさき/さよなら原発★ちがさき/ATTAC 京都/三八地方労働組合総連合/被爆 二世の会/水泳 NPO/アジェンダ・プロジェクト/アレン・ネルソン平和プロジェクト/新ひろしまの未来を語 る会/東埼玉100人委員会/中野向上委員会/中野の教育を考える草の根の会/虔十の会/秘密保護法を考 える川崎市民の会/Little Hands/ジュゴンネットワーク沖縄/日野市の今と未来を考える会/全国自然保護連 合/八ッ場あしたの会/大阪教区沖縄交流・連帯特別委員会/ねりま9条の会/Stop!辺野古新基地建設!大阪 アクション/風下の会 福島/辺野古のケーソンをつくらせない三重県民の会/大和郡山市平和委員会/美し い地球を子ども達に@飯田下伊那/秋田 憲法 9 条・世界へ未来へ 連絡会/NPO あおいとり/うちなんちゅ の怒りとともに!三多摩市民の会/能登原発防災研究会/オスプレイの横田基地への配備に反対する会/東京 日仏学院職員労働組合/九条の会かわにし」/北限のジュゴンを見守る会/関西・沖縄戦を考える会/靖国参拝 違憲「福岡判決」を活かす会/辺野古への基地建設を許さない実行委員会/日本キリスト教協議会 平和・核問 題委員会/許さない戦争法、オール板橋行動実行委員会/「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンタ ー(VAWW RAC)/脱原発へ!関電株主行動の会/地域国際活動研究センター(cdic)/静岡放射能汚染測定室/がく どう9条の会・ちば/水戸平和フォーラム/市民の意見 30 の会・東京/憲法 9 条の会うべ/国際識字文化セン ター/全国一般労働組合全国協議会山口連帯労組/ボイス・オブ・ヒロシマ/みどり奈良/Peace Up Team for Visualizatin/生命の輪/所沢「平和都市宣言」実現する会/憲法・教育基本法改悪に反対する市民連絡会おおい た/No Base!沖縄とつながる京都の会/憲法を生かす会/日本基督教団長府教会/みん宿ヤポネシア/人権平 和ネットワークうべ/Workers for Peace/ダイビングチーム・レインボー/日本基督教団東北教区宣教部/ピース サイクル三多摩ネットワーク/ネットワーク『地球村』/日本熊森協会/公益財団法人 名古屋 YWCA/安倍政 権に NO!東京・地域ネットワーク/「語やびら沖縄」もあい練馬/環瀬戸内海会議/高松干潟を守ろう会/じゅ ごんの里/辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動/私が東京を変える/New Wave to HOPE/練馬コイノニ ア集会/長良川市民学習会/よみがえれ長良川実行委員会/宮森・630を伝える会/若葉九条の会世話人会/ ODA 改革ネットワーク・関西/関西フィリピン人権情報アクションセンター/戦争をさせない左京 1000 人委員 会/千葉の干潟を守る会/2015岩国・労働者反戦交流集会実行委員会/沖縄の高江・辺野古につながる奈良 の会/životnu sredinu/ FoE Bosnia and Herzegovina/Friends of the Earth Canada/アジア共同行動山口 戦争をしない戦争協力もしない三重ネットワーク/DAYSJAPAN 関西サポーターズクラブ/オルタナティブかな がわ/脱原発かわさき市民/地域から平和を考える会/郷土教育全国協議会/stop八ッ場ダム・市民ネット /いのちの根っこを育てる会/沖縄文化講座/沖縄の自立解放闘争に連帯し反安保を闘う連続講座//特定非営 利活動法人 藤前干潟を守る会/生きるアシスト.com <別紙> 沖縄で示された民意と、それを無視して続けられた辺野古基地建設のための作業 1997 年 12 月 名護市における米軍ヘリポート基地建設の是非を問う住民投票、反対等が 54% 2010 年 1 月 名護市長選で稲嶺氏が「辺野古の海にも陸にも新しい基地は作らせない」という公 約で当選 2010 年 2 月 県議会、国外・県外移設を求める超党派の意見書案を全会一致で可決 2010 年 11 月 沖縄県知事選 仲井真氏が県外移設を公約に掲げ再選 2013 年 1 月 オスプレイ配備に反対する県民大会実行委員会、県内全 41 市町村長らは、「東京行 動」を展開。オスプレイの配備撤回と米軍普天間飛行場の県内移設断念を求める「建白書」を安倍 首相に提出 2013 年 12 月 仲井真県知事が公有水面埋め立て申請を承認 2014 年 1 月 名護市長選で稲嶺進氏が再選 2014 年 8 月 沖縄防衛局、海底ボーリング調査を開始。 2014 年 11 月 辺野古基地建設反対をかかげた翁長雄志氏が県知事に当選。現職仲井真氏に 10 万 票もの大差 2014 年 12 月 衆議院選で辺野古反対を掲げる「オール沖縄」が勝利。自民党は小選挙区ですべて 敗北。 2015 年 1 月 「臨時制限区域」へフロート設置、岩礁破砕許可範囲外で 2~45t のトンブロック でサンゴ破損。 (出典:名護市ウェブサイト、琉球新報、沖縄タイムスなどをもとに作成)
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