北里柴三郎博士顕彰事業 日本人として初めてノーベル賞の候補になった「近代医 学の父」北里柴三郎は、小国町で生まれ育ちました。その ため小国町には、柴三郎博士が郷土のために建設した図書 館「北里文庫」や貴賓館、生家の一部が残されています。 1987(昭和 62)年、一連の建造物は、博士が創設した北里 研究所などにより北里柴三郎記念館として整備されました。 国内よりむしろ海外で高く評価 されている北里柴三郎の銅像 は、小国富士といわれるわいた 山を背景に建つ これを受けた小国町では、博士が提唱した「学習と交流」 を実践するため、「一般財団法人 学びやの里」を創立。記 念館の周辺に研修宿泊施設「木魂館」 、交流センター「北里 バラン」を建設して、記念館とともに運営しています。 2010(平成 22)年、創立 100 周年を迎えようとしていた 北里研究所は、記念事業の一貫として記念館を改修・拡充 するため、小国町に 8,000 万円を寄附しました。これを機 博士が郷土の青少年の図書館と して建設した北里文庫はバリア フリー化され、展示資料も刷新 された に、学びやの里、北里研究所、小国町の 3 者が連携し、3 年をかけて記念館のリニューアルに取り組み、2014(平成 26)年 10 月 25 日にグランドオープンを迎えました。 この日は、東京から駆けつけた北里研究所や北里大学の 関係者など多数の来賓を迎え、記念式典と祝賀会が盛大に 行われました。翌 11 月には、博士が留学したドイツのコッ ホ研究所の研究者が来館し、町民との交流を楽しみました。 小国町では、一連の記念式典を挙行し、パンフレットや 博士の足跡を求めて来館したコ ッホ研究所一行。約 130 年前に 同研究所に留学した博士は、世 界で初めて破傷風菌の純粋培養 に成功し、血清療法を確立した チケットの刷新するために 200 万円の予算を組みました。 このうちの 185 万円は、多くの方にお寄せいただいたふる さと納税の寄附金をあてさせていただきました。 リニューアルをきっかけに、記念館には入館者が増加す る成果が生まれています。また、記念館をご再訪くださる 方々からは、 「以前よりきれいになった」、 「資料が見やすく なった」などと喜びの声をお寄せいただいています。 生まれ変わった記念館は大切に管理され、博士の精神も 伯母の家に預けられた柴三郎少 年は毎日、縁側の雑巾がけを行 った。この日課を通して、地道 な実験をやり遂げる根気が養わ れたといわれる 受け継がれています。6 月 13 日の命日の前後には北里地区 の住民が草を刈り、子どもたちは柴三郎少年が日課にして いた縁側の雑巾がけ「光る縁側活動」を継承しています。 地域づくり環境学習補助事業 一般財団法人 学びやの里は、小国町が生んだ世界的な医 学者、北里柴三郎が、ふるさとの人材育成のために提唱し た「学習と交流」を実践するために設立されました。 学びやの里では、この理念を実現するため、さまざまな 活動を展開しています。その 3 つの柱が「九州ツーリズム 小国杉が立ち並ぶ森林を通る 旧国鉄宮原線の線路跡を歩く。 森の中の散歩は、小国杉を目で 見て、手で触り、鼻で香りをか ぐ「木育」の場になる 大学」、 「おぐに自然学校」、 「うるるん体験教育」 。いずれも、 ツーリズムが本来めざす人との交流、その交流を通した学 習による地域づくりをめざした取り組みです。 このうち、 「おぐに自然学校」は、小国の子どもたちに「小 国が好き!」と思いながら育ってほしいという思いから、 2000(平成 12)年にスタートしました。プログラムは年齢 に応じて、以下の 3 コースがあります。 就学前の幼児も、大学生のおね えさんといっしょに、ジャージ ーミルクたっぷりのシチュー に挑戦。みんなでつくり、みん なで食べるからおいしい ① どんぐりのぼうけん :3~6 歳 ② とんぼのがっこう チェレンジコース :小 1~3 年 ③ とんぼのがっこう エキスパートコース:小 4~6 年 小国の四季を満喫するため、各コースは季節ごとに開催 されます。子どもたちは経験豊かな指導員、幼児教育を学 ぶ大学生、地域の高齢者に見守られながら、屋外を駆けめ ぐり、自然の営みを観察し、旬の食材を料理するなど、日 常では体験できない冒険に満ちたメニューを通して、 「ひと りでできた!」という体験を重ね、自信を育んでいきます。 秋には、木魂館のグラウンドに つくる落ち葉のプールで遊ぶ。 遊び疲れた後には、落ち葉を集 めて小国産のさつまいもを焼 いた焼きいもにかぶりつく もともとは小国の子どもたちのためにスタートした自然 学校に、いまでは町外の子どもたちもたくさん参加してい ます。自然学校に参加して小国を好きになった卒業生のな かには、福岡県から小国高校に進学したり、小国で就職し た人もいて、自然体験教育だけでなく、移住定住者を増や すという成果も上げています。 平成 26 年度には、合計 10 回のコースに、のべ 91 人の ジャージーミルク入りの手作 りクッキーを持参して、標高 1287mの一目山登山に挑戦。 山頂でほおばるクッキーが、何 よりのごほうびになる 子どもたちが参加しました。この活動には 233 万円の予算 が組まれましたが、このうち 150 万円はふるさと納税の寄 附金でまかなわれ、大切に使われました。
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