インド - ワールド・ビジョン・ジャパン

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インド
正式名称はヒンディー語以外の言語で標記するこ
とは難しく、日本語では「インド/印度」です。
陸上では北西からパキスタン、中華人民共和国、
ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマーと
接し、海を挟んでスリランカ、モルディブと近接する、
世界第 2 位の人口をもつ南アジア最大の国です。
近代以前の中国、日本からの
呼び名として「天竺」、さらに
歴史的に多くの優れた哲学者
を輩出することから、「聖賢
の国」とも呼ばれています。
出典:外務省
<日本からは…>** 現地へのアクセス方法の一例です。詳しくは、旅行会社などにお問い合わせください
香港経由の場合、約 12 時間半~14 時間かかります。
経由地は、バンコク、シンガポールなどほかにもあり、乗継時間も入れて
約 14~17 時間かかります。
一口メモ
・中華人民共和国に次ぎ、人口は世界
第 2 位で 10 億人を超える
・ヒンズー教徒が 80%と主流だが、イスラム
教徒は国内で 13%を占め、インドネシア、
パキスタンに次ぎ世界第 3 位となっている
・6 月~9 月は雨期(近年は遅めの傾向)
<民 族 など>
インド全土では、インド・アーリヤ族、ドラビダ族などが主流です。公用語はヒンディー語で
すが、憲法で公認されている州の言語は 21 あり、プログラム地域で広く使われているテル
グ語もその1つです。ヒンズー教徒が約 80%と主流で、イスラム教徒、キリスト教徒と続きま
す。
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カンドゥクール地域開発プログラム
商業都市チェンナイから北へ約 300Km、車で約 6-7 時間に位置するプラカサム郡 カンド
ゥクール地区にて、カンドゥクール地域開発プログラムを実施しています。
カンドゥクール
地域開発プログラム
支援期間:2009 年 ~ 2023 年**
インド共和国
●チェンナイ
支援地域: アンドラ・プラデシュ州
プラカサム郡 カンドゥクール地区
**支援期間はプログラム準備期間を含みま
す。支援終了予定日や活動の目標は、予期し
ていない突発事項やプログラムの進捗状況に
より、変更される場合があります。
<地域の課題>
① 恒常的な低収入
平均的な一日当たりの家計収入は 100 ルピー(約 160 円)です。
人口の約 70%が農業で生計をたて、その半分以上が日雇い農業労働によって収入を得
ており、経済的に不安定です。農業は灌がい施設が未整備なため、雨水頼みの農業とな
り、農閑期には大都市への出稼ぎに出る人も多いです。
人口の残り 30%の人たちも材木の伐採や、漁業、建設業の日雇いなどの低収入の仕事
に従事しています。
② 子どもの健康・特に栄養不良
5 歳以下の 58%が栄養不良、そのうち 14.5%が極度の栄養不良です。
病院や保健施設などの公的サービスへのアクセスも不十分で、政府による栄養改善事業
の質もよくありません。
③ 村の住民組織の知識や能力の欠如
村の住民組織には、組織を運営し、必要な資金を調達・管理して行く能力が十分ではあり
ません。村をベースにした起業や運営を促進する技術や経験、子どもの権利や保護、教育
や保健衛生に関する意識や知識が不十分です。
④ 教育の問題
プラカサム郡の識字率は 57.38%と低いです。
貧困、親の教育への意識の低さ、中等教育の学校施設の整備不足などから、中等教育へ
の進学率が低く、中退する子どもが多くいます。
学校が遠いこともあり、通学の安全性から親は女子を学校に通わせることを好みません。
地域開発プログラムを通し、こうした課題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成
長できる環境づくりを目指していきます。
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<データでみるインド>
比べてみると…
新生児死亡率 ※①
5 歳未満児死亡率 ※②
安全な水へのアクセス率
衛生施設利用率 ※③
成人の総識字率
出生時の平均余命
GNI(1 人当たりの国民総所得):米ドル
インド
日本
31
56
92%
35%
63%
66 歳
1,530
1
3
100%
100%
83 歳
47,870
※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※③ 他世帯と共有せず、トイレを利用する人の割合
出典:ユニセフ世界子供白書 2014 より
・新生児死亡率は日本の 31 倍
・5 歳未満死亡率は
日本の約 19 倍であること
・衛生施設の利用率は日本の
約 1/3 であること
データから読み取れるだけでも、
多くの課題が見えてきます。
ワールド・ビジョンでは、子どもた
ちを取り巻くこうした課題に、“地
域開発”という観点から取り組ん
でいます
住民との対話集会に集まった子どもたち。
子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づく
りを目指していきます
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人々の可能性を
広げる機会を提供することが大切
多くの人々が、農業による収入に頼ってい
ますが、灌がい施設が未整備なため、農
業収入は天候に左右されやすく、不安定
です。そのため、ほかの安定した収入源の
確保が、子どもたちの教育や健康、食事な
どを支えるために重要になってきます。
様々な技術を得るための研修やビジネス
に関する知識習得などの機会を提供する
ことが、コミュニティの人たちが持っている
可能性を広げることにつながります。
トライサイクルの支援を受けた人たち。
運搬用として使用し、人を乗せたり、輸送業務で収入
を得、収入の可能性を広げていきます
子どもたちの栄養改善には、
一時的ではない
継続的な環境づくりが必要
カンドゥクール地区では、5 歳以下の子ど
もの 58%が栄養不良で、インド国内の平
均より低く、うち 14.5%が極度の栄養不良
となっています。この原因には、経済的貧
困による食糧の確保の困難さ、新生児や
乳幼児への不適切な食事や妊産婦や母
親への母子保健サービスの提供の不
足、栄養価の高い食事などに関する意識
不足や啓発活動の欠如など、様々な要因
があげられます。単に食事を提供したり、
栄養補助剤を支給して一時的に健康状
態を改善するのではなく、子どもたちの栄
養改善のために、継続的に家族やコミュ
ニティ全体で、子どもたちが健やかに成
長していけるような環境を作り上げる必要
があります。
支援地の家の様子。
家の中には、わずかなものがあるだけです
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