1.試合の前 2.試合の途中 3.試合の後

第30回
神戸市少年団バスケットボールの部
バスケットボール 審判マニュアル
審判は、ゲームをスムーズに、かつ安全に進行するために選手と同じくゲー
ムの参加者であるということを自覚し、オフィシャル、コート主任と協力しな
がら運営する。
1.試合の前
①審判の服装を確認(基本的に指輪、時計などは外す。)
②そのゲームの主審・副審、オフィシャルの3人がいることを確認する。
③得点係の確認(特に2試合目以降の負けチームの児童をコートに残す)
④用具(5号ゴムボール、得点板表示:チーム名・ゼッケンカラー、オフィシャル
グッズ:ストップウォッチ2つ・筆記用具・オルタネイト表示)の確認およびコ
ートの確認(前チームの忘れ物・フロアの水滴など)
試合の直前は
⑤チームがそろっているか(ゼッケンも)
⑥メンバー表の提出の確認(記入する必要事項も含めて)
⑦ベンチの確認 トーナメント表の番号の小さいチームがオフィシャル席の左側
⑧選手の服装の確認
禁止:鉢巻き・金属製またはプラスチックの飾りのついた髪留め、リストバンド
OK:サポーター・目を保護するゴーグル(している児童がいた場合、試合前
に安全のためであることを確認し、相手の監督に伝えるようにする。
)
以上のことを確認してから試合を開始する。
2.試合の途中
①シュートが、オフィシャル、得点板に正しく表示されているかを確認する。
②オルタネイト表示の向きについてそのつど確認をする。
③選手の体調不良、けが、ほどけたくつひもなどに注意し、そのようなことがあっ
た場合は、時計を止めて対応することもある。
3.試合の後
①終了時のオフィシャルの合図とシュートが成功した時がほぼ同じ時は、審判はオ
フィシャル席に行き、確認を取ってから、選手、会場に得点可否のコールする。
②最終スコアがあっているかオフィシャルに確認をとる。
③挨拶をして終了。負けチームの得点係の確認、勝ちチームにメンバー表を渡す。
④けがなどがあった場合は、その状況を選手と監督に確認し、救護が必要な場合は、
見てもらうように促す。けがについてはその大小にかかわらず、本部に速やかに
報告する。
⑤試合結果を本部または、コート主任に報告する。(メンバー表を提出する。)
4.審判の動き方
☆審判は2人1組(主審・副審)で行う
基本は、
「L字型にコースを取って動く」
〇見やすい位置に動く
(プレーヤーの邪魔にならないようにコート内に入ってもよい)
〇二人の審判の動きが重ならないように動く
〇違う角度から見ることができるように動く
(一人はボールより先に動いていく)
(A)
サイドライン
エ
ン
ド
ラ
イ
ン
(B)
○ジャンプボールは主審が行う。副審は、最初にボールが動いた方へ走り(A)
の L 字か(B)の L 字が決まる。主審はオフィシャル席のオルタネイト表
示を確認してから、後からボールを追うように動いて試合が始まる。
※ファウルが起きた時に2人の審判がポジションチェンジすることが望ましい
が、ポジション的に時間がかかる場合はそのままでもよい。
〇笛は、口にくわえたまま動くようにする。
〇笛をふく時は、大きな音でしっかり吹く。
〇笛を吹いたあとは、何があったのか、どちらのボールなのかをはっきりとコ
ールしジェスチャーする。
〇堂々とした態度でジャッジをとる。
(自信がなさそうにすると、プレーヤー、
ベンチ、また保護者が、不安感や不信感をもちます)
○審判が笛を吹いた場合は、必ず審判が一度ボールを持ってからプレーヤーに
渡して試合を再開する。
※ゴールが決まった後の、笛は吹かない。ボールにもさわらない。
○2、3ゲーム目の開始はオフィシャルの反対サイドからのスローインで始ま
る。審判はスタートを促す言葉をかけて子供にボールを渡すようにする。
(渡
した時点で5秒のカウントが始まる。オフィシャルは、スローインされたボ
ールをコート内のプレーヤーが触れた時から時計を動かす。)
5.バイオレーションおよび
ファウルとその合図
①バイオレーション
⇒バイオレーションとは規則に対する反則のうち、体の触れ合いやスポーツマ
ンらしくない行為を含まないもの。
○トラベリング
→ボールを持ったまま3歩目が
床につくこと。
○ダブルドリブル
→両手でドリブルをつく。
ドリブル中にボールを支え持っ
てから、再びドリブルをする。
○キックボール
→故意に足または脚(大腿部を含む)でボールをけったり止めたりしてはいけ
ない。
○5秒ルール
→ボールを持ったら5秒以内にシュート・パス・ドリブルのいずれかのプレー
をしなくてはならない。
○ボールがコートの外に出た時(アウト・オブ・バウンズ)
※バックボードの裏、および支柱にボールが当たった時も、最後にボールにふ
れた選手の相手チームのスローインとなる。
※ノータッチでボールが出た時は、スローインした場所から相手チームがスロ
ーインする。
☆これらの反則があった時は、反則のあったもっと
も近いサイドラインまたはエンドラインから、相
手チームのスローインとなる。
※エンドラインからのスローインの場合は、バックボードの下は除く。
※会場によって、コートの周りが狭い会場では、スローインの際、コート内にい
るプレーヤーがラインから1m以上内側に離れるようにする。
(開会式後のルー
ル説明で確認する。)
※一般のルールにある3秒ルール、バックパスは無い。
○ジャンパーバイオレーション
→タップして床や、他のプレーヤーに触れるまで、ジャンパーはボールを保持して
はいけない。タップの回数は、2回まで。また、タップしたボールが直接、外に
出た場合、どちらが出したのか明らかな場合、その後のスローインは相手ボール
となり、スローインを保持(コントロール)とみなし、それに合わせてオルタネ
イトの表示をする(ボールを出した側)。どちらが出したのか分からない時は、再
度ジャンプボールとする。
②ファウル
⇒ファウルとは、規則に対する違反のうち、からだの触れ合いやスポーツマン
らしくない行為のこと。1人が1試合を通して5回目のファウルをすると退
場となる。(ファウルの回数はオフィシャルが確認する)
○プッシング
○ハッキング
→相手プレーヤーを押すこと。
→相手プレーヤーをたたくこと。
○ホールディング
→相手プレーヤーをおさえて
自由をさまたげること。
○チャージング
→相手プレーヤーにつきあたること。
○ブロッキング
→相手プレーヤーのコースを
わざとふさぐこと。
○トリッピング
→相手の足を引っかける。
※テクニカルファウル⇒ベンチの選手、監督も含め、スポーツマンとして好まし
くない態度もファウルとする。
(ベンチテクニカルの場合、ファウルされたチームのコートにいるどの選手でも、
好きな場所から、シュートまたは、パスができる。)
これらの反則があった時は、反則をされた選手が反則の
あった場所から、シュートかパスかを選択して行う。そ
の時、両チームの選手は2m以上離れる。
※一般のルールと違って、フリースローは適用しない。
※ファウルはしっかりとジャッジする。
(ファウルを見逃してしまうと試合が荒れる
ことになり、けがにもつながる。ゲームの最初からしっかりとジャッジする。)
③オルタネイティング・ポゼション・ルール
◎
ジャンプボール・シチュエイション
・両チームのプレーヤーでボールの取り合いになった時。
(ヘルドボール)
・両チームのプレーヤーが同時に触れて、ボールがコートの外に出た時。
・だれが最後に触れてボールがコートの外に出たか審判がわからなかった時。
・両チームのプレーヤーが同時に反則をした時。
・シュートやパスをしたボールがバスケットボードとリングにはさまったり、
のったままになったりした時。
オルタネイティング・ポゼション・ルール
⇒両チーム交互に、スローインで再開する。
☆プラス2ゲーム・3ゲームのスタート
※どちらのボールかは、審判がコールするが、オフィシャル席に
次はどちらのチームがスローインするかわかるように
矢印を置く。
(チームが攻めている方向を指し示している)
※スローインを、どちらのボールから始めるかの権利は、ゲーム開始の
ジャンプボールでタップのあと、ボールを最初に保持したチームの相
手チームに先にあたえられる。その後は、両チームが交互に行う。
※ジャンプボールをするのは1Gと延長戦の最初だけ、コートの中央で
する。
※このルールの適用がある時には、オフィシャルにも分かるようにしっかり
とジャンプボール・シチュエイションのジェスチャーをする。
※このルールの適用の後、オフィシャル席の
矢印の向きが変わったかどうか確認する。
※1、2ゲームの後は矢印を反対向きにする。
攻める方向を確認し、スローイン後、向き
を変える。
6.審判のコールと2人のコンビネーション
バイオレーションがあった場合
《例1》トラベリング(3歩以上歩いた時)が起こった時
A(笛を吹いた審判)
B
「ピー」
(手を挙げる)
「トラベリング」
(ジェスチャー) ・逆の方向(次にボールが動くであろう方向)
「赤ボール」赤の攻めている方向を示す。
へ動き出す。
一度ボールを受け取り、反則の起こった位
置から最も近いサイドラインまたはエン
ドラインからスローインさせる。
《例2》ボールがコートの外に出た時
A
B
「ピー」(手を挙げる)
・逆の方向(次にボールが動くであろう方向)
「赤ボール」赤の攻めている方向を示す。
へ動き出す。
一度ボールを受け取り、サイドラインまた
はエンドラインのボールが出たところか
らスローインさせる。
ファウルがあった場合
A
B
「ピー」(グーで手を挙げる)
・すぐにボールをとりに行
「ファウル、白4番」
き、ファウルの起きた場所
ファウルをした児童に手
に立つ。
を挙げさせる。
↓
↓
ファウルをされたプレーヤー
もう一人の審判に引き継
をその場所に立たせる。
いだ上でオフィシャルの (プレーヤーは、パスかシュ
近くへ行き、大きな声で
ートができる)
「ファウル白4番」
↓
他のプレーヤーを、その場所か
↓
ら2m以上離れさせる。
↓
審判のポジションにつき、
・O.Kサインを受けてか
もう一人の審判にO.Kの
ら、ボールをプレーヤーに
合図をおくる。
手渡すと同時に、試合再開
の笛を吹く。
【
ゲーム再開
オフィシャル
・審判からのコールを受け
てスコアカードにファウ
ルを記録する。
(時計は止めない)
※個人のファウルが5回目
になった時には、笛を吹き
審判に知らせる。
】
7.
ゲームの進行
ゲーム進行
主審
副審
メンバー表(両チーム)確認
第1ゲーム(5分)
☆相手のベンチ側
へ攻める
休み(1分)
休み(1分)
第3ゲーム(5分)
☆第1ゲームと同
じ方に攻める
◎
・スタートメンバーのチェック
・あいさつ
・ジャンプボール(試合開始)
・終了のホイッスル
○
〇
〇
〇
○
◎
〇
〇
・30秒でホイッスル
・スタートメンバーチェック
○
○
〇
◎
〇
〇
〇
○
〇
○
〇
◎
〇
〇
〇
〇
〇
第2ゲーム(5分)
☆自分のベンチ側
へ攻める
オフィシャル
・スローイン(オルタネイト確認)
・終了のホイッスル
・30秒でホイッスル
・スタートメンバーのチェック
・スローイン(オルタネイト確認)
・終了のホイッスル
・得点の確認
・勝敗のコール
・あいさつ
※タイムアウト
・両チーム共に、第3ゲームだけ
(30秒)
1回取ることができ、同時にメ
※メンバーチェンジ
ンバーチェンジができる
①ボールデッド②シュートを決め
られた時
※5ファウル(退場者)が出た時
・5ファウルのプレーヤーが出た時には、オフシャ
ルがホイッスルを鳴らし2人の審判に知らせる。
・審判は5ファウルをコールし、メンバーチェンジ
をさせる。
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
○
※同点になった場合(延長戦)
〇1分間の休憩のあと、3分間の延長戦を行う。
〇先に1点入れたチームの勝ち。
〇3分間で決着がつかない場合は、1分間の休憩後、繰り返し行う。
○スタートはジャンプボール(攻める方向は2ゲームと同じ)
○再延長の場合、攻める方向は交互に変える。スローインはオルタネイト
よくある質問から
Q1.2人の審判がポジションチェンジするのですか?
A. ファウルが起きた時に2人の審判がポジションチェンジすることが望まし
いが、ポジション的に時間がかかる場合はそのままでもよい。
Q2.2、3ゲーム目の開始はどうすればいいのですか?
A. 2、3ゲーム目の開始はオフィシャルの反対側からスローインで始まる。
審判はスタートを促す言葉をかけて子供にボールを渡すようにする。
渡した時から5秒ルールのカウントは始まっています。
Q3.5秒ルールはどの時点からカウントするのですか?
A. 審判から選手にボールが渡された時点で5秒のカウントが始まる。オフィ
シャルは、スローインされたボールをコート内のプレーヤーが触れた時から
時計を動かす。
Q4.ジャンプボールのボールが直接コートの外に出たら?
A. Aが出してBのボールになったら、Bのスローイン(保持)でオルタネイ
トはAに向ける。
Q5.ジャンプボールのボールが相手に触れてコートの外に出たら?
A. AがタップしたボールをBが触ってコートから出たら、Aのスローイン(保
持)でオルタネイトはBに向ける。
Q6.オルタネイトによるスローインの際の反則は?
A. Aのスローイン(矢印もA)の際、バイオレーションがあった時には、
Bのボールとなり、オルタネイトの表示もBに向ける。
Q7.プレー中のボールがボードに当たってもよい?
A. 板(ボード)の上下側面に当たってもよい。但し、ボードの後ろや、後ろ
の金具・壁などに当たるとバイオレーションとなる。
Q8.スローインしたボールがボードにあたったら?
A. 裏や、金具に当たると相手ボール。ネットに当たってもよい。
Q9.同点か1点差で、終了ぎりぎりにシュートが決まった場合どうするか?
A. そのシュートが終了前なのか、終了後なのかの判断に迷った場合、主審、
副審、オフィシャル、オフィシャルアドバイザーの4人で判定する。首をか
しげたり、迷っている素振りを見せたりしないように堂々と協議、判定する。
試合を左右する大きなプレーなので、同点か1点差の場合は、終了直前まで
審判やオフィシャルはしっかり見ておくように意識しておくことがトラブル
回避につながる。
Q10.延長戦になった場合、メンバーはどうするのか?
A. 延長戦のメンバーは、誰が出てもよい。ただし、体調管理には十分に注意
する。怪我の場合などを除いて、3分間タイムアウトやメンバーチェンジは
できない。