■講習の概要 講座名 日本のことばと文学-泉鏡花「天守物語」を読む- 講 市川 祥子(文学部国文学科教授) 師 開講日 平成27年8月6日(木) 講習時間 時間数 講座No 1 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] 泉鏡花(1873〈明6〉~1939〈昭14〉)の戯曲「天守物語」(1917〈大6〉)を読解す る。テキストを精読するとともに、上演の映像資料も用いて理解を深める。 「天守物語」は封建時代の姫路城を舞台として、妖怪と人間とが繰り広げる恋愛譚 である。人物の心情はもとより、構成や、舞台と人物との典拠となった前時代の伝説 ・説話に注目しつつ分析する。あわせて、泉鏡花の他作品との関連についても言及し、 作家の思想やこの作品が戯曲である意味を考察する。 [到達目標] 泉鏡花の作品について理解を深めると同時に、近代文学の作品に取り込まれた伝説 ・説話の機能について考察する態度を養う。 [備考] テキストは当日配布する。 講座名 日本のことばと文学-ことばの変化- 方言・若者ことばを題材として 講 高橋 顕志(文学部国文学科教授) 師 開講日 平成27年8月7日(金) 講習時間 講座No 時間数 2 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] 新たにこの国に入ってきたサツマイモのことを、鹿児島ではカライモ、四国の一部 ではリューキイモと呼びます。トマトのことをアカナスと呼んだり、キウィフルーツ をシナサルナシと呼ぶ人もいます。また若者たちは、ヤバイということばをマイナス イメージではなくプラスイメージのことばとして捉え「ここのスイーツ、チョーヤバ ク ネ ? ( 大 変お い し く な い ?)」 な ど と 言 って い ま す 。 こ の よ う な こと ば が成 立 して いく過程について考えます [到達目標] 「方言」や「若者ことば」という「ことばの変異種」が生まれていく過程を理解し、 それらを正当に評価するとともに、従来の国語教育に欠けていた視点を確認する。 [備考] 言語地図を作製します。できれば数色のマーカー(色鉛筆でも可)をご持参くださ い。 講座名 英米の文化と文学への誘い―文学・言語篇― 講 島田 協子(文学部英米文化学科准教授) 志澤 剛(文学部英米文化学科講師) 師 開講日 平成27年8月6日(木) 講習時間 講座No 時間数 3 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] イギリスの 小 説 二 篇 につ い て 、 文 学 的 視 点 と 言語 学 的 視 点 の両 面 から 講 義し ま す。 文学で はヴァージ ニア・ウル フの『灯台へ』(1927)をとりあげ、「時の経過」という 主題の中に描かれる多様な人々の姿を通じて、作品の持つ魅力と先見性を探ります。 言 語 学 で は J. K. ローリングの 『 ハ リ ー ・ ポ ッ タ ーと 賢 者 の 石』( 1997) を と り あ げ、 作品中に用いられている英語表現の分析を通じて、英語母語話者の「こころ」に迫り ます。 [到達目標] 文学作品の読解を通じ、作品の背後にある文化への理解を深めるとともに、時代と 国境を越えた文学の力とそれを表現する英語という言語の魅力を再発見する契機とし ます。 [備考] 講義に使用する翻訳文は、プリントで配付します。 担当教科にかかわらず、英文学及び英語に関心のある方を対象とします。 講座名 英米の文化と文学への誘い―絵・映画篇― 講 小林 徹(文学部英米文化学科教授) 木下 耕介(文学部英米文化学科准教授) 師 開講日 平成27年8月7日(金) 講習時間 講座No 時間数 4 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] 本講座では、絵と映画を通して、国家・地域としての英米あるいは英米人の様相を 浮かび上がらせます。最初に採り上げるのは、英国ルネサンス時代に作成された一枚 の版画です。そこに描かれているものが文字通り森羅万象であることを見出すときは また、英国を含むヨーロッパにおける宗教的精神の有様を理解するときでもあります。 さらに、20世紀初頭のアメリカに目を転じ、ハリウッド映画と社会の関係を探ります。 なかでもアメリカの大国化の時期に発展したハリウッド映画が、自国の信奉する価値 観・世界観を可視化・物語化する装置として機能した点に注目します。 こうした講義を通じて、当該世界の魅力が増すと考えます。 [到達目標] 英語文化圏に属する英国、米国について、表面的な文化的事情にとどまらず、それ を支えている構造や、文化を作り出す人間の精神的側面に関しても理解すること。 [備考] 講義内容および到達目標から、本講座は、英語科教員ならびに社会科教員、または 美術科教員の方々には相応しいと思われます。 講座名 芸術の世界―芸術を観る― 講 塩澤 寛樹(文学部美学美術史学科教授) 大野 陽子(文学部美学美術史学科准教授) 師 開講日 平成27年8月6日(木) 講習時間 講座No 時間数 5 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] 美学美術史学科の「美術史」の教員が、日本美術史と西洋美術史の専門分野から、 さまざまな時代の美術作品を通して芸術を観るポイントを講義します。日本美術では 仏教美術を、西洋美術ではキリスト教美術を扱い、それぞれの代表的な作品を例にと り、表現の面白さを観ながら、歴史的意義についても理解を深めます。 [到達目標] 日本美術史や西洋美術史の内容に触れることによって、美術鑑賞や歴史・文化を理 解するうえでの参考とし、美術(図画工作)や世界史・日本史(社会)の教科での指導に 活用できること。 [備考] 作品の映写のため室内を暗くします。ペンライトなどをご持参ください。 講座名 芸術の世界―芸術を考え、伝える― 講 武藤 大祐(文学部美学美術史学科准教授) 奥西 麻由子(文学部美学美術史学科講師) 師 開講日 平成27年8月7日(金) 講習時間 講座No 時間数 6 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] 芸術が、様々な社会的・文化的・歴史的文脈の中でどのような意味や機能を担うか を、理論(美学)と実践(アート・マネージメント)の両面から考えます。 前半では、状況に積極的に関与する芸術とその可能性について、美術やパフォーマ ンスにおけるいくつかの具体例を元に考察します。後半では、学校・地域・社会とい った観点から芸術を通じて豊かな子どもたちの育成について実践的に考えます。具体 的には、学校外で芸術に触れることの出来る場や実践例の紹介、参加者同士 に よ る ミ ニ ワ ー ク シ ョ ッ プ な ど を 行 います。 [到達目標] 芸術活動の意味を社会的視野のもとに捉え、芸 術 や 文 化 の 可 能 性 を め ぐ る 想 像 力 とその育成について、洞察を深めること。 [備考] 講座名 自閉症スペクトラム障害をどう理解するか ―早期発見・介入の現状と課題― 講 毛塚 恵美子(文学部国文学科教授) 師 開講日 平成27年8月4日(火) 講習時間 講座No 時間数 7 6時間 9:30~16:40(途中休憩10分を含む) [講義内容] 自閉症スペ クトラム障害について、現在ど のように考えられているか。早期発見 ・診断が ど のように行われているのか。また、早期介入(支援)はどのような効果 があるのかーその現状と課題について入門的な講義をします。併せて、保護者の「子 ど も の 障 害 受 容 」 と い う問 題 につ い ても 受 講者 と とも に 考え た いと 思 いま す (小 集団 討議を予定しています)。 [到達目標] 自閉症スペ クトラム障害についての知識・理解を深めることが、各受講者が 関わ る子ど もたちについての新たな発見につなが ること。 [備考] 幼稚園から高校まで 幅広い学校種の先生方、特別支援教育に現在直接関わってい らっしゃらないが関心をお持ちの先生方の参加を期待しています。入門的な講座にな ります。 講座名 男と女の社会学(教育と性差) 講 佐々木 尚毅(文学部英米文化学科教授) 師 開講日 平成27年8月5日(水) 講習時間 講座No 時間数 8 6時間 9:30~16:40(途中休憩70分を含む) [講義内容] ジェンダーが現在の教育にどのような影響を与えているか、その社会的影響と学 校教育が子どものジェンダー形成に与える影響について学びます。 1. ジェンダーと男女共同参画 2. 男女共同参画社会基本法と少子化-日本と北欧との比較- 3. ジェンダーと教育 4. 学校における性別カテゴリーと教師の役割 5. まとめと試験 [到達目標] 我が国社会全体にかかわる課題、とくにジェンダーを中心的課題として、その理 解を深めるとともに児童生徒を指導するための方法及び技術について修得すること。 [備考]
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