「違法な派遣労働と派遣先の直接雇用」 Q: 現在、派遣労働者として働い

「違法な派遣労働と派遣先の直接雇用」
Q: 現在、派遣労働者として働いています。派遣会社とは1月契約の更新を
繰り返していますが、実際に働いているのは半導体工場の組み立てライン
で3年6月間ずっと同じ作業を続けてきました。このままでは不安なので、
できれば半導体工場の会社に直接雇ってもらいたいと思っていますが、可
能でしょうか。
A: 労働者派遣法では、①専門性が高く派遣受入期間の制限のない業務(2
6業務)と②それ以外の派遣受入期間の制限のある業務(26業務以外の
業務)に区分されます。ご相談のケースは後者に該当し、派遣受入期間の
上限は原則1年間ですが、派遣先事業主が労働者の過半数で組織する労働
組合等から意見聴取をした上で3年間まで延長することができます。いず
れにしても、同一派遣先の同一業務に3年6月間勤務していたのであれば、
この派遣受入制限期間を定めた労働者派遣法に違反します。この結果、派
遣元事業主は改善命令等の行政処分を受けることがあり、また、派遣先事
業主は、派遣元から派遣受入期限の抵触通知を受けたにもかかわらず、そ
の期限以降も同じ派遣労働者を使用する場合は、派遣労働者に対して労働
契約の申込み義務が発生します。
このほか、平成24年に改正された労働者派遣法のうち、派遣先事業主が
派遣受入制限期間を超える等の違法派遣と知りながら受け入れている場合、
違法状態が発生した時点で派遣先事業主が派遣労働者に対して労働契約の
申込み(直接雇用の申込み)をしたものとみなす制度が、平成27年10月
1日から施行されます。この労働契約の申込みみなしの制度は、派遣先事業
主の意思にかかわらず直接雇用の申込みを行ったと法的に扱われますので、
派遣労働者が派遣先事業主に承諾の意思表示さえすれば、直接雇用が自動的
に成立します。
また、ご相談のケースは、平成24年に改正された労働者派遣法の雇用期
間が30日以内の日雇派遣を原則禁止した規定に違反し、派遣元との労働契
約期間を延長してもらえる可能性があります。
労働者派遣に関するご相談は、大分労働局需給調整事業室(☎097-5
35-2095)にお問い合わせ下さい。