東京理科大学「大学案内2016」より社会を切り拓く、卒業生人々の安全を守る「縁の下の力持ち」を目指して。商社マンとして生きる道を示してくれた恩師に感謝。京王電鉄株式会社工務部　施設管理所双日株式会社化学部門化学品本部辰巳　はるな水戸　信一理工学部　土木工学科　2011年卒理工学研究科　土木工学専攻　修士課程　2013年修了経営学部経営学科 2012年卒幅広く学び、進路の選択肢が多い土木工学科の魅力学問のベースを学び、自らの視野を広げた経営学部土木工学科といえば土木工事のイメージが強いかもしれませんが、いろいろな分野を学べ、卒業後の進路の幅が広いことが魅力です。また、チームで働く仕事や監理業務に就く学生が多いことから、チームワーク力、リーダーシップ力、社会人としてのマナーを、先生方から厳しく指導されます。私の卒業研究のテーマは、「SNSを活用した観光行動の実態調査」。ブログの書き込み数と入場者数との相関関係を調査し、観光スポットの栄枯盛衰を明らかにしました。経営学部は、少人数制の授業やゼミが多く、アットホームな雰囲気で友人の輪が広がりやすく、何より学生と教員の距離が近いことが特長です。私の就職活動を全力でサポートし、商社マンとして生きる道を示してくれたのも指導教員でした。また、在学中にバックパックで海外を巡り、多くの外国人の友達と共に時間を過ごす中で、異文化への壁をなくすことができたことも現在の仕事につながっていると思います。鉄道を核とした、街づくりに貢献していきたい都市計画や交通計画の勉強をしていくうちに、人の役に立つ仕事、お客さまの反応を近くで感じることができる鉄道業界に興味を持ち、京王電鉄株式会社に入社しました。鉄道会社は運輸業だけでなく、流通業、不動産業、レジャー・サービス業など多岐にわたる仕事があり、街づくりに深く関わっている点も魅力でした。「沿線に住んでみたい、住んで良かった」と思われるように、人と環境に優しい質の高い商品やサービスを提供し、沿線価値向上を目指しています。鉄道構造物を守り、お客さまの安全を守る現在、土木担当技術員として沿線の鉄道構造物（トンネル、橋梁、線路沿いの法面等）の維持管理や補修方法の検討などを行っています。昼間は、主に工事の積算や建設会社と補修計画の打合せを行い、夜間は鉄道構造物の検査や補修工事の立会いを行います。自分たちの手で沿線の構造物を守り、お客さまの安全を守っているという点にやりがいを感じています。今後は、学生時代に幅広く学んだ知識を生かして、新たな分野にもチャレンジしていきたいです。 31 恩師と仲間に出会えたことが大学で育んだ財産大学時代に育んだ一番の財産は、尊敬する恩師と切磋琢磨できる仲間と出会えたことだと思います。IT企業を立ち上げるなど、高い目標を持って学ぶ学生が多く、先生方もその思いにしっかり応えてくれました。他大学とのディベート大会や、学生が自ら企画するゼミを開催するなど創造的な授業に意欲的で、常に新しいことへ挑戦させてくれました。この財産は、社会に出てから上司や同僚と良好な関係を築く基礎になっていると感じています。新しい市場と顧客を想像し、２、３手先の仕事を創造する現在、機能化学品部で高耐熱性樹脂の材料やインスリン、抗がん剤など医薬品の原料の輸出入を担当しています。取引先は主にインド。商社マンは、新しい市場や顧客を想像し、そこから逆算して準備を進め、仕事を創造することがとても大切です。大変なことも多いですが、そんなときは、恩師や仲間に連絡を取り元気をもらっています。今年、私は、双日株式会社に「理科大出身者の会」を発足させました。後輩たちが入社し、この会が大きくなることを願っています。 32