「見込客」を「顧客」に変える 3 つのポイント

B2B 企業のマーケティング担当者
500 人のアンケートから明らかになった
「見込客」を「顧客」に変える
3 つのポイント
株式会社電通イーマーケティングワン
2015 年 4 月
市場の成熟化が進み、購買者の情報収集や意思決定プロセスが変化している今日、B2B 企
業においても従来と同じ営業手法では効果的・効率的な顧客獲得は難しくなりつつありま
す。
このような状況において、営業に安定して案件を供給するために、自社の商品やサービス
への興味や需要を創出するリードマネジメントと呼ばれるマーケティング活動の重要性が
増しています。リードマネジメントは大きく分けて、見込客の獲得(リードジェネレーシ
ョン)、見込客育成(リードナーチャリング)、見込客の絞り込み(リードクオリフィケー
ション)の三つに分類されます。
B2B 企業が現在リードマネジメントに対してどのような取り組みをしているのか、その答
えを導き出すために電通イーマーケティングワンでは B2B 企業で見込客の獲得・ 管理・育
成に関する業務に従事している担当者 500 人を対象に「B2B 企業のリードマネジメントに
関するアンケート調査」を実施しました。本ホワイトペーパーにおいては、その調査結果
にもとづき、B2B 企業のリードマネジメントに関する取り組みの現状と課題点及びそのソ
リューションを提示します。
サマリー
調査結果からのファインディングス
《見込客獲得活動(リードジェネレーション)
》

見込客の獲得方法は「営業自身で見つけてくる」
(78%)、
「既存顧客からの紹介」
(69%)
の 2 つが上位。マーケティング施策としては「社外セミナー・展示会・イベント等で
の参加者リスト・名刺交換・アンケート等」(51%)が最も高く、次に「自社ウェブサ
イトでのフォーム入力」
(35%)が続く。

見込客獲得活動の評価は「成約や売上に至った見込客の件数や、その売上額」を指標
にしていることが最も多い。
《見込客の育成(リードナーチャリング)》

見込客への情報配信の方法は「ウェブサイト」
「DM やパンフレット」
「メールマガジン」
が中心。

全体のうち約半数が見込客全員に同じメールマガジンを配信している。

見込客育成のためのコンテンツは、
「商品・サービス・ソリューションの紹介」
(70%)
が最も高く、次いで「事例紹介」「セミナー・展示会へのご案内」(57%)と続く。
《見込客の選別(リードクオリフィケーション)》

「見込度の高い見込客のみ」に絞って営業に渡しているのは全体の 2 割以下。

見込客にランク・優先順位をつける指標は「会社名や部署など見込客の基本情報」が
最も多く、ウェブサイトやメールマガジン、SNS などの行動履歴を活用できている企
業は少ない。

「営業リスト」の営業への受け渡し方法は全体の約 6 割が Excel や CSV にリストをま
とめて営業に渡している。SFA や CRM などのシステムと連携しているのは 15%以下。

営業に渡した後に、「案件化しなかった・販売に結びつかなかった」見込客は、6 割以
上が「営業側が引き受けて管理を続ける」と回答。
《「営業リスト」の理想と現状》

全体の 57%が営業にもっと多くの見込客の件数を営業に渡さなければならないと感じ
ている。また「営業リストの質」に関しては「リストの見込客に重複がないものを渡
している」が最もできていると回答しており、見込客の「優先順位」や「興味・関心
を持っている製品・サービス」の達成度についてネガティブな回答が比較的多い。
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2
「見込客」を「顧客」に変える 3 つのポイント
上記の調査結果から、まだ多くの企業においては、リードマネジメント(リードジェネレ
ーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーション)が十分に機能している
とは言えない状況が推測できます。
これらの状況を打開し、獲得した「見込客」を「顧客」に変えるための重要ポイントとし
て、下記 3 点があげられます。
① 見込客獲得におけるデジタル施策の強化
B2B においても例外を除き、多くの製品・サービスにおいて媒体関与へのデジタルシフ
トが進んでおり、顧客の購入プロセスも「まずデジタルで調べる」という行動がすでに
一般的なものとなっています。既存顧客からの紹介や展示会などの従来的な獲得施策に
加え、各社がウェブサイトからの新規獲得にも力を入れてくる中、デジタルでの獲得施
策強化は必須であるといえます。
② 見込客のセグメントや検討ステータスに応じた情報提供の最適化
より多くの案件を創出するためには、獲得した見込客に対して継続的に情報配信を行い、
購入意欲が向上させ育成していく必要があります。見込客の検討段階や求めるものはさ
まざまですので、すべて画一的に同じメッセージを送るべきではありません。見込客の
検討段階や見込客が求めている製品などに合せたコンテンツが、行動情報にもとづいて、
それぞれ必要なタイミングで提供される必要があります。
③ マーケティング部門と営業部門の密接な連携
見込客の購入意欲が高まった時期を逃さず適切に対応するためには、見込客の獲得や育
成を担当するマーケティング部門と、見込客に対してフォローする営業部門の連携が不
可欠です。見込度が高い顧客は迅速に営業に渡してすぐにフォローをしてもらい、そこ
で案件化しなかった見込客やまだ見込度が高まっていない見込客はマーケティング側
で中長期的に育成をして意欲が高まったタイミングで営業に渡すという相互が密に連
携した業務プロセスを構築することが重要です。
これら 3 つのポイントを満たすためには、見込客情報を管理し、それを SFA/CRM システ
ムへとシームレスに連携させ得る仕組み、一般的に「マーケティングオートメーション」
と呼ばれるシステムの活用が効果的であり、それが昨今日本においてもマーケティングオ
ートメーションの導入が活発化している背景と考えられます。
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3
詳細レポート
目次
1.
調査概要 ........................................................................................................................ 5
2.
回答者属性 .................................................................................................................... 5
3.
見込客獲得活動(リードジェネレーション) ............................................................... 6
3-1. 見込客獲得ソース ..................................................................................................... 6
3-2. 見込客獲得施策の評価指標 ....................................................................................... 7
4.
見込客の育成(リードナーチャリング) ...................................................................... 8
4-1. 見込客への情報配信 .................................................................................................. 8
4-2. メールマガジンの配信 .............................................................................................. 8
4-3. 見込客育成のためのコンテンツ ................................................................................ 9
5.
見込客の絞り込み(リードクオリフィケーション) .................................................. 10
5-1. 「営業リスト」を精査して営業に渡しているか ..................................................... 10
5-2. 見込客にランク・優先順位をつける指標 ................................................................ 11
5-3. 「営業リスト」の営業への受け渡し方法 ................................................................ 11
5-4. 営業に渡したあとの見込客の管理 .......................................................................... 12
6.
「営業リスト」の現状と理想 ...................................................................................... 13
6-1. 「見込客リスト」への全体評価 .............................................................................. 13
6-2. 「営業リスト」顧客属性情報の現状と理想 ............................................................ 14
6-3. 「営業リスト」アクション情報の現状と理想 ......................................................... 15
6-4. 「営業リスト」顧客分析情報・定性情報の現状と理想 .......................................... 16
6-5. マーケティング担当者が考える理想の「営業リスト」案 ....................................... 17
7.
「見込客」を「顧客」に変える 3 つのポイント ........................................................ 18
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4
1. 調査概要
【目
的】B2B 企業のリードマネジメントにおける実態を明らかにする
【方
法】Web によるアンケート
【調査対象】B2B 企業で見込客の獲得・管理・育成に関する業務の担当者
【調査期間】2015 年 3 月 20 日(金)~
3 月 24 日(火)
【回答者数】500
2. 回答者属性
国内 B2B 企業で見込客の獲得・管理・育成に関する業務の担当者に調査を行いました。年
齢層は 40 代が最も多く全体の 47%です。
・性別
・年齢
女性, 3.2%
50~
55歳,
33.4%
男性, 96.8%
28~
34歳,
6.4%
40~
44歳,
18.4%
45~
49歳,
29.0%
(n=500)
35~
39歳,
12.8%
(n=500)
従業員数については 100 人以上の企業が全体の 90%を占めており、年間売上 50 億円以上の
企業が全体の 80%を占めています。
・従業員数
・年間売上
5,000人
以上, 25.4%
2,000~
4,999人, 12.6% 1,000~
1,999人, 11.4%
(n=500)
10億円
~50億
円未満,
20.4%
50~99
人, 10.0%
100~
299人, 20.0%
500億
円以上,
44.0%
300~
999人, 20.6%
100億
円~
500億
円未満,
21.6%
50億円
~100
億円未
満,
14.0%
(n=500)
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5
業種については「製造業(その他)
」が最も多く、次に「サービス業(情報・通信・インタ
ーネット)」が続きます。
・業種
20
14.8 15
13.8 10.6 10.4 10.4 10
7.6 4.6 5
7.0 4.8 3.8 2.6 1.2 0.0 1.6 0.0 1.8 0.8 1.2 0.0 0.0 放
送
ル広
テ告
代
ン理
グ店
0.6 1.4 1.0 教
育
医
療
学
習
支
援
業
福
祉
0.0 0.0 0.0 官
公
庁
・
自
治
体
・
公
共
団
体
そ
の
他
働
い
て
い
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0
、
ビ
ス
業
、
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、
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)
コ
ン
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ス
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ス
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市
場
調
査
飲
食
サ
生
活
関
連
サ
、
ッ
)
)
)
、
用
出
版
、
そ
の
他
宿
泊
業
、
交
通
・
運
輸
情
報
・
通
信
・
イ
ン
、
リ
ス
・
レ
ン
タ
新
聞
、
ビ
ス
業
、
ビ
ス
業
金
融
・
保
険
・
証
券
ィ
ビ ネビ
ス
ス
業 ト業
ー
サ
ー
サ
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ー
ルサ タ サ
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ー
カ
そ
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他
)
医
薬
品
自
動
車
、
電
気
機
械
、
食
品
、
、
家
電
(
(
、
S
M
(
(
百
貨
店
卸
売
・
小
売
業
(
C 卸 器卸 化卸 品卸
V 売 具売 粧売 等売
S ・ 等 ・ 品 ・
・
小
小 等小
小
売
売
売
売
業
業
業
業
)
、
)
電
気
機
械
器
具
そ
の
他
)
)
化
学
、
、
化
粧
品
製
造
業
(
、
)
素
材
等
(
鉄
鋼
、
飲
料
等
、
繊
維
)
食
品
等製 自製
造 動造
業 車業
等
医
家
薬
電
(
製
造
業
(
製
造
業
、
建
設
・
不
動
産
業
(
農
林
漁
業
娯
楽
業
(n=500)
3. 見込客獲得活動(リードジェネレーション)
営業が安定的に案件を創出するためには質の高い見込客の獲得が欠かせません。
アンケートでは企業がどのようにして見込客を獲得しているのか、また、見込客獲得活動
(リードジェネレーション)をどのように評価しているのかについて調査しました。
3-1. 見込客獲得ソース
自社の製品やサービスを購入してくれる可能性のある見込客を多く獲得することは企業に
とってマーケティング活動の基盤となっています。それでは B2B 企業では見込客をどのよ
うに集めているのでしょうか。
回答では「営業自身で見つけてくる」
(78.2%)、
「既存顧客からの紹介」
(68.8%)が上位と
なっており、営業をはじめ、人に依存した引き合いが中心であるという現状が見えてきま
す。次に「社外セミナー・展示会・イベント等での参加者リスト・名刺交換・アンケート
等」(50.8%)、「自社ウェブサイトでのフォーム入力」(35.4%)が続きます。
見込客を獲得してくるマーケティング施策としては、セミナーや展示会・イベント等での
獲得が最も一般的な獲得方法であるようです。
© Copyright. Dentsu e-marketing One Inc. All rights reserved.
6
100%
80%
78.2
68.8
60%
50.8
35.4
40%
26.2
20%
10.2
2.4
0%
リ
ス
ト
購
入
(
そ
の
他
ー
)
、
ムブ
入サ
力イ
ト
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話
合ル
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フ社
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換加 ・ 外
・ 者イ セ
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介
ー
(n=500)
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自
身
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つ
け
て
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
3-2. 見込客獲得施策の評価指標
それでは 3-1. のような見込客獲得施策をどのような指標で評価しているのでしょうか。
回答では、
「成約もしくは売上に至った見込客の件数や、その売上額」
(56.8%)が最も高く、
以下「商談に至った見込客の件数」
(36.2%)、
「見込客のうちの新規客の件数」
(34.4%)、
「見
込客の総件数」(28.2%)と続きます。
成果主義的に売上や成約に結びついた場合のみ評価され、なぜその売上や成約につながっ
たのか、マーケティング施策の費用に対する効果はどうだったのか、営業支援施策として
の過程の評価が疎かになっているケースも多いのではないでしょうか。
100%
80%
60%
56.8
36.2
40%
34.4
28.2
20.2
20%
15.2
17.2
15.0
0.6
見
込
客
の
総
件
数
売見
上込
単客
価 1
人
の
成
約
・
価見
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客
1
人
の
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得
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(n=500)
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<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
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7
4. 見込客の育成(リードナーチャリング)
B2B 分野では購買の意思決定に時間がかかることが多いため、見込客との長期的な関係の
構築が重要です。また、既存顧客においてもアップセル・クロスセルに結びつけるために
どのタイミングで商品・サービスを必要としているのか、継続的なコミュニケーションを
通じて見極める必要があります。この章では、各企業がどのように獲得した見込客と
コミュニケーションをとっているのか、調査した結果をお伝えします。
4-1. 見込客への情報配信
獲得した見込客に対して、どのような方法(媒体やチャネル)で定期的・継続的に情報を
発信しているのでしょうか。
回答では「ウェブサイト」
「DM やパンフレット」
「メールマガジン」の 3 項目が他よりも数
値が高く、育成施策の中心となっているという結果となりました。ソーシャルメディアや
Youtube など近年注目が高まっている新しいチャネルへの活用はまだ市場に浸透するまで
には至っていないようです。また、
「その他」の自由回答では「電話をかける」という回答
が多く見うけられました。
100%
80%
60%
40%
38.8
37.6
32.0
19.2
20%
6.8
4.0
3.4
2.8
2.2
F
a
c
e
b
o
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k
T
w
i
t
t
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(n=500)
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他
ル
メ
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
4-2. メールマガジンの配信
下記は 4-1.で見込客への情報配信に「メールマガジン」をつかっていると回答した人に、全
員に同じメールマガジンを配信しているのか、セグメントされたメールマガジンを送って
いるのかを調査した結果です。
『「セグメント」に分けて配信/状況により全員に配信』は 53%で、全体のうち約半数が見
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8
込客全員に同じメールマガジンを配信しているという結果になりました。
見込客によって、興味を持っている商品やサービスも、その検討度もさまざまですので、
全員に同一のメールを送るよりも、セグメントごとに最適なメールを送る方が効果的と考
えられており、今後のマーケティングの主流となりつつあります。しかし、半数近い多く
の企業がまだ同一のメールを一斉配信しているというのが現状のようです。
見込客「全員」に同じメールを
配信
46.9%
53.1%
「セグメント」に分けて配信/
状況により全員に配信
(n=160)
※4-1で「メールマガジン」と回答した人のみ
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ>
4-3. 見込客育成のためのコンテンツ
見込客育成のためのコンテンツとしては、
「商品・サービス・ソリューションの紹介」が 70%
で最も高く、次いで「事例紹介」
「セミナー・展示会へのご案内」が 57%と続きます。いず
れも従来的な製品や事業紹介型のコンテンツ提供が高い数値となっています。見込客にと
って有益な情報を提供して育成をするというコンテンツマーケティングが近年注目されて
いますが、「記事・コラム」や「ホワイトペーパー・調査資料」、「動画コンテンツ」まで着
手できているという企業は未だ少数に留まっているようです。
100%
80%
70.2
56.8
60%
56.6
40%
19.0
20%
13.4
11.6
3.6
5.2
動
画
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ン
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ン
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他
0%
記
事
・
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ム
調
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(n=500)
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介
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紹
介
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<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
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9
5. 見込客の絞り込み(リードクオリフィケーション)
獲得した見込客は最終的に営業に渡されなければ意味をなしません。企業がどのようにし
て見込客にランクや優先順位を付けているのかその指標や、どのように営業に見込客を渡
しているのか、営業に渡した後の見込客の管理について調査しました。
5-1. 「営業リスト」を精査して営業に渡しているか
下記は獲得した見込客をどのように営業に渡しているのかについて調査した結果です。
最も多かった回答は『ランク・優先情報を付け、「すべて」提供』(38.4%)でした。
また、『ランク・優先順位を付け、「見込度の高い顧客のみ」提供』をしていると回答した
方は全体の 18%で、
「見込度の高い顧客のみ」に絞って渡しているのは全体の 2 割にも満た
ないという結果になりました。
見込客を精査して「ランク・優先情報を付けている」のは全体の 56%で、全体の約 3 割が
獲得した見込客を精査せずそのまますべて営業に渡しています。また 15%は獲得した見込
客の情報を営業に渡していないという現状があるようです。
弊社が 2014 年 12 月に法人営業担当者 500 人に実施した調査では、営業担当者の 75%が「ア
プローチできていないリストがある」と回答し、その最大の理由は「件数が多すぎる」で
した。
(詳しくは弊社ホワイトペーパー「法人営業担当者 500 人の調査から明らかになった
「理想の営業リスト」づくり 3 つのポイント」をご参照ください)
多すぎるリストを渡しても営業担当者は対処しきれず、リストに闇雲にコンタクトをして
いるうちに購入する可能性の高い見込客を逃してしまう可能性もあるため、営業に渡すリ
ストは精査をした上で「見込度の高い顧客」に絞って営業に提供することが大切です。
15.0%
28.8%
17.8%
38.4%
ランク・優先情報を付け、「見込度
の高い顧客のみ」提供
ランク・優先情報を付け、「全て」提
供
精査せず、獲得した見込客はその
まま「全て」提供
営業に渡していない
(n=500)
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ>
© Copyright. Dentsu e-marketing One Inc. All rights reserved.
10
5-2. 見込客にランク・優先順位をつける指標
5-1.で見込客に「ランク・優先順位を付けている」と回答した人は、どのような指標で見込
客にランクや優先順位を付けているのでしょうか。
回答では「会社名や部署、役職、事業内容などの基本情報」が 71%ともっとも高く、以下
「過去の取引の有無や金額」「購入検討時期などアンケートへの回答結果」と続きます。注
目すべきは「ウェブサイトでの行動履歴」「メールでの行動履歴」「ソーシャルメディアで
の行動履歴」の数値がいずれも低く、見込客の行動データが見込客の絞り込みにうまく活
用されていないという現状がうかがえます。
同じ企業、部署の人が複数人いた場合、どの人が御社のウェブページや情報に興味をもっ
て積極的に調べており、どの人にアタックをかけるべきかは営業にとって非常に大切な情
報です。行動データを見込客の評価に取り入れることがマーケティング担当者にとって課
題となっているのではないでしょうか。
100%
80%
70.5
60%
44.1
40%
38.8
29.2
24.6
17.1
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13.2
11.7
7.5
7.1
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、
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いル
合セ
わン
せ タ
内
容へ
の
電 タ企
話
業
へかや
のら コ
反の
応初ル
や期セ
内営ン
容業
ー
有 な請 お
無 ど求問
フ
い
メ合
ルわ
ム マせ
入ガ
力登資
の録料
ォー
イ 店展
ン舗示
で訪会
の問や
行なセ
動ど ミ
履オナ
歴フ
ラ
、
果ン購
ケ入
検
ト 討
へ時
の期
回な
答ど
結ア
ー 、
、
(n=281)
金過
額去
の
取
引
の
有
無
や
ー
、
基職会
本
社
情事名
報業や
内部
容署
な
ど役
の
ア
※3.3で『ランク・優先情報を付け、「見込度の高い顧客のみ」提供』または『ランク・優先情報を付け、「全て」提供』と回答した人のみ
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
5-3. 「営業リスト」の営業への受け渡し方法
見込客の情報は最終的に営業に渡されなくては意味をなしません。それでは、どのような
方法で「営業リスト」を営業に渡しているのでしょうか。
最も多かったのは「Excel や CSV にリストをまとめて、営業や関係者に送信」という方法
で、全体の約 6 割を占めます。近年急速に普及した「CRM や SFA などのシステムと連携」
していると回答した人は全体の 14%でした。
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11
1.7%
12.8%
CRM/SFAなどのシステムと連携
14.4%
12.2%
ExcelやCSVにリストをまとめて、
営業や関係者に送信
58.9%
アンケート用紙や名刺をまとめて
渡している
メール本文に顧客情報を記載して
送付
(n=425)
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ>
※5-1.で見込客を営業に提供していると回答した人のみ
その他
5-4. 営業に渡したあとの見込客の管理
営業に渡した後に、「案件化しなかった・販売に結びつかなかった」見込客は、その後どの
ような扱いになっているのでしょうか。
回答では「営業側が引き受けて管理を続ける」が 62%と最も多く、ついで「営業側が管理
を続けるが、マーケティング・企画側も共有」が 25%と続きます。
「マーケティング・企画
側が、再度、引き受けて管理を行なう」は 12%でした。
アンケートの結果では一度営業に渡したあとの見込客の管理は営業が引き受けて続けるこ
とが多く、案件化しなかった・販売に結びつかなかった見込客に対して、マーケティング・
企画側が育成を続ける機会がなくなってしまっているのではないでしょうか。
0.9%
営業側が引き受けて管理を続ける
25.4%
11.5%
62.2%
マーケティング・企画側が、再度、引き受
けて管理を行なう
営業側が管理を続けるが、マーケティン
グ・企画側も共有
(n=425)
※5-1.で見込客をを営業に提供していると回答した人のみ
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ>
その他
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12
6. 「営業リスト」の現状と理想
ここまで、見込客獲得施策と見込客の育成について調査をしてきましたが、そのようにし
て獲得し、育成した見込客の情報を最後には営業に渡さなくてはなりません。
現在、他社のマーケティング担当者は営業に渡す「営業リスト」をどのように評価してい
るのでしょうか。また、
「営業リスト」には現在どのような情報があり、そしてどのような
情報が不足しているとマーケティング担当者は考えているのでしょうか。
6-1. 「見込客リスト」への全体評価
下記は、営業に渡している「営業リスト」をどのように評価しているのかを調査した結果
です。
『営業に、もっと多くの見込客の件数を渡さなければならないと感じている』
(56.9%)
が「あてはまる計」(「あてはまる」と「まああてはまる」の合計)において最も高く、そ
の一方で『購入検討度が高い見込客に絞って渡している』が「当てはまる計」で最も低い
という結果が出ました。現状では見込度の高い見込客に絞り込むことよりも、リストの数
を稼ぐことが第一目的になっている企業が多いのではないでしょうか。
「営業リスト」の質に関する質問では、「リストの見込客に重複がないものを渡している」
(当てはまる計 56.7%)が最もできていると回答をしており、反対に「見込客の優先順位がわ
かるものを渡している」
(あてはまらない計 19.8%)と「見込客が興味・関心を持っている
製品・サービスが分かる状態のものを渡している」
(あてはまらない計 16.9%)が比較的に
数値が低く、できていないと感じているマーケティング担当者が多いようです。
(n=425)
営業に、もっと多くの見込客の件数を渡さな
ければならないと感じている
購入検討度が高い見込客に絞って渡してい
る
見込客が興味・関心を持っている製品・
サービスが分かる状態のものを渡している
あてはまる
1
10.4
13.2
11.1
営業にとって必要な情報が揃っているもの
を渡している
12.5
情報が最新の状態に更新されているものを
渡している
リストの見込客に重複がないものを渡してい
る
15.1
12.7
19.5
あまり
どちらともいえない
あてはまらない
1
1
40.8
23.1
51.6
16.9
50.9
19.8
4.5
52.3
13.9
35.8
6.8 3.8
53.7
10.6
34.1
8.2 3.8
53.9
12.0
4.9
56.7
13.6
31.5
33.9
39.8
38.6
41.2
37.2
29.6
4.9
9.2
6.1
10.8
8.0
11.8
29.4
39.8
あてはまら
ない計
13.6
8.7
13.9
38.4
あてはまる 計
56.9
36.2
30.4
あてはまらない
1
29.4
37.4
19.5
見込客の優先順位がわかるものを渡してい
る
情報が正確で嘘や誤りがないものを渡して
いる
まあてはまる
1
9.4
8.7
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※3-3.で見込客をを営業に提供していると回答した人のみ 単位:%
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13
6-2. 「営業リスト」顧客属性情報の現状と理想
下記は『「営業リスト」に今現在ある見込客の属性情報』と『理想的な「営業リスト」にあ
るべき見込客の属性情報』において、それぞれ当てはまるものを選択してもらい、その結
果を比較したものです。
会社名や氏名、電話番号など見込客の基本情報はどれも非常に高い数値となっています。
現状よりも理想の方が低い数値となっており、これらの項目についてはすでに満足のいく
情報収集ができているといえます。
反対に、理想よりも現状の数値が低く、かつ最も乖離が大きかった項目は「類似品・競合
サービスへの評価」「類似品・競合サービスの導入状況」でした。どちらも類似品や競合サ
ービスに関係する情報への不足を示しています。また、過去取引や直近の取引内容や金額
といった項目においても乖離が大きく、見込客の基本情報を超えた、これらの情報の管理
に課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
100%
93.0
84.2
80.2 80.8
80%
71.4
83.6
68.8
「営業リスト」に今現在ある属性情報
72.4
65.4
63.8
67.4
63.8
57.6
60%
62.4
理想的な「営業リスト」にあるべき属性情報
56.8
48.4
46.6
53.6
51.8
50.6
39.8
40%
47.0
44.6
35.6
31.6
28.6
36.6
30.6
24.2 24.8 23.6
19.8
20%
1.0 1.0
4.0 5.8
0%
氏
名
電
話
番
号
住
所
所
属
部
署
事
業
内
容
役
職
事
業
規
模
ビ
年
間
収
益
ス類
へ似
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評 ・
価競
合
サ
ー
額直
近
の
発
注
内
容
・
金
ス類
の似
導品
入 ・
状競
況合
サ
ー
(n=500)
過
去
取
引
内
容
・
金
額
ビ
の自
説社
明サ
実
施ビ
有ス
無 ・
商
品
性
別
ー
会
社
名
年
齢
そ
の
他
いあ
て
は
ま
る
も
の
は
な
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
【 属性情報 】 において 現状と理想 で 差が大きい項目( TO P 5 )
現状
理想
ギャップ
(理想-現状)
類似品・競合サービスへの評価
19.8
44.6
24.8
類似品・競合サービスの導入状況
28.6
51.8
23.2
年間収益
35.6
47.0
11.4
過去取引内容・金額
46.6
57.6
11.0
直近の発注内容・金額
39.8
50.6
10.8
(N=500)
<2015.3 電通イ ーマーケティン グワン 調べ> 単位:%
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14
6-3. 「営業リスト」アクション情報の現状と理想
『「営業リスト」に今現在ある見込客のアクション情報』と『理想的な「営業リスト」にあ
るべき見込客のアクション情報』を比較した結果では、見込客の属性情報とは違い、ほと
んどの項目において、現状よりも理想の方が高い数値となりました。
特にウェブサイトに関する項目が最も現状と理想の間でギャップが大きく、次にメールマ
ガジンに関する項目、SNS に関する項目が続きます。
多くの企業がウェブサイトやメールマガジン、SNS に関する見込客の行動履歴を営業に共
有することが必要とは理解しているが、取得または活用できていないという現状が伺えま
す。
100%
「営業リスト」に今現在あるアクション情報
80%
60%
48.0 50.6
理想的な「営業リスト」にあるべきアクション情報
43.0
47.0
41.6 42.2
40%
39.4
32.0
31.8
23.2
32.0
29.2 29.2
21.6
18.4
20%
21.6
19.8
13.8
13.8
13.6
12.4
7.0
4.6
0.4
15.0
0.4
0%
て
い
る
か
リ
ン
ク
を
ク
リ
メ
帯 せ
等
が
多
い
曜
日
・
時
間
ル
マ
ガ
開
封
・
問
い
合
わ
ウ
ブ
サ
イ
ト
閲
覧
・
メ
ン S
N
S
で
の
ア
ク
シ
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ル
マ
ガ
ジ
ン
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ッ
ジブ
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かジ
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を
開
テ
レ
ア
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と
の
接
触
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ー
度つウ
で
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頻
ー
や
展
示
会
へ
料過
と去
そに
の請
時求
期 さ
れ
た
資
ェ
ー
のセ
参 ミ
加ナ
ェ
、
見
積
り
依
頼
ー
(n=500)
時お
期問
い
合
わ
せ
内
容
・
そ
の
他
いあ
て
は
ま
る
も
の
は
な
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
【 ア ク シ ョ ン 情報】 において 現状と理想で 差が大きい項目( TO P 5 )
現状
ウェブサイトのどのページを見ていた
か
ウェブサイトにいつ、どのくらいの頻
度で訪れているか
理想
ギャップ
(理想-現状)
18.4
32.0
13.6
23.2
32.0
8.8
メールマガジンを開封しているか
13.6
21.6
8.0
メールマガジン内のリンクをクリック
しているか
13.8
21.6
7.8
4.6
12.4
7.8
SNSでのアクション
(N=500)
<2015.3 電通イ ーマーケティン グワン 調べ> 単位:%
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15
6-4. 「営業リスト」顧客分析情報・定性情報の現状と理想
「顧客分析情報や定性情報」において現状と理想を比較した結果では、「あてはまるものは
ない」を除くすべての項目で現状よりも理想の方が高いという結果になり、見込客のアク
ション情報と同様に、現状と理想のあいだで一定のギャップがあることが伺えます。
特に「成約・発注先の選定ポイント」が最も理想と現実の乖離が大きく、次に「解決しな
ければならない課題としている点は何か」、「商材に対する知識、詳しさのレベル」と続き
ます。
100%
「営業リスト」に今現在ある定性情報
80%
60%
53.2
58.6
理想的な「営業リスト」にあるべき定性情報
53.8
49.6
42.0
35.4
40%
48.0
41.8
40.0
34.6
25.6
27.6
21.4
20%
26.2
25.2
18.6
16.6
17.2
13.8
22.6
22.0
14.6
0.2
0.6
0%
や
セ
グ
メ
ン
ト
の
人
似
て
い
る
人
同
じ
属
が 性
示
会
な
ど
サ
イ
ト
・
セ
ミ
ナ
ど
の
経
路
か
ら
入
ウ 手
・
し
展 ブ た
見
込
客
な
の
か
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ー
次
に
と
る
行
動
の
傾
向
O ミ 電
K ン話
なグに
ど
出
何ら
時れ
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ン
ト 同
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属
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識
・
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注
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)
(n=500)
商
品
の
検
討
レ
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心製
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持 ・
サ
て
いビ
る ス
そ
の
他
いあ
て
は
ま
る
も
の
は
な
<2015.3 電通イーマーケティングワン調べ> ※当てはまるものを複数回答
【 定性情報と顧客分析情 報】 において現状 と理 想で差が大きい項目( TO P 5 )
現状
理想
ギャップ
(理想-現状)
成約・発注先の選定ポイント
25.6
41.8
16.2
解決しなければならない課題として
いる点は何か
35.4
49.6
14.2
商材に対する知識・詳しさのレベル
21.4
34.6
13.2
商品の検討レベル
42.0
53.8
11.8
似ている人(同じ属性やセグメントの
人)が次にとる行動の傾向
13.8
25.2
11.4
(N=500)
<2015.3 電通イ ーマーケティン グワン 調べ> 単位:%
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16
6-5. マーケティング担当者が考える理想の「営業リスト」案
5-2.~5-4. の調査から、理想的な「営業リスト」を作成するために、マーケティング担当者
はどのような項目があることが理想と考えているのか、また、どのような項目が現状と理
想で乖離し、現在の課題となっているのかについてまとめたものが下記です。

どのような項目があることが理想か
●属性情報(TOP10)
・会社名
●アクション情報(TOP5)
・お問い合わせ内容・時期
●分析・定性的情報(TOP5)
・どの製品・サービスに
・氏名
・見積り依頼の有無
・電話番号
・セミナーや展示会への参加
・商品の検討レベル
・住所
・過去に請求された資料とその
・解決しなければならない
・所属部署
・事業内容
・過去取引内容・金額
・役職
・事業規模
・類似品・競合サービス
関心をもっているか
時期
・ウェブサイトにいつ、どの
課題としている点は
・導入を希望している時期
くらいの頻度で訪れているか
・成約・発注先の選定
・ウェブサイトのどのページを
ポイント
みていたか
※5 位は同率 2 つ
の導入状況

現状と理想の間でギャップの大きい項目
●属性情報(TOP5)
・類似品・競合サービス
への評価
・類似品・競合サービス
の導入状況
・年間収益
・過去取引内容・金額
・直近の発注内容・金額
●アクション情報(TOP5)
・ウェブサイトのどのページを
●分析・定性的情報(TOP5)
・成約・発注先の選定
見ていたか
・ウェブサイトにいつ、どの
ポイント
・解決しなければならない
くらいの頻度で訪れているか
・メールマガジンを開封して
いるか
・メールマガジン内のリンクを
クリックしているか
・SNS でのアクション
課題としている点
・商材に対する知識・詳し
さのレベル
・商品の検討レベル
・似ている人(同じ属性や
セグメントの人)が次に
とる行動の傾向
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7. 「見込客」を「顧客」に変える 3 つのポイント
上記の調査結果から、まだ多くの企業においては、リードマネジメント(リードジェネレ
ーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーション)が十分に機能している
とは言えない状況が推測できます。
これらの状況を打開し、獲得した「見込客」を「顧客」に変えるための重要ポイントとし
て、下記 3 点があげられます。
① 見込客獲得におけるデジタル施策の強化
B2B においても例外を除き、多くの製品・サービスにおいて媒体関与へのデジタルシフ
トが進んでおり、顧客の購入プロセスも「まずデジタルで調べる」という行動がすでに
一般的なものとなっています。既存顧客からの紹介や展示会などの従来的な獲得施策に
加え、各社がウェブサイトからの新規獲得にも力を入れてくる中、デジタルでの獲得施
策強化は必須であるといえます。
② 見込客のセグメントや検討ステータスに応じた情報提供の最適化
より多くの案件を創出するためには、獲得した見込客に対して継続的に情報配信を行い、
購入意欲が向上させ育成していく必要があります。見込客の検討段階や求めるものはさ
まざまですので、すべて画一的に同じメッセージを送るべきではありません。見込客の
検討段階や見込客が求めている製品などに合せたコンテンツが、行動情報にもとづいて、
それぞれ必要なタイミングで提供される必要があります。
③ マーケティング部門と営業部門の密接な連携
見込客の購入意欲が高まった時期を逃さず適切に対応するためには、見込客の獲得や育
成を担当するマーケティング部門と見込客に対してフォローする営業部門の連携が不
可欠です。見込度が高い顧客は迅速に営業に渡してすぐにフォローをしてもらい、そこ
で案件化しなかった見込客やまだ見込度が高まっていない見込客はマーケティング側
で中長期的に育成をして意欲が高まったタイミングで営業に渡すという相互が密に連
携した業務プロセスを構築することが重要です。
これらの要件を満たし、オンライン・オフライン問わずマルチチャネルでの統合的なリー
ドマネジメントを可能にするのが、電通イーマーケティングワンが提供するマーケティン
グオートメーションツールを軸にした統合的なマーケティングソリューションです。
電通イーマーケティングワンでは前述のポイントに対して、以下の様なソリューションを
提供します。
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18
① 検討のできるだけ早い段階からコミュニケーションを開始
ユーザーが貴社ウェブサイトを初めて訪れたときから行動をトラッキング。
行動履歴にもとづいたコンテンツの最適化や、フォームの入力を簡易化する仕組みなど
を通して見込客獲得の最大化を実現します。
② 見込客一人ひとりに合わせたマーケティングを自動実行
複数チャネルで獲得した見込客の属性情報と行動情報を一元管理して把握。メールやウ
ェブサイトなどでの行動履歴から得られた情報にもとづき、予め設定しておいたシナリ
オに沿って、興味・関心や検討度合いに合わせたコンテンツをダイナミックに出し分け
て自動で送信します。個人レベルで調整された最適なコミュニケーションを可能にし、
マーケティング担当者の作業にかかる時間を大幅に削減します。
③ 見込客の検討ステージを可視化、SFA/CRM との双方向連携
購入意欲を引き上げる要因を分析し、見込客の属性や行動に対してスコアを設定。見込
客や既存顧客の購入意欲の度合いや段階を管理し、もっとも見込度の高い最適なタイミ
ングで営業に引き渡します。
Salesforce をはじめとした SFA/CRM システムとの連携により、初期接触から成約まで
マーケティング部門と営業部門をまたいだ顧客ライフサイクルの全てを掌握し、マーケ
ティングプロセスを全網羅的に一元管理できるようにします。
④ ツールの形骸化を防ぎ、導入・運用を成功させるサポート体制
貴社のお客さまの購買プロセスを明確にし、どのターゲット(セグメント・ペルソナ)
に取り組んでいくのか、関連部署をまたいだワークショップの開催などのプロセスを通
して、マーケティング効果を最大限に活かすための戦略を策定します。社外の人間が代
弁することで、社内のコミュニケーションだけではまとめづらい領域も含めて認識を合
わせることが可能になります。
このようなマーケティングオートメーションツールを活用した電通イーマーケティングワ
ンの戦略的なマーケティングソリューションの導入により、企業は以下の効果が得られま
す。
■顧客一人ひとりに合わせた真の One to One コミュニケーションの実現
■実施作業の負荷軽減と戦略立案や検証に費やせる時間の増加
■全ての施策とコミュニケーションチャネルを網羅したマーケティング ROI の把握と改善
■「売り上げ」にもとづいた「売れる」マーケティングの実証
■マーケティング部門と営業部門が密に連携したコミュニケーション体制の構築
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マーケティングに関するお悩みや、システム導入をお考えの方はぜひご相談ください。
今回の調査レポートがみなさまのマーケティング成果向上にお役立て頂ければ幸いです。
電通イーマーケティングワンは顧客の新しい「売り方」をつくる、 統合マーケティングカ
ンパニーです。御社の抱えるマーケティングの課題に応じて、戦略策定からツールの導入
や運用支援、効果測定まで、総合的なコンサルティングを、御社のマーケティング戦略
パートナーとしてワンストップで提供します。
電通イーマーケティングワン
戦略事業本部
MA 推進室
E-mail :[email protected]
TEL: 03-5551-2597
本ホワイトペーパーは、株式会社電通イーマーケティングワンが実施した調査を元に
作成されたものであり、本書に記載されているすべての画像・文章・情報など一切の
権利は株式会社電通イーマーケティングワンが保有いたします。この内容のすべて、
または一部の無断転載・無断転用を禁止します。
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