行き場を失う放射性廃棄物・汚染土、豪雨で流出した汚染袋 伊藤久雄(認定NPO法人まちぽっと理事) 福島の現状は、混迷を深めるばかりである。 <参考> ・東京新聞(2015 年 9 月 24 日) 汚染土仮置き場返還へ-南相馬の一部、契約延長断念 ⇒PDF ・東京新聞(2015 年 9 月 17 日) 飯館 除染袋流出、433 袋に ・東京新聞(2015 年 9 月 18 日) 日光でも 334 袋、除染袋が川に ⇒PDF 1.中間貯蔵施設建設の遅延 中間貯蔵施設建設の現状は次のとおり。 ◆ 中間貯蔵施設の地権者 2,365 人 ◆ 連絡先を把握できた人 1,250 人(2015 年 9 月 24 日、東京新聞) ◆ 地権者のうち接触できた人(7 月末現在) ◆ 現地調査に同意した人 ◆ 契約が成立した人 850 人(2015 年 8 月 23 日、福島民報) 570 人(2015 年 8 月 23 日、福島民報) 7 人(2015 年 9 月 24 日、東京新聞) 2.廃棄物仮置き場の現状 ◆ 国直轄除染地域(避難指示区域内)の仮置き場 240 か所(環境省、7 月末時点) ◆ 市町村担当除染地域(避難指示区域外) 833 か所(福島県、6 月末時点) ◆ 除染が実施された住宅や学校などの現場に保管 11 万か所以上(同 ◆ 関東・東日本豪雨で流出した除染袋 飯館村 流出 433 袋(中身が空、179 袋) 日光市 小白川(流出 334 袋)、休憩所の駐車場のり面崩落(7 袋) ) 3.仮置き場の延長契約断念 仮置き場の土地の返還が明らかになるのは初めてである(環境省) 。東京新聞報道(2015 年 9 月 24 日)。 ◆ 南相馬市馬場地区 約 10ha(6 万袋以上) 来春返還期限(返還後は農地整備の予定) 代替地確保に向け調整(2015 年 9 月 23 日明らかに) ◆ 各地の仮置き場も契約更新の時期を迎える。同様のケースが続けば、国の計画(契約 更新、中間貯蔵施設搬入等)が立ち往生の恐れ 4.避難指示解除と帰還の行方 避難指示が解除されても、はたしてどれほどの帰還者がいるだろうか。 ◆ 楢葉村(全域) 2015 年 9 月 5 日 避難指示解除 準備宿泊の登録者数(8 月 31 日現在) ◆ 780 人(351 世帯)で人口の約1割 南相馬、川俣、葛尾3市町村の居住制限、避難指示解除準備両区域 8 月 31 日、避難指示解除に向けた「準備宿泊」開始 ◆ 南相馬市は解除目標を平成 28 年 4 月に設定。 川俣、葛尾両町村も同年春の解除を目指す。
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