医薬品インタビューフォーム

2015年11月改訂(改訂第27版)
日本標準商品分類番号:876241
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会のIF記載要領2013に準拠して作成
ニューキノロン系注射用抗菌剤
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
剤
形
製 剤 の 規 制 区 分
規
一
格
・
般
含
量
名
製造販売承認年月日
薬 価 基 準 収 載・ 発 売 年 月 日
開発・製造販売(輸入)・
提 携 ・ 販 売 会 社 名
点滴静注用注射剤(液剤)
処方箋医薬品
シプロキサン注200mg:シプロフロキサシン200mg含有
シプロキサン注400mg:シプロフロキサシン400mg含有
和名:シプロフロキサシン(JAN)
洋名:Ciprofloxacin
(JAN,INN)
製造販売承認年月日:2000年9月22日
薬価基準収載年月日:200mg(ソフトバッグ);2005年 6 月10日
発 売 年 月 日:200mg(ソフトバッグ);2005年 7 月19日
製造販売承認年月日:2015年9月28日
薬価基準収載年月日:400mg(ソフトバッグ);2015年11月28日
発 売 年 月 日:400mg(ソフトバッグ):2015年12月21日
製造販売元:バイエル薬品株式会社
販 売 元:富士フイルムファーマ株式会社
医薬情報担当者の連絡先
問 い 合 わ せ 窓 口
富士フイルムファーマ株式会社 お客様相談室
TEL : 0120-121210
FAX : 03-6418-3880
受付時間 : 9:00~17:30
(土・日・祝日及び当社休日を除く)
医療関係者向けホームページ http://ffp.fujifilm.co.jp/
本IFはシプロキサン注200mg2015年10月改訂、注400mg2015年10月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した。最新の添付文書情報
は,医薬品医療機器情報提供ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/にてご確認ください。
IF利用の手引きの概要
-日本病院薬剤師会-
1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯
医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書(以下、添付文書と略す)がある。医療現場で医師・薬剤
師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には、添付文書に記載された情報を裏付ける更
に詳細な情報が必要な場合がある。
医療現場では、当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者等に情報の追加請求や質疑をして情報を補完して対処して
きている。この際に必要な情報を網羅的に入手するための情報リストとしてインタビューフォームが誕生した。
昭和63年に日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下、IFと略
す)の位置付け並びにIF記載様式を策定した。その後、医療従事者向け並びに患者向け医薬品情報ニーズの変化を受けて、
平成10年9月に日病薬学術第3小委員会においてIF記載要領の改訂が行われた。
更に10年が経過し、医薬品情報の創り手である製薬企業、使い手である医療現場の薬剤師、双方にとって薬事・医療環境
は大きく変化したことを受けて、平成20年9月に日病薬医薬情報委員会においてIF記載要領2008が策定された。
IF記載要領2008では、IFを紙媒体の冊子として提供する方式から、PDF等の電磁的データとして提供すること(e-IF)が原
則となった。この変更にあわせて、添付文書において「効能・効果の追加」、「警告・禁忌・重要な基本的注意の改訂」
などの改訂があった場合に、改訂の根拠データを追加した最新版のe-IFが提供されることとなった。
最 新 版 の e-IF は 、 独 立 行 政 法 人
医薬品医療機器総合機構ホームページ「医薬品に関する情報」
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.htmlから一括して入手可能となっている。日本病院薬剤師会
では、e-IFを掲載する独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ホームページ「医薬品に関する情報」が公的サイトであるこ
とに配慮して、薬価基準収載にあわせてe-IFの情報を検討する組織を設置して、個々のIFが添付文書を補完する適正使用
情報として適切か審査・検討することとした。
2008年より年4回のインタビューフォーム検討会を開催した中で指摘してきた事項を再評価し、製薬企業にとっても、医
師・薬剤師等にとっても、効率の良い情報源とすることを考えた。そこで今般、IF記載要領の一部改訂を行いIF記載要領
2013として公表する運びとなった。_
2.IFとは
IFは「添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な、医薬品の品質管理のための情報、
処方設計のための情報、調剤のための情報、医薬品の適正使用のための情報、薬学的な患者ケアのための情報等が集約さ
れた総合的な個別の医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及
び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。
ただし、薬事法・製薬企業機密等に関わるもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師自らが評価・判断・提
供すべき事項等はIFの記載事項とはならない。言い換えると、製薬企業から提供されたIFは、薬剤師自らが評価・判断・
臨床適応するとともに、必要な補完をするものという認識を持つことを前提としている。
[IFの様式]
①規格はA4版、横書きとし、原則として9ポイント以上の字体(図表は除く)で記載し、一色刷りとする。ただし、添付文
書で赤枠・赤字を用いた場合には、電子媒体ではこれに従うものとする。
②IF記載要領に基づき作成し、各項目名はゴシック体で記載する。
③表紙の記載は統一し、表紙に続けて日病薬作成の「IF利用の手引きの概要」の全文を記載するものとし、2頁にまとめる。
[IFの作成]
①IFは原則として製剤の投与経路別(内用剤、注射剤、外用剤)に作成される。
②IFに記載する項目及び配列は日病薬が策定したIF記載要領に準拠する。
③添付文書の内容を補完するとのIFの主旨に沿って必要な情報が記載される。
④製薬企業の機密等に関するもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師をはじめ医療従事者自らが評価・
判断・提供すべき事項については記載されない。
⑤「医薬品インタビューフォーム記載要領2013」(以下、「IF記載要領2013」と略す)により作成されたIFは、電子媒
体での提供を基本とし、必要に応じて薬剤師が電子媒体(PDF)から印刷して使用する。企業での製本は必須ではない。
[IFの発行]
①「IF記載要領2013」は、平成25年10月以降に承認された新医薬品から適用となる。
②上記以外の医薬品については、「IF記載要領2013」による作成・提供は強制されるものではない。
③使用上の注意の改訂、再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点並びに適応症の拡大等がなされ、
記載すべき内容が大きく変わった場合にはIFが改訂される。
3.IFの利用にあたって
「IF記載要領2013」においては、PDFファイルによる電子媒体での提供を基本としている。情報を利用する薬剤師は、電子
媒体から印刷して利用することが原則である。電子媒体のIFについては、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ホームペ
ージに掲載場所が設定されている。
製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供するが、IFの原点を踏まえ、医療現場に不
足している情報やIF作成時に記載し難い情報等については製薬企業のMR等へのインタビューにより薬剤師等自らが内容を
充実させ、IFの利用性を高める必要がある。また、随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては、IFが改訂さ
れるまでの間は、当該医薬品の製薬企業が提供する添付文書やお知らせ文書等、あるいは医薬品医療機器情報配信サービ
ス等により薬剤師等自らが整備するとともに、IFの使用にあたっては、最新の添付文書を独立行政法人 医薬品医療機器総
合機構ホームページで確認する。
なお、適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に関する項目等は承認
事項に関わることがあり、その取扱いには十分留意すべきである。
4.利用に際しての留意点
IFを薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用して頂きたい。しかし、薬事法や医療用
医薬品プロモーションコード等による規制により、製薬企業が医薬品情報として提供できる範囲には自ずと限界がある。
IFは日病薬の記載要領を受けて、当該医薬品の製薬企業が作成・提供するものであることから、記載・表現には制約を受け
ざるを得ないことを認識しておかなければならない。
また製薬企業は、IFがあくまでも添付文書を補完する情報資材であり、インターネットでの公開等も踏まえ、薬事法上の
広告規制に抵触しないよう留意し作成されていることを理解して情報を活用する必要がある。
(2013年4月改訂)
目
Ⅰ. 概要に関する項目
次
2. 製剤の組成
1. 開発の経緯 ··························
1
(1) 有効成分(活性成分)の含量 ·······
9
2. 製品の治療学的・製剤学的特性 ········
2
(2) 添加物 ··························
9
(3) 電解質の濃度 ····················
9
3. 注射剤の調製法 ······················
9
4. 懸濁剤,乳剤の分散性に対する注意 ···
10
10
Ⅱ. 名称に関する項目
1. 販売名
(1) 和
名 ··························
3
5. 製剤の各種条件下における安定性 ·····
(2) 洋
名 ··························
3
6. 溶解後の安定性 ······················ 10
(3) 名称の由来 ······················
3
7. 他剤との配合変化(物理化学的変化) ··· 13
2. 一般名
8. 生物学的試験法 ······················ 21
(1) 和
名(命名法) ·················
3
9. 製剤中の有効成分の確認試験法 ········ 21
(2) 洋
名(命名法) ·················
3
10. 製剤中の有効成分の定量法 ············ 22
(3) ステム(stem) ···················
3
11. 力価 ································ 22
3. 構造式又は示性式 ····················
3
12. 混入する可能性のある夾雑物 ·········· 22
4. 分子式及び分子量 ····················
3
13. 注意が必要な容器・外観が特殊な容器に関す
5. 化学名(命名法) ·····················
3
る情報 ······························· 23
6. 慣用名,別名,略号,記号番号 ········
4
14. その他 ······························ 23
7. CAS登録番号 ······················
4
Ⅴ. 治療に関する項目
Ⅲ. 有効成分に関する項目
1. 効能又は効果 ························ 24
2. 用法及び用量 ························ 25
1. 物理化学的性質
3. 臨床成績
(1) 外観・性状 ······················
5
(2) 溶
解
性 ······················
5
(1) 臨床データパッケージ ············ 26
(3) 吸
湿
性 ······················
5
(2) 臨床効果 ························ 32
(4) 融点 (分解点),沸点,凝固点 ·····
6
(3) 臨床薬理試験:忍容性試験 ········ 33
(5) 酸塩基解離定数 ··················
6
(4) 探索的試験:用量反応探索試験 ···· 34
(6) 分配係数 ························
6
(5) 検証的試験 ······················ 35
(7) その他の主な示性値 ··············
6
(6) 治療的使用 ······················ 35
2. 有効成分の各種条件下における
安定性 ······························
6
3. 有効成分の確認試験法 ················
7
4. 有効成分の定量法 ····················
8
Ⅵ. 薬効薬理に関する項目
1. 薬理学的に関連ある化合物又は
化合物群 ···························· 36
2. 薬理作用
Ⅳ. 製剤に関する項目
1. 剤
(1) 作用部位・作用機序 ·············· 36
(2) 薬効を裏付ける試験成績 ·········· 36
形
(1) 製剤の区別,外観及び性状 ········
9
(3) 作用発現時間・持続時間 ·········· 40
(2) 溶液及び溶解時のpH,浸透圧比,
粘度,比重,安定なpH域等 ········
9
(3) 注射剤の容器中の特殊な気体の有無
及び種類 ························
Ⅶ. 薬物動態に関する項目
1. 血中濃度の推移・測定法
9
(1) 治療上有効な血中濃度 ············· 41
(2) 最高血中濃度到達時間 ············ 41
その理由 ···························· 52
(3) 臨床試験で確認された血中濃度 ···· 41
5. 慎重投与内容とその理由 ·············· 53
(4) 中毒域 ·························· 46
(5) 食事・併用薬の影響 ·············· 46
(6) 母集団(ポピュレーション)解析に
より判明した薬物体内動態変動要因 ·· 46
2. 薬物速度論的パラメータ
(1) 解析方法 ························· 46
(2) 吸収速度定数 ···················· 47
(3) バイオアベイラビリティ ·········· 47
(4) 消失速度定数 ···················· 47
(5) クリアランス ···················· 47
(6) 分布容積 ························ 47
(7) 血漿蛋白結合率 ·················· 47
3. 吸
4. 分
収 ······························ 47
布
(1) 血液-脳関門通過性 ·············· 47
(2) 血液-胎盤関門通過性 ············· 47
(3) 乳汁への移行性 ·················· 47
(4) 髄液への移行性 ·················· 48
(5) その他の組織への移行性 ·········· 48
5. 代
謝
(1) 代謝部位及び代謝経路 ············ 49
(2) 代謝に関与する酵素(CYP450等)
6. 重要な基本的注意とその理由及び
処置方法 ···························· 54
7. 相互作用
(1) 併用禁忌とその理由 ·············· 54
(2) 併用注意とその理由 ·············· 55
8. 副 作 用
(1) 副作用の概要 ···················· 59
(2) 重大な副作用と初期症状 ·········· 59
(3) その他の副作用 ·················· 63
(4) 項目別副作用発現頻度及び
臨床検査値異常一覧 ·············· 65
(5) 基礎疾患,合併症,重症度及び
手術の有無等背景別の副作用
発現頻度 ························ 68
(6) 薬物アレルギーに対する注意及び
試験法 ·························· 69
9. 高齢者への投与 ······················ 70
10. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与 ········ 70
11. 小児等への投与 ······················ 70
12. 臨床検査結果に及ぼす影響 ············ 71
13. 過量投与 ···························· 71
14. 適用上の注意 ························ 71
15. その他の注意 ························ 72
16. その他 ······························ 72
の分子種 ························ 49
(3) 初回通過効果の有無及びその割合 ·· 49
(4) 代謝物の活性の有無及び比率 ······ 49
(5) 活性代謝物の速度論的
パラメータ ······················ 49
6.排
泄
(1) 排泄部位及び経路 ················ 49
(2) 排泄率 ·························· 49
(3) 排泄速度 ························ 50
7. トランスポーターに関する情報 ·········· 50
8.透析等による除去率 ···················· 50
Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する
項目
1. 警告内容とその理由 ·················· 52
2. 禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) ··· 52
3. 効能又は効果に関連する使用上の注意と
その理由 ···························· 52
4. 用法及び用量に関連する使用上の注意と
Ⅸ. 非臨床試験に関する項目
1. 薬理試験
(1) 薬効薬理試験(「Ⅵ.薬効薬理に
関する項目」参照) ·············· 74
(2) 副次的薬理試験 ·················· 74
(3) 安全性薬理試験 ·················· 74
(4) その他の薬理試験 ················ 75
2. 毒性試験
(1) 単回投与毒性試験 ················ 76
(2) 反復投与毒性試験 ················ 76
(3) 生殖発生毒性試験 ················ 77
(4) その他の特殊毒性 ················ 77
Ⅹ. 管理的事項に関する項目
1. 規制区分 ···························· 79
2. 有効期間又は使用期限 ················ 79
3. 貯法・保存条件 ······················ 79
4. 薬剤取扱い上の注意点 ················ 79
15. 投薬期間制限医薬品に関する情報 ······ 81
(1) 薬局での取扱いについて ·········· 79
16. 各種コード ·························· 81
(2) 薬剤交付時の注意(患者等に
17. 保険給付上の注意 ···················· 81
留意すべき必須事項等) ··········· 79
(3) 調剤時の留意点について ·········· 79
ⅩⅠ. 文
献
5. 承認条件等 ·························· 79
1.引用文献 ····························· 82
6. 包
2.その他の参考文献 ····················· 85
装 ···························· 79
7. 容器の材質 ·························· 79
8. 同一成分・同効薬 ···················· 80
ⅩⅡ. 参考資料
9. 国際誕生年月日 ······················ 80
1.主な外国での発売状況 ················· 86
10. 製造販売承認年月日及び承認番号 ······ 80
2.海外における臨床支援情報 ············· 89
11. 薬価基準収載年月日 ·················· 80
12. 効能又は効果追加,用法及び用量変更
追加等の年月日及びその内容 ·········· 80
13. 再審査結果,再評価結果公表年月日及び
その内容 ···························· 81
14. 再審査期間 ·························· 81
ⅩⅢ. 備
考
································ 91
Ⅰ.概要に関する項目
Ⅰ.
概要に関する項目
1.開発の経緯
シプロフロキサシン(CPFX)は1975年にドイツバイエル社が合成したニューキノロン系抗菌剤で,我が国において
は1988年に,塩酸シプロフロキサシンを主成分とする錠剤が承認された。その対象は,通常,軽症~中等症の各種
感染症で,特に外来治療に汎用されている。しかしながら,各種感染症患者の中には経口剤では十分な効果が期待
できない症例も多数あり,当時我が国の市場にはなかった注射用ニューキノロン系抗菌剤が臨床現場で求められて
いた。
シプロフロキサシン注射剤は,シプロフロキサシンを主成分とする静注用注射薬であり,すでに 1987 年からドイツ
をはじめとする欧州各国で上市され,1990 年 12 月には米国において承認,1991 年 3 月より市販されており,現在で
は世界 81 カ国(2008 年 8 月現在)で広く臨床使用されている。我が国においては,重症あるいは難治性感染症患者
を対象として臨床試験を行い,敗血症,外傷・熱傷及び手術創などの二次感染,肺炎,腹膜炎,胆囊炎・胆管炎の効
能・効果を取得した。(2000 年 9 月承認)その後,2001 年 12 月には炭疽,続いて 2006 年 2 月にレジオネラ属の効
能・効果が追加承認された。
一方,患者の状態によっては本剤を第一選択薬として使用すべき場合があるにも係わらず,「効能・効果に関連する
使用上の注意」の記載によれば,本剤の投与は「カルバペネム系薬や第3・第4世代セフェム系注射用抗菌剤を使用
しても十分な臨床効果が得られない患者,経口抗菌剤投与が不能の患者」に限定されると解釈され,これに対して臨
床現場からは何らかの対応を講ずるべきとの意見が出された。これを受けて,2006 年 2 月に日本化学療法学会より,
厚生労働大臣と日本医師会長宛に要望書が提出され,同年 10 月,効能・効果に関連する使用上の注意の自主改訂に
より,「原則として他の抗菌剤にアレルギーの既往を有する患者,重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分な臨床
効果が得られない患者」に記載変更され,経口抗菌剤の投与の可否についても状況に応じて処方可能な内容に変更と
なった。
3,215 例の使用成績調査を実施し,2006 年 12 月に再審査申請を行った結果,2009 年 3 月薬事法第 14 条第 2 項各号
(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの再審査結果を得た。
シプロキサン注は生理食塩液等で希釈して点滴静注射することとなっているが,医療現場より希釈による水分負荷が
かけられない場合には本剤を使用できないということについて,発売当初より問題提起されていた。そこで,これま
で集積されたデータから,希釈の有無による忍容性について検討したところ,未希釈で投与した場合は希釈した場合
に比べて点滴局所反応の発現が高まる傾向はあるものの,その他の有害事象の発現リスクが増大することを示唆する
所見は認められず,治療上の有益性を考慮すると,著しい水分摂取制限がかかっている場合等,水分負荷がかけられ
ない場合には本剤を希釈せずに投与することが医療ニーズに応えることになると考えられ,用法・用量の一部変更申
請を行い,2009 年 6 月にバイエル薬品株式会社が承認を取得した。2012 年 10 月からは販売元が変更され、富士フ
イルムファーマ株式会社より販売されることとなった。
欧米等では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応(以下、未承認薬・適応外薬)に関し、
厚生労働省は平成 21 年 6 月から 8 月にかけて開発要望募集を行った。これに対して、公益社団法人日本化学療法学
会及び一般社団法人日本感染症学会は、本剤についてそれぞれ“国外の承認用法・用量(1 回 400mg 1 日 2~3 回)
への用量変更”及び“β-ラクタム系薬無効の小児重症感染症の適応拡大及びその用法・用量(18~30mg/kg/日、分 2
~3、最大用量:1 回 400mg)の開発”の要望を提出した。
これら二つの学会より提出された開発要望に関して、その医療上の必要性を『医療上の必要性の高い未承認薬・適応
外薬検討会議』(以下、検討会議)で評価された結果、いずれも“医療上の必要性が高い”と判断された。厚生労働
省は 2010 年 12 月 13 日に“最大投与量の変更”及び“小児に対するβラクタム系薬無効の尿路感染症(複雑性膀胱
炎、腎孟腎炎)及び嚢胞性線維症”の開発要請をバイエル薬品株式会社に対し通知した(医政研発 1213 第 1 号薬食
審査発 1213 第 1 号)。これら開発要請を受け、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、総合機構)と 2011
年 3 月及び 6 月に医薬品事前面談を行い、2011 年 10 月に医薬品第Ⅱ相試験終了後相談を実施した。その結果、日
1
Ⅰ.概要に関する項目
本人の肺炎患者を対象とした小規模な第Ⅲ相試験の実施とその試験デザイン、日本人小児患者における本剤の使用実
態調査の実施とその調査方法及び内容、成人における用法・用量の変更と小児の適応拡大を併せて承認申請を行うこ
と、並びに承認申請時のデータパッケージについて合意が得られた。その後、2011 年 12 月 22 日に開催された第 10
回検討会議において、当該開発要請に対する開発方針について最終結論が報告されたことから、対面助言での合意事
項に基づき、国内第Ⅲ相試験及び国内小児使用実態調査を開始した。
重症又は他の抗菌薬で十分な臨床効果が得られない細菌性肺炎(院内又は市中肺炎)又は慢性呼吸器病変の二次感染
患者を対象に実施した国内第Ⅲ相試験において、CPFX 1 回 400mg 1 日 2~3 回投与の臨床効果及び PK/PD 理論から
みた有効性が示され、また、有害事象についても既承認用量における安全性情報と大きく異なる事象は認められなか
った。更に、重症感染症を対象とした国外第Ⅲ相試験においても、有効性及び安全性が示されている。CPFX 400mg の
1 日 2~3 回投与の高用量投与は、既に欧米のみならずアジア諸国で承認された用法・用量であり、その有効性、安
全性が確立されている。また、CPFX 高用量の開発は学会及び医療現場から要望されている。CPFX は添付文書の用法・
用量に記されるように「重症感染症あるいは他剤で効果が得られない場合」に使用されており、これらの感染症は抗
菌薬の選択を含め、適切な処置が迅速に行われなければ、敗血症ひいては、播種性血管内凝固症候群、成人呼吸促迫
症候群、多臓器機能低下症候群を併発するなど重篤化し予後不良となる。したがって、より確実な治療効果を得るた
めに CPFX の高用量投与という選択肢を医療現場に提供することの意義は大きい。小児については、CPFX を用いた国
外試験は、複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎を対象とした臨床試験と、嚢胞性線維症の急性増悪を対象とした臨床試験
があり、これら二つの疾患群に対する有効性が確認されている。安全性については、一部の試験において、関節毒性
への懸念が示されたことから使用にあたっては注意が必要であるものの、米国では 2004 年 3 月、第一選択ではない
ことを明記しつつ大腸菌による複雑性尿路感染症、腎盂腎炎及び肺炭疽(曝露後)に対する CPFX の小児適応が承認
された。また、欧州では嚢胞性線維症における緑膿菌による気管支肺感染症、複雑性尿路感染症及び腎盂腎炎、肺炭
疽(曝露後)、更に必要と判断された場合には CPFX を小児及び青年の重症感染症の治療に用いることが承認されて
いる。CPFX 注射剤の PK 特性には日本人と白人の間で差は認められておらず、更に、国内使用実態調査からも有効性
及び安全性が確認されていることから、国内においても同程度の有効性及び安全性が期待できると考えられる。
以上より、成人における 400mg の 1 日 2~3 回への用法・用量の変更、並びに小児の一般感染症(複雑性膀胱炎及び
腎盂腎炎)及び嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善の効能追加について、承認申請を行
うことは妥当と考えた。以上のことにより、用法・用量の一部変更申請を行い,2015 年 9 月にバイエル薬品株式会
社が承認を取得した。
2. 製品の治療学的・製剤学的特性
(1)注射剤として初めてのニューキノロン製剤です。
(2)グラム陽性菌からグラム陰性菌,非定型菌まで幅広い抗菌スペクトルを有します(in vitro)(「Ⅵ.薬効薬理に関
する項目」参照)。
(3)緑膿菌をはじめとするグラム陰性菌に強い抗菌力を示します(in vitro)(「Ⅵ.薬効薬理に関する項目」参照)。
(4)β-ラクタム系薬とは異なる作用機序を有します(「Ⅵ.薬効薬理に関する項目」参照)。
(5)良好な組織移行を示します(「Ⅶ.薬物動態に関する項目」参照)。
(6)① 肺炎をはじめとする各種感染症に対して,優れた臨床効果を示しました(「Ⅴ.治療に関する項目」参照)。
②第3世代セフェム,カルバペネム無効例に対して高い有効性を示しました(「Ⅴ.治療に関する項目」参照)。
(7)副作用発現率は8.90%(323/3,628例)(臨床検査値の異常変動を含む)(「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関す
る項目」参照)
<再審査終了時>
主な副作用は肝機能障害106件(2.92%),ALT(GPT)上昇47件(1.30%),AST(GOT)上昇45件(1.24%),発疹・蕁
麻疹等26件(0.72%)等(「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目」参照)。
2
Ⅱ.名称に関する項目
Ⅱ.
1.
名称に関する項目
販売名
(1)和
名
シプロキサン®注200mg
シプロキサン®注400mg
(2)洋
名
Ciproxan®-I.V. 200
Ciproxan®-I.V. 400
(3)名称の由来
キノリン環の1位へ導入した置換基の名称(シクロプロピル基)に由来する
2.
一 般 名
(1)和
名(命名法)
シプロフロキサシン(JAN)
(2)洋
名(命名法)
Ciprofloxacin(JAN,INN)
(3)ステム(stem)
ナリジクス酸系の抗菌薬:-oxacin
3.
構造式又は示性式
4.
分子式及び分子量
分子式:C17H18FN3O3
分子量:331.34
5. 化 学 名(命名法)
1-Cyclopropyl-6-fluoro-1,4-dihydro-4-oxo-7-(piperazin-1-yl) quinoline-3-carboxylic acid
(IUPAC)
3
Ⅱ.名称に関する項目
6.慣用名,別名,略号,記号番号
略
号:CPFX(日本化学療法学会)
開発記号:BAY q 3939
7.
CAS登録番号
85721-33-1
4
Ⅲ.有効成分に関する項目
Ⅲ.
1.
有効成分に関する項目
物理化学的性質
(1)外観・性状
本品は微黄白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。
(2)溶 解 性
本品の各種溶媒及びpH溶液に対する溶解性を日局13,通則第23項に準じて測定した。
■シプロフロキサシンの各種溶媒に対する溶解性(20℃)
溶媒名
本品 1g を溶かすのに必要な溶媒量
(mL)
5
酢酸(100)
日局による表現
溶けやすい
ジクロロメタン
2500
極めて溶けにくい
水
30500
ほとんど溶けない
アセトニトリル
23700
ほとんど溶けない
メタノール
12400
ほとんど溶けない
エタノール(99.5)
38500
ほとんど溶けない
アセトン
22600
ほとんど溶けない
酢酸エチル
105000
ほとんど溶けない
ジエチルエーテル
4310000
ほとんど溶けない
■シプロフロキサシンの各種pH溶液における溶解性(20℃)
PH 溶液
本品 1g を溶かすのに必要な溶媒量
(mL)
0.1mol/L 塩酸試液
31
日局による表現
やや溶けにくい
pH3 緩衝液
3040
極めて溶けにくい
pH5 緩衝液
1060
極めて溶けにくい
pH7 緩衝液
17100
ほとんど溶けない
PH9 緩衝液
7560
極めて溶けにくい
0.1mol/L 希水酸化ナトリウム試液
32
やや溶けにくい
各種pH緩衝液はSörensenの緩衝液を用いた。
(3) 吸 湿 性
25℃の条件下,相対湿度60%及び80%の7日間保存の条件下では,約0.5%,90%の10日間保存の条件下では約
20%の水分増加が認められた。
5
Ⅲ.有効成分に関する項目
(4) 融点(分解点),沸点,凝固点
273℃(分解)
(5)酸塩基解離定数
pKa1=6.5(カルボン酸)
pKa2=8.9(ピペラジン)
(6)分配係数
シプロフロキサシンの各種 pH におけるオクタノール・水系の分配係数を求めた。(測定温度:37℃)
分配係数
(n-オクタノール/水層)
水層
0.1mol/L 塩酸試液
0.0000
pH3 緩衝液
0.0000
pH5 緩衝液
0.0000
pH7 緩衝液
0.0799
pH9 緩衝液
0.0281
0.1mol/L 水酸化ナトリウム試液
0.0000
(7)その他の主な示性値
旋光度:示さない
pH:約7(飽和水溶液)
2.有効成分の各種条件下における安定性
原薬の安定性
本剤は温度及び光に対して安定であり,湿度に対しては吸湿したものの,顕著な変化は認めらなかった。
試験項目
苛
酷
保存容器
保存期間
60℃
気密容器
8週間
40℃
密閉容器
60ヶ月
40℃90%RH
開放容器
温度
湿度
試
験
保存条件
光
キセノンライ
ト
(約50,000ルクス)
長期保存試験
25℃60%RH
無色透明の
気密容器
密閉容器
結
果
変化は認められず安定であった。
変化は認められず安定であった。
水分が20%増加したが,定量値に変化は認め
られず安定であった。
48時間
微黄白色から淡黄白色への外観変化が認め
(総照射量 られたが,定量値に変化は認められず安定で
約240万 あった。
ルクス・時)
変化は認められず安定であった。
60ヶ月
8週間
測定項目:性状,類縁物質,乾燥減量,定量
6
Ⅲ.有効成分に関する項目
溶液中での安定性
溶
媒
0.1mol/mL
塩酸試液
温度
光
0.1mol/mL
水酸化ナト
リウム試液
温度
光
保存条件
保存期間
結
果
-
開始時
変化なし
90℃
20 時間
エチレンジアミン体約 2.5%等,類縁物質の総量約
2.9%の増加がみられた。
キセノンライト
48 時間(総照射量
(約 50,000 ルク 約 240 万ルクス・
ス)
時)
エチレンジアミン体約 16.3%等,類縁物質の総量
約 22.7%の増加がみられた。
-
開始時
変化なし
90℃
20 時間
エチレンジアミン体約 1%等,類縁物質の総量約
1.2%の増加がみられた。
キセノンライト
48 時間(総照射量
(約 50,000 ルク 約 240 万ルクス・
ス)
時)
エチレンジアミン体約 11.34%,未知類縁物質等,
類縁物質の総量約 42.3%の増加がみられた。
3.有効成分の確認試験法
(1) 赤外吸収スペクトル測定法(臭化カリウム錠剤法)
確認方法:参照スペクトル法
■シプロフロキサシンの参照スペクトル
シプロフロキサシンの参照スペクトル
(2) 薄層クロマトグラフ法
操作条件
吸 着 剤:薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)
(展開前にアンモニア蒸気中に約15分間放置する)
展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(25) /
アセトニトリル混液(4:4:2:1)
塗 布 量:本品及びシプロフロキサシン標準品のアンモニア溶液各
5μL(シプロフロキサシン50μg相当)
展開距離:約10cm
検 出 法:紫外線(主波長 254nm)
7
Ⅲ.有効成分に関する項目
4.
有効成分の定量法
液体クロマトグラフ法
操作条件
検
出
器:紫外吸光光度計(測定波長:278nm)
カ
ラ
ム:内径4mm,長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲ
ルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移
流
動
相:pH3.0の0.025mol/Lリン酸緩衝液/アセトニトリル混液(87:13)
量:シプロフロキサシンの保持時間が約7分になるように調整する。
8
Ⅳ.製剤に関する項目
Ⅳ.
1.
製剤に関する項目
剤
形
(1)製剤の区別,外観及び性状
剤形の区別
規格
性状
シプロキサン注 200mg
シプロキサン注 400mg
液体の注射剤
液体の注射剤
1バッグ(100mL)中,
1バッグ(200mL)中,
シプロフロキサシン 200mg シプロフロキサシン 400mg
無色~微黄色澄明の注射液
(2)溶液及び溶解時のpH,浸透圧比,粘度,比重,安定なpH域等
pH:3.9~4.5
浸透圧比:0.99~1.10
(3)注射剤の容器中の特殊な気体の有無及び種類
該当しない
2. 製剤の組成
(1)有効成分(活性成分)の含量
シプロキサン注200mg:1バッグ中シプロフロキサシン200mg
シプロキサン注400mg:1バッグ中シプロフロキサシン400mg
(2)添 加 物
製剤
シプロキサン注200mg
シプロキサン注400mg
(1バッグ中)
(1バッグ中)
L-乳酸
71.5mg*
143mg*
塩化ナトリウム
900mg
1800mg
pH調整剤
適量
適量
添加物
*90%濃度の乳酸溶液での重量/日局「乳酸」
(3)電解質の濃度
塩化ナトリウム0.9%を含有する。
Na:154mEq/L
3.
注射剤の調製法
原則として,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈して使用する。
9
Ⅳ.製剤に関する項目
〔注意〕
・ 製品の品質を保持するため,ソフトバッグの外袋は使用時まで開封しないこと。外袋より取り出した後は,直射日光
を避けて保存すること。
・ 本剤は低温保存によりシプロフロキサシン由来の結晶が析出することがあるが,室温で再溶解されたものについて品
質上問題がないことを確認している。
4.懸濁剤,乳剤の分散性に対する注意
該当しない
5.製剤の各種条件下における安定性
(1)シプロキサン注200mg
■加速試験(保存条件:40℃25%RH,保存形態:ポリエチレン製バッグ+遮光袋)
6ヶ月間保存した結果,変化は認められず安定であった。
■水分損失試験(保存条件:25℃40%RH,保存形態:ポリエチレン製バッグ+遮光袋)
6 ヶ月間保存した結果,約 0.7%の水分損失が認められ,その損失量は直線的であった。
■光照射試験
保存条件
保存形態
キセノンライト
(約 30,000 ルクス)
ポリエチレン製
バッグ+遮光袋
蛍光灯
(約 1,000 ルクス)
ポリエチレン製
バッグ
保存期間
40 時間
(総照射量
120 万ルクス・時)
100 時間
(総照射量
10 万ルクス・時)
試験結果
変化はみられず安定であった。
類縁物質が約 0.2%増加し,それらに伴
う含量の低下がみられた。
■容器との相互作用(保存条件:60℃,保存形態:ポリエチレン製バッグ+遮光袋)
3 ヶ月間保存した結果,変化は認められず安定であった。
(2)シプロキサン注400mg
試験
温度
湿度
60%RH
40%RH
光
長期保存試験
25℃
加速試験
40℃
75%RH
―
過酷試験
(光)
―
―
昼光色
蛍光ラ
ンプ
―
保存形態
ポリエチレン製バッグ
+遮光袋
ポリエチレン製バッグ
+遮光袋
保存期間
試験結果
24 ヶ月
24ヶ月まで規格に適合した※
6ヶ月
6 ヶ月まで規格に適合した※
ポリエチレン製バッグ
120 万 lx・hr
+遮光袋
120 万 lx・hr まで安定
※水分の損失に明確な品質の変化を認めなかった。
6.溶解後の安定性
本剤を投与する際には,原則として,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈して,1 時間かけて投与する(30
分以内の点滴静注は避ける)。すでに補液等が投与されている場合,側管に連結して投与することができる。
ただし,薬剤によっては配合変化を生じることがあるので注意すること。
10
Ⅲ.有効成分に関する項目
シプロキサン注 200mg(100mL)を各種輸液 100mL で希釈した場合の安定性
200mg1)
薬剤種
薬剤名
アクチット輸液
大塚生食注
大塚糖液 5%
KN3 号輸液
サヴィオゾール輸液
ソリタ-T3 号輸液
輸液
低分子デキストラン L 注
ハルトマン輸液 pH8「NP」
フィジオゾール 3 号輸液
マルトス輸液 10%
ラクテック注
ラクテック G 輸液
アミノレバン点滴静注
アミパレン輸液
トリパレン 1 号輸液
アミノ酸製剤 トリパレン 2 号輸液
及び
高カロリー輸液 ハイカリック液-1 号
ハイカリック液-2 号
プラスアミノ輸液
プロテアミン 12X 注射液
会社名
配合量
興和=興和創薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
エイワイファーマ=陽進堂
大塚工場=大塚製薬
ニプロ
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
テルモ
テルモ
大塚工場=大塚製薬
テルモ
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
外観変化
pH
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
Ⅰ
-
-
-
-
5.0
5.0
Ⅰ
-
-
-
-
4.1
4.1
Ⅰ
-
-
-
-
4.1
4.1
Ⅰ
-
-
-
-
4.6
4.7
Ⅰ
-
-
-
-
4.9
5.0
Ⅰ
-
-
-
-
4.6
4.6
Ⅰ
-
-
-
-
4.6
4.8
Ⅰ
-
-
-
-
5.1
5.0
4.4
Ⅰ
-
-
-
-
4.4
Ⅰ
-
-
-
-
4.1
4.1
Ⅰ
-
-
-
-
4.9
4.9
Ⅰ
-
-
-
-
4.8
4.9
Ⅰ
-
-
-
-
5.6
5.6
Ⅰ
- 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 6.7
6.6
Ⅰ
-
-
-
-
4.5
4.6
Ⅰ
-
-
-
-
4.5
4.6
Ⅰ
-
-
-
-
4.5
4.4
Ⅰ
-
-
-
-
4.5
4.4
Ⅰ
-
-
-
-
4.5
4.5
Ⅰ
-
-
- 白色沈殿 6.0
6.1
シプロフロキサシン残存率(%)
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
100.0 100.9 103.0 98.1
100.0 100.0 99.5 101.5
100.0 102.3 103.0 100.9
100.0 98.6 103.6 103.2
100.0 102.8 102.2 101.7
100.0 99.6 97.8 99.1
100.0 101.7 102.6 103.7
100.0 101.2 104.4 102.4
100.0 99.9 101.1 99.9
100.0 96.8 98.0 95.8
100.0 100.3 101.1 99.4
100.0 100.9 98.9 99.1
100.0 101.7 100.8 101.1
100.0 98.5 90.0 22.6
100.0 101.6 103.8 98.6
100.0 101.6 103.8 98.6
100.0 96.1 102.0 100.2
100.0 96.2 99.8 99.1
100.0 99.2 99.9 99.2
100.0 100.0 98.7 97.9
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/検査未実施であることを示す
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 200mg(100mL)+配合薬剤 100mL
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
11
Ⅳ.製剤に関する項目
シプロキサン注 300mg(150mL)(400mg※)を各種輸液 100mL で希釈した場合の安定性
300mg2,3,4)
薬剤種
輸液
※400mg 製剤は 300mg 製剤と同一濃度製剤のため、300mg 製剤の結果を参照
外観変化
pH
シプロフロキサシン残存率(%)
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
会社名
配合量
アクチット輸液
ヴィーン D 輸液
興和=興和創薬
興和=興和創薬
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
-
-
ヴィーン F 輸液
興和=興和創薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
ヴィーン 3G 輸液
興和=興和創薬
100mL
Ⅰ
-
-
大塚生食注
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
大塚糖液 5%
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
大塚糖液 50%
キリット注 5%
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
グリセオール注
中外
100mL
KNMG3 号輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
KN3 号輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
サヴィオゾール輸液
大塚工場=大塚製薬
ソリタ-T1 号輸液
ソリタ-T3 号輸液
薬剤名
5.0
5.1
5.0
5.1
5.5
5.4
5.5
-
-
-
僅かに白色
針状浮遊物
-
100.0
98.5
99.5
98.8
4.8
4.8
4.8
5.5
99.4
99.2
99.5
94.7
4.8
102.7
99.3
102.2
99.0
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
-
-
-
4.2
4.2
4.2
100.0
100.4
98.7
99.9
100.0
99.2
99.6
-
-
-
-
-
-
-
-
4.2
4.1
4.1
4.1
4.2
4.2
99.0
4.1
4.2
101.5
100.0
102.1
102.6
99.5
101.6
101.1
103.6
Ⅰ
-
-
-
-
4.1
4.1
Ⅰ
-
-
-
-
4.6
4.6
4.1
4.1
100.0
100.6
100.6
100.7
4.6
4.6
100.0
100.8
99.9
Ⅰ
-
-
-
-
4.6
99.8
4.7
4.6
4.6
100.0
98.2
98.4
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
99.4
4.9
4.9
4.9
4.9
100.0
99.8
100.4
101.1
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
-
-
100mL
Ⅰ
-
-
100mL
Ⅰ
-
-
ソルラクト輸液
エイワイファーマ=陽進堂
エイワイファーマ=陽進堂
エイワイファーマ=陽進堂
テルモ
テルモ
-
-
4.5
4.6
4.5
4.6
4.5
4.7
4.6
4.6
100.0
100.0
99.7
99.7
100.2
100.5
99.8
101.3
-
-
4.4
4.4
4.4
4.4
100.0
100.3
99.9
100.8
-
-
4.7
4.7
4.8
4.7
100.0
100.7
100.6
100mL
Ⅰ
-
98.3
-
-
-
4.8
4.8
4.8
4.8
100.0
100.3
99.9
トリフリード輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
99.2
-
-
-
4.7
4.7
4.7
4.6
100.0
99.6
101.0
ハルトマン輸液 pH8「NP」
ビカーボン輸液
ニプロ
エイワイファーマ=陽進堂
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
99.8
-
-
-
-
4.9
6.6
4.9
6.6
4.9
6.8
4.9
6.9
100.0
58.8
99.5
19.8
100.5
12.2
101.3
8.6
フィジオ 35 輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
フィジオ 140 輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.8
4.8
4.8
4.9
100.7
99.6
100.3
99.7
-
-
-
5.4
5.4
5.3
5.3
100.0
100.2
100.4
100.2
フィジオゾール 3 号輸液 大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
ポタコール R 輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.4
4.5
4.5
4.4
100.0
99.5
100.1
99.2
-
-
-
-
4.7
4.7
4.6
4.6
101.1
100.3
100.7
100.6
マルトス輸液 10%
マンニットール S 注射液
大塚工場=大塚製薬
陽進堂
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
100.0
100.0
100.1
100.4
100.9
101.6
100.2
101.6
ラクテック注
大塚工場=大塚製薬
ラクテック G 輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.8
4.8
4.8
4.7
100.0
100.2
102.4
102.4
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.8
4.8
4.8
4.7
100.0
99.0
99.4
101.2
リンゲル液「オーツカ」 大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
100.0
100.4
100.3
99.5
アミノトリパ 1 号輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
5.4
5.4
5.4
5.4
100.0
101.8
100.8
101.3
アミノトリパ 2 号輸液
トリパレン 1 号輸液
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
-
-
-
-
5.4
4.6
5.4
4.6
5.4
4.6
5.4
4.6
100.0
100.0
99.9
100.2
99.4
100.8
99.6
98.9
トリパレン 2 号輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.6
99.1
Ⅰ
-
-
-
-
5.4
4.5
5.4
100.0
100mL
4.6
5.4
100.0
大塚工場=大塚製薬
4.6
5.4
100.0
ネオパレン 1 号輸液
100.0
99.5
100.1
99.4
ネオパレン 2 号輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
5.2
5.3
5.3
5.3
100.0
100.2
100.1
100.1
ハイカリック RF 輸液
テルモ
100mL
ソリタ-T4 号輸液
ソルデム 3A 輸液
-
-
結晶析出 結晶増加
5.0
5.1
4.9
5.1
98.9
98.9
99.9
98.4
Ⅰ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.4
101.8
101.4
100.7
100.7
ハイカリック液-1 号
テルモ
高カロリー
ハイカリック液-2 号
テルモ
輸液
ピーエヌツイン-1 号輸液 MeijiSeika
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
-
-
-
-
4.4
4.3
4.4
4.4
4.4
4.4
4.3
4.3
100.0
100.0
99.6
100.0
100.7
100.9
101.9
102.5
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.9
4.9
4.9
4.9
100.0
101.5
102.2
102.5
ピーエヌツイン-2 号輸液 MeijiSeika
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
5.0
5.0
5.0
5.0
100.0
100.7
100.8
100.6
ピーエヌツイン-3 号輸液 MeijiSeika
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
5.1
5.1
5.1
5.1
100.0
99.9
96.7
99.8
フルカリック 1 号輸液
テルモ=田辺三菱
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
5.0
5.0
4.9
4.9
99.4
99.6
100.9
99.6
フルカリック 2 号輸液
フルカリック 3 号輸液
テルモ=田辺三菱
テルモ=田辺三菱
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
-
-
-
-
5.2
5.3
5.2
5.3
5.1
5.3
5.1
5.3
99.0
99.9
99.2
99.9
99.4
100.7
98.9
99.9
ユニカリック L 輸液
テルモ=田辺三菱
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
100.0
100.5
99.4
101.0
ユニカリック N 輸液
テルモ=田辺三菱
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
100.0
100.3
99.2
99.9
アミカリック輸液
テルモ=田辺三菱
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.9
5.0
5.0
4.9
100.0
100.1
101.6
101.6
アミグランド輸液
テルモ=田辺三菱
100mL
Ⅰ
-
-
僅かに
結晶析出
結晶析出
6.1
6.1
6.1
5.9
101.3
100.6
101.6
58.6
アミゼット B 輸液
アミニック輸液
テルモ=田辺三菱
Ⅰ
Ⅰ
-
-
結晶析出 結晶増加
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
6.3
6.6
6.1
6.2
6.0
100.0
83.4
99.9
77.8
25.1
エイワイファーマ=陽進堂
100mL
100mL
アミノフリード輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
アミノレバン点滴静注
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
アミパレン輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
キドミン輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
ツインパル輸液
ネオアミユー輸液
MeijiSeika
MeijiSeika
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
パレセーフ輸液
MeijiSeika
100mL
Ⅰ
-
アミノ酸
製剤
白色沈殿 白色沈殿
6.1
6.1
6.1
5.9
100.0
99.9
99.7
38.9
5.4
5.4
5.4
5.4
100.0
100.0
100.5
98.9
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
6.5
6.4
6.4
6.3
100.0
62.4
42.2
19.5
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
6.4
6.2
6.2
6.1
100.0
79.6
26.7
16.0
-
結晶析出 結晶増加
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
微量の
-
結晶増加
結晶析出
6.1
6.3
6.1
6.1
5.9
6.1
5.8
6.1
100.0
100.0
100.4
75.7
99.1
33.3
70.5
17.1
6.1
6.1
6.2
6.0
100.0
98.8
94.0
57.5
-
-
僅かに
結晶析出
結晶析出
ビーフリード輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
6.2
6.3
6.2
6.1
100.7
99.9
100.3
41.0
プラスアミノ輸液
大塚工場=大塚製薬
100mL
Ⅰ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.3
100.0
100.7
100.9
100.8
プロテアミン 12 注射液
テルモ
100mL
Ⅰ
-
-
-
マックアミン輸液
モリプロン F 輸液
日本製薬=武田
100mL
100mL
Ⅰ
Ⅰ
-
-
-
-
100mL
Ⅰ
モリヘパミン点滴静注
MeijiSeika
エイワイファーマ
=味の素製薬
白色沈殿
5.9
5.9
5.9
5.7
100.0
99.5
98.3
49.4
-
白色沈殿
白色沈殿 白色沈殿
6.0
5.9
6.0
5.8
6.0
5.8
5.8
5.8
100.0
100.0
100.8
99.9
100.1
99.9
52.1
48.5
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
6.4
6.3
100.0
31.3
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/表示は,検査未実施であることを示す
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
12
Ⅳ.製剤に関する項目
7.他剤との配合変化
(物理化学的変化)
本剤と配合した時に,沈殿,混濁,変色が認められた場合には投与しないこと。特にアルカリ性の溶液と配合しな
いこと(本剤の pH は 3.9~4.5 の範囲である)
pH 変動試験成績
製
剤
試
料
試料 pH
原
液
4.27
シプロキサン注
200mg
希釈液*1
滴下試薬
変化点 pH
滴下量 mL
移動指数
変化所見
0.1mol/L HCl
(1.90)
10.00
2.37
――――
0.1mol/L NaOH
5.25
2.30
0.98
白色結晶
0.1mol/L HCl
(1.84)
10.00
2.45
――――
0.1mol/L NaOH
5.71
2.50
1.42
白色結晶
4.29
*1 : シプロキサン注 200mg(100mL) + 生理食塩液 100mL
変化点 pH : 変化点なしの試料に関しては試料の最終時点での pH を( )に記載.
移動指数 : 試料 pH - 変化点 pH
滴下量
: MAX.10.00mL
pH 変動試験成績
製
剤
※400mg 製剤は 300mg 製剤と同一濃度製剤のため、300mg 製剤の結果を参照
試
料
試料 pH
原
液
4.27
希釈液*1
シプロキサン注
液
希釈液*1
変化点 pH
滴下量 mL
移動指数
変化所見
0.1mol/L HCl
(1.97)
10.00
2.30
――――
0.1mol/L NaOH
5.22
2.25
0.95
白色結晶
0.1mol/L HCl
(1.84)
10.00
2.43
――――
0.1mol/L NaOH
5.53
2.60
1.26
白色結晶
0.1mol/L HCl
(1.91)
10.00
2.36
――――
0.1mol/L NaOH
5.24
2.30
0.97
白色結晶
0.1mol/L HCl
(1.87)
10.00
2.41
――――
0.1mol/L NaOH
5.56
2.70
1.28
白色結晶
4.27
300mg(400mg※)
原
滴下試薬
4.27
4.28
*1 : シプロキサン注 300mg(150mL) + 生理食塩液 100mL
変化点 pH : 変化点なしの試料に関しては試料の最終時点での pH を( )に記載.
移動指数 : 試料 pH - 変化点 pH
滴下量
: MAX.10.00mL
13
Ⅳ.製剤に関する項目
シプロキサン注200mgと他剤との配合変化1,4)
薬剤種
輸液
アミノ酸製剤
及び
高カロリー輸液
ビタミン剤
抗生物質
及び
抗菌剤
その他の
注射剤
薬剤名
会社名
興和=興和創薬
アクチット輸液
大塚生食注
大塚工場=大塚製薬
大塚糖液 5%
大塚工場=大塚製薬
KN3 号輸液
大塚工場=大塚製薬
サヴィオゾール輸液 大塚工場=大塚製薬
ソリタ-T3 号輸液
エイワイファーマ=陽進堂
低分子デキストラン L 注 大塚工場=大塚製薬
ハルトマン輸液 pH8「NP」 ニプロ
フィジオゾール 3 号輸液 大塚工場=大塚製薬
マルトス輸液 10%
大塚工場=大塚製薬
ラクテック注
大塚工場=大塚製薬
ラクテック G 輸液
大塚工場=大塚製薬
アミノレバン点滴静注 大塚工場=大塚製薬
アミパレン輸液
大塚工場=大塚製薬
トリパレン 1 号輸液 大塚工場=大塚製薬
トリパレン 2 号輸液 大塚工場=大塚製薬
ハイカリック液-1 号 テルモ
ハイカリック液-2 号 テルモ
プラスアミノ輸液
大塚工場=大塚製薬
プロテアミン 12X 注射液 テルモ
アリナミン F50 注
武田
オーツカ MV 注
大塚工場=大塚製薬
ケイツーN 静注 10mg エーザイ
ナイクリン注射液 20mg トーアエイヨー=アステラス
ネオラミン・スリービー液(静注用)日本化薬
パントシン注 10%
第一三共エスファ
パントール注射液 100mg トーアエイヨー=アステラス
ビスラーゼ注射液 10mg トーアエイヨー=アステラス
ビタメジン静注用
第一三共
フォリアミン注射液 日本製薬=武田
フレスミン S 注射液 1000μg エイワイファーマ=陽進堂
メタボリン G 注射液 10mg 武田
メチコバール注射液 500μg エーザイ
アザクタム注射用 1g エーザイ
アミカシン硫酸塩注射液 200mg「日医工」 日医工
エクサシン注射液 200 旭化成ファーマ
カルベニン点滴用 0.5g 第一三共
ゲンタシン注 40
MSD
ジフルカン静注液 100mg ファイザー
スルペラゾン静注用 1g ファイザー
セフォペラジン注射用 1g 富山化学=大正富山
セフメタゾン静注用 1g 第一三共
ハベカシン注射液 100mg MeijiSeika
塩酸バンコマイシン点滴静注用 0.5g 塩野義
パンスポリン静注用 1g 武田
ファンギゾン注射用 50mg ブリストル・マイヤーズ
フルマリン静注用 1g 塩野義
ペントシリン注射用 1g 富山化学=大正富山
ホスミシン S 静注用 1g MeijiSeika
ミノマイシン点滴静注用 100mg ファイザー
モダシン静注用 1g
GSK
アドナ注(静脈用)50mg 田辺三菱=田辺販売
イノバン注 100mg
協和発酵キリン
献血ヴェノグロブリン IH
日本血液製剤機構
5%静注 2.5g/50mL
ウロキナーゼ静注用6万単位
持田
注射用エフオーワイ 500
小野
ガスター注射液 20mg
アステラス
グラン注射液 75
協和発酵キリン
ザンタック注射液 50mg
GSK=第一三共
ジギラノゲン注 0.4mg
共和クリティケア
ソルダクトン静注用 200mg ファイザー
ソル・メドロール静注用 40mg ファイザー
タガメット注射液 200mg
大日本住友
ドブトレックス注射液 100mg 塩野義
配合量
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
100mL
20mL
1 セット
1mL
1mL
10mL
2mL
1mL
1mL
1 バイアル/生食 5mL
1mL
1mL
1mL
1mL
1g/生食 10mL
2mL
2mL
0.5g/生食 10mL
1mL
50mL
1g/生食 10mL
1g/生食 10mL
1g/生食 10mL
2mL
0.5g/生食 10mL
1g/生食 10mL
50mg/生食 10mL
1g/生食 10mL
1g/生食 10mL
1g/生食 10mL
100mg/生食 10mL
1g/生食 10mL
0.5% 10mL
5mL
50mL
1バイアル/生食10mL
1バイアル/生食10mL
20mg/生食5mL
0.3mL
2mL
2mL
200mg/生食5mL
1バイアル/生食10mL
2mL
5mL
配合
方法
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
外観変化
pH
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
-
-
-
-
5.0
5.0
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.6
4.7
-
-
-
-
4.9
5.0
-
-
-
-
4.6
4.6
-
-
-
-
4.6
4.8
-
-
-
-
5.1
5.0
-
-
-
-
4.4
4.4
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.9
4.9
-
-
-
-
4.8
4.9
-
-
-
-
5.6
5.6
- 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 6.7
6.6
-
-
-
-
4.5
4.6
-
-
-
-
4.5
4.6
-
-
-
-
4.5
4.4
-
-
-
-
4.5
4.4
-
-
-
-
4.5
4.5
-
-
- 白色沈殿 6.0
6.1
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.8
4.8
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.5
4.5
-
-
-
-
4.1
4.0
-
-
-
-
4.3
4.3
-
-
-
-
4.1
4.1
黄色沈殿
4.1
-
-
-
-
4.4
4.4
黄色沈殿
4.3
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.1
4.1
-
-
-
-
4.9
4.9
-
-
-
-
4.9
4.9
-
-
-
-
4.4
4.4
-
-
-
-
5.5
5.2
-
-
-
-
4.2
4.2
-
-
-
-
4.3
4.3
白色沈殿
4.3
白色沈殿
4.5
-
-
-
-
4.3
4.2
-
-
-
-
4.4
4.4
-
-
-
-
4.1
4.1
- 白色沈殿
6.0
黄色沈殿 黄色沈殿 黄色沈殿 黄色沈殿 5.0
5.0
-
-
-
-
4.3
4.5
-
-
-
-
4.3
4.3
白色沈殿
7.1
-
-
-
-
3.7
3.8
-
-
-
-
5.6
5.6
-
-
-
-
4.2
4.3
-
-
-
-
4.3
4.2
-
-
Ⅲ
-
Ⅲ
-
Ⅲ
-
Ⅱ
-
Ⅱ
-
Ⅱ
Ⅲ 白色沈殿
-
Ⅲ
-
Ⅱ
Ⅱ
-
シプロフロキサシン残存率(%)
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
100.0 100.9 103.0 98.1
100.0 100.0 99.5 101.5
100.0 102.3 103.0 100.9
100.0 98.6 103.6 103.2
100.0 102.8 102.2 101.7
100.0 99.6 97.8 99.1
100.0 101.7 102.6 103.7
100.0 101.2 104.4 102.4
100.0 99.9 101.1 99.9
100.0 96.8 98.0 95.8
100.0 100.3 101.1 99.4
100.0 100.9 98.9 99.1
100.0 101.7 100.8 101.1
100.0 98.5 90.0 22.6
100.0 101.6 103.8 98.6
100.0 101.6 103.8 98.6
100.0 96.1 102.0 100.2
100.0 96.2 99.8 99.1
100.0 99.2 99.9 99.2
100.0 100.0 98.7 97.9
100.0 100.5 101.5 101.1
100.0 99.6 99.0 99.5
100.0 99.5 101.5 99.9
100.0 99.7 99.8 100.6
100.0 100.6 100.1 99.6
100.0 99.0 97.7 99.1
100.0 98.4 96.1 99.5
102.6
100.0 98.4 98.8 97.5
100.6
100.0 101.6 101.4 102.1
100.0 100.0 98.2 100.7
100.0 100.2 99.5 99.7
100.0 98.4 99.9 99.9
100.0 102.5 101.0 99.7
100.0 101.0 100.5 98.7
100.0 97.4 96.8 91.2
100.0 99.0 100.4 98.2
100.0 101.3 101.4 100.8
87.4
39.3
100.0 100.6 100.0 99.0
100.0 102.8 102.9 101.9
100.0 98.9 100.8 99.3
100.0 76.5
100.0 97.9 96.7 97.3
100.0 100.7 100.4 100.8
100.0 101.1 101.3 99.8
9.5
100.0 98.7 99.5 99.5
100.0 99.0 101.0 99.4
100.0 101.0 102.8 100.3
100.0 100.0 101.1 98.8
-
-
-
5.0
4.9
100.0 100.1 100.2
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5.3
4.2
4.2
4.2
4.3
4.2
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5.2
4.2
4.2
4.2
4.3
4.2
6.3
4.8
4.3
4.3
100.0 98.9 99.6 99.6
100.0 99.9 100.5 98.8
100.0 99.1 99.1 97.5
100.0 99.7 99.9 99.5
100.0 99.3 99.5 99.7
100.0 100.3 100.5 99.1
45.2
100.0 98.9 98.7 96.3
100.0 99.7 100.2 99.0
100.0 100.6 100.1 101.9
4.8
4.3
4.1
99.8
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/表示は,検査未実施であることを示す
配合方法 Ⅰ :シプロキサン注200mg(100mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ :シプロキサン注200mg(100mL)+配合薬剤 1瓶(1アンプル)
Ⅲ :シプロキサン注200mg(100mL)+配合薬剤 1瓶(1アンプル)+溶解液
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
14
Ⅳ.製剤に関する項目
シプロフロキサシン残存率(%)
外観変化
pH
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
その他の トランサミン注 5%
5mL
Ⅱ
-
-
-
-
5.3
5.3 100.0 101.2 102.3 101.1
第一三共
注射剤 ネオフィリン注 250mg*
10mL
Ⅱ 白色沈
7.7
24.2
エーザイ
1mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.2
4.2 100.0 96.7 97.6 95.5
ノイトロジン注100μg
中外
ビソルボン注 4mg
2mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.1
4.0 100.0 101.1 101.4 100.2
日本ベーリンガー
5-FU 注 250 協和
5mL
Ⅱ 白色沈
8.2
62.0
協和発酵キリン
1バイアル/生食10mL Ⅲ
-
-
-
-
4.2
4.2 100.0 100.6 99.4 100.9
注射用フサン 10
鳥居
5mL
Ⅳ 白濁沈 白濁沈 白濁沈 白濁沈 4.3
4.3
4.3
4.3
72.6 72.5 73.0 73.5
フラグミン静注5000単位/5mL ファイザー=キッセイ
2mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.2
4.2 100.0 100.4 101.5 99.8
プリンペラン注射液 10mg アステラス
ヘパリンナトリウム注 N
白色沈
5mL
Ⅱ
4.2
75.0
エイワイファーマ=陽進堂
5 千単位/5mL「AY」
殿
白色沈
ラシックス注 20mg
2mL
Ⅱ
-
-
-
4.3
4.2
100.0
99.5 100.1 90.7
サノフィ・アベンティス=日医工
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 200mg(100mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ:シプロキサン注 200mg(100mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
Ⅲ:シプロキサン注 200mg(100mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液
/表示は,検査未実施であることを示す
Ⅳ:シプロキサン注 200mg(100mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
*相互作用 本剤とテオフィリンとの併用により、テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な
2,3,4,5)
※
※400mg製剤は300mg製剤と同一濃度製剤のため、300mg製剤の結果を参照
処置を行う。
シプロキサン注300mg(400mg
)と他剤との配合変化
薬剤種
薬剤種
薬剤名
薬剤名
会社名
会社名
アクチット輸液
興和=興和創薬
ヴィーン D 輸液
興和=興和創薬
ヴィーン F 輸液
興和=興和創薬
ヴィーン 3G 輸液
興和=興和創薬
大塚生食注
大塚糖液 5%
大塚工場=大塚製薬
大塚工場=大塚製薬
大塚糖液 50%
大塚工場=大塚製薬
キリット注 5%
大塚工場=大塚製薬
グリセオール注
中外
KNMG3 号輸液
大塚工場=大塚製薬
KN3 号輸液
大塚工場=大塚製薬
サヴィオゾール輸液
大塚工場=大塚製薬
ソリタ-T1 号輸液
エイワイファーマ=陽進堂
ソリタ-T3 号輸液
エイワイファーマ=陽進堂
ソリタ-T4 号輸液
エイワイファーマ=陽進堂
ソルデム 3A 輸液
テルモ
ソルラクト輸液
テルモ
トリフリード輸液
大塚工場=大塚製薬
ハルトマン輸液 pH8「NP」
ニプロ
ビカーボン輸液
エイワイファーマ=陽進堂
フィジオ 35 輸液
大塚工場=大塚製薬
フィジオ 140 輸液
大塚工場=大塚製薬
輸液
フィジオゾール 3 号輸液 大塚工場=大塚製薬
ポタコール R 輸液
大塚工場=大塚製薬
マルトス輸液 10%
大塚工場=大塚製薬
マンニットール S 注射液
陽進堂
ラクテック注
大塚工場=大塚製薬
ラクテック G 輸液
大塚工場=大塚製薬
リンゲル液「オーツカ」大塚工場=大塚製薬
配合量
配合量
外観変化
pH
シプロフロキサシン残存率(%)
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
100mL
200mL
100mL
500mL
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
100mL
Ⅰ
500mL
100mL
500mL
100mL
100mL
100mL
500mL
100mL
300mL
100mL
200mL
100mL
200mL
100mL
200mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
200mL
100mL
500mL
100mL
200mL
100mL
250mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
500mL
100mL
250mL
100mL
300mL
100mL
250mL
500mL
100mL
250mL
100mL
500mL
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
僅かに白色
-
-
-
針状浮遊物
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
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-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
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-
-
-
-
-
-
-
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-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
結晶析出 結晶増加
-
-
-
-
結晶析出 結晶増加
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5.0
5.1
5.1
5.2
5.0
5.1
5.1
5.2
5.0
5.1
5.1
5.2
4.9
5.1
5.1
5.2
100.0
100.0
98.5
98.7
99.5
100.9
98.8
98.5
98.9
100.3
98.9
99.0
99.9
99.8
98.4
99.3
5.5
5.4
5.5
5.5
99.4
99.2
99.5
94.7
5.9
4.8
5.0
4.2
4.2
4.2
4.1
4.1
4.3
4.1
4.3
4.6
4.7
4.6
4.9
4.9
5.7
4.5
4.9
4.6
4.8
4.4
4.8
4.7
5.0
4.8
5.1
4.7
4.8
4.9
5.8
6.6
7.1
4.8
5.0
5.4
5.7
4.4
4.7
4.7
4.8
4.2
4.3
4.2
4.3
4.8
5.0
5.4
4.8
5.0
4.3
4.4
6.0
4.8
5.1
4.2
4.2
4.1
4.1
4.1
4.3
4.1
4.3
4.6
4.6
4.7
4.9
4.9
5.8
4.5
4.9
4.6
4.8
4.4
4.8
4.7
5.0
4.8
5.1
4.7
4.8
4.9
5.8
6.6
7.1
4.8
5.0
5.4
5.7
4.5
4.7
4.7
4.8
4.2
4.3
4.2
4.3
4.8
5.0
5.4
4.8
5.0
4.3
4.4
6.0
4.8
5.1
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.3
4.1
4.2
4.6
4.7
4.6
4.9
4.9
5.7
4.5
4.9
4.7
4.8
4.4
4.8
4.8
5.0
4.8
5.1
4.7
4.8
4.9
5.8
6.8
7.2
4.8
4.9
5.3
5.7
4.5
4.7
4.6
4.8
4.2
4.3
4.2
4.3
4.8
5.1
5.4
4.8
5.1
4.3
4.4
6.0
4.8
5.1
4.2
4.3
4.1
4.1
4.2
4.3
4.1
4.2
4.6
4.6
4.6
4.8
4.9
5.7
4.6
4.9
4.6
4.7
4.4
4.8
4.7
5.0
4.8
5.1
4.6
4.8
4.9
5.8
6.9
7.2
4.9
5.0
5.3
5.7
4.4
4.6
4.6
4.8
4.2
4.3
4.2
4.2
4.7
5.0
5.3
4.7
5.1
4.3
4.4
98.4
102.7
102.4
100.0
100.0
101.5
99.6
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
58.8
97.9
100.7
100.7
100.0
96.8
100.0
100.0
101.1
98.1
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.7
100.0
100.0
100.0
100.0
100.1
99.3
99.9
100.4
99.2
102.1
99.3
102.6
100.0
100.6
99.9
100.8
99.4
98.2
100.8
99.8
100.2
99.7
98.5
99.7
99.9
100.3
98.5
100.7
100.6
100.3
100.3
99.6
100.0
99.5
99.7
19.8
97.9
99.6
100.4
100.2
96.8
99.5
100.0
100.3
97.7
100.1
99.6
100.4
99.5
100.2
99.5
100.9
99.0
99.5
100.4
99.3
97.1
102.2
103.7
98.7
99.6
99.5
98.2
101.6
100.5
100.6
100.1
99.9
99.3
98.4
100.7
100.4
99.2
100.2
100.7
100.5
98.8
99.9
100.8
100.6
99.5
99.9
100.5
101.0
101.3
100.5
101.2
12.2
97.2
100.3
100.3
100.4
97.0
100.1
99.0
100.7
98.5
100.9
100.8
101.6
100.5
102.4
99.9
100.3
99.4
100.4
100.3
99.9
97.9
99.0
98.9
99.9
99.0
101.1
100.0
103.6
99.4
100.7
99.5
99.8
98.6
99.4
100.1
101.1
99.7
99.8
99.4
101.3
99.2
100.8
99.2
98.3
99.1
99.2
99.6
99.8
99.6
101.3
100.6
8.6
40.5
99.7
99.1
100.2
96.6
99.2
99.6
100.6
98.4
100.2
101.0
101.6
99.1
102.4
101.2
100.1
101.2
100.6
99.5
98.9
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
/表示は,検査未実施であることを示す
Ⅱ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
Ⅲ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶
(1 アンプル)
+溶解液+生食 100mL
Ⅳ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
*:相互作用
本剤とテオフィリンとの併用により,テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので,併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行う。
15
Ⅳ.製剤に関する項目
薬剤種
薬剤名
会社名
アミノトリパ 1 号輸液 大塚工場=大塚製薬
アミノトリパ 2 号輸液 大塚工場=大塚製薬
トリパレン 1 号輸液
大塚工場=大塚製薬
トリパレン 2 号輸液
大塚工場=大塚製薬
ネオパレン 1 号輸液
大塚工場=大塚製薬
ネオパレン 2 号輸液
大塚工場=大塚製薬
ハイカリック RF 輸液
テルモ
ハイカリック液-1 号
テルモ
高カロリー
ハイカリック液-2 号
輸液
テルモ
ピーエヌツイン-1 号輸液 エイワイファーマ=陽進堂
ピーエヌツイン-2 号輸液 エイワイファーマ=陽進堂
ピーエヌツイン-3 号輸液 エイワイファーマ=陽進堂
フルカリック 1 号輸液 テルモ=田辺三菱
フルカリック 2 号輸液 テルモ=田辺三菱
フルカリック 3 号輸液 テルモ=田辺三菱
ユニカリック L 輸液
テルモ=田辺三菱
ユニカリック N 輸液
テルモ=田辺三菱
アミカリック輸液
テルモ=田辺三菱
アミグランド輸液
テルモ=田辺三菱
アミゼット B 輸液
テルモ=田辺三菱
アミニック輸液
エイワイファーマ=陽進堂
アミノフリード輸液
大塚工場=大塚製薬
アミノレバン点滴静注 大塚工場=大塚製薬
アミノ酸
製剤
アミパレン輸液
大塚工場=大塚製薬
キドミン輸液
大塚工場=大塚製薬
ツインパル輸液
エイワイファーマ=陽進堂
ネオアミユー輸液
エイワイファーマ=陽進堂
パレセーフ輸液
エイワイファーマ=陽進堂
ビーフリード輸液
大塚工場=大塚製薬
配合量
100mL
850mL
100mL
900mL
100mL
400mL
100mL
400mL
100mL
1000mL
100mL
1000mL
100mL
500mL
100mL
700mL
100mL
700mL
100mL
1000mL
100mL
1100mL
100mL
1200mL
100mL
903mL
100mL
1003mL
100mL
1103mL
100mL
1000mL
100mL
1000mL
100mL
500mL
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
100mL
Ⅰ
-
-
500mL
100mL
200mL
100mL
300mL
100mL
100mL
200mL
100mL
200mL
100mL
300mL
100mL
1000mL
100mL
200mL
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
-
-
-
白色沈殿
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
白色沈殿
-
-
-
-
白色沈殿
-
白色沈殿
白色沈殿
-
-
白色沈殿
白色沈殿
日本製薬=武田
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
100mL
Ⅰ
-
-
500mL
Ⅳ
-
-
100mL
Ⅰ
-
-
1000mL
100mL
プラスアミノ輸液
大塚工場=大塚製薬
200mL
100mL
プロテアミン 12 注射液 テルモ
200mL
100mL
モリプロン F 輸液
エイワイファーマ=陽進堂
200mL
100mL
モリヘパミン点滴静注 エイワイファーマ
500mL
=味の素製薬
アスパラカリウム注 10mEq 田辺三菱
10mL
2mL
エレメンミック注
味の素製薬
ネオラミン・マルチ V 注射用 日本化薬=科研 1バイアル/注射用水5mL
200mg
パントシン注 10%
第一三共エスファ
ビタミン剤 パントール注射液 100mg トーアエイヨー=アステラス 100mg
2 筒 1 キット
ビタジェクト注キット テルモ
フラビタン注射液 20mg トーアエイヨー=アステラス
20mg
マルタミン注射用
エイワイファーマ=陽進堂 1バイアル/注射用水5mL
ミネラリン注
外観変化
pH
シプロフロキサシン残存率(%)
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
2mL
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
白色沈殿 白色沈殿
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
僅かに
結晶析出
-
結晶析出
結晶析出
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
-
-
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
結晶析出
-
白色沈殿
白色沈殿
微量の
結晶析出
超微量の
結晶析出
僅かに
結晶析出
-
-
-
-
-
白色沈殿
-
白色沈殿
白色沈殿
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5.4
5.5
5.4
5.6
4.6
4.6
4.6
4.6
5.4
5.6
5.2
5.3
4.4
4.4
4.4
4.4
4.3
4.4
4.9
5.0
5.0
5.1
5.1
5.2
5.0
5.0
5.2
5.3
5.3
5.4
4.3
4.3
4.3
4.3
4.9
5.2
5.4
5.5
5.4
5.5
4.6
4.6
4.6
4.6
5.4
5.6
5.3
5.3
4.4
4.4
4.4
4.4
4.4
4.4
4.9
5.0
5.0
5.1
5.1
5.2
5.0
5.0
5.2
5.3
5.3
5.5
4.3
4.3
4.3
4.3
5.0
5.2
5.4
5.5
5.4
5.5
4.6
4.6
4.6
4.6
5.4
5.5
5.3
5.3
4.4
4.4
4.4
4.4
4.4
4.4
4.9
5.0
5.0
5.1
5.1
5.2
4.9
5.0
5.1
5.2
5.3
5.4
4.3
4.3
4.3
4.3
5.0
5.2
5.4
5.5
5.4
5.5
4.6
4.6
4.5
4.6
5.4
5.6
5.3
5.4
4.4
4.5
4.3
4.4
4.3
4.4
4.9
5.0
5.0
5.1
5.1
5.1
4.9
5.0
5.1
5.2
5.3
5.4
4.3
4.3
4.3
4.3
4.9
5.2
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
101.8
100.8
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
99.4
96.9
99.0
97.6
99.9
100.5
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
101.8
99.0
99.9
99.2
100.2
99.5
100.0
99.9
99.5
99.5
100.2
99.5
101.4
100.1
99.6
99.9
100.0
100.7
101.5
101.0
100.7
100.4
99.9
100.0
99.6
96.9
99.2
98.5
99.9
99.3
100.5
100.6
100.3
100.2
100.1
100.6
100.8
100.4
99.4
102.0
100.8
99.3
100.0
100.0
100.1
99.5
100.1
99.2
100.7
100.1
100.7
99.8
100.9
100.2
102.2
102.5
100.8
100.0
96.7
100.3
100.9
98.9
99.4
98.4
100.7
99.3
99.4
99.5
99.2
100.0
101.6
101.0
101.3
99.6
99.6
99.2
98.9
99.2
99.1
100.2
99.4
97.5
100.1
98.6
100.7
101.2
101.9
99.6
102.5
100.2
102.5
100.6
100.6
100.8
99.8
100.2
99.6
97.4
98.9
97.4
99.9
100.5
101.0
100.1
99.9
100.1
101.6
101.3
結晶析出
6.1
6.1
6.1
5.9
101.3
100.6
101.6
58.6
-
結晶増加
結晶増加
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
-
-
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
結晶増加
-
白色沈殿
白色沈殿
6.5
6.3
6.2
6.6
7.0
6.1
5.4
5.6
6.5
6.7
6.4
6.9
6.1
6.6
6.3
6.8
6.5
6.1
6.2
6.5
6.2
6.4
6.4
6.0
6.3
101.0
99.9
99.5
101.1
77.8
97.3
101.0
25.1
43.3
7.0
6.1
5.4
5.6
6.4
6.7
6.2
6.8
6.1
6.6
6.1
6.7
7.0
6.1
5.4
5.6
6.4
6.6
6.2
6.9
5.9
6.4
6.1
6.8
100.8
100.0
100.0
83.4
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.5
99.9
100.0
101.4
62.4
101.3
79.6
99.2
100.4
99.8
75.7
97.7
94.8
99.7
100.5
100.5
42.2
86.6
26.7
74.5
99.1
99.7
33.3
48.1
結晶増加
6.1
6.1
6.2
6.0
100.0
98.8
94.0
57.5
微量の
結晶析出
6.6
6.6
6.6
6.5
100.0
98.5
98.2
94.2
結晶析出
6.2
6.3
6.2
6.1
100.7
99.9
100.3
41.0
-
-
-
白色沈殿
-
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
白色沈殿
-
-
-
-
-
-
-
-
6.8
4.4
4.4
5.9
6.0
5.9
5.8
6.4
7.0
5.3
4.3
4.5
4.4
4.4
4.1
4.3
4.5
6.8
4.4
4.4
5.9
6.0
5.8
5.8
6.3
6.9
5.3
4.3
4.6
4.4
4.3
4.0
4.2
4.5
6.7
4.4
4.4
5.9
5.9
5.8
5.9
6.8
4.3
4.4
5.7
6.0
5.8
5.8
104.8
100.8
100.6
49.4
100.8
48.5
99.2
7.0
5.3
4.3
4.7
4.4
4.3
4.2
4.3
4.5
104.0
100.7
100.2
99.5
100.5
99.9
99.4
31.3
99.6
99.5
97.7
99.9
100.3
100.6
99.7
101.0
100.5
103.7
100.9
99.1
98.3
100.4
99.9
99.9
7.0
5.2
4.3
4.5
4.4
4.3
4.1
4.2
4.5
104.1
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
99.4
98.1
100.0
100.5
99.8
102.3
100.0
100.0
101.2
100.7
98.8
100.1
101.8
101.1
100.6
100.0
100.5
57.3
101.6
98.1
97.6
100.0
98.6
98.3
99.4
99.9
-
4.3
4.3
4.3
4.3
100.0
99.5
99.9
100.0
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
Ⅲ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+生食 100mL
Ⅳ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
5.9
5.4
5.6
6.3
6.6
6.1
5.8
6.3
6.1
38.9
98.9
100.9
19.5
27.5
16.0
70.5
99.7
17.1
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/表示は,検査未実施であることを示す
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
16
Ⅳ.製剤に関する項目
薬剤種
薬剤名
会社名
配合量
アミカシン硫酸塩注射液 200mg「日医工」 日医工
200mg/生食 2mL
大日本住友
50mg/注射用水12mL
持田
300mg/生食500mL
アボット
0.5g/注射用水10mL
MeijiSeika
0.3g/生食 100mL
ウィンスロップ 1g/生食 10mL
ケイテン静注用 1g
=日医工
ケニセフ静注用 1g
大鵬薬品
1g/生食 10mL
ザイボックス注射液 600mg ファイザー
600mg
シオマリン静注用 1g 塩野義
1g/生食 10mL
セファメジンα注射用 1g アステラス
1g/生食 10mL
アムビゾーム点滴静注用50mg
アラセナ-A 点滴静注用 300mg
エリスロシン点滴静注用 500mg
オメガシン点滴用 0.3g
外観変化
pH
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
Ⅲ
-
-
-
-
4.8
4.8
4.8
4.8
Ⅶ 黄色懸濁 黄色懸濁 黄色懸濁 黄色懸濁 4.4
4.4
4.4
4.4
Ⅴ
-
-
-
-
3.7
3.7
3.7
3.6
Ⅲ
-
-
-
-
4.5
4.5
4.5
4.3
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
白色沈殿 白色沈殿
5.8
5.8
5.9
5.9
100.2
Ⅲ 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
Ⅳ
-
-
-
-
Ⅲ
-
-
-
-
Ⅲ
-
-
-
-
4.9
4.7
4.6
4.3
4.9
4.6
4.7
4.3
4.9
4.6
4.7
4.3
4.8
4.6
4.8
4.4
97.6 97.9 99.0 99.7
100.3 99.4 100.5 99.8
99.5 100.0 100.1 99.7
100.0 99.8 100.5 100.4
超微量の 微量の
結晶析出 結晶析出
4.6
4.6
4.6
4.5
100.0
98.5
98.2
96.2
Ⅲ 白色懸濁 白色懸濁 白濁沈殿 白濁沈殿
4.5
4.5
4.5
4.5
97.0
97.1
97.7
99.0
Ⅱ
-
- 白色沈殿 白色沈殿
Ⅴ
-
-
- 淡黄褐色澄明
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅲ
-
-
-
-
Ⅲ
-
- 白色沈殿 白色沈殿
50mg/生食100mL Ⅴ 白濁沈殿 白濁沈殿 白濁沈殿 白濁沈殿
黄色の 黄色の 黄色の 黄色の
50mg/5%ブドウ
ファンギゾン注射用 50mg ブリストル・マイヤーズ
Ⅵ
濁り 濁り 濁り 濁り
糖注射液10mL
5.7
5.4
4.7
4.2
6.2
4.4
5.7
5.3
4.7
4.2
6.2
4.4
5.7
5.3
4.7
4.2
6.3
4.4
5.4
5.0
4.6
4.2
6.3
4.4
99.2 98.7 98.8 74.4
100.4 100.9 98.1 98.6
100.0 100.2 97.2 97.1
101.9 101.4 100.8 100.1
101.5 99.7 79.0 25.6
97.4 97.3 98.5 96.9
4.8
4.8
4.9
4.8
101.2 100.5
フィニバックス点滴用 0.25g 塩野義
ブイフェンド 200mg
ファイザー
静注用
フルマリン静注用 1g 塩野義
ゾシン静注用 4.5
大鵬薬品=大正富山
4.5g
注射用タゴシッド 200mg サノフィ・アベンティス 200mg/生食 5mL
ダラシン S 注射液 300mg
チエナム点滴静注用 0.5g*
抗生物質
パニマイシン注射液 100mg
及び
抗菌剤 塩酸バンコマイシン点滴静注用 0.5g
ファーストシン静注用 1g
ファンガード点滴用 50mg
ファイザー
MSD
MeijiSeika
塩野義
武田
アステラス
Ⅱ
-
-
-
-
2mL
0.5g/生食100mL
2mL
0.5g/生食 10mL
1g/生食 20mL
0.25g/生食100mL Ⅴ
200mg/注射
用水 19mL
1g/生食 10mL
1.25mL
プロジフ静注液 100 ファイザー
2.50mL
注射用マキシピーム 1g ブリストル・マイヤーズ 1g/生食 20mL
メイセリン静注用 1g MeijiSeika=沢井 1g/生食 20mL
メロペン点滴用バイアル 0.5g 大日本住友
0.5g/生食 10mL
ユナシン-S 静注用 1.5g ファイザー
1.5g/生食 10mL
リンコシン注射液 600mg ファイザー
2mL
ロセフィン静注用 1g 中外
1g/生食 10mL
アクラシノン注射用 20mg メルシャン=アステラス
アドナ注(静脈用)50mg 田辺三菱=田辺販売
アドリアシン注用 10
協和発酵キリン
アレディア点滴静注用 30mg ノバルティス
アレビアチン注 250mg 大日本住友
インデラル注射液 2mg アストラゼネカ
注射用エラスポール 100 小野
注射用エンドキサン 100mg 塩野義
大塚食塩注 10%
大塚工場=大塚製薬
オメプラール注用 20
アストラゼネカ
オルガラン静注 1250 単位
MSD
オンコビン注射用 1mg 日本化薬
ガスター注射液 20mg
アステラス
その他の カタボン Hi 注 600mg
大正製薬=テバ製薬
注射剤 カルチコール注射液 8.5%5mL 日医工
静注用キシロカイン 2%
アストラゼネカ
ミノファーゲン=
強力ネオミノファーゲンシー静注
エーザイ
キロサイド注 20mg
日本新薬
キロサイド注 60mg
日本新薬
キロサイド注 200mg
日本新薬
K.C.L.点滴液 15%
丸石
Ⅲ
シプロフロキサシン残存率(%)
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
101.0 100.8 100.4 100.3
101.1 100.5 100.4 100.3
103.6 103.3 103.6 103.0
100.0 99.5 99.4 100.1
100.8 100.8 100.8 101.4
Ⅲ
1mL
3mL
10mL
20mL
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅴ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
20mg/生食 10mL
10mL
10mg/生食 1mL
30mg/生食5mL
5mL
2mL
100mg/生食 100mL
100mg/注射用水5mL
20mL
20mg/生食 20mL
1mL
1mg/生食 10mL
20mg/生食 20mL
0.3%200mL
5mL
5mL
5mL
20mL
98.9
98.5
99.9
92.0
100.6
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
101.8 100.7 101.1 101.0
-
-
-
-
4.3
4.3
4.2
4.2
101.4 100.9 101.8 101.7
4.4
5.5
5.9
4.3
4.3
6.5
7.4
4.2
5.0
4.3
4.4
4.2
4.5
5.9
4.3
4.1
4.3
4.3
4.5
4.3
4.3
4.3
4.2
4.6
4.2
4.4
4.7
4.3
4.5
4.8
4.3
4.4
5.5
5.7
4.3
4.3
6.5
7.4
4.2
5.0
4.3
4.4
4.3
4.5
5.6
4.2
4.2
4.3
4.2
4.5
4.3
4.3
4.3
4.2
4.7
4.3
4.4
4.7
4.3
4.5
4.8
4.3
4.4
5.5
5.6
4.3
4.3
6.5
7.3
4.2
5.0
4.3
4.5
4.2
4.5
5.5
4.2
4.1
4.3
4.2
4.5
4.3
4.3
4.3
4.2
4.7
4.3
4.4
4.3
4.5
4.8
4.3
4.4
5.4
5.4
4.4
4.2
6.5
7.3
4.2
5.0
4.3
4.4
4.3
4.5
5.5
4.2
4.3
4.3
4.3
4.5
4.3
4.3
4.4
4.2
4.7
4.3
4.3
4.7
4.4
4.5
4.8
4.3
101.8
99.9
101.3
100.0
100.0
93.8
71.7
100.0
97.2
100.1
100.5
100.8
100.3
43.7
100.0
98.1
100.1
100.2
101.0
83.5
100.8
102.3
99.3
101.1
101.0
100.0
100.0
100.0
100.6
99.0
100.9
-
-
-
-
-
-
-
-
- 結晶析出 結晶増加 -
-
-
-
-
-
-
-
-
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
-
-
-
-
白色懸濁 白色懸濁 白色懸濁 白色懸濁
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
結晶析出 結晶析出 結晶析出 結晶析出
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
微黄色透明 微褐色透明 微褐色透明 微褐色の濁り
結晶析出 結晶析出 結晶析出 結晶析出
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
101.9
100.5
92.3
100.1
100.3
37.5
22.0
100.3
98.9
101.2
101.1
101.9
100.0
30.0
100.4
103.1
100.8
101.6
100.1
83.2
100.8
101.9
97.4
100.4
101.1
101.0
100.4
101.0
99.8
99.9
99.4
98.0
99.6
69.9
100.3
100.7
21.0
14.5
99.7
99.1
102.1
100.7
101.6
101.4
28.8
101.6
103.6
100.4
102.2
100.4
83.2
100.7
102.6
99.6
101.9
100.5
101.1
101.3
101.3
99.3
100.0
101.1
99.0
56.4
98.1
100.3
10.9
9.3
99.2
98.5
103.0
101.0
102.3
102.0
28.9
100.5
97.5
101.1
101.0
99.6
83.5
101.8
103.8
99.8
101.0
100.8
100.9
100.5
101.3
100.5
99.9
97.5
コアテック注 5mg
エーザイ
5mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.3
4.4
4.3
4.2
101.4 101.6 101.1 100.3
ザンタック注射液 50mg
GSK=第一三共
2mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.4
100.4 101.0 101.4 100.6
サンディミュン点滴静注
ノバルティス
用 250mg
5mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
102.2 100.0 100.3 101.4
サンリズム注射液 50
5mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
101.8 101.2 101.4 101.8
第一三共
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
Ⅲ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+生食 100mL
/表示は,検査未実施であることを示す
Ⅳ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
Ⅴ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液
Ⅵ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
5%ブドウ糖注射液 500mL
Ⅶ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+
5%ブドウ糖液 100mL
*シプロキサン注300mgとチエナム点滴静注用0.5gとの配合において,試験開始3時間後以降に色調変化が認められるため,本剤との配合はなるべく
避けてください.配合せざるを得ない場合は,配合後速やかにご使用ください.
17
Ⅳ.製剤に関する項目
薬剤種
薬剤名
外観変化
pH
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
中外
1mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.2
化研生薬
2mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.2
4.3
4.2
4.3
大日本住友
1mL
Ⅱ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
GSK
250mg/生食 10mL Ⅲ 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 6.8
6.6
6.6
6.5
ファイザー
500mg/溶解液 4mL Ⅲ
-
-
- 白色沈殿 5.6
5.6
5.6
5.6
明治製菓
20mg/生食 10mL Ⅲ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
アストラゼネカ
20mL
Ⅱ 白色懸濁 白色懸濁 白色懸濁 白色懸濁 4.4
4.4
4.4
4.4
会社名
ジゴシン注 0.25mg
セファランチン注 10mg
セレネース注 5mg
ゾビラックス点滴静注用 250
ソル・コーテフ静注用 500mg
ダウノマイシン静注用 20mg
1%ディプリバン注
ドブトレックスキット
塩野義
点滴静注用 600mg
ドプラム注射液 400mg キッセイ
ノイロトロピン注射液 1.2 単位 日本臓器
ノイロトロピン注射液 3.6 単位 日本臓器
ノルアドリナリン注 1mg 第一三共
水溶性ハイドロコートン注射液 500mg 日医工
ハンプ注射用 1000
第一三共
その他の
ヒューマリン R 注 100 単位/mL リリー
注射剤
ブスコパン注 20mg
日本ベーリンガー
注射用フトラフール 400 大鵬薬品
フラグミン静注 5000 単位/5mL ファイザー=キッセイ
水溶性プレドニン 20mg 塩野義
プログラフ注射液 5mg アステラス
フロリード F 注 200mg 持田
ペルサンチン静注 10mg 日本ベーリンガー
ボスミン注
第一三共
ミラクリッド注射液
持田
2 万 5 千単位
メイロン静注 7%
大塚工場=大塚製薬
メキシチール点滴静注 125mg 日本ベーリンガー
リスモダン P 静注 50mg サノフィ・アベンティス
リンデロン懸濁注
塩野義
ロイコボリン注 3mg
ワイス=武田
配合量
200mL
20mL
1mL
3mL
1mL
10mL
1000μg/注射用水10mL
100 単位
1mL
400mg/生食 10mL
5mL
20mg/生食 2mL
1mL
20mL
2mL
1mL
Ⅱ
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
Ⅲ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅲ 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
Ⅱ 白濁沈殿 白濁沈殿 白濁沈殿 白濁沈殿
Ⅲ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
Ⅱ
-
-
-
-
1バイアル/生食10mL Ⅲ
-
Ⅳ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
-
-
-
-
-
50mL
5mL
5mL
0.5mL
1mL
-
-
-
-
白色沈殿 白色沈殿 白色沈殿
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
Ⅲ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+生食 100mL
Ⅳ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
シプロフロキサシン残存率(%)
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
100.0 100.5 100.5 100.2
100.1 99.7 100.1 101.4
101.3 101.7 102.4 101.4
22.7 14.5 11.6
7.9
101.0 100.6 99.8 74.4
101.8 101.2 100.1 100.8
98.2 99.4 99.9 100.4
4.3
4.3
4.3
4.3
99.7
4.2
4.3
4.3
4.2
6.3
4.3
3.9
4.2
7.5
4.3
4.3
4.2
4.5
4.2
4.3
4.2
4.3
4.3
4.2
6.2
4.3
3.9
4.2
7.5
4.3
4.4
4.3
4.5
4.2
4.3
4.2
4.3
4.3
4.2
6.2
4.3
3.9
4.2
7.5
4.3
4.3
4.3
4.5
4.2
4.3
4.2
4.3
4.2
4.2
6.1
4.3
4.1
4.1
7.6
4.3
4.4
4.3
4.4
4.2
4.3
100.5
100.0
100.0
100.5
99.3
101.1
103.0
100.0
101.4
83.0
100.0
99.5
100.0
100.0
96.8
99.6 100.9 101.3
100.8
98.9
100.4
100.7
26.9
101.8
105.3
99.8
29.7
82.6
100.3
98.8
99.4
101.0
98.3
100.2
99.8
100.3
100.8
19.9
101.7
102.9
96.7
17.7
83.2
100.2
101.1
99.8
101.1
98.6
101.2
99.5
100.0
100.5
12.9
101.8
104.6
96.0
10.6
83.0
100.8
100.9
98.4
100.4
98.3
4.3
4.3
4.3
4.3
100.5 100.8 101.1 100.6
7.7
4.3
4.3
4.3
4.3
7.9
4.3
4.3
4.3
4.4
8.0
4.3
4.3
4.3
4.3
8.1
4.3
4.2
4.3
4.3
98.0 91.3 25.3 14.3
100.7 100.9 100.6 100.8
101.0 101.2 101.6 101.6
100.0 98.9 99.8 99.5
101.1 100.5 100.9 102.0
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/表示は,検査未実施であることを示す
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 22 年 4 月版)による
シプロキサン注300mg(400mg※(未希釈)
)と他剤との配合変化
薬剤種
薬剤名
会社名
アスパラカリウム注10mEq 田辺三菱
ネオラミン・マルチV注射用 日本化薬=科研
パントシン注10%
第一三共エスファ
ビタミン剤 パントール注射液100mg トーアエイヨー=アステラス
ビタジェクト注キット テルモ
フラビタン注射液20mg トーアエイヨー=アステラス
マルタミン注射用
エイワイファーマ=陽進堂
塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g 塩野義
シオマリン静注用1g 塩野義
セファメジンα注射用1g アステラス
パニマイシン注射液100mg MeijiSeika
抗生物質
ブイフェンド200mg静注用 ファイザー
及び
フルマリン静注用 1g 塩野義
抗菌剤
注射用マキシピーム 1g ブリストル・マイヤーズ
メイセリン静注用 1g MeijiSeika=沢井
アミカシン硫酸塩注射液 200mg「日医工」 日医工
リンコシン注射液 600mg
ファイザー
配合量
10mL
1バイアル/注射用水5mL
2mL
1mL
10mL
2mL
1バイアル/注射用水5mL
1バイアル/注射用水10mL
1g/生食10mL
1g/生食10mL
2mL
200mg/注射用水 19mL
1g/生食 20mL
1g/生食 20mL
1g/生食 20mL
200mg/生食 2mL
2mL
※400mg製剤は300mg製剤と同一濃度製剤のため、300mg製剤の結果を参照
外観変化
pH
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
Ⅳ
-
-
-
-
5.2
5.3
5.3
5.3
Ⅴ
-
-
-
-
4.5
4.5
4.5
4.6
Ⅳ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅳ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.5
4.5
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅴ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.5
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅴ
-
-
-
-
4.6
4.6
4.6
4.7
Ⅴ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.4
Ⅳ
-
-
-
-
4.8
4.8
4.8
4.8
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.3
4.3
Ⅴ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.4
4.4
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅴ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.4
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.1
4.2
4.2
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
Ⅲ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+生食 100mL
Ⅳ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
Ⅴ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液
シプロフロキサシン残存率(%)
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
100.0 99.4 99.1 98.6
100.0 100.2 99.7 96.6
100.0 99.8 99.0 98.8
100.0 100.1 101.6 100.8
100.0 100.3 99.9 99.5
100.0 100.7 100.4 100.0
100.0 100.1 99.8 96.8
100.0 99.5 98.6 99.1
100.0 100.2 98.7 96.9
100.0 101.1 98.0 92.3
100.0 100.3 100.1 100.6
100.0 99.2 100.0 100.6
100.0 101.0 99.8 97.9
100.0 98.7 100.0 100.7
100.0 100.0 99.3 97.6
100.0 98.5 97.2 100.2
100.0 100.0 99.0 100.6
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/表示は,検査未実施であることを示す
薬剤名及び会社名は保険薬事典(平成 27 年 8 月版)による
18
Ⅳ.製剤に関する項目
薬剤種
薬剤名
会社名
配合量
アクラシノン注射用 20mg
アドナ注(静脈用)50mg
アドリアシン注用 10
アレディア点滴静注用 30mg
インデラル注射液 2mg
メルシャン=アステラス 20mg/生食10mL
注射用エラスポール 100
小野
田辺三菱=田辺販売
10mL
協和発酵キリン 10mg/生食1mL
ノバルティス
30mg/生食5mL
アストラゼネカ
2mL
1バイアル/注射用水10mL
注射用エンドキサン100mg 塩野義
100mg/注射用水5mL
大塚食塩注 10%
大塚工場=大塚製薬
20mL
オンコビン注射用 1mg 日本化薬
1mg/生食10mL
ガスター注射液 20mg
アステラス
2mL/生食20mL
カタボン Hi 注 600mg
大正製薬=テバ製薬
200mL
カルチコール注射液 8.5%5mL 日医工
5mL
静注用キシロカイン 2% アストラゼネカ
5mL
キロサイド注 20mg
日本新薬
1mL
キロサイド注 60mg
日本新薬
3mL
キロサイド注 200mg
日本新薬
10mL
K.C.L.点滴液 15%
丸石
20mL
コアテック注 5mg
エーザイ
5mL
ザンタック注射液 50mg GSK=第一三共
2mL
サンディミュン点滴静注
その他の 用 250mg
注射剤 サンリズム注射液 50
ノバルティス
5mL
第一三共
5mL
ジゴシン注 0.25mg
中外
1mL
セファランチン注 10mg 化研生薬
2mL
セレネース注 5mg
大日本住友
1mL
ダウノマイシン静注用 20mg MeijiSeika
20mg/生食10mL
ドブトレックス注射液 100mg 塩野義
5mL
ドプラム注射液 400mg キッセイ
20mL
ノイロトロピン注射液 1.2 単位 日本臓器
1mL
ノイロトロピン注射液 3.6 単位 日本臓器
3mL
ノルアドリナリン注 1mg 第一三共
1mL
ハンプ注射用 1000
第一三共
1000μg/注射用水10mL
ヒューマリン R 注 100 単位/mL リリー
100単位
ブスコパン注 20mg
日本ベーリンガー
1mL
プログラフ注射液 5mg アステラス
1mL
フロリード F 注 200mg 持田
20mL
水溶性プレドニン 20mg 塩野義
20mg/生食5mL
ペルサンチン静注 10mg 日本ベーリンガー
2mL
ボスミン注
第一三共
1mL
ミラクリッド注射液2 万5 千単位 持田
1バイアル/生食10mL
メキシチール点滴静注 125mg 日本ベーリンガー
5mL
リスモダン P 静注 50mg サノフィ・アベンティス
5mL
ロイコボリン注 3mg
ファイザー
1mL
外観変化
pH
配合
方法 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後 配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
Ⅴ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
Ⅳ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.4
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.1
4.2
4.2
Ⅴ
-
-
-
-
4.5
4.5
4.5
4.5
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.1
4.2
4.1
僅かに白色
Ⅴ
-
-
-
4.6
4.6
4.6
4.6
の析出物
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅳ
-
-
-
-
4.1
4.2
4.1
4.2
Ⅴ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.3
Ⅴ
-
-
-
-
4.5
4.5
4.5
4.5
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.1
Ⅳ
-
-
-
-
4.5
4.6
4.6
4.6
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅳ
-
-
-
-
4.3
4.3
4.3
4.3
Ⅳ
-
-
-
-
4.4
4.4
4.4
4.4
Ⅳ
-
-
-
-
4.7
4.7
4.7
4.7
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.2
4.3
4.3
シプロフロキサシン残存率(%)
配合直後 1 時間後 3 時間後 24 時間後
100.0 100.1 99.8 99.9
100.0 100.4 100.0 100.0
100.0 101.7 100.3 100.1
100.0 99.6 99.5 100.2
100.0 100.6 101.3 101.1
100.0 100.0 100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
99.4 99.8 99.9
99.7 100.2 99.0
100.4 100.6 100.8
100.4 99.6 100.2
99.2 99.8 99.4
100.1 99.6 99.9
99.0 99.3 99.3
100.2 99.6 100.2
99.9 99.8 100.4
99.8 99.2 100.1
99.9 99.6 100.7
99.9 98.5 99.7
99.7 100.3 100.3
Ⅳ
-
-
-
-
4.2
4.3
4.3
4.3
100.0 100.2
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.3
4.2
4.3
4.2
4.2
4.3
4.3
4.2
4.4
4.4
4.1
4.2
4.3
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.3
4.2
4.3
4.2
4.2
4.3
4.3
4.2
4.5
4.4
4.1
4.2
4.3
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.3
4.2
4.3
4.2
4.3
4.3
4.3
4.2
4.5
4.4
4.1
4.2
4.3
4.2
4.2
4.2
4.2
4.2
4.3
4.2
4.2
4.2
4.3
4.3
4.3
4.2
4.3
4.3
4.3
4.2
4.4
4.4
4.0
4.2
4.3
4.2
4.2
4.2
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
配合方法Ⅰ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 100mL
Ⅱ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+生食 100mL
Ⅲ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液+生食 100mL
Ⅳ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)
Ⅴ:シプロキサン注 300mg(150mL)+配合薬剤 1 瓶(1 アンプル)+溶解液
19
99.9
100.5
101.0
100.4
101.2
99.9
99.0
103.0
100.8
100.3
100.0
99.9
99.8
100.3
98.5
100.0
100.2
100.0
101.1
101.3
100.8
100.6
101.0
99.5 100.0
99.9
101.0
99.7
100.3
96.9
97.8
99.4
101.4
99.8
100.0
99.9
99.9
101.1
99.0
100.1
99.7
100.6
100.6
99.3
100.5
99.1
100.3
100.7
101.7
99.0
101.0
97.1
98.4
102.9
101.3
96.5
100.9
100.2
100.5
99.4
98.9
100.8
101.2
100.5
100.3
98.6
101.5
100.8
100.2
-表示は,配合直後から変化がなかったことを示す
/表示は,検査未実施であることを示す
Ⅳ.製剤に関する項目
配合禁忌(24時間後までに,外観上沈殿が観察されたもの,またはシプロフロキサシン含量が低下したもの)
輸
液
ヴィーンF輸液,ビカーボン輸液
アミノ酸製剤及び高カロ
リー輸液
アミグランド輸液,アミゼットB輸液,アミニック輸液,アミノフリード輸液,
アミパレン輸液,キドミン輸液,ツインパル輸液,ネオアミユー輸液,パレセー
フ輸液,ビーフリード輸液,プロテアミン12注射液,モリプロンF輸液,モリヘ
パミン点滴静注
ビタミン剤
ビスラーゼ注射液10mg,フォリアミン注射液
抗生物質及び抗菌剤
アムビゾーム点滴静注用50mg,カルベニン点滴用0.5g,ケニセフ静注用1g,スル
ペラゾン静注用1g,セファメジンα注射用1g*,セフォペラジン注射用1g,ゾシ
ン静注用4.5,注射用タゴシッド200mg,ダラシンS注射液300mg,パンスポリン静
注用1g,ファーストシン静注用1g,ファンガード点滴用50mg,ファンギゾン注射
用50mg,プロジフ静注液100,ホスミシンS静注用1g,メロペン点滴用バイアル
0.5g,ユナシン-S静注用1.5g,ロセフィン静注用1g
その他の注射剤
アレビアチン注250mg,注射用エラスポール100*,オメプラール注用20,オルガ
ラン静注1250単位,強力ネオミノファーゲンシー静注,ゾビラックス点滴静注用
250,ソル・コーテフ静注用500mg,ソルダクトン静注用200mg,1%ディプリバン
注,ネオフィリン注250mg※,水溶性ハイドロコートン注射液500mg,注射用フト
ラフール400,フラグミン静注5000単位/5mL,5-FU注250mg,ヘパリンナトリウム
注N5千単位/5mL「AY」,メイロン静注7%,ラシックス注20mg
※:相互作用 併用注意の抜粋:本剤とテオフィリンとの併用によりテオフィリンの作用を増強させる可能性があるので,併
用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処理を行う。
*:300mg(未希釈)の配合変化試験成績による。400mg 製剤は 300mg 製剤と同一濃度製剤のため、300mg 製剤の結果を参照
24時間後まで,沈殿及びシプロフロキサシン含量に変化が認められなかったもの
●シプロキサン注200mg
輸
液
アクチット輸液,大塚生食注,大塚糖液5%,KN3号輸液,サヴィオゾール輸液,
ソリタ-T3号輸液,低分子デキストランL注,ハルトマン輸液pH8「NP」,フィジ
オゾール3号輸液,マルトス輸液10%,ラクテック注,ラクテックG輸液
アミノ酸製剤及び高カロ
リー輸液
アミノレバン点滴静注,トリパレン1号輸液,トリパレン2号輸液,ハイカリック
液-1号,ハイカリック液-2号,プラスアミノ輸液
ビタミン剤
アリナミンF50注,オーツカMV注,ケイツーN静注10mg,ナイクリン注射液20mg,
ネオラミン・スリービー液(静注用)
,パントシン注10%,パントール注射液100mg,
ビタメジン静注用,フレスミンS注射液1000μg,メタボリンG注射液10mg,メチ
コバール注射液500μg
抗生物質及び抗菌剤
アザクタム注射用1g,アミカシン硫酸塩注射液200mg「日医工」,エクサシン注
射液200,ゲンタシン注40,ジフルカン静注液100mg,セフメタゾン静注用1g,ハ
ベカシン注射液100mg,塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g,フルマリン静注用
1g,ペントシリン注射用1g,ミノマイシン点滴静注用100mg,モダシン静注用1g
その他の注射剤
アドナ注(静脈用)50mg,イノバン注100mg,献血ヴェノグロブリンIH5%静注
2.5g/50mL,ウロキナーゼ静注用6万単位,注射用エフオーワイ500,ガスター注
射液20mg,グラン注射液75,ザンタック注射液50mg,ジギラノゲン注0.4mg,ソ
ル・メドロール静注用40mg,タガメット注射液200mg,ドブトレックス注射液
100mg,トランサミン注5%,ノイトロジン注100μg,ビソルボン注4mg,注射用
フサン10,プリンペラン注射液10mg
20
Ⅳ.製剤に関する項目
●シプロキサン注 300mg(400mg)※
輸
※400mg 製剤は 300mg 製剤と同一濃度製剤のため、300mg 製剤の結果を参照
アクチット輸液,ヴィーンD輸液,ヴィーン3G輸液,大塚生食注,大塚糖液5%,
大塚糖液50%,キリット注5%,グリセオール注,KNMG3号輸液,KN3号輸液,サ
ヴィオゾール輸液,ソリタ-T1号輸液,ソリタ-T3号輸液,ソリタ-T4号輸液,ソ
ルデム3A輸液,ソルラクト輸液,トリフリード輸液,ハルトマン輸液pH8「NP」,
フィジオ35輸液,フィジオ140輸液,フィジオゾール3号輸液,ポタコールR輸液,
マルトス輸液10%,マンニットールS注射液,ラクテック注,ラクテックG輸液,
リンゲル液「オーツカ」
液
高カロリー輸液
アミノトリパ1号輸液,アミノトリパ2号輸液,トリパレン1号輸液,トリパレン2
号輸液,ネオパレン1号輸液,ネオパレン2号輸液,ハイカリックRF輸液,ハイカ
リック液-1号,ハイカリック液-2号,ピーエヌツイン-1号輸液,ピーエヌツイン
-2号輸液,ピーエヌツイン-3号輸液,フルカリック1号輸液,フルカリック2号輸
液,フルカリック3号輸液,ユニカリックL輸液,ユニカリックN輸液
アミノ酸製剤
アミカリック輸液,アミノレバン点滴静注,プラスアミノ輸液
ビタミン剤
アスパラカリウム注10mEq,エレメンミック注,ネオラミン・マルチV注射用,パ
ントシン注10%,パントール注射液100mg,ビタジェクト注キット,フラビタン注
射液20mg,マルタミン注射用,ミネラリン注
抗生物質及び抗菌剤
アミカシン硫酸塩注射液200mg「日医工」,アラセナ-A点滴静注用300mg,エリス
ロシン点滴静注用500mg,オメガシン点滴用0.3g,ザイボックス注射液600mg,シ
オマリン静注用1g,チエナム点滴静注用0.5g*,パニマイシン注射液100mg,塩酸
バンコマイシン点滴静注用0.5g,フィニバックス点滴用0.25g,ブイフェンド
200mg静注用,フルマリン静注用1g,注射用マキシピーム1g,メイセリン静注用
1g,リンコシン注射液600mg
その他の注射剤
アクラシノン注射用20mg,アドナ注(静脈用)50mg,アドリアシン注用10,アレ
ディア点滴静注用30mg,注射用エンドキサン100mg,大塚食塩注10%,オンコビ
ン注射用1mg,ガスター注射用20mg,カタボンHi注600mg,カルチコール注射液
8.5%5mL,静注用キシロカイン2%,キロサイド注20mg,キロサイド注60mg,キ
ロサイド注200mg,K.C.L.点滴液15%,コアテック注5mg,ザンタック注射液50mg,
サンディミュン点滴静注用250mg,サンリズム注射液50,ジゴシン注0.25mg,セ
ファランチン注10mg,セレネース注5mg,ダウノマイシン静注用20mg,ドブトレ
ックスキット点滴静注用600mg,ドプラム注射液400mg,ノイロトロピン注射液1.2
単位,ノイロトロピン注射液3.6単位,ノルアドリナリン注1mg,ハンプ注射用
1000,ヒューマリンR注100単位/mL,ブスコパン注20mg,水溶性プレドニン20mg,
プログラフ注射液5mg,フロリードF注200mg,ペルサンチン静注10mg,ボスミン注
1mg,ミラクリッド注射液2万5千単位,メキシチール点滴静注125mg,リスモダンP静
注50mg,リンデロン懸濁注,ロイコボリン注3mg
*:シプロキサン注300mgとチエナム点滴静注用0.5gとの配合において,試験開始3時間後以降に色調変化が認められるため,
本剤との配合はなるべく避けてください.配合せざるを得ない場合は,配合後速やかにご使用ください。
薬剤名は保険薬事典(平成27年8月版)による
8.生物学的試験法
該当しない
9.製剤中の有効成分の確認試験法
吸光度測定法(検出器としてフォトダイオードアレイを用いる方法)
操作条件
検出器
カラム
:フォトダイオードアレイ(測定波長:200 ~ 400nm)
:内径4mm,長さ25cmのステンレス管に 7μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲル
を充てんする。
21
Ⅳ.製剤に関する項目
カラム温度: 40℃ 付近の一定温度
移動相
:
流
:シプロフロキサシンの保持時間が約 9 分になるように調整する。
量
pH 3.0の0.025mol/Lリン酸緩衝液/アセトニトリル混液(87:13)
10.製剤中の有効成分の定量法
液体クロマトグラフ法
操作条件
検出器
:紫外吸光光度計(測定波長: 278nm)
カラム
:内径4mm,長さ 25cm のステンレス管に 7μm の液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シ
リカゲルを充てんする。
カラム温度 :40℃ 付近の一定温度
11.
移動相
:pH 3.0 の 0.025mol/L リン酸緩衝液/アセトニトリル
流
:シプロフロキサシンの保持時間が約 9 分になるように調整する。
量
力価
該当しない
12.
混入する可能性のある夾雑物
7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-1,4-ジヒ
ドロ-4-オキソキノリン-3-カルボン酸
(フルオロキノリン酸)
7-クロロ-1-シクロプロピル-1,4-ジヒドロ-4-オキソ
-6-(ピペラジン-1-イル)キノリン-3-カルボン酸
(副生成物A)
1- シ ク ロ フ ゚ ロ ヒ ゚ ル -1,4- シ ゙ ヒ ト ゙ ロ -4- オ キ ソ
-7-(ピペラジン-1-イル)キノリン-3-カルボン酸
(デスフルオロ体)
7-[2-(アミノエチル)アミノ]-1-シクロプロピル-6-フルオロ
-1,4-ジヒドロ-4-オキソキノリン-3-カルボン酸
(エチレンジアミン体,M1)
22
Ⅳ.製剤に関する項目
13. 注意が必要な容器・外観が特殊な容器に関する情報
該当しない
14.
その他
本剤に使用のポリエチレン製バッグの全満量は次のとおりである。
シプロキサン注
200mg:製品の液量100mL,平均全満量約231mL
シプロキサン注
400mg:製品の液量200mL,平均全満量約485mL
23
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅴ.
1.
治療に関する項目
効能又は効果
成人
〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属,腸球菌属,炭疽菌,大腸菌,クレブシエラ属,エンテロバクター属,緑膿菌,レジ
オネラ属
〈適応症〉
敗血症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,肺炎,腹膜炎, 胆囊炎,胆管炎,炭疽
小児
1.一般感染症
〈適応菌種〉
本剤に感性の炭疽菌,大腸菌,緑膿菌
〈適応症〉
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,炭疽
2.嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
<効能・効果に関連する使用上の注意>
成人
(1)本剤の適用は,原則として他の抗菌剤にアレルギーの既往を有する患者,重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分
な臨床効果が得られない患者に限定すること。ただし,炭疽及びレジオネラ属による感染症の適応の場合は,この
限りではない。[「臨床成績」の項参照]
(2)シプロキサン錠と異なり,本剤の効能・効果は,敗血症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,肺炎,腹膜炎,胆囊
炎,胆管炎,炭疽に限定されているので,それ以外の疾患には使用しないこと。[「臨床成績」の項参照]
(3)本剤のメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に対する有効性は証明されていないので,MRSAによる感染症が明らかであ
る場合,速やかに抗MRSA作用の強い薬剤を投与すること。
小児
関節障害が発現するおそれがあるので,リスクとベネフィットを考慮し,本剤の適用は,原則として他の抗菌剤にア
レルギーの既往を有する患者,重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分な臨床効果が得られない患者に限定するこ
と。ただし,炭疽については,この限りではない。[「小児等への投与」の項参照]
(解説)
成人
本剤の適応患者については,臨床試験の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適切
に選択すること。
小児
複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者を対象とした臨床試験において,関節症と判断された被験者の割合はシ
プロフロキサシン 9.3%(31/335 例),対照薬 6.0%(21/349 例)であった。また,動物実験(幼若イヌ,幼若ラ
ット)で関節異常が認められている。
関節障害が発現するおそれがあるので,リスクとベネフィットを考慮し,本剤の適用は,原則として他の抗菌剤に
アレルギーの既往を有する患者,重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分な臨床効果が得られない患者に限定す
ること。ただし,炭疽については,この限りではない。
24
Ⅴ.治療に関する項目
2.用法及び用量
成人
通常,シプロフロキサシンとして, 1 回 400mg を 1 日 2 回,1 時間かけて点滴静注する。患者の状態に応じて 1 日
3 回に増量できる。
小児
1.一般感染症
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎:通常,シプロフロキサシンとして,1 回 6~10mg/kg を 1 日 3 回,1 時間かけて点滴静
注する。ただし,成人における 1 回量 400mg を超えないこととする。
炭疽:通常,シプロフロキサシンとして, 1 回 10mg/kg を 1 日 2 回,1 時間かけて点滴静注する。ただし,成人
における 1 回量 400mg を超えないこととする。
2.嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
通常,シプロフロキサシンとして,1 回 10mg/kg を 1 日 3 回,1 時間かけて点滴静注する。ただし,成人における
1 回量 400mg を超えないこととする。
用法・用量に関連する使用上の注意
(1)本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期
間の投与にとどめること。
(解説)
本剤に対する耐性菌の発現等を防ぐために,本剤に対する感受性を確認し,本剤投与の必要性を適切に判断する
こと。また,本剤の投与は,疾病の治療上必要な最小限の期間にとどめること。
ブドウ球菌属, 腸球菌属, 大腸菌, エンテロバクター属(Enterobacter cloacae)及び緑膿菌については,日
本人成人由来の臨床分離株において,シプロフロキサシンの経口剤承認時(1988 年)に比べて感受性の低下傾向
が認められている 20),102~106)。
(2)症状が緩解した場合には,速やかに経口抗菌剤の投与に切り替えることが望ましい。
(解説)
抗菌薬には,経口剤のバイオアベイラビリティーが高いものがある。症状が緩解し,注射剤による入院治療の必
要がないと判断される場合には,速やかに経口抗菌剤の投与に切り替えることが推奨されている。
(3)本剤は通常,点滴静注局所の血管痛や静脈炎の危険を軽減するため,希釈して緩徐に注入すること。すでに補液等が
投与されている場合,側管に連結して投与することができる。ただし,薬剤によっては配合変化を生じることがある
ので注意すること。[「適用上の注意」の項参照]
なお,著しい水分摂取制限がかかっている場合等,水分負荷がかけられない場合には希釈せずに投与することができ
るが,その際はできるだけ太い静脈から投与することが望ましい。
(解説)
本剤の点滴静注に際しては,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈すること。また,静脈内急速投与によ
り,血管痛,静脈炎を起こすことがあるので,これらを予防するために注射部位,注射方法等について十分注意
し,30 分以内の点滴静注は避けること。
すでに補液等が投与されている場合,側管に連結して投与することができるが,薬剤によっては配合変化を生じ
ることがあるので,配合時には配合変化データを参照すること。
25
Ⅴ.治療に関する項目
(4)本剤は主として腎臓から排泄されるが,腎機能が低下していることが多い高齢者あるいは腎機能障害患者・血液透
析患者では,腎機能に十分注意し,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[「薬物動態」の項参照]
〈参考〉
クレアチニンクリアランス(Ccr)
(mL/min)
用法・用量
30≦Ccr≦60
1回200mgを12時間毎に投与
Ccr<30
1回200mgを24時間毎に投与
病状により必要と判断された場合には1回量として400mgを投与する。
なお,クレアチニンクリアランス値(mL/min)=[体重(kg)×(140-年齢)]/[72×血清クレアチニン値
(mg/dL)],女性の場合はこれに0.85を乗ずること。6)
(5)血液透析中に除去されるシプロフロキサシンは10%程度と大きな影響は受けない。血液透析中の患者への投与に際し
ては,必要に応じて低用量(200mg)を24時間毎に投与するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[「薬
物動態」の項参照]
(解説)
腎機能が低下していることが多い高齢者あるいは腎機能障害患者・血液透析患者では,腎機能に十分注意し,患
者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血液透析中の患者への投与に際しては,必要に応じて低用量
(200mg)を 24 時間毎に投与するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(6)炭疽の治療には,臨床症状が緩解した場合には,速やかに経口剤投与に切り替え,計60日間投与することを,米国疾
病管理センター(CDC)が推奨している。
(解説)
米国疾病管理センター(CDC)の公式刊行物 Morbidity and Mortality Weekly Report 2001;50:909-919 において
発表した肺炭疽症,咽頭,消化器炭疽症,及び皮膚炭疽症の治療に関するガイドラインの記載内容に基づき設定
した。炭疽の治療には,初期段階では,静脈注射で治療し,臨床症状が緩解した場合には,速やかに経口剤投与
に切り替え,60 日間治療することについて記載されている。
3.
臨床成績
(1)臨床データパッケージ
1.成人
実施国
試験
番号
対象
試験デザイン
資
料
試験概要
区
(目的,投与方法・経路,投与期間)
分
a
Ⅲ
日本
15992
BID 群:27 例
TID 群:11 例
多施設共同、非無作為
化、非盲検、非対照
26
重症又は他の抗菌薬で十分な臨床
効果が得られない細菌性肺炎(院内
又は市中肺炎)又は慢性呼吸器病変
の二次感染(20 歳以上)患者の安
全性、PK 及び PK/PD
BID 群:CPFX 400mg 1 日 2 回 iv
TID 群:CPFX 400mg 1 日 3 回 iv
用量は腎機能障害の程度に応じて
減量
投与期間中に CLCR が 60mL/min 以
下となった場合は BID に、30mL/min
未満となった場合は投与を中止
◎
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅰ
米国
D89-050
健康成人男性
CPFX 群:12 例
単施設、無作為化、
二重盲検、4 群 4 期クロ
スオーバー
Ⅰ
米国
D89-021
健康成人男性
単施設、無作為化、
二重盲検、3 群 3 期ク
ロスオーバー
CPFX 群:12例
Ⅰ
米国
D91-002
健康成人男性
CPFX 群:24例
単施設、無作為化、
二重盲検、2 群 2 期ク
ロスオーバー
Ⅰ
米国
D90-012
健康成人男性
CPFX 群:13 例
単施設、無作為化、二重
盲検、2 群2 期クロスオ
ーバー
Ⅱ
米国
D88-024
Pseudomonas 属菌
単施設、無作為化、非盲
検、実薬対照
又は
Enterobacter 属菌
による感染症
CPFX 群:10 例
CPFX+AZL 群:10 例
TOB+AZL 群:9 例
Ⅱ
米国
D88-013
Ⅱ
フラン
ス
0546
Staphyrococcus 属
菌による感染症
CPFX 群:8 例
CPFX+RFP 群:8 例
VCM 群:7 例
人工呼吸器
関連肺炎
CPFX 群:12 例
単施設、無作為化、非盲
検、実薬対照
各期に以下のいずれかを 1 回投与:
CPFX 300mg iv
CPFX 400mg iv
CPFX 500mg po
CPFX 750mg po
各期に以下のいずれかを 1 回投与:
CPFX 200mg iv
CPFX 300mg iv
CPFX 400mg iv
各期に以下のいずれかを投与:
CPFX 400mg を 1 日 3 回、計 10 回
iv
CPFX 750mg を 1 日 2 回、計 7 回
po
各期に以下のいずれかを投与:
CPFX 200mg を 1 日 2 回、計 6 回
iv 後、CPFX 500mg を 1 日 2 回、計
5 回 po
CPFX 400mg を 1 日 2 回、計 6 回
iv 後、CPFX 750mg を 1 日 2 回、計
5 回 po
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回 iv、その後 CPFX
400mg 1 日 2 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 又は 750mg 1 日 2 回
po)
CPFX+AZL 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回+ AZL iv、
その後 CPFX 400mg 1 日 2 回+AZL
iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 又は 750mg 1 日 2 回
po+AZL iv)
TOB+AZL 群:TOB+AZL iv
ただし、TOB の用量は腎機能障害の
程度に応じて減量
(必要に応じて、MTZ を併用)
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回 iv、その後 CPFX
400mg 1 日 2 回 i.v.
(po に切替える場合:
CPFX 750mg 1 日 2 回 po)
CPFX+RFP 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回 iv + RFP 300mg
1 日 2 回 po
その後 CPFX 400mg 1 日 2 回 i.v.
+ RFP 300mg 1 日 2 回 po
(po に切替える場合:
CPFX 750mg 1 日 2 回 po+ RFP
300mg 1 日 2 回 po)
VCM 群:
VCM iv(通常 1 回 1g 1 日 2 回)
ただし、RFP 及び VCM の用量は腎機
能障害の程度に応じて減量
(必要に応じて、MTZ を併用)
多施設共同、非盲検、非 CPFX 400mg 1 日 3 回 iv
対照
( た だ し 、 原 因 菌 の MIC が
0.125mg/mL 以下かつ症状の改善が
みられた場合、CPFX 400mg 1 日 2 回
iv に減量)
27
○
○
○
○
○
○
○
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅲ
ノルウ
ェー
1029
敗血症、複雑性尿
路感染症、下気道
感染症、腹腔内感
染症を含む感染症
CPFX 群:160 例
TOB+CXM 群:150 例
多施設共同、無作為化、
非盲検、実薬対照
Ⅲ
米国
D90-034
下気道、皮膚・皮
膚組織及び尿路感
染症
多施設共同、無作為化、
非盲検、実薬対照
CPFX 群:320 例
対照群:157 例
Ⅲ
米国
D89-053
重症細菌性肺炎
(院内又は市中肺
炎)
CPFX 群:202 例
IPM 群:200 例
多施設共同、無作為化、
二重盲検、実薬対照
Ⅲ
米国、カ
ナダ
D92-007
敗血症
CPFX 群:186 例
IPM 群:194 例
多施設共同、無作為化、
二重盲検、実薬対照
Ⅲ
ドイツ
9837
単施設、無作為化、二重
盲検
Ⅲ
南アフ
リカ
0541
Ⅲ
英国、ド
イツ、オ
ラン
ダ、ギリ
シャ、南
アフリ
カ、メキ
シコ、イ
スラエ
ル
0564
人工呼吸器管理下
の二次性肺炎
CPFX 200mg 群:
28 例
CPFX 400mg 群:
34 例
腹腔内感染症又は
重症敗血症
CPFX 群:40 例
重症敗血症
CPFX+TOB 群:
142 例
CAZ+TOB 群:136 例
単施設、非盲検、非対照
(po に切替える場合:
CPFX 500~750mg 1 日 2 回 po)
CPFX 群:
CPFX 200~400mg 1 日 2 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 750mg 1 日 2 回 po)
TOB+CXM 群:
TOB 160~200mg+
CXM 1.5g 1 日 3 回 iv
ただし、いずれの用量も腎機能障害
の程度に応じて減量
嫌気性菌の感染症が疑われた場合
は MTZ の併用可
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 1 日 2 回 po)
対照群:
標準的な抗菌薬、iv
(po に切替える場合:
CPFX 以外の経口抗菌薬)
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回 iv
(ただし、原因菌が高感受性を示
し、かつ症状の改善がみられた場
合、CPFX 400mg 1 日 2 回に減量)
IPM 群:
IPM(CS との合剤)1g 1 日 3 回
iv
(ただし、原因菌が高感受性を示
し、かつ症状の改善がみられた場
合、IPM 500mg 1 日 4 回に減量)
ただし、いずれの用量も腎機能障害
の程度に応じて減量
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回 iv
(MTZ 500mg を 1 日 4 回 iv を併用)
IPM 群:
IPM(CS との合剤)1g 1 日 3 回 iv
ただし、いずれの用量も腎機能障害
の程度に応じて減量
200mg 群:
CPFX 200mg 1 日 2 回 iv
400mg 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 iv
CPFX 400mg 1 日3 回iv
(必要に応じて、MTZ、VCM 又はア
ムホテリシンB を併用)
多施設共同、無作為化、 CPFX+TOB 群:
非盲検、実薬対照
CPFX 400mg 1 日 3 回+
TOB 最大用量 5mg/kg まで 1 日 1
回 iv
po に切替える場合:
CPFX 750mg 1 日 2 回 po +
TOB 最大用量 5mg/kg まで 1 日 1
回 iv
CAZ+TOB 群:
CAZ 2g 1 日 3 回+
TOB 最大用量 5mg/kg まで 1 日 1
回 iv
28
○
○
○
○
○
○
○
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅲ
米国、カ
ナダ
D90-014
腹腔内感染症
CPFX+MTZ iv 群:
222 例
CPFX+MTZ iv/po
群:220 例
IPM/CS iv 群:231
例
多施設共同、無作為化、
二重盲検、実薬対照
Ⅳ
米国、カ
ナダ
D94-028
複雑性腹腔内感染
症
CPFX+MTZ 群:235
例
PIPC/TAZ 群:223
例
多施設共同、無作為化、
二重盲検、実薬対照
Ⅳ
米国
D89-027
院内又は市中肺炎
CPFX 群:107 例
CTRX 群:110 例
多施設共同、無作為化、
第三者盲検、実薬対照
Ⅳ
英国
1381
市中肺炎
CPFX 群:28 例
AMPC+EM 群:15 例
単施設、無作為化、非盲
検、実薬対照
Ⅳ
台湾、タ
イ、フィ
リピ
ン、イン
ドネシ
ア、シン
ガポー
ル、香
港、マレ
ーシア
0576
院内肺炎
CPFX+AMK
群:11 例
CAZ+AMK
群:10 例
多施設共同、無作為化、
非盲検、実薬対照
Ⅳ
英国、フ
ラン
ス、オー
ストラ
リア、ベ
0560
院内肺炎
CPFX+AMK 群:190
例
CAZ+AMK 群:185 例
多施設共同、無作為化、
非盲検、実薬対照
29
ただし、いずれの用量も腎機能障害
の程度に応じて減量
(必要に応じて、MTZ、VCM を併用)
CPFX+MTZ iv 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 iv + MTZ 500mg
1 日 4 回 iv
CPFX+MTZ iv/po 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 iv + MTZ 500mg
1 日 4 回 iv 後に、CPFX 500mg 1 日
2 回 po +MTZ 500mg 1 日 4 回 po
IPM/CS iv 群:
IPM(CS との合剤)500mg 1 日 4 回
iv
CPFX+MTZ 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回+
MTZ 500mg 1 日 4 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 1 日 2 回+
MTZ 500mg 1 日 4 回 po、プラセボ
を iv)
PIPC/TAZ 群:
PIPC/TAZ (PIPC 3g 及び TAZ0.375g
の合剤)1 日 4 回 iv(po 移行に十
分な改善がみられた場合は
PIPC/TAZ の iv を維持し、プラセボ
を po)
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 1 日 2 回 po)
CTRX 群:
CTRX 1,000mg 1 日 1 回 iv
(投与開始後 3~10 日以降は 1 日 1
回の iv 又は筋注。改善した被験者
は、po への切替え可)
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 iv
(po に切替える場合:CPFX 750mg 1
日 2 回 po)
AMPC+EM 群:
AMPC 500mg 1 日 4 回+EM 500mg 1 日
3 回 iv
(po に切替える場合:AMPC 500mg 1
日 4 回+EM 500mg 1 日 3 回 po)
CPFX+AMK 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 + AMK 15mg/kg
1 日 1 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 1 日 2 回 po)
CAZ+AMK 群:
CAZ 2g 1 日 3 回 + AMK 15mg/kg 1 日
1 回 iv
(po に切替える場合:
フルオロキノロンの全身投与以外
の経口抗菌薬 po)
ただし、CPFX、AMK、CAZ の用量は
腎機能障害の程度に応じて減量
CPFX+AMK 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 + AMK 15mg/kg
1 日 1 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500mg 1 日 2 回 po)
○
○
○
○
○
○
Ⅴ.治療に関する項目
ルギ
ー、イス
ラエ
ル、イタ
リア、南
アフリ
カ、スペ
イン
Ⅳ
米国
D95-025
院内又は市中肺炎
CPFX 群:101 例
対照群:97 例
多施設共同、無作為化、
非盲検、実薬対照
Ⅳ
スペイ
ン
1330
敗血症
CPFX 群:121 例
CTX 群:119 例
単施設、無作為化、非盲
検、実薬対照
Ⅳ
エクア
ドル
0540
敗血症
CPFX 群:12 例
多施設共同、非盲検、非
対照
Ⅳ
米国、カ
ナダ
D91-040
重症の呼吸器感染
症、皮膚・皮膚組
織感染症又は敗血
症
単剤 CPFX 群:275
例
単剤対照群:133 例
併用 CPFX 群:88 例
併用対照群:35 例
多施設共同、無作為化、
非盲検、実薬対照
30
CAZ+AMK 群:
CAZ 2g 1 日 3 回+
AMK 15mg/kg 1 日 1 回 iv
(po に切替える場合:
フルオロキノロン系薬剤以外の抗
菌薬 po)
ただし、CPFX 及び AMK の用量は腎
機能障害の程度に応じて減量
第 3 日以降は AMK 投与を中止し、
CPFX 又は CAZ の単独投与に変更可
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回+ 他の抗菌薬
iv
ただし、CPFX の用量は奏効状況に
応じて減量
(po に切替える場合:CPFX po)
対照群:
キノロン系薬剤以外の抗菌薬 iv
po に切替える場合:
(キノロン系薬剤以外の抗菌薬 po)
グラム陽性菌又は嫌気性菌の感染
症が疑われた場合は VCM、クリンダ
マイシン、MTZ の併用
CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 2 回 3~5 日 iv 後
に、CPFX 500mg 1 日 2 回 po
CTX 群:
CTX 1g 1 日 4 回非経口投与
(必要に応じて投与開始用量を 2g に
増量)
CPFX 200~400mg 1 日 2 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 500~750mg 1 日 2 回 po)
単剤 CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回 iv
(po に切替える場合:
CPFX 750mg 1 日 2 回 po)
単剤対照群:
β-ラクタム系薬剤〔IPM 1g 1 日
3 回、CAZ 2g 1 日 3 回、TIPC/CVA
1 日 6 回(300mg/kg/日)、AZT 2g 1
日 3 回〕iv
(po に切替える場合:
キノロン系薬剤以外の標準治療薬
po)
併用 CPFX 群:
CPFX 400mg 1 日 3 回+ β-ラク
タム系薬剤〔CAZ 2g 1 日 3 回、
TIPC/CVA 1 日 6 回(300mg/kg/
日)、AZT 2g 1 日 3 回、PIPC 4g
1 日 4 又は 6 回〕iv
(po に切替える場合:
CPFX 750mg 1 日 2 回+ キノロン
系薬剤以外の標準治療薬 po)
併用対照群:
β-ラクタム系薬剤〔CAZ 2g 1 日
3 回、TIPC/CVA 1 日 6 回
(300mg/kg/日)、AZT 2g 1 日 3
回、PIPC 4g 1 日 4 又は 6 回〕
+ アミノグリコシド系薬剤〔GEN
1 日 3 回(3~5mg/kg/日)、TOB
1 日 3 回(5mg/kg/日)、AMK 1 日
○
○
○
○
Ⅴ.治療に関する項目
3 回(15mg/kg/日)〕iv
(po に切替える場合:
キノロン系薬剤以外の標準治療薬
po)
ただし、いずれの用量も腎機能障害
の程度に応じて減量
2.小児
実施国
試験
番号
対象
試験デザイン
試験概要
(目的,投与方法・経路)
資
料
区
分
a
日本
国内使用実
態調査
感染症は限定せず
CPFX 群:187 例
後ろ向き調査
Ⅲ
米国、カ
ナダ、南
アフリ
カ、アル
ゼンチ
ン、ペ
ルー、ド
イツ、コ
スタリ
カ、メキ
シコ
100169
複雑性尿路感染症
又は腎盂腎炎
CPFX 群:335 例
対照群:349 例
多施設共同、無作為化、
二重盲検、実薬対照
Ⅲ
米国、カ
ナダ
100201
感染症
CPFX 群:487 例
対照群:507 例
多施設共同、非無作為
化、非盲検、長期安全性
観察
Ⅲ
米国
D91-024
嚢胞性線維症の急
性肺機能増悪
CPFX 群:67 例
TOB+CAZ 群:62 例
多施設共同、無作為化、
二重盲検、実薬対照
Ⅲ
スイス
1172
嚢胞性線維症
CPFX 群:22 例
CPFX+AMK 群:23 例
単施設、無作為化、非盲
検、実薬対照
31
投与量及び投与方法は設定せず調査
対象期間に CPFX が投与されたすべ
ての小児を全例登録票に記載し、全
例登録票に記載したすべての被験者
について調査票を記入した
CPFX 群:
第1 層
・CPFX 10~20mg/kg 1 日 2 回 po
第2 層
・CPFX 6~10mg/kg 1 日 3 回 iv
・CPFX 6~10mg/kg 1 日 3 回 iv 後
に CPFX 10~20mg/kg 1 日 2 回 po
(po では最大 1,500mg/日、iv では
最大 1,200mg/日)
対照群:
第1 層
・CFIX 4mg/kg 1 日 2 回 po
・TMP/SMX(TMP 4mg/kg 及び SMX
20mg/kg)1 日 2 回 po
第2 層
・CAZ 30~45mg/kg の 1 日 3 回 iv
・CAZ 30~45mg/kg 1 日 3 回 iv 後
に CFIX 4mg/kg 1 日 2 回 po
・CAZ 30~45mg/kg 1 日 3 回 iv 後
に TMP/SMX(TMP 4mg/kg 及び SMX
20mg/kg)1 日 2 回 po
(最大 CAZ 6g/日、TMP 320mg/日、
SMX 1,600mg/日)
CPFX 群:
CPFX 5~20mg/kg 1 日 2 回(最大
1,500mg/日)po、又は CPFX 6mg/kg
1 日 2 回~12mg/kg 1 日 3 回(最大
1,200mg/日)iv
対照群:
対照薬(非キノロン系抗菌薬)
CPFX 群:
CPFX 10mg/kg(最大 400mg)1 日 3 回
iv 後に、CPFX 20mg/kg(最大 1g)1
日 2 回 po
TOB+CAZ 群:
TOB 3mg/kg 及び CAZ 50mg/kg(最大
2.5g)1 日 3 回 iv
原 因 菌 に 対 す る 集 中 治 療
〔CAZ300mg/kg/日(最大 3g×4 回/
日)及び AMK 36mg/kg/日(最大 500mg
×3 回/日)を iv + AMK 250mg 1 日
2 回吸入〕後 2 週間目に微生物学的
効果が改善を示した被験者を対象に
○
○
○
○
○
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅲ
フラン
ス、ドイ
ツ、ギリ
シャ、ハ
ンガリ
ー、イス
ラエ
ル、イタ
リア、ポ
ルトガ
ル、南ア
フリカ
1370
嚢胞性線維症の急
性増悪
CPFX 群:55 例
TOB+CAZ 群:53 例
以下投与
CPFX 群:
CPFX 30mg/kg/日(最大 750mg×2
回/日)po
CPFX+AMK 群:
CPFX 30mg/kg/日(最大 750mg×2 回
/日)po + AMK 250mg 1 日 2 回吸
入
多施設共同、無作為化、 CPFX 群:
非盲検、実薬対照
CPFX 15mg/kg 1 日 2 回 po
TOB+CAZ 群:
TOB 3mg/kg +CAZ 50mg/kg 1 日 3 回
iv
○
AMK:アミカシン,AMPC:アモキシシリン,AZL:アズロシリン,AZT:アズトレオナム,BID:1 日2 回,CAZ:セフタジジム,CLCR:
クレアチニンクリアランス,CPFX:シプロフロキサシン,CS:シラスタチン,CTX:セフォタキシム,CTRX:セフトリアキソン,CXM:
セフロキシム,EM:エリスロマイシン,GEN:ゲンタマイシン,IPM:イミペネム,IPM/CS:イミペネム/シラスタチン,iv:静脈内
投与,MIC: 最小発育阻止濃度,MTZ:メトロニダゾール,PD:薬力学的作用,PK:薬物動態,PIPC:ピペラシリン,PIPC/TAZ: ピペ
ラシリン/タゾバクタム,po:経口投与,SMX:スルファメトキサゾール, TID:1 日3 回,TIPC/CVA:チカルシリン/クラブラン酸,
TMP:トリメトプリム,TOB:トブラマイシン,VCM:バンコマイシン
a: ◎:評価資料,○:参考資料
(2)臨床効果
1)成人
①1回200mg 1日2 回あるいは3回,及び1回300mg 1日2回投与時の有効性
前治療注射剤(第3世代セフェム系,カルバペネム系)無効例*での有効性
有効率
疾患名
効
能
・
効
果
に
あ
げ
た
疾
患
敗血症
外傷・熱傷及び手術創等
の二次感染
肺炎
胆囊炎,胆管炎
腹膜炎
合計
①に該当する症 ②に該当する症
例
例
0/1
3/3
9/10
(90.0)
4/5
8/8
(100)
5/5
3/4
0/2
6/8
(75.0)
22/28
(78.6)
2/2
18/20
(90.0)
その他の
症例
3/4
31/33
(93.9)
100/120
(83.3)
11/12
(91.7)
13/17
(76.5)
158/186
(84.9)
合計
6/8
(75.0)
48/51
(94.1)
109/130
(83.8)
14/18
(77.8)
21/27
(77.8)
198/234
(84.6)
*:前治療注射剤無効の定義:本剤投与開始3日前までに第3世代セフェム系あるいはカルバペネム系注射用抗菌剤が3
日間以上投与され十分な効果が得られなかった症例
①:第 3 世代セフェム系注射用抗菌剤無効例
②:カルバペネム系注射用抗菌剤無効例
首記の適応症に対する本剤の有効率は第 3 世代セフェム系注射用抗菌剤無効例で 78.6%(22/28 例),カルバペ
ネム系注射用抗菌剤無効例で 90.0%(18/20 例)であった。
32
Ⅴ.治療に関する項目
起炎菌別有効率ではブドウ球菌属では 68.8%(11/16 例),腸球菌属では 92.3%(12/13 例),大腸菌では(4/5
例),クレブシエラ属では 57.1%(4/7 例),エンテロバクター属では 87.5%(7/8 例),緑膿菌では 80.8%(21/26
例)であった。
細菌性肺炎を対象に本剤 1 回 300mg あるいは対照薬としてセフタジジム水和物 1 回 2g,それぞれ 1 日 2 回点滴
静注を行った比較試験における有効率は,本剤 85.7%(78/91 例),対照薬 84.0%(63/75 例)であり,臨床効
果における同等性(非劣性)が検証された。一方,細菌学的効果が判定できた症例での菌消失率は本剤 78.9%(30/38
例),対照薬 100%(28/28 例)と本剤が有意に劣っていた。起炎菌別にみると,肺炎球菌単独菌感染例で本剤の
菌消失率が 58.3%(7/12 例)と対照薬 100%(8/8 例)に比較して低値を示した。
重症あるいは難治性感染症(内科,泌尿器科及び外科系)患者を対象として本剤 200mg 1 日 2~3 回又は 300mg 1
日 2 回点滴静注した後期第Ⅱ相試験における複雑性尿路感染症患者での有効率は 40.6%(13/32 例)と低かった。
②1回400mg 1日2 回あるいは3 回投与時の有効性
重症又は他の抗菌剤で効果が得られない細菌性肺炎又は慢性呼吸器病変の二次感染の入院患者を対象に本剤
400mg 1 日 2 回あるいは 3 回点滴静注を行った臨床試験における治癒判定時(最終投与後 5~10 日目)の細菌性
肺炎での治癒率(「治癒」であった被験者の割合)は 70.0%(14/20 例)であった。細菌学的効果が判定できた
症例での治癒判定時の菌消失率は 54.5%(6/11 例)であった 116)。
本剤の適応症におけるインフルエンザ菌に対する有効性は承認時までの集積症例では検証されていない。
炭疽に対する臨床試験は国内外とも実施されていない。
2)小児[参考:外国人]
複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者(1~17 歳)を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験におい
て,治癒判定時(治療終了後 5~9 日目)の臨床効果が「治癒」又は「改善」であった被験者の割合は,シプロフ
ロキサシン * 95.7%(202/211 例),対照薬 **92.6%(214/231 例)であり,群間差[95%信頼区間]は,3[-
1.3, 7.3]%で,対照に対する非劣性(非劣性マージン:12%)が検証された。治癒判定時の菌消失率はシプロ
フロキサシン 86%(178/206 例),対照薬 81%(181/224 例)であった 118)。
嚢胞性線維症の肺感染増悪の小児患者(5~17 歳)を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験において,
投与終了時の臨床効果が「改善」であった被験者の割合は,シプロフロキサシン* 100%(41/41 例),対照薬*** 100%
(43/43 例)であり,投与終了時の 1 秒量(FEV1)のベースラインからの変化率は,シプロフロキサシン 12.3%,
対照薬 16.4%であった 119)。
炭疽に対する臨床試験は国内外とも実施されていない。
*:静注剤又は経口剤
**:セフタジジムとセフィキシム又はトリメトプリム・スルファメトキサゾールとの併用レジメン
***:トブラマイシンとセフタジジムとの併用レジメン
(3)臨床薬理試験、忍容性試験:
単回投与試験8,9,10),115)
健康成人15例に本剤50,100,200mgの点滴静注(1時間)及び50,100mgの急速静注(5分間)を行った。自・他覚症
状として血管痛,注射部位の発赤,頭痛,悪心が認められたが,いずれも軽度~中等度の一過性のものであった。臨
床検査値の異常変動も散見されたが,いずれも正常範囲をわずかに逸脱する程度であった。また,健康成人6例に200mg
点滴静注(1時間)の尿中薬物結晶の検討を行った。尿沈渣に針状結晶がみられたが,排尿直後の新鮮尿には薬物の
結晶は認められず,採尿後の室温放置中に析出したものであり,この事象はアーチファクトと推察された。さらに,
点滴時間等の薬物動態及び安全性に及ぼす影響を検討するため健康成人3例に30分点滴静注(100,200mg)を行ったが,
異常所見は何ら認められなかった。
33
Ⅴ.治療に関する項目
本剤の承認されている用法・用量は400mg1日2回であり,400mg単回点滴静注時の薬物動態及び忍容性は単回投与試験
で検討した。外国人健康成人12例に1回200~400mgを1時間点滴静注した結果,本薬の薬物動態は400mg まで線形であ
ることが示唆された。最も高頻度に認められた有害事象は注射部位における局所反応であったが,投与量増加に伴っ
た発現割合の上昇は認められず,忍容性は良好であった。
反復投与試験8,11,12),120)
健康成人 33 例に本剤 100mg1日2回点滴静注(1時間)及び 100,200,300mg1日2回7日間点滴静注(1~2時間)
を行った。自・他覚症状として,下痢,腹部不快感,血管痛,注射部位の発赤,頭痛,頭重感が認められたが,ほと
んどが軽度~中等度のものであった。中等度~重度の下痢が 100mg 及び 200mg1日2回7日間投与の各1例に認めら
れたが,投与中あるいは投与後速やかに回復した。臨床検査値の異常変動としては,ヘモグロビン,ヘマトクリット,
好酸球などの血液学的検査値の変動,AST(GPT),γ-GTP の上昇など正常範囲からの逸脱が散見されたが,反復投与時
の忍容性は良好で,本剤の腸内細菌叢に対する影響については,100mg1日2回7日間投与時,300mg1日2回7日間
投与時(薬物動態試験)で検討された。その結果,好気性菌の減少などが認められたが,投与終了後速やかに回復し,
本剤投与による C.difficile 及びその毒素は検出されなかった。
なお,単回投与試験及び反復投与試験における薬物動態の成績は[Ⅶ-1-(3)臨床試験で確認された血中濃度の項]参
照。
外国人健康成人24例に,CPFX 400mg を1 日3 回反復静脈内投与及び750mg を1 日2 回反復経口投与したときの定常状
態でのPK 及び蓄積性について検討し,併せて安全性及び忍容性を検討した。CPFX 400mg を1 日3 回静脈内投与及び
750mg を1 日2 回経口投与したときのAUC(0-24)とCmax は,単回(初回)投与後及び定常状態において同等であること
が示された。反復静脈内投与時と反復経口投与時における蓄積性について,両投与方法間に統計学的な有意差は認め
られなかった。本試験中に認められた有害事象は,経口投与時と比較して,静脈内投与時で発現割合が高かったが,
主に認められたものは投与部位における局所反応であり,投与終了後には消失した。
(4)探索的試験:用量
反応探索試験 13),114)
重症あるいは難治性感染症(内科,泌尿器科及び外科系)患者186例を対象とし,本剤200mg1日2~3回又は300mg1
日2回点滴静注し,有効性,安全性及び用法・用量を検討した。重症あるいは難治性感染症に対する臨床効果での有
効率は,呼吸器感染症72.1%(49/68例),外科的感染症86.0%(43/50例)であった.複雑性尿路感染症における有効
率は40.6%(13/32)と低かった。1日投与量別の有効率は,呼吸器感染症では400mg群(400mg未満の3例を含む)66.7%
(18/27例),600mg群75.6%(31/41例),外科的感染症では400mg群86.4%(19/22例),600mg群85.7%(24/28例)
であった。最も症例の多かった肺炎での有効率は,400mg(分2)投与で58.3%(7/12例),600mg(分2)投与では
87.0%(20/23例)と600mg(分2)投与で,高い傾向を示した(重症度を層としたMantel-Haenszel検定,p=0.064)。
以上のことより,本剤600mg/日(主として300mg1日2回)の点滴静注は,特にICU,外科術後感染症あるいは内科
的重症感染症で経口剤内服が困難な症例に対して,その臨床的有用性が期待できるものと考えられた。
小林
宏行他:日本化学療法学会雑誌, 45(10):846-871,1997
外国人健康成人12例に,CPFX注射剤300 及び400mg 並びにCPFX 錠500 及び750mgを単回投与したときのCPFX のPK ,
安全性及び忍容性を検討した。CPFX 300 及び400mg 静脈内投与並びに500 及び750mg 経口投与したときのPK に線形
性が認められた。いずれの用法・用量においてもCPFX の忍容性は良好であった。CPFX の全量200mL を60分間静脈内
持続投与する方法で,静脈内投与部位における局所反応は認められなかった。
34
Ⅴ.治療に関する項目
(5)検証的試験
1) 無作為化並行用量反応試験
無作為化並行用量反応試験は行っていない。
2) 比較試験14)
目的:本剤の有効性・安全性・有用性をセフタジジムと比較し評価する
試験デザイン
ランダム化,非盲検群間比較試験
対象
中等症もしくは重症の細菌性肺炎患者
主な登録基準
明確な感染症状を有する中等症もしくは重症の細菌性肺炎患者とし,胸部 X 線写真上明確な肺炎像を有し,少
なくとも以下の条件のうち 3 つ以上満たすもの
・体温
37.5℃以上
・白血球数
・CRP
9,000/mm3以上,又は明らかな好中球核左方移動を示すもの
2+以上
・起炎菌の検出される可能性が高いもの
主な除外基準
重篤な基礎疾患・合併症を有する症例,高度な心・肝・腎機能障害を有する症例,てんかんなどの痙攣性疾患
又はこれらの既往のある症例等
試験方法
本剤 1 回 300mg あるいは対照薬としてセフタジジム水和物を 1 回 2g,それぞれ 1 日 2 回点滴静注
主要評価項目
臨床効果
副次的評価
細菌学的効果
結果
主要評価
本剤 85。7%(78/91 例)
,対照薬 84.0%(63/75 例)の有効率であり,臨床効果において両群間の有効率に有
意差は認められなかった(Fisher の検定:p=0.829)
。
副次評価項目
細菌学的効果が判定できた症例での菌消失率は本剤 78.9%(30/38 例),対照薬 100%(28/28 例)と両群間に
有意差が認められた(Fisher の検定:p=0.017)
。
副作用
群
発現率%(発現例数/評価対象症例数)
シプロキサン注群
11.1%(16/99)
セフタジジム水和物群
13.8%(12/20)
(Fisher の検定:p=0.658)
原
耕平他:日本化学療法学会雑誌, 45(11):901-922,1997
3) 安全性試験
本剤は,新薬臨床評価ガイドラインに定められた長期投与試験及び薬物依存性試験を要する医薬品に該当しない。
4) 患者・病態別試験
65 歳以上の高齢者のみを対象とした臨床試験を行っていない。
(6)治療的使用
1) 使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験
該当しない
2) 承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要
該当しない
35
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
Ⅵ.
1.
薬効薬理に関する項目
薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
ニューキノロン系抗菌薬:パズフロキサシン,レボフロキサシン,ノルフロキサシン等
2.薬理作用
(1)作用部位・作用機序
細菌のDNAジャイレースに作用し,DNA合成を阻害する。抗菌作用は殺菌的で溶菌作用が認められる。最小発
育阻止濃度は最小殺菌濃度とほぼ一致し,細菌の対数増殖期だけでなく休止期にも作用する。15)
DNA ジャイレースに対する阻害作用(in vitro)
大腸菌(E.coli)由来 DNA ジャイレースに対するシプロキサンの阻害作用をアガロースゲル電気泳動により測定した。
シプロキサンは ATP 存在下での relaxed plasmid DNA の cccDNA への変換(super coil 反応),ATP 非存在下での relaxed
DNA への変換(relax 反応)に対し,強い阻害効果を示した。15)
(μg/mL)
薬剤
MIC
ID50(supercoil)
ID50(relax)
シプロキサン
オフロキサシン
ノルフロキサシン
0.006
0.05
0。05
1.0
3.1
2.4
0.017
0.34
0.52
ID50:50%阻害濃度
(2)薬効を裏付ける試験成績
抗菌力
標準株に対する抗菌力(in vitro)16,17,18,19,20)
シプロフロキサシン(CPFX)には好気性のグラム陽性菌,グラム陰性菌及び非定型菌に対する幅広い抗菌スペクトルが
認められた。
グラム陽性菌
菌
種
Staphylococcus aureus 209 P-JC
Staphylococcus aureus Smith
Staphylococcus aureus Terajima
Staphylococcus epidermidis ATCC14990
Micrococcus luteus ATCC 9341
Micrococcus lysodeikticus IFO 3333
Enterococcus faecalis ATCC51299
Streptococcus pneumoniae Type I*
Streptococcus pneumoniae Type II*
Streptococcus pneumoniae Type III*
Streptococcus pyogenes C-203*
Viridans group Streptococcus*
Bacillus subtilis ATCC6633
Bacillus anthracis
Corynebacterium diphtheriae*
CPFX
0.05
0.1
0.1
0.1※
0.78※
0.39※
0.39
0.39※
0.39※
0.2※
0.2※
0.78※
0.025※
0.05
0.1※
MIC(μg/mL)
IPM
FMOX
CAZ
0.012
0.39
6.25
0.012
0.39
6.25
0.012
0.78
12.5
0.012
0.78
3.13
0.012※
0.05※
0.39※
0.012※
0.2※
1.56※
0.78 >100※
>100※
≦0.006
0.2
0.1
≦0.006
0.2
0.2
≦0.006
0.1
0.1
≦0.006
0.39
0.1
1.56
25
>100
0.012※
0.39※
1.56※
※
※
0.012
0.78
50※
0.1※
1.56※
12.5※
接種菌量:106CFU/mL
培地:Sensitivity test寒天培地 (* 5%馬脱繊維血液添加)
培養条件:37℃,24 時間
※適応外菌種
36
CZOP
0.39
0.78
0.78
0.39
0.025※
0.39※
12.5
0.025
0.05
0.012
0.012
1.56
0.2※
12.5※
0.78※
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
グラム陰性菌
菌
MIC(μg/mL)
種
CPFX
Escherichia coli NIH JC-2
Escherichia coli K-12
Citrobacter freundii NIH 10018-68
Klebsiella pneumoniae KC-1
Enterobacter cloacae KC-113
Enterobacter aerogenes NCTC 10006
Serratia marcescens T-55
Hafnia alvei NCTC 9540
Proteus vulgaris OX-19
Proteus mirabilis 1287
Proteus inconstans NIH 118
Morganella morganii KONO
Providencia rettgeri NIH 96
Providencia stuartii 57
Salmonella typhi O-901
Salmonella paratyphi A
Salmonella paratyphi B
Salmonella enteritidis
Shigella dysenteriae EW-7
Shigella flexneri 2aEW-10
Shigella boydii EW-28
Shigella sonnei EW-33
Pseudomonas aeruginosa No. 12
Pseudomonas aeruginosa Nc-5
Pseudomonas aeruginosa PAO-1
Pseudomonas aeruginosa E-2
Stenotrophomonas maltophilia NCTC 13637
Burkholderia cepacia ATCC25416
Acinetobacter calcoaceticus Ac-54
Legionella pneumophila ATCC33155
IPM
0.025
0.1
≦0.006
0.2
0.05※
0.39
0.012
0.2
0.012
0.2
0.05
0.78
0.1※
0.39
≦0.006※
0.39※
※
0.012
0.1
0.012※
0.78
0.025※
0.2
0.025※
0.78
0.012※
0.39
0.025※
0.1
≦0.006※
0.05※
≦0.006※
0.2※
≦0.006※
0.1※
※
≦0.006
0.2※
※
0.012
0.05※
※
0.012
0.2※
≦0.006※
0.1※
≦0.006※
0.1※
0.2
0.78
0.025
12.5
0.1
12.5
0.2
1.56
0.2※ >100
0.78※
0.025
0.025※
0.39
0.006
FMOX
CAZ
CZOP
0.1
0.05
1.56※
0.1
0.1※
100※
0.39※
0.39※
0.39
0.2
0.2
1.56
0.05
0.05
0.05※
0.05※
0.025※
0.05※
0.1※
0.1※
0.025※
0.05※
>100※
>100※
>100※
>100※
100※
12.5※
0.78※
0.2
0.1
0.39
0.05
0.2
0.78
0.39
0.39※
0.025
0.025
0.78
0.2
0.025
0.025
0.05※
0.05※
0.05※
0.1※
0.2※
0.1※
0.05※
0.1※
1.56
0.78
1.56
0.78
6.25
12.5
0.78
0.05
0.025
0.1
0.1
0.05
0.1
0.1
0.05※
0.1
0.1
0.1
0.2
0.05
0.012
0.05※
0.05※
0.025※
0.05※
0.025※
0.05※
0.012※
0.025※
0.78
0.2
0.78
0.78
100
12.5
0.1
接種菌量:106CFU/mL
培地:Sensitivity test寒天培地
培養条件:37℃,24時間
非定型菌
菌
MIC(μg/mL)
種
Mycoplasma pneumoniae FH
Chlamydia pneumoniae TW-183
Chlamydia psittaci Budgeriger
CPFX
OFLX
0.63※
1※
1※
1.25※
0.5※
0.5※
EM
0.016
0.25※
0.25※
接種菌量:106CFU/mL
培地:B-SYE寒天培地
培養条件:35℃,48時間
嫌気性菌
菌
MIC(μg/mL)
種
Peptostreptococcus asaccharolyticus
Peptostreptococcus magnus
Propionibacterium acnes
Clostridium difficile
Clostridium perfringens
Bacteroides fragilis
Bacteroides vulgatus
Bacteroides thetaiotaomicron
Prevotella bivia
Fusobacterium varium
Veillonella parvula
WAL 3218
ATCC 29328
ATCC 11828
GAI 10029
ATCC 13124
GAI 5562
ATCC 8482
ATCC 29741
ATCC 29303
ATCC 8501
ATCC 10790
摂取菌量:106CFU/mL,培養条件:37℃,2 日間
培地:5%羊溶血血液添加 Brucella HK 寒天培地
37
CPFX
OFLX
0.78※
0.05※
0.78※
6.25※
0.2※
3.13※
3.13※
12.5※
25※
6.25※
0.05※
3.13
0.2
0.78※
25※
0.78※
3.13※
3.13※
12.5※
12.5※
6.25※
0.78※
TFLX
0.39
0.1
3.13
3.13※
0.39※
0.78
1.56
1.56
6.25※
3.13※
0.39※
SPFX
0.1
0.1
0.78
25※
0.1※
0.78
1.56
1.56
6.25※
3.13※
0.2※
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
※適応外菌種
臨床分離株に対する抗菌力(in vitro)20,21,22,23,24)
CPFX は MRSA,E.faecalis,P.rettgeri,S.maltophilia,B.cepacia を除く菌株に対し,MIC90 が 2μg/mL 以下であり,
グラム陰性菌に対しては他剤に比べ強い抗菌力を示した。とくに P.aeruginsoa に対しては,MIC90 が 2μg/mL で最も強
い抗菌活性を示した。
臨床分離株に対する MIC90(μg/mL)
試験菌株
株数
MSSA
186
MRSA
331 >128※
128※
PSSP
156
1※
≦0.063
0.25
4
PISP
112
2※
0.25
4
8
8
PRSP
15
2※
0.5
8
16
16
51
2※
≦0.063
Streptpcoccus pyogenes
Enterococcus faecalis
Escherichia coli
Klebsiella pneumoniae
Proteus mirabilis
Proteus vulgaris
Providencia rettgeri
Morganella morganii
Citrobacter freundii
Enterobacter cloacae
Moraxella catarrhalis
Haemophilus influenzae
Pseudomonas aeruginosa
Stenotrophomonas maltophilia
Acinetobacter baumannii
Burkholderia cepacia
Bacillus anthracis
Legionella spp.
136
CPFX
IPM
8
FMOX
≦0.063
64
8
>128※
0.25
※
>128※
0.25
0.25
※
>128
>128
306
≦0.063
0.25
0.125
146
≦0.063
0.25
≦0.063
58
≦0.063※
1
26
※
0.5
128
0.25
1
0.125
1
0.25
≦0.063
2
2
0.25
0.125
2
11
16※
2
2
0.5
2
71
1※
2
61
0.25※
0.25
0.5
0.5
105
113
159
≦0.063
SBT/CPZ
8
128※
4
CAZ
1
※
※
≦0.063
2
127
8※
62
※
2
26
16※
>128※
64
32
0.125
0.25
4
4
0.06
0.125
0.25※
1※
0.25
0.25
32
32
64
>128
64
32※
0.5
39
Mycoplasma pneumoniae
Chlamydia pneumoniae
4
32
8
32
70
試験菌株
4
32
※
≦0.063
446
4
128※
4
>128※
32
株数
CPFX
OFLX
50
3.2※
0.8※
25
2.0※
1.0※
EM
0.25※
※適応外菌種
他剤耐性緑膿菌に対する抗菌力(in vitro)21)
CPFX は IPM 耐性緑膿菌及び CAZ 耐性緑膿菌に対し,最も強い抗菌力を示した。
■IPM 耐性緑膿菌(IPM の MIC≧16μg/mL,n=135) ■CAZ 耐性緑膿菌(CAZ の MIC≧32μg/mL,n=46)
38
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
殺菌曲線(in vitro)
各種濃度の CPFX を P.aeruginosa S10 株に作用させ,生菌数の変化を観察した。CPFX は IPM と同等,CZOP,CAZ より優
れた殺菌効果を示した。25)
■各抗菌薬含有培地で培養後の P.aeruginosa S10 株の生菌数
実験的感染症に対する治療効果
1) 投与経路による比較
各種細菌によるマウス全身感染症モデル(正常マウス)において,CPFX の静脈内投与は経口投与時に比べ,低い ED50
値を示し,優れた治療効果を示した。26)
■マウス全身感染症モデルに対する CPFX の治療効果(静注と経口の比較)
ED50 比
ED50
(mg/kg)
(経口/注射)
注射
0.538
S.aureus Smith
2.0×106
12.1
経口
6.50
注射
0.0625
E.coli 444
1.6×106
6.4
経口
0.400
注射
0.0941
3
K.pneumoniae KC-1
4.0×10
17.0
経口
1.60
注射
0.294
S.marcescens T-55
2.5×106
9.9
経口
2.92
注射
7.76
P.aeruginosa 15846
4.0×104
14.0
経口
109
方法:所定の菌量に調製した感染菌液を 6%ムチンと等量混合した後,マウス腹腔内に接種した。接種 2 時間後に塩酸シプロフロキサシンを静脈内あ
るいは経口投与し,感染 7 日後の生存動物から Probit 法により 50%有効用量(ED50)を算出した。
試験菌株
接種菌量
(cfu/mouse)
投与経路
2) マウス肺感染症モデルにおける検討(in vivo)
ムコイド型緑膿菌(P.aeruginosa)NUS10 株による肺感染症モデルにおいて,CPFX は IPM/CS,CZOP と比較し,有意
に肺内生菌数を低下させ,優れた治療効果を示した。また,肺組織の炎症の程度は他剤に比べ軽度であった。27)
39
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
■肺内生菌数の変化
材料及び方法: 感染菌として,臨床分離株であるムコイド型緑膿菌 S10 株を用い,動物として ddY 系,雄,7 週齢マウスを用
いた.プラスチックチューブ気管内に経口的に挿管した後,経気管的に緑膿菌を摂取した.感染の惹起は,
生理食塩液に 1×103cfu/mL の菌を含む菌浮遊液を 0.05mL ずつ接種した.感染 3 日後より,CPFX20mg/kg,
IPM/CS50mg/kg,CZOP50mg/kg をそれぞれ 1 日 2 回の腹腔内投与を 3 日間行った後,肺組織を摘出し,菌数及
び肺組織内薬物濃度を測定した.
3) 肺炭疽発症抑制試験(in vivo)
雌雄アカゲザル(体重 5.8~13.0kg)に炭疽菌芽胞を吸入曝露させた後,曝露 24 時間後より CPFX を 30 日間経口投
与した結果,非治療群(10 例中 9 例死亡:吸入曝露後 3~8 日以内)と比較し,CPFX 投与群(9 例中 1 例死亡:投与
終了 6 日目)で有意な死亡率の低下が認められた。28)
■アカゲサルにおける実験的炭疽菌吸入曝露後の肺炭疽発症抑制試験
実験方法
投与群
投与量
死亡数/全例
P値
死亡日
吸入曝露後
コントロール
-
9/10
-
3-8 日目
ワクチン
-
8/10
> 0.1
5-10 日目
雌雄アカゲザル(体
180000U
3/10
< 0.02
39-50 日目
重 5.8-13.0kg)に炭 ペニシリン
1日2回
疽菌芽胞を吸入曝露
250mg 単回
注 1)
させた後,薬剤を 30 シプロフロキサシン
1/ 9
< 0.002
36 日目
125mg 1 日 2 回
日間経口投与,ワク
60mg 単回
チンを 1 及び 15 日目 ドキシサイクリン
1/10
< 0.002
58 日目
30mg 1 日 2 回
に投与
ドキシサイクリン
60mg 単回
0/ 9 注 2)
< 0.0002
-
+ ワクチン
30mg 1 日 2 回
注 1)吸入曝露後 5 日目に死亡1例が認められたが,剖検後,炭疽の発症が認められなかったため除外
注 2)吸入曝露後 36 日目に死亡1例が認められたが,剖検後,炭疽の発症が認められなかったため除外
CPFX の MIC:0.08μg/mL
(3)作用発現時間・持続時間
該当資料なし
40
Ⅶ.薬物動態に関する項目
Ⅶ.
1.
薬物動態に関する項目
血中濃度の推移・測定法
(1)治療上有効な血中濃度
該当資料なし
(2)最高血中濃度到達時間
点滴静注開始 1 時間後(点滴静注終了時)
(3)臨床試験で確認された血中濃度
1) 健康成人における単回投与時の血中濃度 8,12)
日本人健康成人に 200,300mg を 1 時間単回点滴静注した場合,血中未変化体濃度推移及び薬物動態学的パラメータ
は以下のとおりである。
単回点滴静注時の血漿中 CPFX 濃度推移
(μg/mL)
血漿中CPFX濃度
10
300mg (6例)
200mg (3例)
1
Mean±S.D.
0.1
0.01
0
2
4
6
8
10
12
14
投与後時間(hr)
単回点滴静注時の薬物動態学的パラメータ
投与量
t1/2α
t1/2β
Cmax
Vc
Vss
CLtot
AUC0-∞
(例数)
(hr)
(hr)
(μg/mL)
(L)
(L)
(L/hr)
(μg⋅hr/mL)
200mg
0.20
3.5
2.53
29.1
117.3
30.3
6.66
(n=3)
±0.01
±0.3
±0.16
±2.1
± 16.0
± 3.2
± 0.73
300mg
0.12
2.6
3.33
23.3
111.8
41.5
7.49
(n=6)
± 0.03
±0.3
±0.55
±7.4
± 21.8
± 9.3
± 1.39
t½ :半減期,Cmax:最高血中濃度,Vc:体循環分布容積,Vss:定常状態分布容積, Mean±SD
CLtot:総クリアランス,AUC:血中濃度時間曲線下面積,2-コンパートメントモデル解析
外国人健康成人に 1 回 200~400mg を 1 時間点滴静注した結果,本薬の薬物動態は 400mg まで線形であることが示唆
された 114,115)。
41
Ⅶ.薬物動態に関する項目
外国人健康成人を対象とした CPFX 200,300 及び 400mg を単回静脈内投与後の血清中 CPFX 濃度推移
外国人健康成人を対象とした CPFX 単回静脈内投与後の血清中 CPFX の PK パラメータ
42
Ⅶ.薬物動態に関する項目
2) 健康成人における反復投与時の血中濃度 12)
日本人健康成人に 1 回 300mg を 1 日 2 回 1 時間点滴静注にて 7 日間反復投与した場合,血中未変化体濃度推移及び薬
物動態学的パラメータは以下のとおりである。(ただし 1,7 日目は 1 日 1 回投与)
反復点滴静注時の血漿中 CPFX 濃度推移
(μg/mL)
10
投与1日目
投与7日目
血漿中CPFX濃度
Mean±S.D. (n=6)
1
0.1
0.01
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
22
24
投与後時間(hr)
反復投与時の薬物動態学的パラメータ
投与量
投与日数
t1/2α
t1/2β
Cmax
Vc
Vss
CLtot
AUC0-∞
(例数)
(投与回数)
(hr)
(hr)
(μg/mL)
(L)
(L)
(L/hr)
(μg⋅hr/mL)
300mg×2/
日×7 日間
(n=6)
1 日目
0.12
2.6
3.33
23.3
111.8
41.5
7.49
(1 回目)
±0.03
±0.3
±0.55
±7.4
± 21.8
± 9.3
± 1.39
7 日目
0.12
2.8
3.74
19.8
101.9
34.6
8.98
(12 回目)
± 0.01
±0.3
±0.51
±2.4
± 15.9
± 7.7
± 1.66
2-コンパートメントモデル解析
Mean±S.D.
外国人健康成人に,CPFX 400mg を 1 日 3 回反復静脈内投与及び 750mg を 1 日 2 回反復経口投与した場合での平均
血清中 CPFX 濃度推移と単回(初回)及び反復投与後の投与方法による PK パラメータの比較は以下のとおりである。
120)
外国人健康成人を対象とした CPFX 400mg を単回/反復静脈内投与及び
750mg を単回/反復経口投与したときの血清中 CPFX 濃度推移
43
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(PK 解析対象集団:N=18)
外国人健康成人を対象とした CPFX 400mg を単回/反復静脈内投与及び 750mg を
単回/反復経口投与したときの PK パラメータ(最小二乗平均値)と曝露量の比較
(PK 解析対象集団:N=18)
3) 患者における血中濃度
日本人患者に 1 回 400mg を 1 日 2 回又は 1 日 3 回 1 時間点滴静注反復投与した場合の投与開始 3~6 日目における血
中未変化体濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりである 116)。
44
Ⅶ.薬物動態に関する項目
患者における薬物動態学的パラメータ
投与量
400mg 1 日 2 回
400mg 1 日 3 回
AUCt,ss
Cmax,ss
t1/2,ss※
(μg⋅hr/mL)
(μg/mL)
8.07(22.5)
[22]
(hr)
2.44~8.10
[23]
22.2(28.8)
8.14(24.1)
3.00~4.54
[8]
[8]
[8]
25.8(23.4)
[21]
幾何平均(変動係数%)[例数],※:範囲
4) 高齢者における血中濃度
高齢者(70~76 歳)に 1 回 200mg,1 日 1 回 1 時間点滴静注(1 例),1 回 300mg 1 日 2 回 1 時間点滴静注(4 例)した
場合,健康成人と比較して AUC の増加,CLtot の低下が認められ,また Cmax の増加,Vss の低下が示唆された。13,29)
高齢者における点滴静注時の薬物動態学的パラメータ
年齢
t1/2α
t1/2β
Cmax
Vc
Vss
CLtot
AUC0-∞
(歳)
(hr)
(hr)
(μg/mL)
(L)
(L)
(L/hr)
(μg⋅hr/mL)
71
0.27
2.6
3.51
24.9
69.0
28.8
6.95
70
0.11
2.7
3.53
24.8
97.2
29.8
10.08
300mg
71
0.30
3.5
5.71
24.3
77.6
22.6
13.29
1時間点滴
75
0.71
3.6
3.13
73.5
108.8
24.4
12.31
76
0.47
3.5
5.16
36.6
75.4
19.5
15.37
投与量
200mg
1時間点滴
個別値,2-コンパートモデル解析
5) 小児患者の血中濃度<外国人データ>
外国人小児患者を対象とした母集団薬物動態解析の結果,非囊胞性線維症小児患者(体重 30kg,クレアチニンクリ
アランス 100mL/min を想定)におけるクリアランス及び分布容積の母集団平均値はそれぞれ 0.60L/h/kg 及び
2.16L/kg であり,承認用法・用量を投与した際の薬物動態は,小児患者と成人患者とで明らかな差はないことが推
定された 117)。
6) 腎障害患者における薬物動態
腎障害を有する各種感染症患者3例の血中濃度推移から算出した薬物動態学的パラメータを以下に示した。
投与量にかかわらず,腎障害患者において健康成人男子と比較して著明な AUC 及び Cmax の増加,Vss 及び CL の低下な
らびに t1/2βの延長が認められた。 また,CPFX の尿中排泄について検討した1例(1回 200mg1日2回1時間点滴静
注)においては,投与期間中の 24 時間尿中排泄率は 8.19~11.74%であり,健康成人男子と比較して著明な低下が認
められた。13,29)
腎障害患者における点滴静注時の薬物動態学的パラメータ
Ccr
t1/2α
t1/2β
Cmax
Vc
Vss
CLtot
AUC0-∞
(mL/min)
(hr)
(hr)
(μg/mL)
(L)
(L)
(L/hr)
(μg⋅hr/mL)
15.3
1.00
14.0
4.20
37.9
95.3
5.4
36.80
300mg
19.68
0.21
8.0
14.13
7.8
47.9
5.0
60.49
1 時間点滴
68.9
0.47
3.5
5.16
36.6
75.4
19.5
15.37
投与量
200mg
1 時間点滴
個別値,2-コンパートメントモデル解析
45
Ⅶ.薬物動態に関する項目
腎機能障害患者での薬物動態<外国人データ>
程度別クレアチニンクリアランス値(Ccr)により腎機能正常例(Ccr>90)(10 例),軽度障害者(61≦Ccr≦90)(11 例),中等
度障害者(31≦Ccr≦60)(11 例) 及び,重度障害者(Ccr≦30)(10 例)の4群に分け,1回 400mg(重度障害者に対しては
300mg)を8~12 時間毎に本剤を点滴静注にて反復投与したところ,腎機能低下に伴い血中濃度の上昇,t1/2 の延長及び
尿中排泄率(腎クリアランス)の低下が認められている。30)
腎機能障害患者における点滴静注した際の薬物動態学的パラメータ
クレアチニンクリアランス
投与量・投与間隔
Cmax
AUC
AUC0-24C
t1/2
CLtot
CLr
(mg/mL)
(mg・hr/mL)
(mg・hr/mL)
(hr)
(L/hr/kg)
(L/hr/kg)
1日目
1日目
5 日目
1日目
1日目
1日目
Ccr>90a
3.80
10.2
32.5
4.59
0.45
0.234
400mg 8 時間毎 (n=10)
(14)
(19)
(18)
(16)
(20)
(12)
61≦Ccr≦90a
4.59
15.4
50.4
5.23
0.33
0.138
400mg 8 時間毎 (n=11)
(20)b
(22)b
(22)b
(32)
(19)b
(80)
31≦Ccr≦60
5.35
21.5
48.3
5.72
0.23
0.087
400mg 12 時間毎 (n=11)
(28)b
(26)b
(24)b
(13)b
(20)b
(47)b
a
Ccr≦30a
4.28
30.1
66.3
8.33
0.13
0.018
300mg 12 時間毎 (n=10)
(21)b
(28)b
(29)b
(30)b
(26)b
(86)b
幾何平均 (変動係数%)
2
a
a: 単位 mL/min/1.73m ,b: p<0.05 (vs. Ccr>90 group),
c: AUC0-τ,ss × 投与回数/日,Ccr: クレアチニンクリアランス (24 時間内因性クレアチニンクリアランス試験による),
CLr: 腎クリアランス
腎機能障害患者に対する投与量及び投与間隔の調整
Ccr≧61 では 400mg を 12 時間間隔毎に,30≦Ccr≦60 では 200mg を 12 時間間隔毎に,Ccr<30 では 200mg を 24 時間間隔
毎,病状により必要と判断された場合には 1 回量として 400mg を投与する。
〈参考〉腎機能障害患者に対する投与量及び投与間隔の調整
(
中等度
30≦Ccr(mL/min)≦60
200mg×2 回/日
重 度
Ccr(mL/min)<30
200mg×1 回/日
200mg×1 回/日
(400mg×2 回/日)
(400mg×1 回/日)
(400mg×1 回/日)
血液透析患者
):病状により必要とされた場合
(4)中毒域
該当資料なし
(5)食事・併用薬の影響
該当資料なし
(6)母集団(ポピュレーション)解析により判明した薬物体内動態変動要因
該当資料なし
2.薬物速度論的パラメータ
(1) 解析方法
2-コンパートメントモデルにて解析した。[Ⅶ-1-(3) 臨床試験で確認された血中濃度の項]参照
46
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(2)吸収速度定数
該当しない
(3)バイオアベイラビリティ
該当資料なし
(4)消失速度定数
0.198~0.267h-1
(5)クリアランス
[Ⅶ-1-(3) 臨床試験で確認された血中濃度の項]参照
(6)分布容積
[Ⅶ-1-(3) 臨床試験で確認された血中濃度の項]参照
(7)血漿蛋白結合率
In vitro 試験において限外濾過法により求めたシプロフロキサシンのヒト血漿蛋白結合率は 26.1~31.6%であった。
3.吸収
(1)吸収部位
該当しない
(2)腸肝循環
該当資料なし
<参考>動物データ(ラット)
ラットに 14C-塩酸シプロフロキサシン 5mg/kg を十二指腸内投与し採取した胆汁を別のラットの十二指腸内に注入したと
ころ,尿及び胆汁中にはそれぞれ注入放射能の 2.60%及び 1.84%が排泄された。また,このときの消化管を除く屍体中
には注入量の 2.41%に相当する放射能が認められたことから,腸肝循環による再吸収率は十二指腸内注入放射能の
6.85%と評価された。また,正常ラット及び胆管カニュレーションを施したラットに 14C-塩酸シプロフロキサシン 5mg/kg
を静脈内投与したときの血漿中放射能の AUC に大差はなく,腸肝循環の寄与はほとんどないものと推察された。
4.
分布
(1)血液-脳関門通過性<外国人データ>
脳腫瘍,動脈瘤,先天性の血管障害の患者 5 例に脳組織切除手術 3~5 時間,22~26 時間前にシプロフロキサシン錠
750mg を単回経口投与し,血清及び脳組織中の濃度を測定した。投与 3~5 時間後の血中濃度及び 3 時間後の脳組織
中の平均濃度は,それぞれ 2.82μg/mL(0.62~7.54),2.18μg/mL(0.69~5.05)であった。31)
(2)血液-胎盤関門通過性<外国人データ>
20 例の妊婦(平均 21 週)に本剤 200mg を静注した時,投与 2~4 時間後の平均血中濃度及び羊水中濃度はそれぞれ,
0.28±0.19μg/mL ,0.12±0.06μg/mL で,対血清比は 57%であった。32)
47
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(3)乳汁への移行性<外国人データ>
授乳期の婦人 10 例にシプロフロキサシン錠 750mg を 12 時間毎,3 回経口投与した時,投与 2 時間後の乳汁中濃度は
3.79±1.26μg/mL で血清中濃度(2.06±0.6μg/mL)より高値を示した。投与終了後 2~12 時間の乳汁/血清比は 160
~214%であった。32)
(4)髄液への移行性<外国人データ>
髄膜炎患者 20 例に本剤 200mg を単回静注した時,投与 1~1.25 時間後の平均髄液内濃度は 0.131μg/mL(0.045~
0.25)で,対血清比は 24.7%であった。33)
(5)その他の組織への移行性
48
Ⅶ.薬物動態に関する項目
5.
代謝
(1)代謝部位及び代謝経路
健康成人に 300mg を1時間単回点滴静注した場合,血中及び尿中代謝物として脱エチレン体(M1),N-硫酸抱合体(M2),
オキソ体(M3)の3種が検出された。血中濃度推移(AUC)から求めた未変化体に対する存在比はそれぞれ 1.8%,4.8%,
7.3%と低かった。12)
■シプロフロキサシンの代謝経路
(2)代謝に関与する酵素(CYP450等)の分子種
該当資料なし
(3)初回通過効果の有無及びその割合
該当資料なし
(4)代謝物の活性の有無及び比率
M1 及び M2 は全ての菌株において,非常に弱い抗菌活性を示した。M3 はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に抗菌活性
を示したが,シプロフロキサシンより弱かった。
(5)活性代謝物の速度論的パラメータ
健康成人 6 例に 300mg を 1 時間単回点滴静注時の代謝物の薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった。12)
t1/2
Cmax
AUC0-∞
パラメータ
(hr)
(μg/mL)
(μg・hr/mL)
M1
5.3±1.1
0.0196±0.0060
0.136±0.034
M2
n.c.
0.147±0.041
0.357±0.182
M3
3.3±0.8
0.121±0.044
0.545±0.147
Mean±S.D.,n=6
6.
排泄
(1)排泄部位及び経路
本剤は主として腎臓から排泄される。
(2)排泄率
健康成人に 300mg を1時間単回点滴静注した場合,投与量に対する投与後 24 時間までの尿中排泄率は未変化体:
58.1%,代謝物M1:1.0%,M2:2.6%,M3:4.6%であり,未変化体と代謝物あわせて 66.3%であった。12)
49
Ⅶ.薬物動態に関する項目
<外国人データ>
健康成人 5 例及び腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス 12mL/分)5 例にそれぞれ本剤 200mg を 30 分間単回静
注投与し,投与後 7 日間にわたり,尿及び糞便を採取し,CPFX 及び代謝物排泄量を測定したところ以下のとおりであっ
た。43)
CPFX 及び代謝物の尿及び糞便中累積排泄率(%)
(例数)
健康成人
(n=5)
腎機能障害
患者(n=5)
CPFX
65.3 ±
10.7
19.0 ±
15.9
尿
代謝物
12.2 ±
2.3
5.8 ±
5.1
合計
77.5 ±
12.4
24.8 ±
20.9
CPFX
11.4 ±
2.6
37.2 ±
12.5
糞便
代謝物
7.3 ±
1.6
26.2 ±
6.5
合計
18.8 ±
3.1
63.3 ±
18.2
CPFX
76.7 ±
11.3
56.1 ±
13.6
合計
代謝物
19.6 ±
3.7
32.0 ±
7.6
合計
96.3 ±
14.1
88.1 ±
20.9
Mean±SD
(3)排泄速度
0.198~0.267h-1
7.
トランスポーターに関する情報
該当資料なし
8.
透析等による除去率
腹膜透析<外国人データ>
腹膜透析患者での薬物動態
腹膜透析を受けている慢性腎障害患者 8 例を対象に,クロスオーバー法により透析液交換時(0h)に本剤 400mg を 1
時間かけて点滴静注した際の 1 群(投与後 4,8,12,24 時間後に透析液を交換),2 群(投与後 12,24 時間後に透析
液を交換)の薬物動態学的パラメータは以下の通りである。
パラメータに両投与群で差は認められず腹膜透析により除去されたシプロキサンは 10%程度と考えられた。44)
■腹膜透析前後における点滴静注時の薬物動態学的パラメータ
Cmax
AUC0-24
Vss
投与時期
CL
CLd
(L)
(L/hr)
(L/hr)
38.7
120
10.3
0.18
(30)
(22)
(30)
(22)
5.50
38.2
130
10.5
0.08
(29)
(28)
(23)
(30)
(μg/mL)
(μg・hr/mL)
腹膜透析
5.88
1群
(22)
腹膜透析
2群
(21)
幾何平均(変動係数%),n=8
CLd(dialysate clearance):腹膜透析によるクリアランス
血液透析<外国人データ>
血液透析患者での薬物動態
血液透析を受けている慢性腎障害患者7例を対象として,本剤 400mg をクロスオーバー法により,血液透析終了直後
及び血液透析開始2時間前にそれぞれ単回点滴静注(1時間)した際の薬物動態学的パラメータは以下のとおりである。
パラメータに両投与時期間で差は認められず,血液透析により除去されたシプロフロキサシンは 10%程度と考えられた。
45)
50
Ⅶ.薬物動態に関する項目
血液透析前後における点滴静注時の薬物動態学的パラメータ
Cmax
AUC0-24
AUC
AUCnorm
投与時期
t1/2
Vss
CL
CLr
CLd
(hr)
(L)
(L/hr)
(L/hr)
(L/hr)
8.84
12.5
129.2
8.95
0.10
1.18
(50)
(68)
(22)
(56)
(169)
(85)
38.4
7.65
11.4
160.4
10.4
0.11
2.44
(55)
(45)
(62)
(27)
(55)
(158)
(37)
(mg/mL)
(mg・hr/mL)
7.01
39.4
44.7
(44)
(41)
(56)
血液透析
5.71
34.6
2時間前
(45)
(45)
血液透析後
(mg・hr/mL) (kg・hr/L)
幾何平均(変動係数%),n=7
CLd(dialysate clearance):血液透析によるクリアランス,
AUCnorm:体重当たりの投与量(mg/kg)で標準化した AUC
〈参考〉血液透析患者に対する投与量及び投与間隔の調整
血液透析患者
200mg×1 回/日
(400mg×1 回/日)
(
):病状により必要とされた場合
直接血液灌流
該当資料なし
51
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
Ⅷ.
安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
該当なし
2.禁忌内容とその理由
■禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(解説)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある場合,重篤なアレルギー反応を惹起する可能性が考えられるため,本剤の投与は
行わないこと。
(2)ケトプロフェン(皮膚外用剤を除く)を投与中の患者 [「相互作用」の項参照]
(解説)
ケトプロフェンとの併用により,ニューキノロン系抗菌剤の GABAA 受容体への阻害作用が増強され,痙攣が誘発される
と考えられているため,ケトプロフェン(皮膚外用剤を除く)を投与中の患者に本剤の投与は行わないこと。
なお,シプロキサン錠では,ケトプロフェンとの併用による痙攣発現症例が国内で2例報告されている。46)
(3)チザニジン塩酸塩を投与中の患者 [「相互作用」の項参照]
(解説)
チザニジンの Cmax が 7 倍,AUC が 10 倍それぞれ上昇し,血圧低下,傾眠,めまい等があらわれたとの報告がある。47)
本剤とチザニジンとの併用により,チザニジンの作用を増強させるおそれがあるので,併用しないこと。
(4)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(ただし,炭疽に限り,治療上の有益性を考慮して投与すること。) [「妊
婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
(5)小児等(ただし,複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,嚢胞性線維症,炭疽の患児を除く) [「小児等への投与」の項参照]
(4)の(解説)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対する使用経験がなく,妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。妊
婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
(5)の(解説)
小児においては,複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,炭疽及び「嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善」
以外の適応症については,有効性・安全性が確立していない。複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,嚢胞性線維症,炭疽の患児を除
き,小児等への本剤の投与は行わないこと。
3.
効能又は効果に関連する使用上の注意とその理由
「Ⅴ.治療に関する項目」を参照すること。
4.
用法及び用量に関連する使用上の注意とその理由
「Ⅴ.治療に関する項目」を参照すること。
52
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
5.慎重投与内容とその理由
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(解説)
本剤の投与により過敏症等があらわれることがあるので,本人または両親,兄弟にアレルギー症状を起こしやすい体
質を有する患者では,本剤を慎重に投与する必要がある。
(2)高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続するので,慎重に投与すること。(「用法・用量に関連する使用上
の注意」,「薬物動態」の項参照)]
(解説)
腎障害患者において健康成人男子と比較して著明な AUC 及び Cmax の増加,Vss 及び CL の低下ならびにt1/2βの延長
が認められる。13,29)[Ⅶ-1-3 の項]参照
(3)うっ血性心不全,腎不全,ネフローゼ症候群等,ナトリウムの摂取が問題となる患者[本剤には塩化ナトリウム
が含まれている]。
(解説)
本剤 200mg 及び 400mg には,塩化ナトリウムがそれぞれ 100mL 中に 900mg,200mL 中に 1800mg 含まれており,使用時
には生理食塩液で希釈されることが多く,さらに塩化ナトリウムが負荷される可能性があることから,うっ血性心不
全,腎不全,ネフローゼ症候群,ナトリウムの摂取が問題となる患者には注意が必要である。
(4)てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
(解説)
ニューキノロン系抗菌剤には,中枢神経における抑制神経伝達物質である GABAA(γ―アミノ酪酸)の受容体を阻害す
る作用があり,中枢神経系の興奮性の上昇していることが考えられる。てんかん等の痙攣性疾患,またはこれらの既
往歴のある患者,高度の脳動脈硬化症のある患者においては,痙攣が起こりやすいと考えられるため,慎重に投与す
る必要がある。48)
(5)重症筋無力症患者[症状を悪化させることがある。]
(解説)
安定期にある重症筋無力症患者において,シプロフロキサシン錠を服用し,重度の嚥下障害等の重症筋無力症症状を
悪化させたとの報告がある。49,50,51)作用機序については不明である。
(6)高齢者[「用法・用量に関連する使用上の注意」,「高齢者への投与」の項参照]
本剤は主として腎臓から排泄される。高齢者では,腎機能が低下していることが多いため,慎重に投与すること。
[Ⅶ-1-(3) 臨床試験で確認された血中濃度の項]参照
(7) QT 延長を起こすおそれのある患者[QT 延長を起こすことがある。(「重大な副作用」の項参照)]
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な QTc 間隔延長や Torsades de pointes を発現した
症例が報告されている。
高齢者や QTc 間隔を延長する可能性のある薬剤を服用している患者,先天性 QT 延長症候群,未補正の電解質バランス
53
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
異常(低カリウム血症,低マグネシウム血症),心疾患(心不全,心筋梗塞,除脈等)を有する患者では,リスクが
高くなるので,慎重に投与すること。また,女性は QTc 間隔延長の傾向がある。
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
本剤によるショック,アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
2)投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
3)投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意
深く観察すること。
(解説)
本邦における臨床試験でショック 2 例が報告され,市販後においても発現例が報告されている。本剤を投与する際に
は,以下の措置をとること。
1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
2)投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
3)投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意深
く観察すること。
7.相互作用
(1)併用禁忌とその理由
本剤はチトクローム P450 1A2(CYP1A2)を阻害するので,52)本酵素で代謝される薬剤の代謝を阻害し,血中濃度を上
昇させるおそれがある。
(解説)
In vitro 試験において,シプロフロキサシンは CYP1A2 を中等度に阻害し,Ki 値は 163μM(Dixon Plot による算出)
であった。また,その他の CYP 分子種(CYP2A6,2C8,2C9,2C19,2D6,2E1,3A4)に対しては阻害作用を示さなかっ
た。
本剤は CYP1A2 を阻害するので,本酵素で代謝される薬剤の代謝を阻害し,血中濃度を上昇させるおそれがあるため,
同じ酵素経路を介して代謝される他の薬剤と併用する場合には注意すること。
併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
ケト プロフェ ン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
痙攣を起こすことがあるので,併用しないこと。
(皮膚外用剤を除
く)
カピステン等
併用により,ニューキノロン系抗菌剤の GABAA 受容
体への阻害作用が増強され,痙攣が誘発されると
考えられている。てんかん等の痙攣性疾患又はこ
れらの既往歴のある患者,腎障害のある患者では
特に注意すること。
(解説)
本剤等ニューキノロン系抗菌剤は,中枢神経系における抑制性神経伝達物質である GABA の受容体である GABAA レセ
プターへの結合を阻害するため 53~56),GABA 応答が抑制され 57),痙攣を起こすことがある。さらにその中枢興奮作用は
非ステロイド性消炎鎮痛剤により用量依存的に増強されることがマウスを用いた動物実験で認められている
58)
。しか
し,この痙攣は GABA アゴニストで抑制困難であったり,in vivo での痙攣誘発性と in vitro 実験での GABAA レセプ
ター遮断活性とは乖離する場合もあることから別の機構も考えられている 59)。 シプロキサン錠とケトプロフェンとの
併用による痙攣発現症例が国内で報告されているため 46),併用しないこと。
54
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
チザニジン塩酸塩
チザニジンの Cmax が 7 倍,AUC が 10 倍それぞれ上昇
テルネリン等
し,血圧低下,傾眠,めまい等があらわれたとの報告
チザニジンの肝での代謝を阻害し,チザニジンの
血中濃度を上昇させると考えられている。
がある。チザニジンの作用を増強させるおそれがある
ので,併用しないこと。
(解説)
本剤は,チトクローム P4501A2(CYP1A2)を阻害するので,52) 本酵素で代謝されるチザニジンの代謝を阻害し,血
中濃度を上昇させることがある。海外における健常人 10 名を対象とした無作為化クロスオーバー試験において,シ
プロフロキサシン(経口投与)とチザニジンの相互作用について検討した結果,シプロフロキサシンとの併用によ
りチザニジンの Cmax が 7 倍(範囲:4~21 倍)上昇し,AUC が 10 倍(範囲:6~24 倍)増加した。また,収縮期血圧
及び拡張期血圧はそれぞれ 35mmHg 及び 24mmHg 低下(プラセボ投与時ではそれぞれ 15mmHg 及び 11mmHg 低下)し,傾
眠,めまい等が認められた。47)
(2)併用注意とその理由
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
テオフィリン
テオフィリンの Cmax が 17%,AUC が 22%それぞれ上
テオフィリンの肝での代謝を抑制し,クリアラン
アミノフィリン
昇したとの報告がある
水和物
58)
。テオフィリンの作用を増
強させる可能性があるので,併用する場合にはテオフ
スを減少させるためと考えられている。
肝障害のある患者,高齢者では特に注意すること。
ィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。
(解説)
シプロフロキサシンとテオフィリンとの併用により血中濃度が上昇したとの報告がある。60)
作用機序は,肝でテオフィリン代謝に主要な働きをするチトクローム P450 の酵素系をシプロフロキサシンが阻害する
ためと考えられている。61)
テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので,併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行
うこと。また,肝代謝機能が低下していると考えられる肝障害のある患者や高齢者で本剤とテオフィリンを併用する
場合には,特に注意すること。
薬剤名等
カフェイン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
カフェインの血中濃度が上昇することがある。
カフェインの肝での代謝を抑制し,クリアランス
を減少させるためと考えられている。
(解説)
本剤がカフェインとの併用により,健常成人女性においてカフェインの AUC,血中濃度の上昇,全身クリアランスが低
下したとの報告がある。作用機序はカフェインの肝での代謝を抑制し,クリアランスを減少させるためと考えられて
いる。99)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
フェニル酢酸系非ステロイド性
痙攣を起こすおそれがある。症状が認
併用により,ニューキノロン系抗菌剤の GABAA 受容
消炎鎮痛剤
められた場合,両剤の投与を中止する
体への阻害作用が増強され,痙攣が誘発されると
など適切な処置を行うこと。
考えられている。
ジクロフェナク,アンフェナ
ク等
機序・危険因子
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のあ
プロピオン酸系非ステロイド性
る患者,腎障害のある患者では特に注意すること。
消炎鎮痛剤(ただし,皮膚外用剤
以外のケトプロフェンとは併用
禁忌)
ロキソプロフェン,プラノプ
ロフェン,ザルトプロフェン
等
55
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(解説)
ニューキノロン系抗菌薬はそれ自体に中枢神経興奮作用があり,非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用によりそれが増
強され痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合には,両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者,腎障害のある患者では特に注意すること。
ニューキノロン系抗菌剤は,中枢神経系における抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)の受容体である
GABAA レセプターへの結合を阻害するため 53~56),GABA 応答が抑制され 57),中枢神経興奮作用を示すと考えられている。
さらに,この中枢神経興奮作用は,非ステロイド性消炎鎮痛剤により用量依存的に増強されることが,マウスを用い
た動物実験で認められている 58),62~63)。なお,非ステロイド性消炎鎮痛剤による増強機構については明確ではない。
■各種 NSAIDs とシプロフロキサシン(1,000mg/kg)を併用経口投与した時の痙攣発現(マウス)62)
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
分類
一般名
サリチル酸系
アスピリン
アントラニル酸系
メフェナム酸
フェニル酢酸系
インドール酢酸系
その他の酢酸系
酸性
フェニルプロピオン酸系
その他のプロピオン酸系
痙攣発現
○?
アンフェナク Na
○
ジクロフェナク Na
○?
フェンブフェン
▲
インドメタシン
◎
スリンダク
○
トルメチン Na
○
イブプロフェン
○
フルルビプロフェン
▲
ケトプロフェン
▲
ロキソプロフェン Na
◎
ナプロキセン
▲
プラノプロフェン
○
チアプロフェン酸
○
オキサプロジン
◎
ザルトプロフェン
オキシカム系
ピロキシカム
塩酸チアラミド
非酸性
○*
エピリゾール
▲:60%以上の動物に間代性痙攣発現
◎ :40%以上の動物に間代性痙攣発現
○:40%未満の動物に間代性痙攣発現 ? :NSAIDs 単独投与で興奮傾向
*:NSAIDs 単独投与で興奮状態
空白:併用して興奮・痙攣を認めない
投与方法:NSAIDs(300~500mg/kg),シプロフロキサシン(1,000mg/kg)併用(同時あるいは
NSAIDs10 分前経口投与)
56
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
■マウスにおけるフェンブフェンとシプロキサン注との併用による痙攣発現-ENX 経口投与との比較-63)
投与薬剤 投与経路 投与方法*
CPFX
ENX
静注
経口
ニューキノロン薬投与量
痙攣発現数/
(mg/kg)
検討数
10
0/10
30
0/10
100
10/10
30
4/10
1 時間後
直後
*NSAIDs 投与後,ニューキノロン系抗菌剤を投与するまでの時間
薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
相互に副作用(腎障害等)が増強されるおそれがあ
るので,頻回に腎機能検査(クレアチニン,BUN 等)
を行うなど患者の状態を十分に観察すること。
発現機序の詳細は不明であるが,相互に肝での代謝
を抑制し,一方又は両方の血中濃度が上昇するため
と考えられている。
肝障害のある患者,高齢者では特に注意すること。
(解説)
発現機序は不明であるが,シプロフロキサシン錠とシクロスポリンの併用により血中シクロスポリン濃度の上昇と腎毒
性が認められたとの報告,
64)
及びシクロスポリン濃度は上昇しないにもかかわらず腎毒性がみられたとの報告
る。一方,シクロスポリンの体内動態及び腎機能への影響は認められなかったとの報告もある。67,68,69),
薬剤名等
ワルファリン
臨床症状・措置方法
65,66)
があ
70)
機序・危険因子
ワルファリンの作用を増強し,出血,プロトロンビ 発現機序の詳細は不明であるが,ワルファリンの肝
ン時間の延長等があらわれることがある。本剤を併 での代謝を抑制し,クリアランスを減少させるため
用 す る 場 合 は , プ ロ ト ロ ン ビ ン 時 間 国 際 標 準 比 と考えられている。
(INR)値等を測定するなど,観察を十分に行うこと。
(解説)
シプロフロキサシン錠とワルファリンとの併用により,ワルファリンの作用が増強され,出血,プロトロンビン時間
の延長等があらわれることがあるとの報告がある。71)
発現機序の詳細は不明であるが,シプロフロキサシンがワルファリンの肝での代謝を抑制するためと考えられている。
72)
長期間ワルファリンを服用している患者 9 名において,シプロフロキサシン 1 日 1g を 7 日間経口投与しプロトロンビ
ン時間の変動を検討したところ,最も延長した例で 22%,最も短縮した例では 12%であった。平均では有意な変化は
認められなかったが,シプロフロキサシンの投与量がさらに多い場合あるいは投与期間が長い場合には,有意な変化
がおこる可能性がある。73)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
スルホニル尿素
系血糖降下剤
グリメピリド、グ
リベンクラミド
等
スルホニル尿素系血糖降下剤の作用を増強し、低血
糖があらわれることがある。
発現機序の詳細は不明であるが、グリベンクラミド
の肝での代謝を阻害するとの報告がある。また、膵
臓のβ細胞を用いた in vitro 試験において、本剤が
インスリン分泌作用を促進するとの報告がある。
(解説)
シプロフロキサシンがグリベンクラミド代謝に関連する酵素の一つであるチトクローム P-450 分子種 CYP3A4 の競合的
阻害薬であり,併用することによりグリベンクラミドの血中濃度が上昇し,低血糖を発生したものと考えられるとの報
告がある。75)一方、NIDDM 患者 12 名にシプロフロキサシン 500mg×2 回/日とグリベンクラミド朝 10mg1 回または朝 10mg
または夕 5mg を 7~9 日間併用投与した場合,グリベンクラミド濃度及び,空腹時血糖値に有意な変動はみられなかったと
の報告もある。76) また in vitro の試験において,シプロフロキサシン及びノルフロキサシンは P-450 分子種 CYP3A,CYP1A
57
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
を競合的に阻害することから,これらの薬剤濃度が異常に高くなるような場合においてのみ,CYP3A を介した薬物間相
互作用が誘発される可能性があるとの報告 77)もあり,両剤併用による相互作用の詳細な発現機序は不明である。
薬剤名等
ロピニロール
塩酸塩
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
ロピニロールの Cmax が 60%,AUC が 84%それぞれ上
昇したとの報告がある。ロピニロールの投与中に本
剤を投与開始又は投与中止する場合には,必要に応
じてロピニロールの用量を調節すること。
併用により,ロピニロールの肝での代謝が阻害され
るためと考えられている。
(解説)
海外においてシプロフロキサンとの併用により,ロピニロールの血中濃度が上昇したとの報告があり,ロピニロールの作用
が増強される可能性がある。作用機序としては,チトクローム P-450 分子種 CYP1A2 の競合的阻害薬として知られているシ
プロフロキサンによる肝での代謝阻害が考えられる。78)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
メトトレキサー
ト
メトトレキサートの血中濃度が上昇し,作用が増強さ
れるおそれがある。併用する場合には患者の状態を
十分に観察すること。
発現機序の詳細は不明であるが,メトトレキサート
の腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられ
ている。
(解説)
海外においてシプロフロキサシン錠との併用によりメトトレキサートの血中濃度が上昇し,作用が増強される可能性
があるとの報告がある。79)
メトトレキサートの腎排泄機序は,糸球体濾過及び尿細管分泌であり,また,本剤は主として腎臓から排泄されるた
め,メトトレキサートの排泄が競合的に阻害される可能性があると考えられるが,明らかな発現機序の詳細は不明で
ある。
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
クラス IA 抗不整脈薬
キニジン,プロカインアミド等
クラスⅢ抗不整脈薬
アミオダロン,ソタロール等
本剤を併用した場合,QT 延長がみられ
るおそれがある。
併用により,QT 延長作用が相加的に増加するおそれ
がある。
(解説)
QT 延長はフルオロキノロン剤に共通の作用であると考えられており,心筋細胞の K チャネル(IKr)を抑制し,心筋再
分極過程における活動電位持続時間の延長を起こすと考えられている 107)。
本剤による QT 延長のリスクは低いと考えられており 108~110),QT 延長を起こすことが知られているクラス IA 及びクラ
スⅢ抗不整脈薬との併用により,QT 延長作用が相加的に増加するおそれがある。
薬剤名等
クロザピン
オランザピン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
経口剤においてクロザピン及びその代謝物の血中濃
度が 29%と 31%それぞれ上昇したとの報告がある
99)
。左記薬剤の投与中に本剤を投与開始又は投与中
止する場合には,必要に応じて左記薬剤の用量調節
をすること。
併用により,左記薬剤の肝での代謝が阻害されるた
めと考えられている。
(解説)
シプロフロキサシンとの併用により,クロザピン及びその代謝物の平均血清中濃度はそれぞれ 29%及び 31%と有意に
増加したとの報告
100)
がある。また,シプロフロキサシンの投与後に,オランザピンの血中濃度が増加した症例
111)
が報告されている。いずれも,シプロフロキサシンの CYP1A2 阻害作用により肝での代謝が阻害されるためと考えられ
ている。
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
シルデナフィル
クエン酸塩
シルデナフィルの Cmax 及び AUC がそれぞれ約 2 倍上
昇したとの報告がある 101)。
CYP3A4 阻害によりクリアランスが減少するとの報告
もあるが,発現機序の詳細は不明である。
58
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(解説)
シプロフロキサシンとの併用により,シルデナフィルクエン酸塩の Cmax 及び AUC が約 2 倍に増加したとの報告 101) が
ある。
薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
フェニトインの血中濃度が低下したとの報告があ
る。本剤を併用する場合は、フェニトインの血中濃
度を測定するなど、観察を十分に行うこと。
機序不明
(解説)
シプロフロキサシンとの併用により,フェニトインの血中濃度が低下した症例 113) が報告されている。
8.副作用
(1)副作用の概要
承認時(本剤 1 回 200mg 1 日 2~3 回又は 1 回 300mg 1 日 2 回)及び使用成績調査(主に 1 日量として 600mg)での
調査症例 3,628 例中 323 例(8.90%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ,主な副作用は肝機能
障害 106 件(2.92%), ALT(GPT)上昇 47 件(1.30%), AST(GOT)上昇 45 件(1.24%),発疹・蕁麻疹等 26 件(0.72%)
等であった(再審査終了時)。
国内臨床試験において,本剤 1 回 400mg 1 日 2 回又は 3 回投与された 38 例中 17 例(44.7%)に副作用(臨床検査
値の異常変動を含む)が認められ,主な副作用は ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇,肝機能異常,好酸球増多,血
管炎,注射部位紅斑,注射部位反応であり,それぞれ 2 例(5.3%)に認められた。(用法・用量の一部変更承認
時)
(2)重大な副作用と初期症状
1) 重大な副作用(0.1%未満)
1)ショック,アナフィラキシー:ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,浮腫,蕁麻疹等)があらわれることがある
ので,観察を十分に行い,異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されており,致命的な転帰をたどった症
例も報告されている。フルオロキノロン系抗菌薬に対する過敏症は,即時型反応が最も頻繁に報告されているが,その
一方で,遅延型反応も起こりうると考えられている。シプロフロキサシンを用いた臨床試験成績によると,アレルギー
反応,アレルギー性浮腫,血管浮腫の発現率は,1/10000~1/1000 で,アナフィラキシー様症状及びアナフィラキシーシ
ョックはさらに低い発現率(1/10000 以下)であった。
本剤の投与にあたっては,抗生物質を含む薬物に対するアレルギー歴,本人及び家族の体質等について十分な問診を行
うこと。本剤の投与中は観察を十分に行い,異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
[Ⅷ.5.1 慎重投与の項]参照
2)大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場
合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(解説)
胃腸障害は,抗菌薬の副作用のうちで発現頻度の高い副作用であり,偽膜性大腸炎は,抗菌薬投与後に正常な腸管細菌
叢が変化することによりクロストリジウム・ディフィシレが著しく増殖し,その産生毒素により惹起される疾患である。
シプロフロキサシンを用いた臨床試験成績によると,抗菌薬に関連した大腸炎の発現はまれ(1/10000~1/1000)であっ
たが,国内外の市販後において,シプロフロキサシンとの関連性が否定できない重篤な偽膜性大腸炎等が報告されてお
59
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
り,致命的転帰をたどった症例も報告されている。
腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には,本剤の投与を中止し,バンコマイシン等の投与を行うなど,適切な処置を行
うこと。80)
3)横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし,急激な腎機能悪化
を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので注意すること。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
横紋筋融解症は,骨格筋の融解,壊死によって筋細胞成分が血液中に遊出する病態である。このとき筋細胞成分中の
ミオグロビンも大量に遊出するため,腎臓において,ミオグロビンによる尿細管の負荷が起こり急性腎不全を合併す
ることがある。主な臨床症状としては,全身症状として発熱,倦怠感,体動困難,金縛り症状,脱力感,四肢・関節
症状として,筋肉痛,筋肉のこわばり,手足のだるさ,節々の痛み,消化器症状として食欲不振,下痢,また,赤色
尿などがあげられる。臨床検査値では,血中,尿中ミオグロビンの上昇が特徴的で,血中 CK(CPK),LDH,AST(GOT),
アルドラーゼなども急激に上昇する。
軽度の場合は飲水奨励,重症の場合には脱水の改善,循環動態の安定を目的とした生理食塩水の点滴,及び酸性尿下
で出現するヘマチンによる尿細管障害の防止を目的とした尿のアルカリ化が有効と考えられている。
4) 間質性肺炎:発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部 X 線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるの
で,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこ
と。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
間質性肺炎は発熱,咳嗽,呼吸困難などで発症し,早期からの crackle ラ音聴取が多く認められる。胸部 X 線上は間
質性の陰影としてびまん性の粒状斑状影や線状網状影を呈することが多く,ときに肺胞性陰影を伴う。肺機能検査及
び
動脈血液ガス所見では,まず一酸化炭素拡散能(DLco)の低下として現れ,続いて PaO2 の低下,さらに拘束性換
気障害を呈する。特に DLco の低下は必発である。血液所見としては,白血球数増加,赤沈値亢進,CRP 上昇,LDH 上
昇,IgG・IgE の増加,また時に好酸球数増加が認められる。
治療の基本は原因薬剤の投与中止で,中等症~重症の場合は副腎皮質ホルモン剤を投与する。
5) 低血糖:重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者、特にスルホニル尿素系血糖降下剤併用患者であらわ
れやすい)ので,観察を十分に行い,異常があわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(解説)
フルオロキノロン系抗菌薬において発現が知られており,類薬の添付文書においても重大な副作用として注意喚起さ
れている。スルホニル尿素系血糖降下剤の作用を増強し,低血糖があらわれることがあるとの報告がある。
発現機序としてインスリンの過剰分泌が関与していると考えられる。81,82,83)とくに,腎機能が低下していることが多い
高齢者では,血中濃度上昇によって発現する可能性も考えられることから,投与にあたっては腎機能に注意する必要
がある。また、シプロフロキサシン錠とグリベンクラミドとの併用により低血糖が認められたとの報告
とから併用例においても十分に注意する必要がある。
60
74,75)
もあるこ
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
6) 痙攣:痙攣があらわれることがある(特に,腎機能が低下している患者や高齢者であらわれやすい)ので,こ
のような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の
注意」,「高齢者への投与」の項参照]
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
フルオロキノロン系抗菌薬は,前臨床試験において,GABA 神経系の抑制,あるいは NMDA 神経系の刺激により,神経興
奮を促進することが報告されており,錯乱,抑うつ,痙攣などの中枢神経系副作用が惹起されることが知られている。
中枢神経系に対する刺激作用は非ステロイド性抗炎症剤等との薬物相互作用としても発現する可能性がある。
本剤は主に腎臓より排泄されるため,特に腎障害患者,高齢者などの腎機能低下例では,排泄が遅延し,血中濃度の
上昇にともない中枢神経系へも高濃度に薬剤が移行し,副作用が発現しやすいと考えられる。したがって,投与量の
調節,投与間隔をあける等([Ⅶ-1-3 の項],[Ⅷ-4-4,5 の項],[Ⅷ-9 の項]参照),慎重に投与する必要がある。
また,中枢神経系の興奮性の上昇が考えられるてんかん等の痙攣性疾患,またはこれらの既往歴のある患者,高度の
脳動脈硬化症のある患者においても同様に起こりやすいと考えられるため慎重に投与する。48)
痙攣の対処法として,気道確保と薬剤治療(ジアゼパム,フェニトイン,フェノバルビタール)を行う。
7) 骨髄抑制,84)汎血球減少,85) 無顆粒球症,84)血小板減少:骨髄抑制,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少等があ
らわれることがあるので,観察を十分に行い,異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこ
と。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
急性顆粒球減少症の大部分は薬剤起因性であると推定されており,シプロフロキサシンを含め大部分の薬剤は投与量
に依存せず,発症の予測が困難であり,一種の薬剤過敏症であると考えられている。
汎血球減少の発現機序としては,骨髄における血球の母細胞である幹細胞に対する障害と,流血中の血球に対する障
害に大別されるが,いずれの機序が関与しているかは明らかでない。
8) 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎,著しい AST(GOT),ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があら
われることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
フルオロキノロン系抗菌薬により,肝酵素の上昇が惹起されることがあり,特に,軽度の ALT の増加が特徴である。
異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。海外においてシプロキサン錠による肝壊死の報告
がある。86)
9) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群),
多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹
性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。
61
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
治療は,補液による水分,電解質の補給,皮膚・粘膜等のびらん部からの二次感染防止のため,抗生物質,抗菌剤の
投与を行う。重症例では副腎皮質ホルモン剤の投与を行う。また治療にあたって投薬する薬剤は,既投与薬剤と化学
構造の異なる薬剤を選択する。87)
10) 急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が
認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
シプロフロキサシンによる急性腎不全発現症例には,発熱,発疹,関節痛等のアレルギー症状,好酸球増多,血尿,
好酸球尿などが発現する急性間質性腎炎の報告例が多く,
88)
治療は副腎皮質ホルモンの全身投与が有効と考えられて
いる。
11) アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害:アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので、腱の疼痛
や炎症がみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、外国において、投与終了数ヵ月後に
これらの症状を発現した症例も報告されている。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
フルオロキノロン系抗菌薬は,結合組織の組織構造に影響を及ぼす可能性が知られており,腱炎や腱断裂などの副作
用を惹起することが報告されている。腱障害の発現時期は一定しておらず,シプロフロキサシン投与後 48 時間以内か
ら,投与中止数カ月後に発現したとの報告がある。
詳細な発現機序については不明であるが,ニューキノロン系抗菌剤の直接毒性や腱中のコラーゲン分泌細胞へのサイ
トカインを介する作用などが考えられている。
症状としては,膝や足の関節や腱周辺に腫脹,肥厚,瘙痒感,発赤,結節性紅斑を伴う疼痛が生じた症例と,
89)
これ
らの随伴症状がなく,突然の疼痛だけで発症している症例が報告されている。90)腱の罹患筋はほとんどがアキレス腱
であるが,海外では二頭筋長頭,長母指伸筋でも報告がある。また,半数以上は両側性に症状が出現している。
12) 錯乱、抑うつ等の精神症状:錯乱、抑うつ等の精神症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異
常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(解説)
海外においてシプロフロキサシン錠投与による錯乱,抑うつの報告がある。91) 観察を十分に行い,異常が認められ
た場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
フルオロキノロン系抗菌薬は,前臨床試験において,GABA 神経系の抑制や NMDA 神経系の刺激により,神経興奮を促進
することが報告されている。フルオロキノロン系抗菌薬により,錯乱,抑うつ,痙攣などの中枢神経系副作用が惹起
されることが知られており,中枢神経系に対する刺激作用は非ステロイド性抗炎症剤等との薬物相互作用としても発
現する可能性がある。
62
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
13) 重症筋無力症の悪化:重症筋無力症の患者で症状の悪化があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異
常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
フルオロキノロン系抗菌薬は,重症筋無力症を悪化させる可能性が報告されている。2010 年に FDA は,すべてのフル
オロキノロン系抗菌薬に対し,添付文書の重症筋無力症の悪化に関する記載の変更を求めた。一方,臨床試験及び国
内外の市販後において,重症筋無力症の悪化が報告された例はまれである。
14) 血管炎:血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと.
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
血管炎の発現機序としては,薬剤がハプテンとなり抗体が産生され,形成された免疫複合体を介する機序(Ⅲ型アレル
ギー)が主体と考えられている。免疫複合体が血管壁に沈着し,補体が活性化され,化学走性因子により多核白血球が
集積し,コラゲナーゼやエラスターゼなどのリソゾーム酵素が放出され,血管壁の障害や壊死が起こると考えられてい
るが,詳細は明らかでない。
血管炎が皮膚に限局している場合の予後は良好で,原因薬剤を中止後治療は不要であり,腎障害などの内臓の血管炎が
あれば,副腎皮質ホルモン剤の投与が必要と考えられている。
15) QT 延長,心室頻拍(Torsades de pointes を含む):QT 延長,心室頻拍(Torsades de pointes を含む)があ
らわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこ
と。
(解説)
国内外の市販後において,本剤との因果関係が否定できない重篤な症例が報告されている。
フルオロキノロン系抗菌薬は,QTc 間隔延長を惹起することが報告されており,Torsades de pointes は致命的転帰を
たどる可能性がある。非臨床試験及び市販後の臨床経験から,シプロフロキサシンによる QTc 間隔延長及び Torsades de
pointes のリスクは比較的低いことが報告されており,高齢者や QTc 間隔を延長する可能性のある薬剤を服用している
患者,先天性 QT 延長症候群,未補正の電解質バランス異常(低カリウム血症,低マグネシウム血症),心疾患(心不
全,心筋梗塞,除脈等)を有する患者では,リスクが高くなる。また,女性は QTc 間隔延長の傾向がある。
(3)その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。太字の副作用については投与を
中止すること。
0.1~5%未満
過
敏
腎
肝
循
環
0.1%未満
頻度不明*
症 発疹,瘙痒,蕁麻疹, 浮腫(末梢,血管,顔 光線過敏症,固定薬
発熱,発赤(結節性紅 面,咽頭)
疹,血清病様反応
斑)
臓 BUN上昇,クレアチニ
血尿,結晶尿
ン上昇
臓 AST(GOT)上昇,
ALT(GPT)上昇,
Al-P上昇,LDH上昇,
γ-GTP上昇
器
頻脈,失神,ほてり,
低血圧,片頭痛
63
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
0.1%未満
頻度不明*
赤血球減少,白血球
減少,ヘモグロビン
減少,ヘマトクリッ
ト減少,血小板増加,
白血球増加
食欲不振,胃不快感,
腹部膨満感,嘔吐,口
内炎
眼内異物感
点状出血,プロトロン
ビン量増加,溶血性貧
血
0.1~5%未満
血
液 好酸球増多,貧血
消
化
器 下痢,嘔気
感
覚
器
精神神経系
振戦,頭痛,めまい
投 与 部 位 注射部位反応(血管
痛,静脈炎,紅斑,炎
症等)
そ の 他
倦怠感,高血糖
腹痛,消化不良,
膵炎
味覚異常,無嗅覚,嗅
覚錯誤,一過性難聴,
耳鳴,視覚異常
眠気,無力症,不眠
症,不安,発汗,悪夢,
幻覚,精神病,失調,
末梢性ニューロパシ
ー(しびれ感等),筋緊
張亢進,頭蓋内圧亢
進,激越,意識障害
関節痛,筋肉痛,モニ
リア症,呼吸困難,胸
痛,背部痛,関節障
害,筋無力症,CK(CPK)
上昇
*自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
64
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(4)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧
表1
承認時及び使用成績調査での副作用発現状況一覧
使用成績調査
(2000 年 11 月~
合計
2004 年 10 月)
413
3215
3628
89
234
323
170
286
456
21.55
7.28
8.90
副作用等の種類別発現症例(件数)率(%)
1 (0.24)
6 (0.19)
7 (0.19)
1 (0.24)
3 (0.09)
4 (0.11)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
8 (1.94)
10(0.31)
18 (0.50)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
2 (0.48)
4 (0.12)
6 (0.17)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
5 (1.21)
4 (0.12)
9 (0.25)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
7 (1.69)
12 (0.37)
19 (0.52)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
3 (0.73)
4 (0.12)
7 (0.19)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
3 (0.73)
1 (0.03)
4 (0.11)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
1 (0.24)
105 (3.27)
106 (2.92)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
57 (1.77)
57 (1.57)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
8 (0.25)
8 (0.22)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
0 (0.00)
36 (1.12)
36 (0.99)
0 (0.00)
3 (0.09)
3 (0.08)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
4 (0.12)
4 (0.11)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
4 (0.97)
7 (0.22)
11 (0.30)
1 (0.24)
3 (0.09)
4 (0.11)
1 (0.24)
1 (0.03)
2 (0.06)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
0 (0.00)
2 (0.06)
2 (0.06)
1 (0.24)
1 (0.03)
2 (0.06)
0 (0.00)
1 (0.03)
1 (0.03)
1 (0.24)
0 (0.00)
1 (0.03)
承認時迄の調査
調査症例数
副作用等の発現症例数
副作用等の発現件数
副作用等の発現症例率(%)
副作用等の種類
血液およびリンパ系障害
貧血
顆粒球減少症
白血球減少症
汎血球減少症
心臓障害
うっ血性心不全
眼障害
眼部不快感
胃腸障害
腹部膨満
下痢
舌炎
血便排泄
悪心
口内炎
嘔吐
歯肉浮腫
心窩部不快感
全身障害および投与局所様態
顔面浮腫
異常感
注射部位紅斑
注射部位静脈炎
注射部位瘙痒感
倦怠感
多臓器不全
発熱
口渇
肝胆道系障害
肝不全
肝機能異常
急性肝炎
肝細胞障害
高ビリルビン血症
黄疸
肝障害
免疫系障害
アナフィラキシー様反応
過敏症
感染症および寄生虫症
偽膜性大腸炎
ブドウ球菌性胃腸炎
ブドウ球菌感染
代謝および栄養障害
食欲不振
電解質失調
低ナトリウム血症
神経系障害
痙攣
浮動性めまい
頭部不快感
頭痛
意識消失
振戦
精神障害
錯乱状態
譫妄
65
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
副作用等の種類
臨床検査
酵素検査 NEC
血中乳酸脱水素酵素増加
血中アルカリホスファ
ターゼ増加
血液学的検査(血液型検
査を含む)
好酸球数増加
ヘマトクリット減少
ヘモグロビン減少
単球数増加
血小板数減少
赤血球数減少
白血球数減少
白血球数増加
血小板数増加
肝胆道系検査
アラニン・アミノトラン
スフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノト
ランスフェラーゼ増加
抱合ビリルビン増加
血中ビリルビン増加
γ-グルタミルトラ
ンスフェラーゼ増加
肝機能検査値異常
トランスアミナーゼ上昇
蛋白および化学的検査 NEC
C-反応性蛋白増加
総蛋白減少
腎尿路系検査および尿検査
血中クレアチニン増加
血中尿素増加
尿中白血球陽性
尿量減少
水分,電解質および無機
質検査
血中カリウム減少
腎および尿路障害
腎障害
腎不全
急性腎不全
腎機能障害
呼吸器,胸郭および縦隔障害
間質性肺疾患
肺出血
皮膚および皮下組織障害
薬疹
紅斑
瘙痒症
発疹
丘疹
皮膚びらん
スティーブンス・ジョンソン症
候群
蕁麻疹
全身紅斑
中毒性皮疹
血管障害
潮紅
静脈炎
ショック
血管炎
血管障害
副作用等の種類別発現症例(件数)率(%)
64(15.50)
42 (1.31)
106 (2.92)
19 (4.60)
8 (0.25)
27 (0.74)
6 (1.45)
4 (0.12)
10 (0.28)
14 (3.39)
5 (0.16)
19 (0.52)
21 (5.08)
14
2
2
2
0
2
2
0
1
41
33
(3.39)
(0.48)
(0.48)
(0.48)
(0.00)
(0.48)
(0.48)
(0.00)
(0.24)
(9.93)
(7.99)
7 (0.22)
2
0
0
0
3
1
0
1
1
27
14
(0.06)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.09)
(0.03)
(0.00)
(0.03)
(0.03)
(0.84)
(0.44)
28 (0.77)
16
2
2
2
3
3
2
1
2
68
47
(0.44)
(0.06)
(0.06)
(0.06)
(0.08)
(0.08)
(0.06)
(0.03)
(0.06)
(1.87)
(1.30)
29 (7.02)
16 (0.50)
45 (1.24)
1 (0.24)
1 (0.24)
15 (3.63)
0 (0.00)
3 (0.09)
6 (0.19)
1 (0.03)
4 (0.11)
21 (0.58)
0
0
1
0
1
5
2
4
1
0
0
(0.00)
(0.00)
(0.24)
(0.00)
(0.24)
(1.21)
(0.48)
(0.97)
(0.24)
(0.00)
(0.00)
3
1
1
1
0
5
5
0
0
1
1
(0.09)
(0.03)
(0.03)
(0.03)
(0.00)
(0.16)
(0.16)
(0.00)
(0.00)
(0.03)
(0.03)
3
1
2
1
1
10
7
4
1
1
1
(0.08)
(0.03)
(0.06)
(0.03)
(0.03)
(0.28)
(0.19)
(0.11)
(0.03)
(0.03)
(0.03)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4
0
0
2
1
0
1
0
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.97)
(0.00)
(0.00)
(0.48)
(0.24)
(0.00)
(0.24)
(0.00)
1
17
6
3
2
6
3
2
1
31
5
2
4
14
1
0
1
(0.03)
(0.53)
(0.19)
(0.09)
(0.06)
(0.19)
(0.09)
(0.06)
(0.03)
(0.96)
(0.16)
(0.06)
(0.12)
(0.44)
(0.03)
(0.00)
(0.03)
1
17
6
3
2
6
3
2
1
35
5
2
6
15
1
1
1
(0.03)
(0.47)
(0.17)
(0.08)
(0.06)
(0.17)
(0.08)
(0.06)
(0.03)
(0.96)
(0.14)
(0.06)
(0.17)
(0.41)
(0.03)
(0.03)
(0.03)
1
0
0
9
0
5
0
2
2
(0.24)
(0.00)
(0.00)
(2.18)
(0.00)
(1.21)
(0.00)
(0.48)
(0.48)
3
2
1
9
1
5
1
0
2
(0.09)
(0.06)
(0.03)
(0.28)
(0.03)
(0.16)
(0.03)
(0.00)
(0.06)
4
2
1
18
1
10
1
2
4
(0.11)
(0.06)
(0.03)
(0.50)
(0.03)
(0.28)
(0.03)
(0.06)
(0.11)
66
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
表2
用法・用量の一部変更承認時の国内臨床試験において認められた副作用の一覧
副作用の種類
全事象
血液およびリンパ系障
正色素性正球性貧血
心臓障害
心不全
胃腸障害
腹部不快感
悪心
一般・全身障害および投与部位の状態
カテーテル留置部位紅斑
注射部位紅斑
注射部位反応
末梢腫脹
肝胆道系障害
薬物性肝障害
肝機能異常
臨床検査
ALT増加
AST増加
血中クレアチニン増加
血中ブドウ糖減少
腎クレアチニン・クリアランス減少
心電図QT延長
好酸球数増加
代謝および栄養障害
高血糖
神経系障害
浮動性めまい
呼吸器、胸郭および縦隔障害
口腔咽頭痛
血管障害
高血圧
血管炎
400㎎ 1日2回
(N=27)
件数(%)
12 (44.4)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
0
4 (14.8)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
2 ( 7.4)
0
2 ( 7.4)
0
2 ( 7.4)
5 (18.5)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
0
1 ( 3.7)
0
1 ( 3.7)
2 ( 7.4)
1 ( 3.7)
1 ( 3.7)
0
0
0
0
1 ( 3.7)
0
1 ( 3.7)
400㎎ 1日3回
(N=11)
件数(%)
5 (45.5)
0
0
0
0
1 ( 9.1)
0
1 ( 9.1)
2 (18.2)
0
1 ( 9.1)
0
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
0
2 (18.2)
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
0
1 ( 9.1)
0
0
0
0
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
2 (18.2)
1 ( 9.1)
1 ( 9.1)
合計
(N=38)
件数(%)
17 (44.7)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
2 ( 5.3)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
6 (15.8)
1 ( 2.6)
2 ( 5.3)
2 ( 5.3)
1 ( 2.6)
3 ( 7.9)
1 ( 2.6)
2 ( 5.3)
7 (18.4)
2 ( 5.3)
2 ( 5.3)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
2 ( 5.3)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
1 ( 2.6)
3 ( 7.9)
1 ( 2.6)
2 ( 5.3)
(注) 副作用等の種類は MedDRA(ver . 17. 1)に基づき,プライマリーSOC(器官別大分類)毎に,PT(基本語)で記
載しています。
67
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(5)基礎疾患,合併症,重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度
背景因子別副作用発現頻度一覧
<承認時までの調査>
背景因子
性
年齢
感染症
重症度
(主治医判定)
基礎疾患
の有無
1日投与量
症例数
男
女
<20
20-29
30-39
40-49
50-59
60-69
70-79
80≦
<65
65-74
75≦
軽 症
中等症
重 症
不 明(尿路感染症)
無
有
200 mg×2
200 mg×3
300 mg×2
投与変更
合 計
副作用(自他覚症状)
評価
発現
発現率
対象例
例数
257
18
7.0%
156
12
7.7%
3
0
17
1
5.9%
28
2
7.1%
40
3
7.5%
61
3
4.9%
114
9
7.9%
115
10
8.7%
35
2
5.7%
205
11
5.4%
120
11
9.2%
88
8
9.1%
7
0
0.0%
229
15
6.6%
140
10
7.1%
37
5
13.5%
132
10
7.6%
281
20
7.1%
71
5
7.0%
5
0
325
22
6.8%
12
3
25.0%
413
30
7.3%
評価
対象例
252
151
3
17
24
39
61
111
113
35
200
116
87
7
224
135
37
126
277
68
5
319
11
403
臨床検査値異常
発現
例数
44
20
0
1
5
4
17
17
16
4
34
20
10
2
40
18
4
22
42
8
0
56
0
64
発現率
17.5%
13.2%
5.9%
20.8%
10.3%
27.9%
15.3%
14.2%
11.4%
17.0%
17.2%
11.5%
28.6%
17.9%
13.3%
10.8%
17.5%
15.2%
11.8%
17.6%
0.0%
15.9%
[承認時審査資料]
<使用成績調査(2000 年 11 月~2004 年 10 月)>
副作用(例数)
項 目
安全性解析対象例
無
有
計
発現症例率
(%)
2981
234
3215
―
性別
男
女
1840
1141
159
75
1999
1216
7.95
6.17
妊娠(女性のみ)
無
有
1139
2
75
0
1214
2
6.18
0.00
小児・成人
7 歳未満
7 歳以上 15 歳未満
15 歳以上
4
2
2975
0
0
234
4
2
3209
0.00
0.00
7.29
高齢者・非高齢者
65 歳未満
65 歳以上
853
2128
70
164
923
2292
7.58
7.16
入院・外来
入院
外来
入院←→外来
2887
55
38
233
0
1
3120
55
39
7.47
0.00
2.56
1
0
1
0.00
診断名
不明
敗血症
肺炎
胆囊炎
胆管炎
腹膜炎
外傷・熱傷・手術創等の表在性二次感染
その他
383
2046
69
76
149
208
300
43
159
3
8
13
10
19
426
2205
72
84
162
218
319
10.09
7.21
4.17
9.52
8.02
4.59
5.96
重症度
軽症
中等症
重症
402
1390
1183
17
106
110
419
1496
1293
4.06
7.09
8.51
不明
合併症
無
有
肝障害
腎障害
その他
68
6
1
7
14.29
1411
1570
77
157
1488
1727
5.17
9.09
495
265
1234
73
39
102
568
304
1336
12.85
12.83
7.63
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
副作用(例数)
項 目
併用薬
発現症例率
(%)
16
218
582
2633
2.75
8.28
665
2228
76
207
741
2435
10.26
8.50
3157
2906
1811
268
58
112
54
8
3215
3018
1865
276
1.80
3.71
2.90
2.90
有
566
2415
抗菌薬
その他
1 日以上
3 日以上
7 日以上
15 日以上
無
有
本剤投与期間
計
無
0
2
―
―
本剤 1 日当たりの
平均投与量
不明
200mg 未満
200mg 以上 300mg 未満
300mg 以上 400mg 未満
400mg 以上 500mg 未満
500mg 以上 600mg 未満
600mg 以上 700mg 未満
700mg 以上
8
13
255
103
184
2415
3
0
1
33
8
9
183
0
8
14
288
111
193
2598
3
0.00
7.14
11.46
7.21
4.66
7.04
0.00
開始前の抗菌療法※
第 1 群:有
第 2 群:有
第 3 群:無
1656
671
654
159
48
27
1815
719
681
8.76
6.68
3.96
※第 1 群:前治療薬としてカルバペネム系または第 3 世代以降のセフェム系注射用抗菌薬を使用
第 2 群:前治療抗菌薬として,上記以外の抗菌薬を使用
[再審査資料]
(6)薬物アレルギーに対する注意及び試験法
■禁忌(次の患者には投与しないこと)の抜粋
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■使用上の注意の抜粋
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
2.重要な基本的注意の抜粋
本剤によるショック,アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
2)投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
3)投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は
注意深く観察すること。
4.副作用
(1) 重大な副作用(0.1%未満)
1)ショック,アナフィラキシー:ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,浮腫,蕁麻疹等)があらわれるこ
とがあるので,観察を十分に行い,異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(2)その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。太字の副作用については投
与を中止すること。
0.1~5%未満
過
敏
0.1%未満
頻度不明*
症 発疹,瘙痒,蕁麻疹,発 浮腫(末梢,血管,顔 光線過敏症,固定薬
熱,発赤(結節性紅斑) 面,咽頭)
疹,血清病様反応
*自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした
69
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
9.高齢者への投与
本剤は主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため,腎機能に十分注意し,
患者の状態を観察しながら用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。[「用法・用量に関連する使
用上の注意」,「薬物動態」の項参照]
(解説)
本剤は主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため,腎機能に十分注意し,患
者の状態を観察しながら用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。
[Ⅴ.2 用法・用量に関連する使用上の注意の項]参照
10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
(解説)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対する使用経験がなく,ヒトの妊娠中の投与に関する安全性が確立さ
れていない。
(2)授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[母乳中
へ移行することが報告されている。]
(解説)
授乳期の婦人 10 例にシプロフロキサシン錠 750mg を 12 時間毎,3 回経口投与した時,投与 2 時間後の乳汁中濃度は
3.79±1.26μg/mL で血清中濃度(2.06±0.6μg/mL)より高値を示し,投与終了後 2~12 時間の乳汁/血清比は 160~
214%だった 32)。
母乳中へ移行することが報告されているので,授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与す
る場合は授乳を避けるように指導すること。
11.小児等への投与
(1) 関節障害が発現するおそれがあるので,本剤の投与についてはリスクとベネフィットを考慮し慎重に判断す
ること。[複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者を対象とした臨床試験において,関節症と判断された被験
者の割合はシプロフロキサシン 9.3%(31/335 例),対照薬 6.0%(21/349 例)であった。また,動物実験(幼
若イヌ,幼若ラット)で関節異常が認められている。]
(解説)
幼若ラット及び幼若ビーグル犬を用いた反復投与試験(経口)において,関節軟骨のびらん等が認められた。成熟動
物(サル)を用いた反復静脈内投与試験においては,いずれの試験でも関節毒性は認められなかった。
複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者を対象とした海外臨床試験において,独立小児安全性委員会により関節症
と判断された症例の割合は,対照群よりもシプロフロキサシン群で発現割合が高く,シプロフロキサシン群 9.3%
(31/335 例),対照薬 6.0%(21/349 例))であった。シプロフロキサシン群の発現症例(31 例)における主な症状
は,関節痛(膝,肘,手首,かかと,肩,股関節)及び関節の腫脹で,ほとんどが軽度であり,発症後比較的速やか
に回復している。
小児に対する本剤の使用に際しては,関節毒性のリスクを十分に考慮し,患者ごとにリスク・ベネフィットを検討し
た上で,本剤投与の必要性を慎重に判断すること。
本剤投与中は関節障害等の副作用の発現に注意し,また,投与終了後にも関節障害が認められる可能性が否定できな
いことから,患者及びその家族に対して,関節障害の症状等を含め,関節障害のリスクについて説明を行い,症状が
70
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
認められた場合には,連絡するよう指導すること。
[Ⅴ.1 効能・効果に関連する使用上の注意の項]参照
(2) 低出生体重児,新生児又は乳児に対する安全性は確立していない。
(解説)
小児の効能・効果承認に当たり,幼児(1~7 歳未満)及び小児(7~15 歳未満)については海外臨床試験が実施され
て安全性が評価されている。
低出生体重児(2500g未満),新生児(4 週間未満)又は乳児(4 週間以上 1 歳未満)に対する安全性は確立してない
ので,投与しないこと。
12.臨床検査結果に及ぼす影響
該当しない
13.過量投与
徴候と症状:腎毒性があらわれたとの報告がある。
処
置:
腎機能をモニターするとともに,水分及び電解質の補充を行う。シプロフロキサシンは腹膜透析,
血液透析では少量(10%程度)しか除去されない。45)
(解説)
シプロフロキサシンの過量投与による腎障害の発現例を報告した外国文献が 2 報ある。(シプロフロキサシン 500mg
錠 15~20 錠(7.5~10g)内服 1 例,92)シプロフロキサシン 750mg 錠×28 錠(21g)内服 1 例 93))
腎機能をモニターするとともに,処置として,水分及び電解質の補充を行うこと。シプロフロキサシンは腹膜透析,
血液透析では少量(10%程度)しか除去されない。
14.適用上の注意
(1)投与経路:本剤は点滴静注にのみ使用すること。
(解説)
本剤の承認用法は点滴静脈内注射である。
(2)投与前:保管中に白色の結晶が析出することがあるので,このような場合には温めて結晶を溶解して使用するこ
と。
(解説)
本剤の保管中に,白色の微細な薬物結晶(直径 70μm 程度)が析出することがある。結晶が析出したバッグを 40℃で
3 時間加温すると,結晶は溶解し,再溶解後の本剤の類縁物質量及び含量に変化は認められず,品質に影響はない。な
お,加温して溶かした場合は,注射液が体温付近まで下がったことを十分に確認後,点滴投与すること。
(3)調製方法:原則として,点滴静注に際しては,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈すること
(解説)
原則として点滴静注に際しては,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈すること。
71
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(4)調製時:本剤と配合した時に沈殿,混濁,変色が認められた場合には投与しないこと。特にアルカリ性の溶液と配
合しないこと(本剤の pH は 3.9~4.5 の範囲である)。 配合変化試験において,すべての注射剤が検討されてい
るわけではないが,本剤と配合した直後から 24 時間後までに,沈殿等が観察された薬剤があるので,配合時に
は配合変化データを参照すること。
(5)投与方法:静脈内急速投与により,血管痛,静脈炎を起こすことがあるので,これらを予防するために注射部位,
注射方法等について十分注意し,30 分以内の点滴静注は避けること。
(解説)
シプロキサン注を 1 時間以上かけて点滴静注した場合,30 分間の点滴静注時に比べ,注射部位の熱感,瘙痒,紅斑の
発現率が低いとの報告がある。94)原則として,点滴静注に際しては,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈し,
1 時間かけて投与する。
(6)その他の注意:分割投与しないこと。
(解説)
分割投与した場合,細菌に汚染される危険性があるため,分割投与しないこと。
15.その他の注意
(1)大量投与[750mg/回以上(経口剤)]により結晶尿が認められたとの報告がある。
(解説)
シプロフロキサシン錠 1 回 750mg 以上の高用量投与で,結晶尿の報告はあるが,いずれも軽症で投与中止後消失した。
93)
(2)プロベネシドによる影響
プロベネシドとの併用により,本剤の最高血中濃度は大きく変化しなかったが,t1/2 の延長と AUC の増加が認め
られたとの報告がある。
(解説)
シプロフロキサシン 200mg を,無作為クロスオーバー法により,併用又は非併用下で単回静注投与した。その結果,
プロベネシド併用時,シプロフロキサシンの AUC(血漿中濃度-時間曲線下面積)(μg・h/mL)は 5.73 から 10.01 に増
加,消失半減期(h)は 3.40 から 5.15 に延長したが,Cmax に大きな変化はみられなかった。95)
(3)遺伝毒性については,in vitro 試験の一部(マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験,ラット肝初代
培養細胞を用いた不定期 DNA 合成試験,チャイニーズハムスターCHL 細胞を用いた染色体異常試験)成績におい
て,陽性を示したとする報告がある。
(解説)
以下の変異原性試験の内,tk 試験及び in vitro での染色体異常試験及び不定期 DNA 合成試験でのみ陽性であったが,
全ての in vivo 試験を含め他の試験では陰性結果が得られている。
遺伝子突然変異誘発性を指標とす 細菌を用いる復帰突然変異試験及び哺乳類細胞を用いる遺伝子突然変異試験
る試験
(HGPRT試験及びtk試験)
染色体異常誘発性を指標とする試 マウスを用いる小核試験,染色体異常試験(in vitro及びin vivo試験),マウスを
験
用いる優性致死試験
DNA損傷性を指標とする試験
不定期DNA合成試験(in vitro及びin vivo試験),細菌を用いたDNA修復試験
その他の変異原性試験
in vitro形質転換試験
72
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(4)光遺伝毒性については,ネズミチフス菌 TA104 を用いた復帰突然変異試験,チャイニーズハムスターV79 細胞を
用いた染色体異常試験,マウスリンパ腫細胞を用いたコメットアッセイにおいて陽性を示す所見が認められて
いる。
(解説)
細菌を用いる復帰突然変異試験,チャイニーズハムスターV79 細胞を用いる染色体異常試験,コメットアッセイ(マウ
スリンパ腫細胞及びチャイニーズハムスターV79 細胞),DNA 酸化損傷試験及び DNA-本鎖切断試験において,類薬(ノ
ルフロキサシン,ロメフロキサシン,フレロキサシン)と比較して弱いか同程度の光変異原性を示すことが報告され
ている。96)
■シプロフロキサシン及び他剤についての光変異原性試験の結果
結果
光照射強度
(mJ/cm2) シプロフロキサシン フレロキサシン ロメフロキサシン
変異コロニー数は, 変異コロニー数
変異コロニー数
最大で非照射群の は,最大で非照射 は,最大で非照射
復帰突然変
異試験
10,31.6,100 90,300,600 約 2 倍まで増加し 群の約 1.5 倍弱ま 群の約 1.5 倍弱ま
た(10μg/mL 注),
で増加した(100μ で増加した(100μ
(TA 104)
g/mL 注),600mJ/cm2) g/mL 注),600mJ/cm2)
300mJ/cm2)
染色体異常
染色体異常細胞の 染色体異常細胞の 染色体異常細胞の
試験
出現頻度は,13μ 出現頻度は,13μ 出現頻度は,13μ
(チャイニ 6.5,13,25,
g/mL の濃度で非照 g/mL の濃度で非照 g/mL の濃度で非照
500
ーズハムス 50,100,200
射群の約 4 倍,50 射群の約 6 倍,50 射群の約 35 倍,50
ターV79 細
μg/mL の濃度で約 μg/mL の濃度で約 μg/mL の濃度で約
胞)
5 倍まで増加した。 15 倍まで増加した。45 倍まで増加した。
10μg/mL の濃度よ 30μg/mL の濃度よ 10μg/mL の濃度よ
コメットア
り,ほぼ全細胞が り,ほぼ全細胞が り,ほぼ全細胞が
ッセイ(マ
3,10,30,100
500
顕著な DNA 鎖切断 顕著な DNA 鎖切断 顕著な DNA 鎖切断
ウスリンパ
を示した。
を示した。
を示した。
腫細胞)
試験項目
(使用細胞)
処理濃度
(μg/mL)
注)31.6μg/mL からは抗菌作用のため,変異コロニー数は減少した。
16.
その他
73
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
Ⅸ.
非臨床試験に関する項目
1.薬理試験
(1)薬効薬理試験
(「Ⅵ.薬効薬理に関する項目」参照)
(2)副次的薬理試験
該当資料なし
(3)安全性薬理試験
本薬の静脈内投与によりネコ及びウサギの自発脳波に対する作用ならびにイヌの循環器系に対する作用が認められ
た。この作用はキノロン系薬剤に共通して報告されている作用である。脳波への影響がみられた投与量及びウサギ血
中濃度はヒト臨床試験時に比べいずれも非常に高い投与量及び血中濃度であった。一方,循環器系への影響はイヌ特
有の反応であり,サルでは一過性の変化がみられたに過ぎなかった。その他に中枢神経系(探索行動),水及び電
解質代謝(尿量,Na 排泄)に対する作用及び自律神経系・平滑筋(摘出回腸,摘出気管,摘出輸精管)に対する作
用が認められたが,いずれもごく軽度な作用であった。
一般薬理作用一覧表(1)
試 験 項 目
一般症状及び行動/中枢神経系/体性神経系/自律神経系及び
平滑筋に対する作用
1. 一般症状及び行動に及ぼす影響
(Irwin の多次元観察法)
2. 中枢神経系に及ぼす影響
(2.1 自発運動に対する作用)
(2.2 探索行動に対する作用)
(2.3 麻酔増強作用:
ヘキソバルビタール麻酔)
(2.4 抗痙攣作用:
ペンテトラゾール痙攣)
(2.5 抗痙攣作用:電撃痙攣)
(2.6 鎮痛作用:Hot plate 法)
(2.7 正常体温に対する作用)
動物種
適用
経路
投 与 量
(mg/kg)
試 験 成 績
マウス
i.v.
3, 10,30
作用なし
マウス
i.v.
マウス
i.v.
マウス
i.v.
マウス
i.v.
マウス
i.v.
マウス
i.v.
マウス
i.v.
(2.8 協調運動能に対する作用:
平行棒法)
(2.9 カタレプシー作用)
3,10,30
(2.7,9,27)注)
3,10,30
(2.7,9,27)注)
3,10,30
(2.7,9,27)注)
3,10,30
(2.7,9,27)注)
3,10,30
(2.7,9,27)注)
3,10,30
(2.7,9,27)注)
3,10,30
3,10,30
マウス
i.v.
(2.7,9,27)注)
3,10,30
ラット
i.v.
(2.7,9,27)注)
マウス
(2.10 自発脳波に対する作用)
10,30
ネ コ
i.v.
(9,27)注)
1,3mg/kg/min.×90min.
ウサギ
i.v.
(0.9,2.7)注)
3,10,30
(2.11 脊髄反射に対する作用:
麻 酔
i.v.
(2.7,9,27)注)
舌下顎反射)
ラット
3,10,30
3. 体性神経系に及ぼす影響
マウス
i.v.
(2.7,9,27)注)
(3.1 筋弛緩作用:懸垂法)
(3.2 神経-筋接合部に対する作用:
麻 酔
3,10,30
i.v.
頸骨神経-前頸骨筋)
ラット
(2.7,9,27)注)
注)塩酸シプロフロキサシン投与量及び濃度:シプロフロキサシン換算値
74
作用なし
軽度抑制(≧10mg/kg)
作用なし
作用なし
作用なし
作用なし
作用なし
作用なし
作用なし
海馬脳波の低電位化及び新皮質運動
野にスパイク波出現:1/3(30mg/kg)
スパイク波散発的出現
[平均累積投与量 103(92.7)注 mg/kg]
作用なし
作用なし
作用なし
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
一般薬理作用一覧表(2)
試 験 項 目
一般症状及び行動/中枢神経系/体性神経系/自律神
経系及び平滑筋に対する作用
4. 自律神経系及び平滑筋に及ぼす影響
(4.1 摘出回腸に対する作用)
動物種
適用
経路
モルモット
in
vitro
モルモット
(4.2 摘出大動脈に対する作用)
ウサギ
in
vitro
(4.3 摘出気管に対する作用)
モルモット
in
vitro
モルモット
(4.4 摘出輸精管に対する作用)
(4.5 摘出子宮に対する作用)
5. 呼吸・循環器系に及ぼす影響
(5.1 血圧,心拍数,呼吸数,心電図,
頸動脈血流量に対する作用)
(5.2 血圧,心拍数,心拍出量,左室内
圧上昇速度に対する作用)
循環器・消化器系/その他に対する作用
6. 消化器系に及ぼす影響
(6.1 胃腸管内輸送能に対する作用:
炭末法)
7. 水及び電解質代謝に及ぼす影響
8. 血液凝固系に及ぼす影響
(8.1 トロンビン時間,トロンボプラス
チン時間,トロンボエラストグラ
ムに対する作用)
9. 血小板凝集に及ぼす影響
(9.1 コラーゲン凝集に対する作用)
10. 血液学的パラメータに及ぼす影響
(10.1 ヘマトクリット値,ヘモグロビ
ン値,赤血球沈降速度,フィブ
リノーゲン量,血小板数に対す
る作用)
ラット
in
vitro
非妊娠
ラット
in
vitro
妊 娠
ラット
in
vitro
麻 酔
サ ル
i.v.
投 与 量
(mg/kg)
1×10-6~1×10-4g/ml
(0.9×10-6~
0.9×10-4g/ml)注)
1×10-7~1×10-4g/ml
(0.9×10-7~
0.9×10-4g/ml)注)
1×10-7~1×10-4g/ml
(0.9×10-7~
0.9×10-4g/ml)注)
1×10-10~1×10-4g/ml
(0.9×10-10~
0.9×10-4g/ml)注)
1×10-7~1×10-5g/ml
(0.9×10-7~
0.9×10-5g/ml)注)
1×10-6~1×10-4g/ml
1×10-7~1×10-4g/ml
(0.9×10-7~
0.9×10-4g/ml)注)
1×10-7~1×10-4g/ml
(0.9×10-7~
0.9×10-4g/ml)注)
試 験 成 績
ヒスタミン,ブラジキニン収縮:
抑制(≧1×10-5g/ml,ヒスタミン収縮
IC50:6×10-5g/ml)
アセチルコリン(Ach)収縮:抑制
(≧1×10-7g/ml,IC50:1×10-4g/ml)
セロトニン(5-HT)
,Ba2+収縮:
抑制(≧1×10-6g/ml,IC50:3.5×
10-5,7×10-5g/ml)
単独作用,K+,ノルアドレナリン(NA)
収縮:作用なし
単独作用:軽度抑制
(≧1×10-8g/ml)
ヒスタミン,LTD4 収縮:作用なし
単独作用:作用なし
NA 収縮:軽度抑制(1×10-4g/ml)
単独作用,K+,オキシトシン(OX)
収縮:作用なし
単独作用,K+,OX 収縮:作用なし
3, 10,30
呼吸数,心拍数,頸動脈血流量の一過
性増加(30mg/kg)
麻 酔
イ ヌ
i.v.
3,10,30
(2.7,9,27)注)
平均血圧下降,心拍数増加,心拍出量
減少,左室内圧上昇速度投与直後増加
後低下(≧3mg/kg)
循環性ショックによる死亡(30mg/kg)
ヒスタミン 0.01mg/kg 静脈内投与時と
同様の所見。
抗ヒスタミン剤ピリラミン投与により
軽減
ラット
i.v.
3,10,30
作用なし
ラット
i.v.
3,10,30
(2.7,9,27)注)
尿量,Na 排泄減少(30mg/kg)
絶 食
ラット
i.v.
3,10,30
(2.7,9,27)注)
作用なし
絶 食
ラット
i.v.
3,10,30
(2.7,9,27)注)
作用なし
ラット
i.v.
3,10,30
(2.7,9,27 注)
作用なし
0.5,2mg/ml
作用なし
3,10,30
(2.7,9,27)注)
作用なし
ウサギ
in
ヒ ト
vitro
12. 血糖及び血中トリグリセリドに及ぼ 絶 食
i.v.
す影響
ラット
注)塩酸シプロフロキサシン投与量:シプロフロキサシン換算値
11. 溶血作用:全血法
(4) その他の薬理試験
該当資料なし
75
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
2.
毒性試験
(1)単回投与毒性試験
静脈内投与後のマウスにおける LD50 値は雄で 252mg/kg,雌で 255mg/kg,ラットにおける LD50 値は雄で 167mg/kg,雌で
173mg/kg であった。サル及びイヌにおける概略の致死量はそれぞれ 200~450 及び約 250mg/kg であった。
動物種
投与量
投与経路
マ
ウ
ス
ラ
ッ
ト
200~315
125~250
試験結果
LD50
値
静脈内
イ
ヌ
125~500
サ
ル
50~450
概略
の致
死量
252~255
167~173
約 250
(225)注 1
200~450
(180~405)注 1
注 1:シプロフロキサシン概算量
(承認時審査資料)
(2)反復投与毒性試験
ラット 4 週間腹腔内投与試験では,80mg/kg/日群で網状赤血球数の増加,尿細管腎症が観察され,無毒性量は
20mg/kg/日であった。
サル 4 週間静脈内投与試験では,30mg/kg/日群で血中尿素及びクレアチニンの上昇を伴う尿細管変化が認められ,
無毒性量は 10mg/kg/日であった。
サル 4 週間点滴静脈内投与試験では,20mg/kg/日群及び 40mg/kg/日群(20mg/kg 1 日 1 あるいは 2 回)でヘモグロ
ビンの減少傾向及びシプロフロキサシン由来の結晶による尿細管の極めて軽度な炎症性変化が観察されたが,それ
以外に何ら投薬に起因する変化はみられなかった。
サル 13 週間静脈内投与試験では,18mg/kg/日群で軽度な遠位尿細管変化,投与部位における静脈周囲炎の亢進が観
察され,無毒性量は 6mg/kg/日であった。
ラット 26 週間腹腔内投与試験では,5mg/kg/日以上の投与群で抗菌薬共通の変化である盲腸重量の増加がみられ,
20mg/kg/日以上の投与群で腎尿細管上皮の再生が観察された。40mg/kg/日群では貧血傾向,脾臓,肝臓及び副腎重
量の増加,前立腺重量の減少,腎尿細管上皮の変性が認められ,無毒性量は 10mg/kg/日であった(局所刺激に起因
する反応を除いた)。
サル 26 週間静脈内投与試験では,20mg/kg/日群で間質性腎炎を伴う尿細管腎症がみられ,無毒性量は 10mg/kg/日で
あった。
(承認時審査資料)
動物種
ラット
投与経路・期間
腹腔内
4 週間
静脈内
サ
ル
4 週間
静脈内
13 週間
ラット
サ
ル
腹腔内
26 週間
静脈内
26 週間
投与量(mg/kg/日) 無毒性量(mg/kg/日)
5, 20, 80
3, 10, 30
20
注1
(18)
10
(9)
注1
2, 6, 18
6
5, 10, 20, 40
10
5, 10, 20
10
注 1:シプロフロキサシン概算量
(承認時審査資料)
回復試験
該当資料なし
76
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
(3)生殖発生毒性試験
試験項目
動物種
投与経路 投与量(mg/kg/日)
無毒性量(mg/kg/日)
妊娠前及び
妊娠初期投
ラット
皮
下
3, 10, 30
3
与試験
ラット
胎児の
器官形成期
投与試験
静脈内
ウサギ
静脈内
サ
ル
3, 10, 30
ラット
(27 以上)
2, 5, 7, 20
20 以上
5, 25
5
経
口
10, 50, 100
皮
下
3, 10, 30
周産期及び
授乳期投与
30 以上
試験
注1
100 以上
(90 以上)
注1
30 以上
(27 以上)
注1
注1:シプロフロキサシン概算量
ラット妊娠前及び妊娠初期皮下投与試験では,10mg/kg/日で親動物の体重増加抑制及び出生児の発育遅延が認められ
た。親動物並びに胎児及び出生児に対する無毒性量はいずれも 3mg/kg/日であると判断した。
ラット胎児の器官形成期静脈内投与試験では,最高用量の 30mg/kg/日投与でも母動物の一般状態及び生殖機能(妊
娠の維持,分娩,哺育)に影響は認められず,胚・胎児に対する発生毒性並びに出生児の成長・発達及び生殖機能に
対して影響は認められなかった。母動物,胎児及び出生児に対する無毒性量はいずれも 30mg/kg/日以上と判断した。
ウサギ胎児の器官形成期静脈内投与試験では,最高用量の 20mg/kg/日投与でも母動物の一般状態及び妊娠維持並び
に胚・胎児の発生に対する影響は認められなかった。母動物及び胚・胎児に対する無毒性量はいずれも 20mg/kg/日
以上と判断した。
サル胎児の器官形成期静脈内投与試験では,母動物において 25mg/kg/日で一般状態の悪化及び軽度の体重増加抑制
が認められた。また,胎児において 25mg/kg/日で体重及び脳重量の軽度低値が 2 例に,頭頂部から尾根部までの長
さ及び大腿長あるいはいずれか一方の軽度の減少が 3 例に認められた。母動物及び胎児に対する無毒性量はいずれも
5mg/kg/日と判断した。サル胎児の器官形成期経口投与試験では,最高用量の 100mg/kg/日でも母動物及び胎児に対
する影響は認められなかった。母動物及び胎児に対する無毒性量はいずれも 100mg/kg/日以上と判断した。
ラット周産期及び授乳期皮下投与試験では,最高用量の 30mg/kg/日投与でも母動物の一般状態及び生殖機能(妊娠
の維持,分娩,哺育)に影響は認められず,出生児の成長・発達及び生殖機能にも影響は認められなかった。母動
物及び出生児に対する無毒性量はいずれも 30mg/kg/日以上と判断した。
(4)その他の特殊毒性
依 存 性
ラット及びサルを用いた静脈内投与亜急性及び慢性毒性試験において,依存性を示す所見は認められず,また外国に
おける永年の臨床使用においても依存性を示唆する報告は認められていないことから,依存性試験は実施しなかった。
抗 原 性
モルモット抗原性試験において抗原性は認められなかった。マウス-ラットを用いた異種受身皮膚アナフィラキシー
反応においてシプロフロキサシン-OVA 感作,シプロフロキサシン誘発群の 3 例中 1 例でのみ弱い陽性反応が認められ
た。直接クームス試験において,陽性反応は認められなかった。
77
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
がん原性
マウス及びラットがん原性(混餌投与)試験において,がん原性は認められなかった。
局所刺激性
ウサギを用いた局所刺激性試験(筋肉内投与)において,軽度の組織障害性が観察されたが,サルにおける 4 週間反
復点滴静脈内投与試験では,投与部位における局所刺激性は認められなかった。
眼 毒 性
サルを用いた 4,13,26 週間反復静脈内投与試験において,いずれの試験でも眼毒性を示唆する所見は認められなか
った。
ネコを用いた 2 週間静脈内投与試験において,ERG(網膜電位図)及び VEP(視覚誘発脳波)に関して異常は認めら
れなかった。
腎 毒 性
ラット及びサルを用いた反復静脈内投与試験において,それぞれ高用量群[ラット(4 週間:80mg/kg/日,26 週間:
20,40mg/kg/日),サル(4 週間:30mg/kg/日,13 週間:18mg/kg/日,26 週間:20mg/kg/日,4 週間/点滴静脈内投
与:20mg/kg)]で尿中に排泄されたシプロフロキサシンが再結晶化したことに起因すると考えられる尿細管変化が
認められた。
また,ウサギを用いた反復静脈内投与試験において,30mg/kg/日群で正常ウサギに尿細管拡張が,腎障害ウサギに病
理組織学的所見の悪化がみられ,無毒性量は 10mg/kg/日であった。
光 毒 性
マウス静脈内投与後 UVA を照射したが,光毒性は 100mg/kg/日においても認められなかった。
光がん原性
ヘアレスマウスを用いた光がん原性試験において,類薬(ロメフロキサシン,フレロキサシン)と比較して腫瘍発現
時期は遅いものの,光がん原性を示すことが報告されている。97)
光感作性
モルモットを用いた光感作性試験において,類薬(オフロキサシン,エノキサシン,ロメフロキサシン,フレロキサ
シン,スパフロキサシン)と同様に軽度の光感作性を示すことが報告されている。
ヒスタミン遊離能
ラット腹腔肥満細胞及びヒト皮膚肥満細胞を用いたin vitro試験において200μg/mL以上の高濃度ではヒスタミン遊
離が認められた。98)
類縁物質及び分解物の急性毒性
マウス及びラットを用いたシプロフロキサシンの副生成物及び代謝物 M1,M2,M3 の静脈内投与試験において,副生
成物及び M1 でシプロフロキサシンと比べ,ラットにおける LD50 値が若干低下したが,認められた症状はシプロフロ
キサシン投与時と同様なものであった。
(承認時審査資料)
78
Ⅹ.管理的事項に関する項目
Ⅹ.
管理的事項に関する項目
1.規制区分
製剤:シプロキサン®注200mg, 400mg
処方箋医薬品注)
有効成分:シプロフロキサシン
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
2.有効期間又は使用期限
使用期限:3年
3.貯法・保存条件
室温保存
外袋より取り出した後は,直射日光を避けて保存すること。
4.薬剤取扱い上の注意点
(1)薬局での取扱いについて
1)製品の品質を保持するため,ソフトバッグの外袋は使用時まで開封しないこと。
2)外袋の内側に内容液の漏出が認められる場合は,無菌性が損なわれている可能性があるので,使用しないこと。
3)排出口をシールしているフィルムが万一はがれているときは使用しないこと。
4)使用後の残液は使用しないこと。
5)連結管による混合投与の場合は,Y字型連結にして使用すること。
6)注射針はゴム栓の刺針部(中央の凹部)にまっすぐ刺し入れること。
また,同一個所に繰り返し刺さないこと。
7)大気圧で自然に内容液が排出されるため,通気針は不要である。
(2)薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
くすりのしおり:有り
患者向けガイド:準備中
(3) 調剤時の留意点について
該当しない
5.承認条件等
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
6.包
注射剤
装
200mg
ソフトバッグ 100mL×10
400mg
ソフトバッグ 200mL×10
7.容器の材質
ポリエチレン製バッグ
8.同一成分・同効薬
79
Ⅹ.管理的事項に関する項目
同一成分薬:シプロキサン錠
同
効
薬:パズフロキサシン、レボフロキサシン
9.国際誕生年月日
1987年1月31日:ドイツ
10.製造販売承認年月日及び承認番号
◇承認年月日:2000年9月22日
◇承 認 番 号:シプロキサン注200mg 21200AMY00205000
◇承認年月日:2015年9月28日
◇承 認 番 号:シプロキサン注400mg 22700AMX01029
11.
薬価基準収載年月日
200mg(ソフトバッグ):2005年 6月10日
400mg(ソフトバッグ):2015年11月28日
12.
効能又は効果追加,用法及び用量変更追加等の年月日及びその内容
効能・効果追加
適応菌種:炭疽菌,適応症:炭疽(2001年12月21日)
適応菌種:レジオネラ属(2006年2月23日)
用法・用量の一部変更(2009年6月1日)
効能・効果及び用法・用量一部変更承認(2015年9月24日)
承認された小児の効能・効果及び用法・用量を追加した。
1.一般感染症
〈適応菌種〉
本剤に感性の炭疽菌,大腸菌,緑膿菌
〈適応症〉
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,炭疽
2.嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
1.一般感染症
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎:通常,シプロフロキサシンとして,1 回 6~10mg/kg を 1 日 3 回,1 時間かけて点滴静
注する。ただし,成人における 1 回量 400mg を超えないこととする。
炭疽:通常,シプロフロキサシンとして, 1 回 10mg/kg を 1 日 2 回,1 時間かけて点滴静注する。ただし,成人
における 1 回量 400mg を超えないこととする。
2.嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
通常,シプロフロキサシンとして,1 回 10mg/kg を 1 日 3 回,1 時間かけて点滴静注する。ただし,成人における
1 回量 400mg を超えないこととする。
成人における1回の用量を300㎎から400㎎に変更した。
80
Ⅹ.管理的事項に関する項目
希釈液の記載を「適用上の注意」に移項した。
13.
再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容
再審査結果公表年月日:2009年3月30日
内容:「効能・効果」,「用法・用量」等いずれの承認内容も変更なし
14.
再審査期間
6年(2000年9月22日~2006年9月21日)
4年(2015年9月24日~2019年9月23日)
15.
投薬期間制限医薬品に関する情報
該当しない
16.各種コード
厚生労働省薬価基準収載医薬品コード,HOT(9桁)番号,レセプト電算コード
販売名
HOT 番号
厚生労働省薬価基準
収載医薬品コード
レセプト電算コード
シプロキサン注 200mg
116693403
6241400A4021
620002581
シプロキサン注 400mg
124465601
6241400A6024
622446501
17.
保険給付上の注意
特になし
81
ⅩⅠ.文献
ⅩⅠ.
文
献
1.引用文献
1)寺岡和彦他:病院薬学,21(6):541-550,1995
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3)バイエル薬品社内資料,2001
4)バイエル薬品社内資料,2003
5)バイエル薬品社内資料,2002
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9)安永幸二郎他:基礎と臨床,31(7):2467-2476,1997
10)安永幸二郎他:基礎と臨床,31(7):2477-2486,1997
11)安永幸二郎他:基礎と臨床,31(7):2487-2501,1997
12)東
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馨他:日本化学療法学会雑誌,44(10):798-803,1996
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84
ⅩⅠ.文献
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(2003)
119)Church, D.A. et al.:バイエル薬品社内資料[囊胞性線維症の小児患者における二重盲検試験(外国人)](1995)
120)バイエル薬品社内資料,2015
2.その他の参考文献
Ciprofloxacin:10 years of clinical experience
85
ⅩⅡ.参考資料
ⅩⅡ.
参考資料
1.主な外国での発売状況
アメリカ、フランス等で発売されている。(2012 年 3 月現在)
本邦における効能・効果,用法・用量は以下のとおりであり,外国での承認状況とは異なる。
■ 効能・効果
成人
〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属,腸球菌属,炭疽菌,大腸菌,クレブシエラ属,
エンテロバクター属,緑膿菌,レジオネラ属
〈適応症〉
敗血症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,肺炎,腹膜炎,胆嚢炎,胆管炎,炭疽
小児
1.一般感染症
〈適応菌種〉
本剤に感性の炭疽菌,大腸菌,緑膿菌
〈適応症〉
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,炭疽
2.嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
効能・効果に関連する使用上の注意
成人
(1)本剤の適用は,原則として他の抗菌剤にアレルギーの既往を有する患者,重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分
な臨床効果が得られない患者に限定すること。ただし,炭疽及びレジオネラ属による感染症の適応の場合は,この限り
ではない。[「臨床成績」の項参照]
(2)シプロキサン錠と異なり,本剤の効能・効果は,敗血症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,肺炎,腹膜炎,胆嚢
炎,胆管炎,炭疽に限定されているので,それ以外の疾患には使用しないこと。[「臨床成績」の項参照]
(3)本剤のメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に対する有効性は証明されていないので,MRSA による感染症が明らかで
ある場合,速やかに抗 MRSA 作用の強い薬剤を投与すること。
小児
関節障害が発現するおそれがあるので,リスクとベネフィットを考慮し,本剤の適用は,原則として他の抗菌剤にアレ
ルギーの既往を有する患者,重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分な臨床効果が得られない患者に限定すること。
ただし,炭疽については,この限りではない。[「小児等への投与」の項参照]
■ 用法・用量
成人
通常,シプロフロキサシンとして, 1 回 400mg を 1 日 2 回,1 時間かけて点滴静注する。患者の状態に応じて 1 日 3 回
に増量できる。
小児
1.一般感染症
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎:通常,シプロフロキサシンとして,1 回 6~10mg/kg を 1 日 3 回,1 時間かけて点滴静注する。
ただし,成人における 1 回量 400mg を超えないこととする。
炭疽:通常,シプロフロキサシンとして, 1 回 10mg/kg を 1 日 2 回,1 時間かけて点滴静注する。ただし,成人におけ
る 1 回量 400mg を超えないこととする。
86
ⅩⅡ.参考資料
2.嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
通常,シプロフロキサシンとして,1 回 10mg/kg を 1 日 3 回,1 時間かけて点滴静注する。ただし,成人における 1 回量
400mg を超えないこととする。
用法・用量に関連する使用上の注意
(1)本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の
期間の投与にとどめること。
(2)症状が緩解した場合には,速やかに経口抗菌剤の投与に切り替えることが望ましい。
(3)本剤は通常,点滴静注局所の血管痛や静脈炎の危険を軽減するため,希釈して緩徐に注入すること。すでに補液等
が投与されている場合,側管に連結して投与することができる。ただし,薬剤によっては配合変化を生じること
があるので注意すること。[「適用上の注意」の項参照]
なお,著しい水分摂取制限がかかっている場合等,水分負荷がかけられない場合には希釈せずに投与することが
できるが,その際はできるだけ太い静脈から投与することが望ましい。
(4)本剤は主として腎臓から排泄されるが,腎機能が低下していることが多い高齢者あるいは腎機能障害患者・血液透
析患者では,腎機能に十分注意し,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[「薬物動態」の項参照]
〈参考〉
クレアチニンクリアランス(Ccr)
(mL/min)
用法・用量
30≦Ccr≦60
1 回 200mg を 12 時間毎に投与
Ccr<30
1 回 200mg を 24 時間毎に投与
病状により必要と判断された場合には 1 回量として 400mg を投与する。
なお,クレアチニンクリアランス値(mL/min)=[体重(kg)×(140-年齢)]/[72×血清クレアチニン値(mg/dL)],女
性の場合はこれに 0.85 を乗ずること。
(5)血液透析中に除去されるシプロフロキサシンは 10%程度と大きな影響は受けない。血液透析中の患者への投与に
際しては,必要に応じて低用量(200mg)を 24 時間毎に投与するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与するこ
と。[「薬物動態」の項参照]
(6)炭疽の治療には,臨床症状が緩解した場合には,速やかに経口剤投与に切り替え,計 60 日間投与することを,米
国疾病管理センター(CDC)が推奨している。
87
ⅩⅡ.参考資料
国名
会社名
販売名
剤型・含量
発売年
効能・効果
アメリカ
バイエル ファルマシューティカルコーポレーション
Cipro
注射剤:200mg,400mg
1990 年
本注射剤は下記の感受性菌株による感染症の治療で,静脈内注射が患者に有益な投与方法と考えられ
る場合に適応となる。疾患ごとの推奨は「用法・用量」の項を参照。
●尿路感染症
大腸菌(続発性菌血症例を含む),肺炎桿菌,エンテロバクター・クロアカ,セラチア・マルセッセンス,プロテウス・ミラビリス,
プロビデンシア・レットゲリ,モルガネラ・モルガニー,シトロバクター・ディバーサス,シトロバクター・フレウンディ,緑膿菌,メチシリン感
受性表皮ブドウ球菌,スタフィロコッカス・サプロフィチカスもしくは腸球菌によるもの
●下気道感染症
大腸菌,肺炎桿菌,エンテロバクター・クロアカ,プロテウス・ミラビリス,緑膿菌,インフルエンザ菌,パラインフルエンザ菌もし
くはペニシリン感受性肺炎球菌によるもの
またモラクセラ・カタラーリスによる慢性気管支炎の急性増悪
注) 臨床試験において臨床効果は確認されているが,肺炎球菌による肺炎が疑われる場合,もしく
は確認されている場合は,シプロフロキサシンを第一選択薬としない。
●院内肺炎
インフルエンザ菌もしくは肺炎桿菌によるもの
●皮膚および皮膚組織感染症
大腸菌,肺炎桿菌,エンテロバクター・クロアカ,プロテウス・ミラビリス,プロテウス・ブルガリス,プロビデンシア・スチュアルティ,モルガ
ネラ・モルガニー,シトロバクター・フレウンディ,緑膿菌,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌,メチシリン感受性表皮ブドウ球菌
もしくは化膿レンサ球菌によるもの
●骨および関節感染症
エンテロバクター・クロアカ,セラチア・マルセッセンスもしくは緑膿菌によるもの
●複雑性腹腔内感染症(メトロニダゾールとの併用)
大腸菌,緑膿菌,プロテウス・ミラビリス,肺炎桿菌もしくはフラギリス菌によるもの
●急性副鼻腔炎
インフルエンザ菌,ペニシリン感受性肺炎球菌もしくはモラクセラ・カタラーリスによるもの
●慢性細菌性前立腺炎
大腸菌,プロテウス・ミラビリスによるもの
●発熱性好中球減少症に対するエンピリックセラピー(ピペラシリンナトリウムとの併用)
小児(1~17 歳)
●複雑性尿路感染症・腎盂腎炎:大腸菌
成人及び小児
●肺炭疽(曝露後):炭疽菌吸入曝露後の発症予防および進展の軽減
感染症に嫌気性菌が関与していると疑われる場合,適切な処置を施すこと。
感染症を引き起こしている病原菌を分離・同定するため,およびシプロフロキサシンへの感受性を確認するた
めに,適切な培養および感受性試験を治療前に実施すること。本注射剤の治療は,これらの試験結果
が判明する前に開始してもよい。試験結果が入手でき次第,適切な治療を継続すること。
他の薬剤でも認められるように,緑膿菌でシプロフロキサシン投与中に,急に耐性化を起こす株が認められるこ
とがある。定期的な培養および感受性試験を治療中に実施することによって,抗菌剤の治療効果だけで
なく,細菌の耐性化出現の可能性における情報を得ることができる。
用法・用量
成人投薬ガイドライン
静脈内注射
感染症†
尿路感染症
下気道感染症
院内肺炎
感染症重症度
軽症/中等症
重症/複雑性
軽症/中等症
重症/複雑性
軽症/中等症/重症
1回投与量
200mg
400mg
400mg
400mg
400mg
投与間隔
12 時間毎
12 時間毎
12 時間毎
8 時間毎
8 時間毎
1日投与量
400mg
800mg
800mg
1,200mg
1,200mg
* メトロニダゾールとの併用
†効能・効果に示した病原菌によるもの(
「効能・効果」参照)
** 曝露が確認又は疑われる場合,可能な限り早急に投与を開始すべきである。この投与量はヒトにおけるシ
プロフロキサシンの血中濃度を基に設定されている。投与期間は曝露後 60 日間である。
88
ⅩⅡ.参考資料
成人投薬ガイドライン(つづき)
静脈内注射
感染症†
皮膚および皮膚組織感染症
骨および関節感染症
腹腔内感染症*
急性副鼻腔炎
慢性細菌性前立腺炎
発熱性好中球減少症患者
炭疽菌吸入**
(曝露後)
感染症重症度
軽症/中等症
重症/複雑性
軽症/中等症
重症/複雑性
複雑性
軽症/中等症
軽症/中等症
重症
シプロフロキサシン
+
ピペラシリン
成人
1回投与量
400mg
400mg
400mg
400mg
400mg
400mg
400mg
投与間隔
12 時間毎
8 時間毎
12 時間毎
8 時間毎
12 時間毎
12 時間毎
12 時間毎
1日投与量
800mg
1,200mg
800mg
1,200mg
800mg
800mg
800mg
400mg
8 時間毎
1,200mg
50mg/kg
400mg
10mg/kg
(400mg を超えないこと)
4 時間毎
12 時間毎
12 時間毎
24g 以内
800mg
800mg を超えな
いこと
* メトロニダゾールとの併用
†効能・効果に示した病原菌によるもの(
「効能・効果」参照)
** 曝露が確認又は疑われる場合,可能な限り早急に投与を開始すべきである。この投与量はヒトにおけるシ
プロフロキサシンの血中濃度を基に設定されている。投与期間は曝露後 60 日間である。
小児投薬ガイドライン
感染症
投与経路
投与量
投与間隔
複雑性尿路感染症
腎盂腎炎
(1~17 歳)
静脈内
6~10mg/kg(最高 400mg:51kg 以上の
患者でも最高量を超えない)
8 時間毎
経口
10~20mg/kg(最高 750mg:51kg 以上の
患者でも最高量を超えない)
12 時間毎
肺炭疽
(曝露後)
静脈内
10mg/kg(最高 400mg)
12 時間毎
経口
15mg/kg(最高 500mg)
12 時間毎
(2009 年 2 月現在)
2.海外における臨床支援情報
妊婦に対する海外情報(FDA,オーストラリア分類)
本邦における使用上の注意「妊婦,産婦,授乳婦などへの投与」の項の記載は以下の通りであり,FDA,オーストラリ
ア分類とは異なる。
【禁忌】
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(ただし,炭疽に限り,治療上の有益性を考慮して投与すること.)「妊婦,
産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
【使用上の注意】「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]授
乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[母乳中へ移
行することが報告されている。]
分類
FDA:Pregnancy Category
C(2009 年 8 月)
オーストラリアの分類(An Australian categorisation of risk of drug use in pregnancy)
B3(2009 年 8 月)
89
ⅩⅡ.参考資料
参考:分類の概要
FDA:Pregnancy Category
C:Animal reproduction studies have shown an adverse effect on the fetus and there are no adequate
and well-controlled studies in humans, but potential benefits may warrant use of the drug in
pregnant women despite potential risks.
オーストラリアの分類:
(An Australian categorisation of risk of drug use in pregnancy)
B3:Drugs which have been taken by only a limited number of pregnant women and women of childbearing
age,without an increase in the frequency of malformation or other direct or indirect harmful
effects on the human fetus having been observed.
Studies in animals have shown evidence of an increased occurrence of fetal damage, the
significance of which is considered uncertain in humans.
小児等に対する記載
本邦における使用上の注意「小児等への投与」の項等への記載は以下のとおりであり,米国及び欧州の添付文書とは異
なる。
【禁忌】
小児等(ただし,複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,囊胞性線維症,炭疽の患児を除く)[「小児等への投与」の項参照]
【使用上の注意】小児等への投与
(1) 関節障害が発現するおそれがあるので,本剤の投与についてはリスクとベネフィットを考慮し慎重に判断すること。
[複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者を対象とした臨床試験において,関節症と判断された被験者の割合はシ
プロフロキサシン 9.3%(31/335 例),対照薬 6.0%(21/349 例)であった。また,動物実験(幼若イヌ,幼若ラ
ット)で関節異常が認められている。]
(2) 低出生体重児,新生児又は乳児に対する安全性は確立していない。
出典
米国の添付文書
(2009 年 2 月)
記載内容
Pediatric patients (1 to 17 years of age):
Complicated Urinary Tract Infections and Pyelonephritis due to Escherichia coli.
NOTE: Although effective in clinical trials, ciprofloxacin is not a drug of first
choice in the pediatric population due to an increased incidence of adverse events
compared to controls,including events related to joints and/or surrounding
tissues.
Ciprofloxacin, like other fluoroquinolones, is associated with arthropathy and
histopathological changes in weight-bearing joints of juvenile animals.
Adult and Pediatric Patients:
Inhalational anthrax (post-exposure): To reduce the incidence or progression of
disease following exposure to aerosolized Bacillus anthracis.
欧州の SPC
The use of ciprofloxacin in children and adolescents should follow available
(2008 年 10 月 23 日) official guidance.
Ciprofloxacin treatment should be initiated only by physicians who are experienced
in the treatment of cystic fibrosis and/or severe infections in children and
adolescents.
90
ⅩⅢ.備考
ⅩⅢ.
備
考
その他の関連資料
IF-CIP-1511-27
L.JP.MKT.FF.12.2015.0167
91