あん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る 療養費の不正請求について 広島県後期高齢者医療制度に加入する被保険者が,国家資格を有するあん摩・マッサー ジ・指圧師からマッサージの施術を受けた時,その施術が医療保険適用範囲内であれば, 費用額から自己負担金額を除いた金額が申請により療養費として支給されます。 このたび,広島市内にあるマッサージ業務営業所の経営者が,不正に療養費を請求し, 受給していたことが判明しました。 1 不正請求の概容 (1)不正請求を行った者 広島市中区江波西二丁目 田中 祐介 (株式会社ネクストイノベーション 代表取締役) (2)不正請求額 66,057,097円 (3)返還対象月 平成24年6月~平成26年10月 (被保険者202名,延1,764件) (4)不 正 内 容 ① 施術師名の申請書への虚偽記載 療養費支給申請書に記載する施術師名欄に,実際に施術を行った施術師とは異 なる施術師名を記載し,不正な申請内容により保険請求を行った。 ② 施術師住所の申請書への虚偽記載 保健所へ届け出る「出張施術業務開始届」等の施術師住所欄に居住実態とは異な る架空の住所を記載し,当該住所を療養費支給申請書へ記載したことにより,往療 距離の水増しを行った。 ③ 往療料算定基準を満たさないもの 保健所へ届け出る「出張施術業務開始届」等の施術師住所欄に居住実態とは異な る架空の住所を記載したことにより,本来医療保険が適用されない施術(施術師住 所から施術場所までの距離が16キロを超える)について保険請求を行った。 ④ 施術場所の虚偽記載 複数の被保険者が同一の介護施設等に居住しているにもかかわらず,施術場所 を各戸で行ったように療養費支給申請書に記載し,不正な申請内容により保険請 求を行った。 広島県後期高齢者医療広域連合 ※ 往療料について 往療料は,歩行困難等,真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受ける ことが困難な場合に,患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に,施術所所在地又は施術 師の住所地から患者の家までの直線距離で算定します。なお,起点住所から施術場所までの距離が 16キロを超えた場合は保険適用外となります。 同一家屋で同じ時間帯に複数の患者が施術を受けた場合,往療料を算定できるのは一人に対して のみです。 2 広域連合としての対応 平成27年5月8日付でマッサージ業務営業所の経営者を代理受領取扱中止(5年間) としました。 平成27年7月23日,不正請求額66,057,097円については,マッサージ業務 営業所の経営者を債務者とした損害賠償債務承認弁済契約公正証書を交わし,返還を求 めました。 今後,広島県警に対して被害届を提出することを検討しています。 ※ 療養費の代理受領について 療養費は原則,被保険者本人からの申請に基づく償還払いにより支給されます。 しかし,患者等の負担軽減と利便性の向上のため,施術を受けた際に患者は施術所に一 部負担金のみを支払い,事後に療養費支給申請の手続き及び給付金の受領を施術所に委 任する,代理受領による委任払いの取扱いを,広島県後期高齢者医療広域連合では認め ています。 3 広域連合長のコメント 不正請求があったことは,誠に遺憾であります。 今回のような不正請求事案に対しては,厳正に対処していくとともに,療養費の適正化 業務を進めて参ります。 広島県後期高齢者医療広域連合
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