平成27年4月 さいたま商工会議所 中小企業景況調査報告書 (要約版) 【2015年1-3月期/さいたま市域】 さいたま商工会議所 《調査結果のポイント》 中小企業の業況は、このところ悪化しているものの、先行きに改善の動き がみられる。 ・ 全産業の業況判断DIは、マイナス幅がやや拡大した。(▲14.9→▲17.1) ・ 全産業の売上額DIは、マイナス幅が拡大した。(▲9.1→▲18.7) ・ 全産業の経常利益DIは、マイナス幅が縮小した。(▲29.8→▲21.1) (1) 全産業の業況判断DIは▲17.1(前期差▲2.2 ポイント)となり、マイナス幅はや や拡大した。産業別では、特に製造業が▲50.0(前期差▲31.8 ポイント)とマイナ ス幅が大幅に拡大した。 来期(2015 年 4-6 月期)の全産業予想業況判断DIは、▲10.6(前期差+6.5 ポイ ント)とマイナス幅が縮小する見通しであり、特に製造業ではマイナス幅が大幅に縮 小する見通しとしている。 (2)全産業の売上額DIは、▲18.7(前期差▲9.6 ポイント)とマイナス幅が拡大した。 産業別では、製造業は▲41.7(前期差▲32.6 ポイント)でマイナス幅は大幅に拡大し、 非製造業はマイナス幅がやや拡大した。非製造業のうち、建設業は+33.3(前期差+39.2 ポイント)とプラスに転じたものの、卸売業は▲50.0(前期差▲25.0 ポイント)と二 期連続で、小売業は▲31.3(前期差▲12.8 ポイント)、サービス業は▲14.8(前期差 ▲10.0 ポイント)と、いずれもマイナス幅が拡大した。 (3)全産業の経常利益DIは、▲21.1(前期差+8.7 ポイント)とマイナス幅は縮小した。 産業別では、製造業は▲33.3(前期差+21.2 ポイント)とマイナス幅が縮小し、非製 造業は▲32.1(前期差▲3.0 ポイント)とマイナス幅がやや拡大した。 (4)原材料仕入単価DIは、全産業で+22.8(前期差▲8.6 ポイント)とプラス幅は縮小 した。産業別でも製造業、非製造業ともにプラス幅が縮小した。 (5)全産業の資金繰りDIは、▲12.2(前期差▲3.9 ポイント)とマイナス幅が拡大した。 (6)今期設備投資を実施した企業割合は、全産業で 24.4%(前期比▲3.7%)で、来期設 備投資を計画している企業の割合は、26.8%と今期実績値を上回る計画となっている。 (7)従業員数過不足DIは、全産業で▲20.3(前期差▲1.3 ポイント)と「不足」感がや や拡大した。製造業では▲8.3(前期差▲8.3 ポイント)で「不足」に転じ、非製造業 は「不足」感が縮小したものの、建設業、小売業では「不足」感が拡大した。 (注1)DIとは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、 「増加」 ・ 「好転」したなど とする企業割合から、 「減少」 ・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた値である。 [調査要領] 本調査は、さいたま商工会議所管内の景気動向を把握するために、会員事業所の協力を 通して四半期毎の景況をアンケートの方法によって調査し、集計値をDI(注)で示した ものである。 (1)調査対象期間 平成27年1月1日~3月31日 (2)調 査 時 期 平成27年3月1日~3月31日 (3)回 収 状 況 さいたま商工会議所の会員事業所で調査対象数276のうち有効 回答数123(有効回答率 44.6%) 1 1.業況判断DI(「好転」-「悪化」前期比) (1)全産業 2015 年 1-3 月期の全産業の業況判断DIは▲17.1(前期差▲2.2 ポイント)となり、前期に比べ てマイナス幅がやや拡大した。 来期の全産業予想業況判断DIは▲10.6(前期差+6.5 ポイント)とマイナス幅が縮小する見通し であり、製造業、非製造業がともにマイナス幅は縮小する見通しとしている。特に製造業では▲16.7 (前期差+33.3 ポイント)と大幅に縮小する見通しとしている (2)産業別 製造業の業況判断DIは▲50.0(前期差▲31.8 ポイント)で、マイナス幅が大幅に拡大した。 非製造業は▲20.1(前期差▲0.4 ポイント)となり、マイナス幅がやや拡大した。非製造業のうち、 建設業が+33.3(前期差+21.5 ポイント)でプラス幅が拡大した。卸売業は▲83.3(前期差▲33.3 ポイント)でマイナス幅が大幅に拡大した。小売業は▲15.6(前期差+10.3 ポイント)でマイナ ス幅が縮小し、サービス業は▲14.8(前期差▲0.3 ポイント)でマイナス幅がやや拡大した。 2.売上額DI( 「増加」-「減少」前期比) (1)全産業 2015 年 1-3 月期の全産業の売上(加工)額DIは、▲18.7(前期差▲9.6 ポイント)とマイナ ス幅が拡大した。 (2)産業別 2 製造業は▲41.7(前期差▲32.6 ポイント)でマイナス幅が大幅に拡大した。非製造業では▲15.7 (前期差▲2.1 ポイント)でマイナス幅がやや拡大した。非製造業のうち、建設業は+33.3(前期 差+39.2 ポイント)とプラスに転じたものの、卸売業は▲50.0(前期差▲25.0 ポイント)と二期 連続で、小売業は▲31.3(前期差▲12.8 ポイント)、サービス業は▲14.8(前期差▲10.0 ポイン ト)と、いずれもマイナス幅が拡大した。 3.経常利益DI(「好転」-「悪化」前年同期比) (1)全産業 2015 年 1-3 月期の全産業の経常利益DIは、▲21.1(前期差+8.7 ポイント)でマイナス幅は 二期連続で縮小した。 (2)産業別 製造業は▲33.3(前期差+21.2 ポイント)とマイナス幅が縮小し、非製造業においては▲32.1 (前期差▲3.0 ポイント)とマイナス幅がやや拡大した。非製造業のうち、卸売業は▲83.3(前 期差▲33.3 ポイント)とマイナス幅が拡大したものの、建設業は▲8.3(前期差+3.5 ポイント) 、 小売業は▲21.9(前期差+0.3 ポイント)、サービス業は▲14.8(前期差+17.5 ポイント)と、そ れぞれマイナス幅が縮小した。 4.原材料仕入単価DI( 「上昇」-「低下」前年同期比) 3 原材料仕入単価DIは、全産業で+22.8(前期差▲8.6 ポイント)とプラス幅が縮小した。産業別で は、製造業は+41.7(前期差▲31.0 ポイント) 、非製造業は+29.2(前期差▲0.5 ポイント)といずれ もプラス幅が縮小した。非製造業のうち建設業は+66.7(前期差+7.9 ポイント)、卸売業は+33.3(前 期差+8.3 ポイント)でプラス幅が拡大、小売業は▲9.4(前期差▲16.8 ポイント)でマイナスに転じ、 サービス業は+26.2(前期差▲1.2 ポイント)でプラス幅がやや縮小した。 5.在庫水準DI(「過剰」-「不足」今期の水準) 在庫水準DIは、全産業で▲14.0(前期差+14.6 ポイント)で「不足」幅が縮小した。産業別では、 製造業は▲16.7(前期差+10.6 ポイント) 、非製造業は▲21.4(前期差+16.6 ポイント)といずれも「不 足」幅が縮小した。 6.資金繰りDI(「好転」-「悪化」前期比) 全産業の資金繰りDIは、▲12.2(前期差▲3.9 ポイント)とマイナス幅が拡大した。産業別では、 製造業は▲41.7(前期差▲32.6 ポイント)でマイナス幅が大幅に拡大した。非製造業は▲6.7(前期 差+2.2 ポイント)でマイナス幅がやや縮小した。非製造業のうち、建設業は 0.0(前期差▲11.8 ポイ ント)とプラス幅が解消、小売業は▲21.9(前期差▲10.8 ポイント)とマイナス幅が拡大、サービス 業は▲4.9(前期差+6.4 ポイント)とマイナス幅が縮小、卸売業は±0.0(前期差+25.0 ポイント)と マイナス幅は解消した。 7.借入難易度DI( 「容易」-「困難」前期比) 全産業の長期資金借入難易度DIは▲3.3(前期差▲5.8 ポイント)でマイナスへ転じた。また、短 期資金借入難易度DIは、±0.0(前期差▲3.3 ポイント)でプラス幅が解消した。 8.設備投資動向 今期設備投資を実施した企業の割合は、全産業で 24.4%と前期の実績値(2014 年 10-12 月期、 28.1%)を 3.7%下回った。産業別に見ると、製造業、卸売業、サービス業は前期を下回ったものの、 建設業、小売業は前期を上回った。 来期設備投資を計画している企業の割合は、全産業で 26.8%と今期の実績値を上回っているものの、 前年同期の実績値(2014 年 4-6 月期、26.9%)を 0.1%下回っている。 9.従業員数過不足DI( 「過剰」-「不足」今期の水準) 従業員数過不足DIは、全産業では▲20.3(前期差▲1.3 ポイント)と「不足」感がやや拡大した。 産業別では、製造業では▲8.3(前期差▲8.3 ポイント)で「不足」へ転じた。非製造業では▲19.5(前 期差+8.4 ポイント)と「不足」感が縮小した。非製造業のうち、建設業は▲33.3(前期差▲3.9 ポイ ント) 、小売業は▲25.0(前期差▲13.9 ポイント)と「不足」感が拡大したのに対し、サービス業は ▲19.7(前期差+1.3 ポイント)と「不足」感が縮小し、卸売業は±0.0(前期差+50.0 ポイント)と 「不足」が解消した。 10.経営上の問題点 製造業では「需要の停滞」 、建設業では「材料価格の上昇」、卸売業では「販売単価の低下・上昇難」 、 小売業では「販売単価の低下・上昇難」 、サービス業では「従業員の確保難」が第1位になっている。 第2位には、製造業では「生産設備の不足・老朽化」、建設業では「請負単価の低下・上昇難」 「従 業員の確保難」 、卸売業では「大企業の進出による競争の激化」、小売業では「消費者ニーズの変化へ の対応」 、サービス業では「人件費の増加」「需要の停滞」がそれぞれ挙げられている。 4
© Copyright 2025 ExpyDoc