【「公認心理師法成立を祝う会」村瀬嘉代子会長挨拶】 平成 27 年 9 月 28 日(月)17:00~18:30 於:衆議院第二議員会館 僭越でございますが一言ご挨拶させていただきます、日本臨床心理士会会長並びに日 本心理研修センター理事長を務めさせていただいております村瀬でございます。 お陰様をもちまして、私どもが切望してまいりました「公認心理師法案」がさる 9 月 9 日、参議院本会議において全会一致をもって成立致しました。 今夕は急なご案内を差し上げましたにもかかわらず、心理職の国家資格創設につきま して深いご理解と言葉に尽くせぬご尽力を賜りました国会議員の皆々様はじめ、関係省 庁の方々、並びに関係諸団体の方々にこのようにお運びいただきましたことをまず厚く 御礼申しあげます。 思えば心理職の国家資格化を願い出ましたのは半世紀以上も前のことでございまし た。この間、さまざまな条件、状況が絡み合い、心理職の国家資格を創設することはま ことに入り組んだ多元連立方程式を解くような困難な課題であったかと存じます。 この度、心理職の国家資格化を推進する議員連盟代表をお務めくださいました衆議院 議員河村建夫先生、先生には故河合隼雄先生が日本臨床心理士会会長を務めていらした 時から既に十数年間におよびますが、この心理職の国家資格化について、常に先導的に、 また根気強くご尽力賜りました。 また議員連盟会長代行でいらっしゃいます鴨下一郎先生も同様に、当初よりこの問題 解決を進めて下さり、時に状況にそった指針となる数々のご助言を賜りました。 さらに、議員連盟幹事長をお務めくださいました加藤勝信先生には、具体的にこの問 題解決推進の道筋を適時につけてくださいました。先生の座右の銘とされる「まっとう に、まっすぐに」というお言葉によって、時に戸惑う私どもに勇気を与えていただきま した。 そして、議員連盟の事務局長でいらっしゃいます山下貴司先生は、直接さまざまな方 々のご意見を丁寧に受けとめられつつ、あたかも複雑な多元連立方程式を解くにも似た 作業を進められ、公認心理師法案を起草し、また多方面の調整に粘り強いお力を発揮し てくださいました。 なお、時間の都合もあり、お名前を挙げることは控えさせていただきますが、党派を 問わず超党派的に多くの議員の方々や関係諸団体様より、この問題への深いご理解とご 尽力を賜りました。心より深く感謝し、厚く御礼申しあげます。 さて、この資格問題が長い経過を辿ります傍ら、わが国の心理学はさまざまに多岐に 分化発展して参りました。当初は相互にあまりかかわり合いを持たずにおりましたが、 この資格問題への取り組みを機に、それぞれの領域が相互に特質を認め合い協調協力し ようという気運が生じ、有為な学問的進化発展はもとより、より社会に役立つ心理学の 構築を目指そうと志を共有するに至りました。 心理職の営みは一見定量的には見えがたく、その結果 は即時的に大きな経済効果に結びつくとは申せないもの かと存じます。地味なものでございます。しかし、国民 一人一人が心身共に健康で、それぞれ各人が応分の力を 発揮した生を営むことは、社会の繁栄発展の基でござい ます。その意味で私ども心理職は今後、社会の人々のこ ころの健康の維持と増進に、さらに一層お役に立つ存在 になるべく、協調と調和を重んじつつ研鑽に務めて参る 所存でございます。今後ともご指導、ご鞭撻を賜ります ようどうぞよろしくお願い申しあげます。 まことに率爾ではございますが、御礼の言葉とさせて いただきます。 「公認心理師法成立を祝う会」27.9.28 於:衆議院第二議員会館
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